SIMPLE1500シリーズ Vol.70 THE ウォーシミュレーション ~人の創りし者達~ D3公式
PSストア SIMPLE1500シリーズ Vol.70 THE ウォーシミュレーション ~人の創りし者達~
2001年8月30日に1500円で発売された
SIMPLE1500シリーズ THEウォーシミュレーション~人の創りし者達~のレビュー行くぞ!
現在は価格戦争によってゲームアーカイブスで309円で販売中だ!
開発はSOL&ベストメディア。THEスナイパーやTHE鬼ごっこのとこだね。
SIMPLEシリーズ初の戦略シミュレーションだ。
SIMPLEシリーズでこの手のジャンルって結構少ない気がする。
本作以外だとTHE戦国武将と、THE美少女シミュレーションRPG、THE地球防衛軍タクティクスくらいかな?
ロクなのがねーな!
ストーリーを追いながらロボットをカスタマイズして19のシナリオをクリアしていく内容で、
登場キャラのセリフはすべてフルボイスだ!
ロボゲー!戦略シミュ!1500円!実に胸踊る要素が満載だ!
シナリオ毎にOPとEDが挟まるという、THEスナイパーでも見られた演出が印象に残る。
まあ、OPムービーはほとんどゲーム画面にエフェクトかけただけで、
EDムービーはキャラの設定画をスライドさせてるだけなんだけども。
ストーリーは簡単に説明すると
最後の大戦と呼ばれる戦争で総人口の半分を失った人類。
国家が消滅し、混沌とした世界を制したのは巨大企業キュリオスだった。
キュリオスによる横暴な支配に対抗するために結成された革命軍が立ち上がった。
「タブロスの戦い」で大敗を喫した革命軍だったが、今も生き残りは抵抗を続けている!
そしてなんやかんやあって4人しかいない主人公のいるチームが
敵の本拠地まで単独で突っ込んで親玉も倒して世界は平和に!
みたいな内容ね。
凄腕でチームをまとめる隊長のロゴス。
トンガリ頭で熱血な主人公のケン。
気の抜けるボイスでプレイヤーを脱力させるメカニックのアレックス。
途中で合流する気が強くて紅一点のジル。
主人公サイドはこの4人で進行するぞ。
MDと呼ばれる2足歩行の戦闘メカを駆って戦う。
こちらはお決まりの「謎の少女」でヒロインのアザレア
SF(すこし・ふしぎ)な髪型をしているが、
別のアングルでもこういう感じなのでこういう髪型として描かれているようです。
システムはオーソドックスなターン制。
通常攻撃の他にスキルポイントを使って連続攻撃や命中率の高い攻撃も可能だ。
スキルポイントは回復しないので使い所が重要。
マップでのグラフィックは大分ショボいね……。
キャラを移動させると直立不動の姿勢のまま上下に揺れて移動するのがシュール。
攻撃をすると3Dによる戦闘デモが挟まる。
ここはカットインもあるしそれなりのデキ。
スキルを使うとカメラアイが赤く発光したり
敵をロックオンして狙い撃つ演出なんかはなかなかロボットモノっぽいぜ!
画面右下に携帯電話の電波アンテナみたいなのが表示されてるのがやや気になるけども!
そしてマシンガンを使うとこうなる。
ちょっと待てよ!敵1体をロックオンし過ぎなんじゃねーの?!
これは「ロックオンできていない」ということなのでは。
シナリオをクリアする度に支援組織から資金援助が貰えるので、
様々な武器や各部位のパーツを購入可能だ。
そしてどっかで見たような読み込み画面である。
俺は面倒が嫌いなので言及は避ける。
ゲーム内容はまんまフロントミッションもどきだね。
ロボットのデザインもそれっぽいしシステムも似てる。
でもほとんどのシナリオで敵が4~5体くらいしか出てこないし、武器やパーツの種類も少ない。
貰える資金が少ないせいもあって、
カスタマイズとは言ってもとりあえず装備してるパーツの上位互換を買っていくだけのプレイに。
パーツには重さの概念があるけど普通に遊んでてまったくオーバーしなかったわ。
敵を味方で囲んで攻撃するとダメージがアップする包囲効果というシステムがあって、
通常攻撃でほとんど体力を削れないボスも
4人で囲んで高火力スキルをぶつけるとHPがMAXでも一撃で倒せるくらいのダメージが出たりする。
極端すぎる……。
このせいでとりあえず囲んでボコるだけの展開。
システムにしろカスタマイズにしろ異常に幅が狭くて考える楽しみが非常に薄い内容だ。
で、ストーリーが面白いかっていうと……。
金髪のライバルに
青い機体に乗ってるちょっと武人っぽい敵キャラ
戦場でめぐり合った謎のヒロインは強化人間。
どっかで見たようなキャラと展開のオンパレードだぜ……。
特にお前はもうちょっと元ネタが分かりにくい服を着ろや!
どっかで見たような展開を延々とやって、
合間合間には伏線っぽいものを張って放置したり、唐突な展開になったり、
エンディングは影の薄かったロゴス隊長がいきなり主人公みたいになって全部話を持っていったり。
いや隊長よりヒロインどうなったんだよ……。
世界を支配する巨大企業とか強化人間とか計画とか、
壮大な割に登場人物がメインキャラ4人とヒロインと敵の幹部数人とラスボスくらい。
世界観に関する描写も驚くほど少ないので話がさっぱり頭に入らない。
もっと小さな戦場を舞台にしたゲームでよかったんじゃないかな……。
ガンダムっぽい話をやりたい!という気持ちだけが先行して
それ以外のすべてが追いついてないストーリーだ。
フルボイスではあるんだが、
「フルボイスなら何でもいいわけじゃない」って感想が出るボイスだったぜ!
特にアレックスな……。
ラスボスのプリキュアおばさんもやたら弱くて拍子抜け。
下手するとステージ1より簡単だぞ最終ステージ。
クリア後はタイトル画面から設定画を閲覧することが可能という謎のこだわり。
この本編に出てこない等身の低いキャラが可愛い!
キャラデザはTHE鬼ごっこと同じ人なんだけどこの絵だと分かりやすいね。
メカのイラストは「未登場」と描かれたものがいくつか……。
もっと作りこむ予定だったんだろうか。
1ステージが短くて手軽に遊べるのは長所と言えなくも無いし、
装甲列車からカメラアイを光らせて登場する敵メカとか、
敵の都市で地面から出現するトーチカとか、
節々の演出や戦闘グラフィックは多少頑張りを感じるが、
全体的には1500円でもつらいデキだ。それっぽいだけのイマイチなゲーム。
例え低予算でも強烈なウリになる要素があったり、最低限のツボを抑えた作りだったりすれば
ただショボイだけのゲームにはならない。
俺はそういうSIMPLEシリーズを数え切れないくらい見てきた。
しかし本作はそういうのが感じられなくて
「それっぽいだけのショボい低予算ゲーム」にしかなってないんだよね。
ロボゲーでOPとEDを毎回入れる!とかやるわりに次回予告ナレーションが無かったりと、
THEスナイパーほど演出にこだわりが見られないし、
作り手の熱量があんまり伝わってこない内容だったぜ。
この「ガンダムがやりたいのは分かったけど何もかもが追いついてない」というのを
悪い方向に突き詰めると……たぶん、「THE男たちの機銃砲座」が出来上がるね……。