SIMPLE2000 THEお姉チャンバラのレビュー行くぜ!
2004年8月26日に発売されたSIMPLE2000シリーズ61番目の作品だ。
開発はお馴染みタムソフト!
これ出すまではのタムソフトはスポーツとレースゲーム中心で、
3DのアクションはTHE合戦関ヶ原とかいうみんなが早く忘れたい作品しかなかった。
本作以降、SIMPLEシリーズで様々なB級ノリの3Dアクションを手がけるようになったので、
タムソフト的にも転機になった作品と言えるかも。
まあ、もともと闘神伝を作ってたメーカーなんだけどさ。
内容はテンガロンハットとビキニのお姉チャンを操作して、日本刀でゾンビを切り刻む3Dアクションゲーム!
このド直球なB級っぷりがウケて本作は7万本のスマッシュヒット。
以後、シリーズ化されフルプライス作品になり、まさかの実写映画化にマンガ化、フィギュア化も果たす。
2014年にはPS4でシリーズ10周年記念作品である
「お姉チャンバラZ2~カオス~」が発売されたのは記憶に新しいが、
今回あえてレビューするのは記念すべき1作目だ。
「オネエチャンがチャンバラ三昧。血みどろ剣劇アクション!」
「この死にぞこないが!紅く、そして美しく戦え!」
「華麗にセクシーに斬り捨てるのだ!」
このパッケージ裏のテンションの高さよ!キレッキレ!
「大小様々なゾンビが、嫌になるほど登場!」
という売り文句なんだか自虐なんだか分からん文章もイイ。
実際遊ぶとマジで嫌になるぞ!
全6ステージで4つの難易度が存在するストーリーモード。
無限に沸いてくるゾンビと戦い続けるサバイバルモード。
この2つがメインで、
各ステージで条件を満たすと項目がチェックされていくクエストというやりこみ要素もある。
ザコ敵を倒しながらステージを進んでボスを倒せばクリア。
途中で柵に閉じ込められてザコを全滅させないと脱出できない箇所や、
ステージのどっかにある鍵を見つけないと通れない扉などもある。
□ボタンによるコンボ攻撃で敵を切りまくるゲームだが、
この□ボタンによる攻撃が敵にヒットした瞬間にタイミングよく次の□ボタンを押すことで
「COOLコンビネーション」というコンボ技が発動。
通常のコンボ攻撃よりもスキが小さくスピードも速く、威力も格段に強力!
風のようなエフェクトがビシバシ挟まるのも爽快だぜ。
最初はCOOLコンボが上手く出せなくてザコ敵の硬さに苦労するが、
このタイミングを体で覚えて自在に繰り出せるようになるとゾンビがバターのように消えていくのだ。
しかし闇雲に攻撃しているだけではダメで、
敵を攻撃すると「刀に血がついて切れ味が悪くなる」という要素が存在。
これがゲージとして画面に表示されており、溜まれば溜まるほど攻撃が遅くなるし、
最大まで溜まると刀が敵の体に突き刺さって無防備になってしまう。
これを解消するのがL1ボタンでのリロードで、
刀にこびりついた血を振り払ってゲージをリセットできる。
そのまま使うとスキが大きいが、コンボの合間にタイミング良く挟むことでスキを小さく出来る。
また、敵を攻撃して返り血を浴びるか、敵を倒した時にたまに出現する紅い玉を取ることで溜まっていく
「穢れゲージ」がMAXになると暴走状態に。
赤黒いオーラをまとった姿になり、攻撃力が大幅アップ。
敵の攻撃を受けても仰け反らなくなるので、ボスを一方的に攻撃することも可能だ。
しかしこの状態だと体力が減り続ける!
紅い玉を取れば少し回復。
ステージ内でまれに手に入る女神像の破片アイテムを使うか、
ステージ中の特定のポイントにある女神像に触ることで暴走状態が解除される。
いつ暴走するかが非常に重要だ。
○ボタンを押すだけで広範囲を攻撃できる居合い斬りも繰り出せるが、
これも使うたびに体力が減るので多様は禁物。
コンボにしろ暴走にしろ居合いにしろ常にリスクとリターンが付きまとうシステム。
熟練を重ねてスキを減らし、テクニックと経験でリスクを捻じ伏せ、
飛び散る肉片と血の中で華麗に敵を切り刻み、超絶コンボを決めろ!
という熱いゲームだ。
SIMPLEシリーズ完全オリジナルのアクションゲーム第一作目で
ここまで尖ったシステム詰め込んでくるのは凄いなあ。
続編は沢山発売されたが、基本の基本部分はここで完成されている。
「血」がシステムに深く絡んだものになってるのにスタッフのこだわりを感じるね。
墓場に市街地に洞窟に廃病院と、どのステージも薄暗くてホラーっぽい雰囲気満点、
ゾンビはこっちの攻撃で鮮血と共に四肢がバラバラに飛びまくる。
首が吹っ飛ぶくらいなら平然と攻撃してくるし、
下半身だけになってもどうにか蹴り技で攻撃してくる生命力に溢れたゾンビ揃い。
ゾンビも警官やナース、虫にマッチョなど色々なヤツが登場する。
今見ると当時のPS2ソフトとしてはかなりバイオレンス表現強いよなー。
さすがSIMPLEシリーズ初の18歳以上対象ソフト。
カギヅメと鉄球で攻撃をしてくる二人組の学生ゾンビなんてのもボスで登場するぜ。
最新作のお姉チャンバラZ2で
めっちゃ可愛くなって久々に登場したのにはみんなビックリ。
ストーリーは自分の腹違いの妹である咲に父親を殺された女の子、彩が、
復讐のためにゾンビを操る妹と死闘を繰り広げるというもの。
最近だとバカゲーっぽさが強くなってはいるけど
基本的にストーリー自体はシリアスなのよねお姉チャンバラ。
新作出る度によく分からない設定が追加されて
それに関することをひたすら長セリフで喋りまくって、
よく分からないまま終わるストーリーなのがお約束みたいになってるけども!
あたしの名前は、彩。
剣の扱いだけは誰にも負けない
ちょっと変わった女の子よ。
そしてこのTHEお姉チャンバラシリーズ最初のセリフにして最初の迷言である。
「あたしより強い奴がいると思っているのかしら。馬鹿にしないで欲しいわね…」もなかなか。
居合い斬りを沢山使う、暴走したままクリアする、ボスを瞬殺する、などの条件を
ステージ内で満たしてクエストを埋めていくとコスチュームが手に入る。これはギャル風のカラー。
ラスボスの咲もコスの一つとして使用可能。
続編では固有のストーリーと性能を持ったキャラになっているが、
本作ではまだ見た目が変わるだけ。
咲のモデリングは最新作よりこの1作目の方が可愛いような気がする……。
スタッフの気合が感じられる意欲作で今見てもシステムの練りっぷりは凄いと思うが、
ゲームとしてはまだまだ発展途上。
マップが結構広い上に次にどこに行けばいいのか、
どこで鍵を手に入れればいいのかまったく分からない。マップは無し。
画面右上にミニレーダーはあるが大雑把な地形だけでそれ以外に何も表示されない。
ゾンビを全滅させたいがゾンビが部屋の隅とか変なところでフラフラしてることが多く、
ゾンビを探す必要があったりする。
敵が固いのでCOOLコンボのタイミングを覚えるまでは本当に苦労する。
ここら辺が要因で取っ付きが非常に悪く。
初見だと1ステージクリアするだけで壮絶な迷子になって1時間以上掛かることも珍しくない。
慣れるまではとにかくゾンビの群れの中をひたすら歩かされることが多い、
「大小様々なゾンビが、嫌になるほど登場!」というキャッチコピーも納得のテンポの悪さだ!
今プレイするとサクサク繰り出せるんだけど、
COOLコンボのタイミングも結構シビアなんだよなあ。
チュートリアル的なものもほとんど無かったりと突き放した作り。
俺も初代発売当時は魅力をあんまり理解できていなかったと思う。
処理落ちが激しく、肝心のコンボの爽快感を殺いでしまっていたり、
やたら見づらいカメラワークで迷路みたいなところを歩かされる箇所もあったり。
マップを扉に触ると確認無しで画面が切り替わるので、
コンボ中にうっかり触って画面を切り替えてしまう事態も多発。
暴走状態でしか倒せない敵というのが存在していて、
これがちょいちょい出てくるので非常にやっかい。
後のシリーズでは特殊コマンドで出せる技で倒せるんだけど、
本作だと暴走しないと絶対に倒せないので、暴走状態じゃない場合は
周りのザコ敵を延々と倒してゲージ溜める作業を強制させられるのがつらいぜ。
粗は山ほど見つかるしとにかく不親切だが、
久々に遊んでもシステムの尖りっぷりや独特の雰囲気に唸る内容だ。
コンボシステムの深さにハマってやり込むプレイヤーが続出したのも頷ける。
シリーズを代表する名曲である「stand by U」も既にラスボス戦で使用されている。
まさかここから細々と10年続くほどのシリーズになるとはな……!
血みどろ!美女!ビキニ!日本刀!ゾンビ!コンボ!そしてコンボ!
この技術や作りこみが追いついてなかろうが、
とにかく製作スタッフがやりたいことを自信を持って押し出す作りにシビれる。
最近のお姉チャンバラシリーズに足りないのはこれじゃないかな……と少し考えてしまうぜ。
今はもう続編のTHEお姉チャンバラ2や完全版的なTHEお姉チャンプルゥなども出ているし、
フルプライスだが360やPS4やWiiでも遊びやすいシリーズ作品が出ている。
未プレイのユーザーにオススメできる作品ではないんだが、今も忘れがたい1本だ。