王国の道具屋さんのレビュー行くぜ!
王国の道具屋さんは2014年の10月22日に
PUMOから800円で配信された3DS DLソフトだ。
その後、PUMOの解散で配信終了となったが、
現在はフライハイワークスから配信されているぞ。
元々はスマホの無料ソフトで、
3DSに移植するに当たって
グラフィックの一新やアクション要素のある戦闘シーンの追加など、
かなり手の入った内容になっている。
RPGの世界で道具屋を経営をするゲーム。
無名な道具屋さんからスタートして
「王国の道具屋さん」と呼ばれるような立派な店を目指す内容。
主人公は男女から選択可能で、一緒にいるじいやと頑張っていくのだ。
経営パートは非常に単純。
カウンターに売りたいアイテムを置く!待つ!売れる!以上だ!
最初は1箇所しか置く場所が無いが、
お金を溜めればどんどん置ける場所を増やしていける。
経営にはまったく関係ないが、内装を変更することも出来るぞ。
買い物をした客は
何故かカウンター内に代金を投げ込んでいくのでキャラを動かして回収だ!
酷いマナーの客ばかりだぜ……。
小さな子供から大人までみんなが銭投げを使ってくる!
これは主人公の道具屋の知名度が低くて客に舐められているからかな?と思ったが、
店のランクを最高まで上げても銭投げ会計は変わらないままだった。
ひでぇ国に店を構えちまったもんだな!
しかしこのチャリーンという効果音と共にばら撒かれた金を
チャリチャリチャリーンと回収していくのはなかなか気持ちいい。
沢山売れるようになってくると
画面内が次々に金で埋まっていく!じゃりんじゃりん稼ぐぜ!
画面をタッチすることでも回収できるので、面倒な時はタッチで一発回収だ!
タッチで回収も面倒だって?
……うん、実はメニュー画面に切り替えるだけで自動回収されるから、
そもそも拾う必要なかったりするんだなこれが!
アイテムには売れやすさの設定があって、
基本的には単価の安いアイテムほどよく売れる。
3DS本体のフタを閉じている時や、
セーブして終了してゲームをやっていない時でも
じいやが店番をしてアイテムを売ってくれるので
ゲームをやめる前に売れにくいアイテムをカウンターに並べる商法が重要。
ここら辺はスマホの放置ゲーだった頃の名残と言えるね。
経営をしていく上で当然必要になってくるのが商品の仕入れ。
本作ではダンジョンに赴いてモンスターからゲットするのだ!
戦闘用のソロバンでモンスターを殴り倒す商人が出るゲームもあったが、
このゲームの主人公は戦闘能力が無いので傭兵を雇って出撃する。
戦闘は基本的に傭兵に攻撃か防御の指示を出すだけ。
敵モンスターが攻撃をしてきたら防御!攻撃が止まったら攻撃!それだけ!
防御しててもダメージは受けるので、ずっと防御してるわけにはいかないぞ。
モンスターにダメージを与えるとゲージが溜まっていき、必殺技も発動可能だ。
モンスターにダメージを与えるたびにアイテムがばら撒かれるので、
戦闘は傭兵に任せて主人公はアイテムをかき集めよう!
ザコと数回戦闘した後に登場するボスを倒すと
宝箱から大量のアイテムが噴出してジャックポッド状態!
チクワや鉄アレイは混じってないのでザクザクと回収しまくろう。
傭兵は騎士、弓使い、魔法使いの3種類。
モンスターによって弱点となる傭兵が異なり、
モンスターに弱点属性の必殺技が命中すると一定時間動けなくなる。
ゲームが進むと一度に雇える傭兵の数も増えていく。
後半は敵がかなり強くなってくるのでレベル上げも必要だし、
ボスの弱点や道中のザコ敵の組み合わせを踏まえた
フォーメーションを考える必要もあるのだ。
傭兵が全滅するか、主人公にモンスターの攻撃が当たって体力がゼロになると撤退。
勝っても負けても傭兵は成長するし、拾ったアイテムもすべて手に入る。
何度も挑戦すればクリア出来るように出来ていて、戦いも無駄にならない。
戦闘終了時に傭兵が戦闘内容に合わせたセリフを喋るのが地味にいい。
また、主人公をモンスターの目の前に移動させると
傭兵でなく主人公を狙ってくるので、
モンスターの攻撃を傭兵のいない方向に誘導可能。
これをうまく利用すると格上のモンスターでも倒せるので非常に効果的な戦法だ。
しかし主人公は体力が低いので、直撃を食らうとほぼ一撃死!スリリングだぜ!
ボスは複数の傭兵に攻撃してくるのでこの戦法が通じないことも多いが、
ザコ敵での消耗を減らせるのでそれだけでも全然違ってくる。
基本システムは単純だけど、
プレイヤーがちょっと工夫するとそれに見合った結果が出るのがいいね。
素材アイテムのジャラジャラ感と、1回のバトルがすぐ終わるテンポも○。
こうして手に入ったアイテムはそのまま店に並べてもいいが、
王国にある食堂、鍛冶屋、仕立て屋、魔法屋に持ち込むことで
様々なアイテムに合成してもらえる。
この花のズボラ飯みたいな人は食堂のキャロットさんね。実に丸い。
「ふわふわパン」+「ミルク」で「クリームパン」。
「薬草」+「草原の湧き水」で「薬草ドリンク」などなど。
ダンジョンでゲットしたアイテムを元に色々なものを作ってもらえるのだ。
合成したアイテムは高く売れるし、
素材アイテムはジャラジャラ手に入るから作り放題だぜ。
合成は沢山合成したりお店を大きくしたりするたびに増えるレシピを元に行うが、
新しいアイテムはヒントを元に作らないといけない。
「ふわふわ食感にカルシウム満点の飲み物を加えてね」というヒントを元に
「食感はふわふわパンで、カルシウム満点の飲み物はミルクだな!」みたいに、
アイテムの説明文とレシピのヒントを元に組み合わせを試行錯誤。
成功すれば新しいアイテムが手に入って、
以降はリストからすぐ作れるようになるのだ。
4つあるお店の店主はみんなゲーム進行で好感度がアップして
セリフが変わったり特別な会話が発生したりする。
俺のイチオシは仕立て屋のモードさんです。
こうやってゲームを進めているとお店にお客さんから注文がやってくる。
彼女にプロポーズしたいからピッタリの靴が欲しいとか、
初心者向けの剣が欲しいとか、
パーティの主役になれるドレスが欲しいとか注文内容は様々。
具体的なアイテム名は書かれていないので、
注文内容と、アイテムの説明文をしっかり照らし合わせて渡す必要があるのだ。
注文も1回で終わりじゃなくて、
1度注文した人から違う注文が届いたりしてイベントが進んでいく。
最初は初心者向けの剣を注文した人が、段々と高度な装備を注文するようになったり。
注文内容をよく読むとストーリーが繋がっているものがちょいちょいあるのも面白い。
例えば
「怪しい覆面のおじさんがうろついてるからやっつける武器が欲しい!」
という子供の注文と、
「覆面をして王国の平和を守る仕事をしてるけど、
なんか近くの子供からめっちゃ攻撃されるから防具が欲しい」
という大人からの注文が別々にあったりね。
で、子供には攻撃アイテム、
大人には防具を売りつけることでイベントが進行して俺の店も儲かる。
これ知ってる!死の商人ってやつだ!
この注文に答えていくのが道具屋を経営してる感があって楽しいんだよなあ。
注文内容とお礼の手紙の断片的なテキストで語られるストーリーもいい。
非科学的なものは一切信じない科学者のアンブレから届く非科学的な注文と、
妹のために色々なものを用意するカルチェラタンの注文がお気に入りです。
特にアンブレの話は、
アンブレの一方的な視点から書かれた注文以外に何も語られないとこが大好き。
色んなアイテムが必要になってくるが、
ダンジョンを選ぶ画面ではそこで手に入るアイテムと所持数の一覧が一目で分かるし、
アイテムを合成する時には「○○で手に入るアイテム」というのが表示されるので迷うことはない。
すべてのアイテムには
「○○個売るとステータスの○○がアップ」というボーナス設定がされているので、
経営パートで色々なアイテムを沢山売れば戦闘パートも有利になるというシステムだ。
そんな感じでちゃんとゲーム機向けにパワーアップされてて面白いんだけど、
後半はレシピのヒントがかなり難解になってくる上に
アイテムの種類も何百種類と増えていくので合成がかなり大変。
合成と注文は失敗すると使ったアイテムが消滅するのも含めてしんどい。
ここはもうちょっとヒントゆるくても良かったかな。
注文は内容が面白いだけに過去の注文を読み返したり出来ないのが非常に残念。
テキストが良いだけに勿体無い!
欠点ではないんだが、戦闘パートも経営パートもシステムは非常にシンプルなので、
がっつりした内容を求める人には向かないゲームではあるかな。
一応やり込み向けに特定の条件を満たすと貰える称号ってのはあるんだけど
ほとんど作業系の条件ばかりだからね。
基本的には単純作業の繰り返し。
しかし戦闘にしろ経営にしろ
プレイが無駄にならない作りになっているから遊んでいて手応えがあって、
進行に応じてやってくるお客さんからの注文もいいアクセント。
手軽に楽しめる経営ゲームとしてはかなり良くできてる。
ゲームテンポの良さとお金やアイテムのジャラジャラ感が気持ちいい1本だ。
全レシピと全注文埋めるまで遊んだぞ。楽しかったわ。