Never Aloneのレビュー行くぜ!
Never Alone | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト
Never Aloneは2014年の12月11日にPS4で配信された1500円のダウンロード専用ソフトだ!
海外タイトルで日本での配信メーカーはユニティ・ゲームズジャパン。
PCやXBOXONEでも配信されているぞ。ONE版を配信しているのは別メーカーのようだ。
イヌピアット(アラスカの先住民)の伝承民話である「クヌーサーユカ」をモチーフにしたアクションゲームで、
アラスカの先住民コミュニティとの協力で製作されたというかなり珍しい1本。
アクションゲームを進めるとイヌピアットの文化を解説したインタビュー動画がアンロックされていくという
これまた変わった仕様だ。
ゲームを使ってイヌピアットの文化を伝えていくという試みから生まれたのが本作である。
プレイヤーキャラは女の子とホッキョクキツネの2人。
女の子はボーラという飛び道具攻撃が可能で、
キツネには壁を駆け上ったり精霊を具現化する能力がある。
状況説明のナレーションを聞きながら、
この2人を切り替えて道を切り開いて進めていくパズルアクションだ。2人プレイにも対応してる。
キツネで精霊を具現化してその上に女の子をジャンプさせて進んだり、障害物を飛び道具で破壊したり。
吹雪によって足止めされたり、逆に吹雪の勢いを利用して大ジャンプしたり。
大自然を味方につけて突き進むのだ。
精霊はペラペラの平面的な表現で、ちょっとエルシャダイを思い出したな。
木で出来た囲いを動かすことで進行する箇所も。
キツネ焼きを作ってるシーンではないです。
中には規則的に動く氷をタイミングよく避け、動くリフトを乗り継いでいくという、
スーパーイヌピアットブラザーズ的なギミックもあったりする。
操作するキャラの動きがなかなか細かいし雪や氷の表現も美しい。
薄暗い空の下で吹雪に耐えながら進んでいる二人を見ていると、思わず「寒そう!」と声が漏れてしまう。
ホッキョクグマなどの脅威から逃げるパートもあり、ここはヘタなホラーゲームより怖い。
このホッキョクグマの動きがまたリアルでねえ。追われてる時の緊張感がハンパ無いぞ!
鉄拳とかクマトモとか獣王記とか、
ゲームだと親しみのある動物として描かれることの多いクマだが、
「リアルのクマは凶暴だし怖い」というのを思い出させてくれた!
その透明な嵐に混じらず、見つけ出すんだ!
穴に落下したりクマのクマナックルを喰らうと即死するが、
直前からすぐ再開するし、血が出たりといったグロい表現も無いから安心してもらいたい。
ゲームを進めたり、ステージのどこかにいるフクロウをタッチすることでインタビュー映像が解禁。
イヌピアットの文化や風習、出来事に関するもので全24種類。
1つは数分程度で終わる短いものだ。
新しい映像が解禁されると教えてくれるし、
映像はタッチパッドからのメニューでゲーム中にいつでも閲覧が可能。
俺はゲームがやりたいんだ!インタビュー映像なんか後回しだね!クマを出せクマを!
と言いたい人もいるだろうがこのインタビュー映像がまた面白い。
資料映像も多くて単純にインタビュー動画としても面白いんだけど……。
イヌピアットにおける「太鼓」に関するインタビュー動画が解禁された後に、
太鼓をなくした男がゲームで出てくるとか、ゲームの流れとリンクした構成。
インタビュー動画を見ることでゲーム内の出来事がより深く、よりリアルに実感できる。
動画はいつでも見れるけど、解禁されたらすぐ見る事をオススメするぜ。
太鼓に関するインタビュー動画は
インタビューされてるおじさんが実際に太鼓を叩いて歌うくだりがあるんだけど、
歌った後にちょっと恥ずかしそうに「やっちゃあみたが どうだいこりゃあ」って言うところが非常に好きですね。
空にかかるオーロラは死んだ子供の魂で、
オーロラに見つかると頭をちょんぎってサッカーされてしまうという、
喋ってる人は「怖い話じゃないんだよ」とは言うもののめっちゃ怖いよ!って内容のインタビューがあるんだけど、
これが解禁された直後にゲームでもオーロラが襲い掛かってくるステージが登場。
「超やべぇ!首もがれる!」ってなりましたよ!
これはインタビュー動画があるからこその怖さだなあ。
流氷の話や、イヌピアットの人たちが肌で感じている地球温暖化の話なんかも興味深かった。
欠点は途中まではクマが!とか怪しい男が!とか色んな展開があるんだけど、
中盤過ぎくらいからは変化に乏しくなってくるしアクションとしても段々シビアに。
ジャンプする足場や掴まる場所が分かりにくいことが原因の初見殺しも多く、
やや単調に感じてしまう点かな。最後に出てくるアイツの迫力はすごかったけども。
昔話的な超展開をリアルなグラフィックでゲームに落とし込むのを
諦めたっぽいところが1箇所あってそこも残念。斧どこに持ってんだよ?!
クリアまでは2~3時間ほど。
純粋にパズルアクションゲームとして見るとオーソドックスで地味な内容ではあるんだが、
遊んでいてマジで寒そうなアラスカの表現と、
合間合間のインタビュー動画が良い味わいになっているゲームだ。
モチーフとなった伝承民話の「クヌーサーユカ」はイヌピアットの間で語り継がれてきたお話で、
このゲームも語り部による「昔話をしよう」という言葉からスタートする。
まさにこのソフト自体がPS4版イヌピアットの昔話2014エディションと言える内容。
インタビュー動画を聞き、それに関する物語を自分の手で体感できる。
ゲームだからこその構成で非常に意欲的。
興味を持った人は映画1本見るくらいの気持ちでダウンロードしてみて欲しいぜ。