絶対SIMPLE主義

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PS2「SIMPLE2000 THE 特撮変身ヒーロー」レビュー!悪の組織が開発したゲームですか?

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SIMPLE2000 THE 特撮変身ヒーロー公式

SIMPLE2000 THE 特撮変身ヒーローのレビュー行くぜ!

ひとっ走り付き合えよ!

本作は2004年9月2日に発売されたSIMPLEシリーズ60番目のヒーローだ。

特撮番組をモチーフにした3Dのアクションゲームで、

自由にカスタマイズしたヒーローorヒロインを操作して12ステージ……いや、全12話を戦い抜く内容。

開発はTHE異種格闘技やTHEミニ美女警官、大奥記などでお馴染みのダフト。

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このゲームはD3パブリッシャーの提供でお送りします。

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最初にヒーローかヒロインかを選択するところからスタート。

ヒーローにすると宇宙刑事や戦隊風のデザインが選択可能。

何故か生身のお爺さんの顔パーツなんかもあったりする。

ヒロインだとサイボーグ風のものから魔法少女っぽいデザインまで色々。

その後はキャラのデザイン、番組名、名前を決める。

名前はカタカナで自由に入力可能だが、番組名は用意された単語を組み合わせて作成する。

自由に入力できるのもいいけど、これはこれで作りやすいから好きですね。

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しかしなんか変な単語ばかりのような……。

「仮面」とか「黄金」とか「特捜」とかあるのはイイ。「ライダー」は無い。

「世紀末」「救世主」の2語があって、

説明書の写真に載ってるヒーローがそれを使った「世紀末 救世主 モイッチョン」なのは突っ込みたい。

キャラのデザインに使えるパーツはゲームを進めると増えていつでも変更できるが、

性別と番組名と名前は一度決めると変更不可能。不便ね。

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入力が完了するとこのように特撮番組風のアイキャッチが作成される。

これはゲーム中にもたびたび挟まるぞ。なかなかテンション上がる。

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買い物に行こうと街まで出かけたら、家に制御棒を忘れて炉心溶融。

愉快なヒロコさん。

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ヒーローモノじゃなくて昭和の広告みたいになった。

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中盤で実は自分が両生類だった事を知って苦悩するけど

それを乗り越えて最強フォームのコモドオオトカゲに変身する。

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ちなみに発売当時に俺がエディットした名前がこれ。

宇宙から飛来した意思を持った金属が、ヒーローの姿になって悪と戦うという脳内設定だった。

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ストーリーは悪の秘密結社「メメデス団」の怪人によって殺された主人公が、

謎の科学者によって救われてヒーローorヒロインになる……というベタベタなもの。

ステージクリア型のアクションゲームで分岐などは無い。

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ステージの間に見た目や必殺技やポーズ、持って行く武器のエディットも可能だ。

使える技を組み合わせて自由にコンボを作れたりもできてなかなか細かいぜ。

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戦闘はパンチ、キック、投げ、武器を駆使してバトル。

最初は人間の姿で始まるが、好きなタイミングで変身可能という分かってる作り。

変身すると体力が全回復するので人間態で粘るのも悪くない。

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戦闘に至るまでのストーリーはほぼすべてテロップで済まされる省エネ仕様。

一応、ナレーションがそれっぽい声で読み上げてくれるのはイイ。

でもストーリー適当すぎるだろこれ!

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敵怪人のゆるい造形や、次回予告のシルエットなんかは雰囲気出ているかな。

怪人がつけてる共通のベルトがモロにショッカーの怪人と同じだこれ!

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本作を語る上で外せないのは2話に登場するナメクジ怪人のナメデスガー。

「ナメーン!」という鳴き声と共に襲い掛かってくるオカマの怪人で、

D3に気に入られたのか別のゲームに参戦したり、

THEミニ美女警官で声が再生されるシーンがあったり、

何故か開発元が違うお姉チャンバラ公式ブログのコメント欄に出没したり。

イロモノ的な人気が高いような、別にそうでもないような怪人である。

まあ、キャラ立ってるからなあ。嫌いじゃないわ!

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システムやノリだけなら面白そうなゲームに見えるんだがこれがかなり辛い。

全12ステージは基本的に戦闘員を2~30人ほど倒す→ボスを倒すの繰り返し。

戦闘員は最初から最後まで弱いのにやたらめったら硬くて時間ばかり無駄にかかり、

その後に出てくるボスは更に硬い上に、攻撃の当たり判定がおかしくて理不尽にボコられること多し。

決めポーズ中にボタン入力で繰り出せる必殺技は使うと体力が減る上に、

敵に与えるダメージより自分の体力が減る分の方が多いという使えなさ。

武器は回数制限のある剣と、時間経過で弾が補充される銃の2種類あるので、

これでハメるのが安定だ。ダメージは雀の涙なのでめっちゃ時間掛かるぞ!

というか、終盤のボス戦はハメ技無しで勝てるように出来ているのかこれ?!

とにかくバカみたいに敵が硬くて純粋に戦ってて楽しくないのが辛いね……。

最初こそ、投げで戦闘員を別の戦闘員にぶつけたり、

ボスのトドメを決めポーズからの必殺技でキメたりするのがちょっと楽しいんだけど、

狭いフィールド内で硬い敵を同じ技で倒し続けるだけという爽快感の無さですぐゲンナリする。

ゲームオーバーになるとタイトル画面に直行。コンティニューやリトライは無い。

ロード時間がいちいち長いのもストレス。

ステージ中に特定の条件を満たすことで必殺技やパーツが増えていく仕様だが、

「クリアタイムがゾロ目の時にクリア」「一歩も動かずにクリア」「必殺技を3回使って敵に当てない」

みたいな理不尽な条件が何十個もあって、しかも出てくるのも色違いや見た目違いの水増しパーツだらけ。

全然パーツが増えないし、苦労して条件満たしても水増しパーツばかりだしでやる気が消滅する。

必殺技にライダーキックもどきや

ギャバンダイナミックもどきがあったりするのはとても良いんだけども。

言うまでもないがグラフィックがSIMPLEシリーズの基準で考えてもかなりショボい。

特に変身シーンや敵が死ぬ時の爆発がショボいのが残念過ぎる。そこは頑張ってくれないと!

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このゲーム、隠しパーツで某ヒーローの……。

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某!某ヒーローのパーツが!存在するんだけど、

条件が全難易度でゲームクリアという地獄そのもの。

この条件を満たせた人間こそ、真のヒーローなのかもしれない。

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ストーリーは狙ってバカっぽくしてるんだろうけど

さすがに展開がゆるすぎて「バカ」ではなく「ふざけているだけ」になっているような。

特にエンディング。

「博士の息子!?ライバルキャラのヤバイダー登場!」とかやったと思ったら、

それっきりヤバイダーの出番が無くて、やっと出たと思ったら死んだりとやっつけ感ある。

まあ、ゲーム部分がもうちょっと遊べるデキだったら面白く感じる余裕はあったと思う。

合体怪人が街を混乱させるくだりはバカバカしくて笑ったし。

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そんなゲームで最後の最後にこんなメッセージが出るのには怒髪天ですよ。

ざっけんな!何が次回作だコラァ!ケンカ売ってんのか!

ちなみに次回作などは発売されませんでした。

ざっけんな!買うからちゃんと出せやコラァ!

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本作の長所としてはOPとEDで流れるボーカル曲。

詩・曲・唄を当時のD3パブリッシャーのえらい人である北本幸寛。

編曲を双葉理保の楽曲全般を手掛けていて

デスクリムゾン2のヒロインの声でもお馴染みのmomoさんが担当。

これがどちらも素晴らしいテーマソングになっていて、

低予算でも頑張って戦うヒーローの悲哀を勇ましく見事に歌い上げている。

SIMPLEシリーズのボーカル曲の中でも屈指の名曲の一つだぜ。

バトル中の効果音も結構好きだな。

敵を殴ったときの音が「打撃音」じゃなくて「衝突音」に近いのが初代仮面ライダーっぽい。

ヒーロー主人公の、もう本当に「いかにも」な演技もお気に入り。

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B級特撮パロゲーを狙った作りだが、さすがにチープさにも限度ってもんがあるわ!

発売当時よりも俺が10倍くらい特撮好きになっているので多少は見直した部分もあるんだけど、

薄っぺらな内容を誤魔化ために水をドバドバ入れてる作りがやはりキツい。

悪の組織が作ったソフトなのかと思うようなゲームバランス。

絶対に許さねぇぞユグドラシル!

アクションゲームとして爽快感がまったく無いのが致命的。

カスタマイズがウリなのにパーツが気の狂った条件ばかりで全然集まらないのが更に致命的。

しかも水増しパーツばかりなのが致命的。ボス戦がかなり理不尽なのも致命的。

思わずゲームなんかやめてパリに豆腐を買いに行きたくなるようなデキ。

システム面は結構ツボを抑えた作りではあるので、

せめてパーツが集まりやすくて敵が豆腐くらい柔らかければ、

エディットやなりきりプレイを楽しむ感じで遊べたと思うんだがなあ。

ゲームとしては下の下……ですね。勿体無かった。