ダマスカスギヤ東京始戦 HD Editionのレビュー行くギヤ!
メーカー:アークシステムワークス
機種:PS4ダウンロード専用ソフト
ジャンル:ロボカスタマイズ ハック&スラッシュ
発売日:2017年2月22日(PS4)2018年3月1日(Switch)
価格:1800円(税込)
ツイッター公式アカウント:@Damascus_Gear
2013年の12月25日にVITAで配信されたダウンロード専用ソフトのHD版。
フルHD対応とFPSの向上、
VITA版のDLCを有料、無料含めて最初から収録しているが、基本的な内容は一緒だ。
開発はエープラス。最近のくにおくんシリーズでもお馴染みだね。
VITA版を過去にレビュー済みなんだがPS4版を再度レビューするぜ。
内容は上から見下ろした視点でプレイする2Dのロボットアクション。
群がる敵メカを薙ぎ倒し、
落としたパーツをザクザクと拾いまくって自分の愛機を強化強化!
拾ったパーツは同じ物でも性能が違ったりするので
理想的なパーツを厳選する作業が止まらないハック&スラッシュタイプのゲームだ。
長所と短所がどちらも「大味」になるような内容だが、結構気に入っている1本だぜ。
無人機械兵器「RAGE(レイジ)」に支配された地上を奪還するために、
人間たちが地下から抵抗を続けている東京が舞台。
新人パイロットである主人公(名前入力可能)が
個性豊かな同僚たちと共に戦い続けるストーリーだ。
設定はかなり絶望的なんだがどこかゆるいノリで、
シリアス展開の合間にも良い意味で外してくるセリフが色々とずるい。
ショップに新製品が入荷する話はもういいよ!
このゲームのストーリーを語る上で外せないのは
何と言ってもオペレーターのミライさん。
最初の自己紹介の段階で
「まったく未来のないこの時代になんとも皮肉な名前ですよね」とかクソ後ろ向き!
やる気ない態度でナビするんだけどたまに素が出たり
段々とデレてきたりするのが実にオモシロ可愛い。
ライバルキャラとして何かと突っかかってくるけど
あんまり強くないリヒトも好きだなあ。
後半のセリフから成長っぷりが見て取れて良いんだわ。
渋いオッサンの大佐に軽いノリの同僚のボーイにと、
会話デモ自体の分量はそこまで多くないんだけどみんなしっかりキャラ立ってて好き。
ミッションは指定された数だけザコ敵を倒す殲滅ミッションから、
ボス撃破ミッション、目的地まで移動するミッション、
防衛対象を守りながら戦うミッション、制限時間耐えるミッションなどなど。
東京や六本木、秋葉原などを舞台にしたものが50種類以上待ち受ける。
プレイヤーが駆る「GERA(ギヤ)」は
頭部、腕部、胴体、脚部、肩、片手武器×2、背中武器×1で構成されていて、
パーツは基本的に敵を倒して入手。ショップでも買えるんだが弱いのでほぼ使えない。
片手武器はショットガン、マシンガン、ライフル、パイルバンカー、チェーンソー。
背中武器はミサイルにグレネードにごんぶとレーザー、衛星レーザー、地雷、
一定時間リミッター解除のオーバードライブなどなど。
そして敵を倒して拾ったパーツにはランダムで特性が付いていて、
機体パーツだったら
耐久力アップ、防御力アップ、スピードアップ、特定の攻撃への耐性などがあるし、
武器だったら
攻撃力アップや貫通攻撃、麻痺攻撃や毒攻撃、クリティカル率アップなどなど。
特定のパーツにしか付かない特性もある。
色の違うレア特性が付いていれば強力なんだけどマイナスの特性も存在するので、
この脚部パーツ、防御力大幅アップの特性が付いてるけど、
スピード大幅ダウンの特性がついてるから使えない!なんてことも。
貫通攻撃の特性と、クリティカル確率アップの特性が付いたショットガンなら
ザコ敵をまとめて倒せるし、
高速回転とマヒの特性が付いたチェーンソーなら
高速で連続ダメージを与えつつマヒを叩きこめる。
パイルバンカー系なら
低確率で相手を一撃死させる「一撃必殺」の特性が存在するので、
高レベルな「一撃必殺」特性の付いたパーツを頑張って手に入れて
夢のボス一撃死を狙うのも楽しい。
エフェクトや効果音などが実にいい塩梅で、
敵メカに攻撃をぶち込んだ時手応えがとにかく気持ち良いんだよなこのゲーム。
敵を倒すとボロボロとパーツが手に入るのでゴミは叩き売って強いパーツだけ残し、
それで強化してまた敵を狩りにいく繰り返し。
ザコ敵は大量に出てくるので
自分なりのカスタマイズでドッカンドッカン破壊していくのが爽快だ。
俺はやはり衛星レーザーやごんぶとレーザーで
敵集団に殺人日光浴をさせるのが好きだぜ!
ミッション中にやられるとゲームオーバーだが、
手に入れたパーツはそのままなので無駄にならないのがありがたい。
ゲームバランスは凄まじく大味で、異常に固い敵が出て来てボコられたり、
敵のレーザーや地雷で一撃死することも日常茶飯事。
ダメージを受けた時の無敵時間が無いため、
連続で直撃を喰らうと体力MAXからいきなり死ぬことも。
しかし体力を全回復させる回復アイテムが安い上に最大で99個持ち込めるため、
きついミッションもこれでどうにかなったり……使う前に即死したりもする……!
パーツ性能のインフレが激しいため、
レア特性が沢山付いたパーツを拾うと急に楽になったりもするし、
前述の通りやられてもパーツは持ち帰られるから着実に強くなれる仕様だ。
なんとも極端すぎるゲームバランス。
ミッションも「ザコを300体倒せ」だの「10分間持ちこたえろ」だのと、
マップを無駄に歩き回らせたり冗長だったりするものが少なくないし、
一緒に出撃する味方が
脳みそをどこかに落として来たとしか思えないレベルのバカっぷりなので、
防衛ミッションがかなり理不尽だったりと色々問題あり。
特に後半戦の新米3人を守りながら戦うミッションは、
ギリギリ敵を倒さないようにして上手く誘導しないと、
敵の出現ポイントに突っ込んで
そのままバタバタし続けて死んだりするから始末が悪いぜ!
メニュー画面も無駄に画面切り替えが多かったり、
アイテムのまとめ売りが出来なかったりとUIが微妙。
手に入れたパーツでレア特性の無いものを自動で売ったりは出来るけどね。
あと、今回のPS4版はFPSの向上をウリにしてるんだけど、
爆発の時にかなり処理落ちするんだよな……。
VITA版の有料DLCである「錆びた英雄と来る歯車 前編・後編」は
本編より強い敵と、本編より強いパーツが次々に登場する後日談。
新キャラであるいかにも「ぐぬぬぬ」とか言いそうな顔のマオもいい味出してるし、
更に加速するインフレに飛び込めるのが楽しいシナリオだ。
ただ、今年2月にVITA版でも配信された無料DLC「英雄創造」はちょっと……。
本編とほとんど同じミッションを、
なんか村人みたいな顔した新しい主人公と新しいストーリーで1からやり直すもの。
ちゃんと同じミッションをやるストーリー上の理由もあるし、
「東京始戦」と続編の「西京EXODUS」の間を補完するシナリオになっていて、
お馴染みのキャラ達のその後の姿が見れたり、
意外な展開もあったりでかなり面白かった。
……が、それはそれとして単純に本編を初期状態でもう一回やらされるのはだるい!
一部じゃなくて本当に全部やらされるからなあ。
評判の悪かった防衛ミッションだと自虐ネタっぽい表現があったりして、
そんなネタやるくらいなら2度もやらせるなや!ってキレたくなる。
後半の展開も無料DLCでやるんじゃなくてしっかり1本のソフトとして見たかったな。
くにおくん×ハクスラである「ダウンタウン熱血物語SP」を開発したエープラスが
過去に手掛けたロボゲー×ハクスラ!それがダマスカスギヤだギヤ!
とにかく良くも悪くも大味さや作りの雑さが目立つ内容ではあるんだが、
ロボゲーでハクスラというのは意外と見ない作りだし
登場キャラもみんないい味出してる。
気が付くと何時間もパーツ集めをしている中毒性があるぜ。
苦戦の末にレア特性が沢山付いたパーツが手に入るとオイル混じりの脳汁が溢れ出す。
ダメな部分はとことんダメなゲームなのでオススメはし辛いが、
エープラスというメーカーを意識した最初の作品なので
思い出深いしとても気に入ってる1本だ。
魅力はしっかりとあるし雰囲気に惹かれたら手に取ってもらいたい!