難攻不落三国伝のレビュー行くぜ!
表は地味な緑のパッケージで裏はなんか安っぽいフォントに地味なスクショとか、
今更言うのもなんだが面白そうに見えないパッケージだなこれ!
難攻不落三国伝は2013年11月27日に株式会社クロンから5800円で発売された3DS用ソフト!
ジャンルはタワーディフェンスだ。
こっちの本拠地に敵が攻めて来るので、敵が通る道に効率よく味方を配置して迎撃するゲームね。
ステージは本編以上の難易度であるエクストラを含めて30以上。
俺は全部ノーミスのパーフェクトでクリアしました。20時間ちょっとかな。
ストーリーは不思議な銅雀の力で三国時代の中国に飛ばされた少年キョウが主人公の三国志モノだ。
明言はされてないがキョウは現代の人間というわけではなく、また別の古い時代から来たキャラみたいね。
パラレルワールドの中国なので登場キャラが美少女になってたり、まあそんなノリ。
キョウが最初に出会う張飛がまず怪力でピンク髪のロリキャラだからな!
この後に劉備や関羽と合流し、
諸葛亮孔明の弟子となったキョウが蜀の軍師見習いとして頑張っていく流れだ。
劉備は巨乳キャラだし諸葛亮孔明は可愛い眼鏡っ子になってるし。
曹仁はヤンキーだし呂蒙は顔に包帯巻いた包帯っ娘。
登場キャラは大体美少女かイケメンになってる。
「桃園の誓い」が「姉妹の誓い」になってたりするアレンジもあったり。
夏侯淵はなんかロボになってた。
いやこれはロボじゃなくてこういう全身鎧なんですよきっと。
戦う時のボイスが「ピピピ」「ギュイーン」とかだけど。
ロボだこれ!
キョウのいかにも主人公っぽいセリフ回しや性格はお気に入り。
困った時に「たはは」とかいつの時代の人間だてめーッ!
いや、古代の人間だったな……。
キョウの微妙にヘタレっぽい声はすげぇキャラにマッチしてる。
声やってるロア健治さんはヴィジュアル系バンドのボーカルの人で他にも色々やってるみたいだが、
この声じゃなかったらキョウはここまで魅力的じゃなかったと思うな。
ギャグパートは笑えるし、戦いの中で少しずつ成長していく姿が本当にカッコいい。
前半のヘタレっぷりと後半の強キャラっぷりが本当にいい。
声優の話をすると、
声を聞いた瞬間に「鼓膜に棒が突き刺さった!」って言いたくなるようなキャラもいるけどね…。
また安易な三国志女体モノか!とツッコミが入りそうだが、
みんなしっかりキャラが立ってるし、シナリオ自体も面白くてかなり楽しんだぜ。
蜀も魏も呉も濃いキャラ揃いで、話自体は三国志の流れなので結構容赦無い展開も待っている。
中盤から終盤の「そう来るかッ?!」という盛り上がりが特に必見。
話の流れが一気に変わって続きが気になって仕方が無かった。そして「マジかよ!」となるエンディング。
俺は三国志そこまで詳しくないので
「桃園の誓い!」とか「やべえ!馬謖が仲間になった!」とかの部分部分での盛り上がりだけだったが、
これは三国志好きな人が遊んだ方がより楽しめる気がする。
馬謖がまたいいキャラなんだこれが。
シナリオデモは結構な人数のキャラが登場するがしっかりフルボイスというのも気合入ってるぜ。
ゲームを進めると30以上あるサブストーリーを見れるようになり、
そちらはシリアスなものもあるが、本編よりギャグノリの強いやりたい放題なシナリオが中心。
ここでの趙雲さんのはじけっぷりは大笑いさせてもらった。
本編だと堅物キャラだったのにここでの裏返った声の演技が最高に卑怯。
キョウ、諸葛亮孔明、趙雲さんが俺のお気に入りキャラ3人です。孟獲も好きだな。
「関羽の料理がマズ過ぎてみんな倒れていく」とか、
一体いつの時代のゲームだよ!みたいなサブストーリーもあるんだが、
キャラの掘り下げにもなってるシナリオも多くてどれも良かったね。
趙雲さんの話と「憂いをのぞく!」かな気に入ってるのは。
シナリオとキャラは面白い反面、タワーディフェンスとしてはあんまりパッとしなかったり。
敵が攻め込んでくるので、敵の通り道に歩兵、弓兵、騎兵、槍兵、術氏、蛮兵の6つのユニットと、
出撃前に3人まで選択できる武将ユニットをマップに配置して城を防衛する内容。
「騎兵は歩兵に強いが槍兵に弱い」などの相性があるので
バランスよく配置したり、何度もプレイして敵の順番を覚える必要がある。
時間経過で溜まるポイントを消費して新しいユニットを設置可能。
武将ユニットは性能が高く、周りの味方ユニットを強化する特性もあるので使い所が大事。
時間経過で溜まる計略ゲージを消費して強力な特技を発動可能だ。
ユニットの種類も少なくオーソドックスな作りだが、
他のタワーディフェンスとは違う最大の特徴は
「一度配置したユニットを動かせる」ということ。
タッチペンでユニットを移動させられるので、守りが薄い場所に他から増援を送ったり、
強力なユニットをあっちこっちに移動させて敵を迎撃したりなんてことが可能。
「騎兵」は移動速度が速いので、逃げた敵を先回りして迎撃!とかもやりやすい。
周りの味方を強化できる武将ユニットを上手く動かして色んなタイプの敵に対応したりとかね。
これはなかなか思い切ったシステムだぜ。
一回配置したら動かせないのがタワーディフェンスの基本なのに。
ただ、難易度が低めなので生かせてる場所は少なめ。
終盤とクリア後のエクストラマップくらいかなあ。
武将ユニットと通常ユニットを成長できる成長要素もあるんだが、
1回に出撃できる武将ユニットが3人で経験値もあまり多く手に入らないため、
20人以上いる武将ユニットは限られたキャラしか使わなくなってしまうし、
あんまり成長させなくてもクリア出来る本編、
稼ぎプレイで最高クラスまで成長させても悪戦苦闘するエクストラと、
成長バランスもあんまり良くない。
配置できるユニットがあまり多くないので限られたユニットでなんとかしなきゃならないバランスと、
ある程度ムチャをしても計略ゲージとユニットの移動と成長要素でカバーできる作りは悪くないんだが、
全体的に大味な作りだ。
エクストラマップはすげぇ難しくてここだけで10時間以上費やしたが、
最後に出るエンドレスステージだけは簡単にカンストしちゃうのでイマイチだったり。
難易度以前に、似たようなマップが延々と続くので単純に遊んでいてダレてくるってのもあるねえ。
またこの地形かよ、って思った。
中盤からは「もうタワーディフェンスはいいからストーリーの続き早く見せろや!続き気になる!」ってなった。
3DSの上画面に表示されるグラフィックもセガサターンのB級ゲームみたいで地味だぜ……。
まあ下画面に表示されるこっちの全体マップを見て操作するから
上画面は基本的に見ないんだけども。
戦闘は最大で8倍速の早送りが可能なものの、
敵が多くなるとかなり処理落ちするので実際は8倍にならないとか(それでもかなり早いが)、
キャラを移動させる時に移動出来る場所と出来ない場所が分かりにくかったり、
ちょいちょい引っかかる部分もアリ。
そんなわけでオーソドックスなタワーディフェンスとしてそれなりに楽しめる内容ではあるが、
タワーディフェンスに慣れてる人だとやはり退屈に感じてしまうと思うし
光るアイデアも生かしきれていなかったりと調整不足感もある。
まあ、逆にタワーディフェンスあんまりやったこと無い人なら丁度いいかもしれないが。
キャラとストーリーも好き嫌い分かれるノリながら
中盤からの後半の盛り上がり含めて面白いんだけど、
シナリオデモ自体がそこまで長くないので描写不足に感じるキャラもチラホラ。
特に「呉」の陣営は出番少なくて残念。
色々な意味で惜しい内容で他人にオススメはし辛いが、印象には強く残った1本。
このご時勢に完全新規タイトルでこれを出してくるクロンはいいね。
本当にオススメはし辛いんだけど俺は好きだし、
もっと話題になっていいし、もうちょっと遊んでる人多くてもいいだろ!と思ったぜ。
今月に3DSDLソフトとして「魏」「呉」の陣営でプレイするシリーズ作品が1本500円で配信予定なので、
こちらも楽しみにさせてもらおう。