キルカ・ドライブのレビュー行くぜ!
キルカ・ドライブはエープラスが2015年6月4日に配信した3DS DLソフト!
完全オリジナルのトレーディングカードゲームとなっているぞ。
製品版とカードの交換と対戦も可能な体験版も現在配信中である。
これまでアークシステムワークスなどの下請けとして色々出していたエープラスだったが、
今年になって自社パブリッシングを開始。本作が2本目というわけだ。
1本目がなんだったかもうタイトルも忘れてしまったが、2本目のキルカドライブに関してはなかなか面白かったぞ!
舞台は最新技術が集まる先進都市に指定されたとある町。
そこにやってきた最新カードゲーム「キルカ・ドライブ」。
銃のようなアタッチメントで戦う先鋭的な内容に子供、大人問わずブームが加熱していく。
中学生である主人公(名前選択可能)とその仲間達の間でもキルカ・ドライブは広がっていくが、
その裏には恐ろしい陰謀が潜んでいた……!
というようなストーリーだ。
同じメーカーのロクイチアンリミテッドがアレだったので、
これもメインキャラ全員が何の積み重ねもなく唐突にラストで生きたままカードにされるオチとかではと思っていたが、
手堅く王道的にまとまった明るいシナリオで本当に良かった。
先進的な匂いがぎゅんぎゅんします!
このキルドラはエプラ社というメーカーが開発しているという劇中設定である。
どこかで聞いたようなメーカー名ですな……!
ロクイチアンリミテッド絶対に許さねぇぞエプラ社!
劇中のキルカドライブはまだ試験運用中なのでアタッチメントは無料で配ってるし、
カードもバトルで溜まるポイントで手に入るという描写になっている。
カードバトルは20枚のカードで作成したデッキで行う形式。
1部のカードを除いて、基本的には1枚ずつしかデッキには入らない。
昼夜の大火事でデッキを全部埋めたりは出来ないのだ。
カードは大きく分けて4種類。
相手を攻撃できるユニットを召喚する「キルカ」。
ユニットの強化や相手への直接攻撃などのサポート効果を持つ「マジカ」。
場に伏せておくと、特定の条件下で自動発動して特殊な効果を与える「スペカ」。
大きなリスクと引き換えにユニットの攻撃力を大幅に上昇させる起死回生の「ソルカ」。
以上となっている。
ミもフタも無い言い方をすると「キルカ」が「モンスターカード」。
「マジカ」が「魔法カード」、「スペカ」が「罠カード」ということですね!
バトルは999からスタートするマスターキャラのLPを先にゼロにした方が勝ち。
フィールドにはユニットを召喚できる場所が3箇所ずつあるので
ここにどんどんキャラを召喚してマスターを攻撃!
召喚したユニットは目の前の相手にしか攻撃できないため、
ユニットのステータスと敵の布陣を考えて召喚しないとダメだぞ。
カードゲームだがバトルはリアルタイムで進行。
時間経過で溜まるコストを消費してカードを使用できる。
プレイヤーの最大コストはレベルで決まり、初期状態はレベル1、最大コスト1からスタート。
コストを最大まで溜めた状態でLボタンを押すとコストをすべて消費してレベルアップ。
これでより強力なカードが使用可能になるしコストが溜まる効率も良くなるが、
当然、レベルアップしてばかりだとカードが使えなくて相手の攻撃を許してしまう。
「コストを消費してレベルアップして最大コストを上げるか?」
「それともレベルアップせずにコストをカード使用に回すか?」
この判断が重要になってくる。
低コストのカードで固めた速攻デッキを作ってみるのもいいね。
通常召喚にはコスト5掛かるが、
コスト1で召喚できるノーツから進化させればコスト3で召喚可能、みたいなカードも沢山あるのだ。
カードは時間経過で1枚ずつ補充されていくが、
コストが最大の時にXボタンを押すことで手持ちのカードを捨てて入れ替えも出来る。
カードはグレイブという場所に捨てられるが、
このグレイブに存在するカードを召喚するようなマジカも存在するのだ。
あえてカードをグレイブに捨て、マジカを使って高コストカードをいきなり召喚!なんてやり方も出来るぞ。死者蘇生!
リアルタイムのカードバトルなのでキャラにはHPと攻撃力の他に「すばやさ」のステータスがアリ。
ユニットはゲージが溜まると自動攻撃。すばやさが高いほどゲージ溜まるのが早いので重要なステータス。
すばやさが高いけど攻撃力が低いカードをマジカでパワーアップしてボコボコにする戦術も強いし、
ゲージ溜まってないユニットを即時攻撃させるカードもあったりする。
パワーアップした敵が攻撃する前に即時攻撃カードで先手を取って潰す!なんてやり方もアリだ。
「リアルタイムのカードバトルということは相当忙しいのでは……?」
という疑問もありそうだが、
実はユニットの攻撃演出やマジカの発動エフェクトが流れてる間は時間が止まるので半リアルタイムかな?
時間が止まってる間も手持ちのカードの確認と使用が可能なので、
個人的にはこれはリアルタイムだけど忙しくなりすぎない仕様として評価したいね。
ゲームバランスの特徴としては、
ユニットカードであるキルカのコストが全体的に高めで、
魔法と罠カードであるマジカとスペカのコストが全体的に低いところかな。
コスト1で「LP200と引き換えにフィールドの全ユニットカード破壊」だとォ?!
ユニットの召喚に反応するトラップで、
召喚されたユニット以外をすべて破壊するけどユニットの持ち主のLPを半分にするだとォー?!
他にもかなり豪快な能力のカードがお買い得コストで勢揃い。
マジカやスペカを無効化する除去カードもちゃんと存在するのでデッキには必須。
全体的にカードゲーム好きな人がしっかり作ってるような手触り。
コスト管理とマジカ、スペカの使いどころを見極めるのが面白いし、
使いどころが難しい一発逆転系のカードが多いのもいいね。
どうやってそこまで繋げるかのデッキ構築が腕の見せ所。
基本的に1試合もそこまで長引かないのでテンポも良好だ。
ストーリーはNPCと戦いながら「○○へ行け」「○○へ探せ」を繰り返すだけなんだが、
出てくる登場キャラがアホな連中ばかりなのでこちらもなかなか楽しい。
メインキャラだと後輩キャラのサンゴが好きだなあ。
ラスボスもクリア後イベントが面白すぎる。
こちらはストーリーに一切絡まない校長先生。
多数出てくる名無しのモブキャラがどれも異様にキャラ立っているのも特徴。
俺のお気に入りはこの幼稚園児ですね。インリョクちゃんみたいな口しやがって!
どこの悪党だよ!
ヒロインなのに悪役顔の悪役っぷりがマジハンパないナナセ。
なんていい顔しやがる……!
たまにちょっと時代を感じる表情表現が挟まるのがキルカドライブの特徴です。
ユウナだけやたらオーソドックスに可愛いんだけど描いてる人違うんだろうか……。
そんなわけで完全新規タイトルとしてはなかなかの力作なんだが、欠点も多し。
まずなんといってもCPUの弱さ。
明らかにおかしいタイミングでハイリスクなカードを使って自爆したりと目に見えてヘボい。
ボス格の連中は強いんだけど、「アホだけどチート性能のカードを連続で使ってくる」という強さなのでね。
ローカル通信のみでオンライン対戦が無いのでこのCPUの弱さは物足りないぜ。
カードの絵柄がかなり小さい上に全体的に地味なのも気になった
マジカやスペカカードはちゃんとそれっぽい書き下ろしイラストなのは良いんだけどこれも小さいし、
キルカは戦闘中のチビキャラのグラフィックをそのまま使ってるので非常に地味。
まあ、この2点は中小メーカーの800円の完全新作に要求するのはツラいところではあるんだが……。
オンライン対戦さえあればなぁ。
他にはカード販売機でカードを買う時に1枚ずつしか買えない、
一度バトルが始まると抜けられず、負けるとリトライ不可能で即タイトルに戻されるバトルが多い。
ダブったカードの使い道が他のプレイヤーと交換する以外に無い、などかな。ここは普通に欠点。
痒いとこに手が届いてない部分が多い。
個人的にはカード販売機でレアカードを引いた時に特別な演出が何も無いのと、
劇中で買えるブースターに名前がついてなくて
「第2弾ブースター」「第3弾ブースター」とか超そっけないのが気になった。
劇中だとキルカ・ドライブは試験的に展開しているカードゲームなので、
ブースターに名前が付いてないのもおかしくはないんだが、
でもやっぱりそれっぽい名前をつけて欲しかった!
第1弾ブースターは基本的なカードが揃ったモンスター&マジック!
第2弾ブースターは特殊なモンスターの多いマジカルワールド!
第3弾ブースターは上級者向けのカードを多く含んだストレンジ・カインド!
とかそういうワクワク感がもっと欲しかったんですよ!
システム面はよく出来ているし、
立体視にしっかり対応していたり、一枚絵が結構あったり、
クリア後にも色々イベントが用意されていたりとスタッフの気合も感じられて、
ゲーム部分だけなら十分良ゲーなんだが色々と惜しい一本!
せめてオンラインが……!オンライン対戦さえあれば……!
最近はめっきり少なくなったトレーディングカードゲームのソフトで
こういう完全新作の力作が出てくるのは嬉しかったし、
エープラスは面白いゲームを作れるメーカーだと信じていたので
今度はちゃんとした内容だったのもホッとした。
カードゲーム好きな人は挑戦してみて欲しいぜ!キルカ・ドライブ!
https://www.youtube.com/watch?v=3ecbgTfETf0
しかし公式の開発者対戦動画が楽しそうでうらやましい……!