『おしゃべり!カケジョ!』のレビュー行くぜ!
メーカー:クラウズプレイカンパニー
機種:Switchダウンロード専用ソフト
ジャンル:ランアクションゲーム
発売日:2018/9/13
価格:600円(税込)
クラウズプレイカンパニーが
『おしゃべり!ホリジョ!』に続いて放つオリジナルのアクションゲームだ。
6人の女子がデジタル空間でコインを回収するために走りまくる内容。
穴掘りゲーだったホリジョとまったく無関係のランアクションになっているが、
主人公のアナ・ホリスキーは実況役で続投していて、
とにかくボイス満載で喋りまくる賑やかなノリは健在だ。
タイトルに偽りナシの喋りまくり掘りゲー!ボリュームはやや物足りなさアリ - 絶対SIMPLE主義
ホリジョが気に入っていたので期待と不安混じりで買ってみたんだが、
ゲームとしては色々と厳しい内容だったな……!
本作は実在のダーツの女子プロ選手とのコラボ作品でもあり、
そちらは「DGC(ダーツガールズコレクション)」で確認だ。
舞台はあらゆるものがデジタル化されて、現実とデジタルの境界が曖昧な時代。
暴走したAIが仮想通貨であるドットコインを世界中にばらまく事件が発生してしまう。
そこに挑むのが6人の“カケジョ“。
プロダーツ選手としての精神力と集中力を買われ、デジタル犯罪のエキスパートである
「DGC(デジタル・ガールズ・チェイサー)」にスカウトされた彼女たちが、
仮想通貨を追いかけて世界中を爆走する!というストーリーになっているぞ。
ちなみに彼女たちは現実世界とデジタル世界の両方に存在しており、
走り続けるエネルギーを使って現実世界に実態として居られるという設定なので、
走ることにはちゃんと意味があるのだ。
さっぱり分からん……!
分からんが、とにかくダーツの女子プロ選手が
全力ダッシュしてコインを集めるランアクションで、
それをトレジャーハンターのアナ・ホリスキーが実況するゲームなんだよ!
ボイスあるのはアナだけね!
そんな設定なのにスタッフBというダーツプレイヤーじゃない人も交じってる!
どうやらDGC公式の中の人のようだ。
システムは非常にオーソドックスなステージクリア式のランアクションゲーム。
キャラクターは自動で走り続けるので、
プレイヤーが出来るのはボタンを押してジャンプすることだけだ。
ゴールまでたどり付けばクリアだが、
ステージ内に点在するカギをある程度集めないと後でボス戦に挑めない。
集めたカギは記録されるのでやり込み要素でもあるし、
コインで装備アイテムを買うパワーアップ要素もあるぞ。
ジャンプで穴を飛び越え、コインを連続で取り、
ジャンプ台を使って大ジャンプしてどんどん進んでいくのだ。
最初は1人でスタートするが、
チェックポイントを通過する度に他のカケジョたちと交代していく。
走る速度やジャンプ速度など性能がそれぞれ違うから面白いし、
交代したカケジョは操作キャラの後ろをついてくるので見た目も楽しい。
また、あえてチェックポイントをスルーして
操作キャラを変えないまま進めることも出来る。
基本的に交代するキャラの性能に合わせた地形になっているので
不利になったりクリア不可能になる場面も多いのだが、
ステージによってはそのまま突っ走れる時も。
お気に入りのキャラで頑張ったり、
スピードの速いキャラで最速を目指したりできる仕様。
ここまで読んでダーツ要素が無いと思う方もいるかもしれないが御安心を。
ステージクリアすると落下しながら空中で的を狙い撃つミニゲームが挟まるぞ!
なんて違和感なく自然に挿入されたダーツ要素なんだ……!
エリアの最後では巨大ボスとの戦闘が待っている。
コインと一緒にボスの嫌いな食べ物が配置されているので、
それを取れば取るほどダメージを与えられる仕様だ。
巨大ボスもダーツプレイヤーが元ネタみたいなんだが、
調べてみると割とレジェンド級の成績の人もいて、
こんなふざけたノリのボスにして良かったんだろうかと不安になってくるな……!
ゲームとしては普通だが何といってもホリジョのおしゃべりが楽しい。
「その調子よ!」「動体視力が鍛えられそうね!」「気を抜かないように!」
「カギみっけ!」「天才過ぎるぅ~!」「エジプトはさすがに暑い!」などなど。
とにかくセリフのバリエーションが凄まじく、ステージによる個別セリフだけでなく、
同じ場所でも何種類もセリフがあるし、何も操作していなくても喋り続ける!
キャラ交代のたびに
「マオちゃんはラッキョウが苦手!」「ポヨサヤちゃんはお肉もお魚も大好き!」「真っすぐな性格のマユユユ!」
などと、そのキャラを元気いっぱいに応援したり紹介したりするので、
遊ぶほどにDCGのプロフィールが頭に叩き込まれていく!
このおかげでカケジョのメンバーになんとなく愛着が湧いてくる。
やっぱこの「おしゃべり!」要素がこのシリーズ最大の持ち味だよなあ。
俺はポヨサヤちゃん推し。
一人だけダーツプレイヤーじゃないのでジャンプ力もダッシュ速度も遅く、
ダーツをやるときの落下速度だけは最速で激ムズになるスタッフBも、
ライダーマン的なポジションで逆に存在感があるし、
ゲームスピードがアホみたいに早い後半ではむしろ癒しになってくるね。
そんな内容だが、全ステージ通してカギ、コイン、ジャンプ台、落とし穴くらいしかギミックが無いため、ランアクションとしてはかなり単調。
「とにかくキャラの移動スピードを上げる」
「カギを画面外に置いて初見で絶対取れないようにする」
難易度の上げ方をこの二つだけでやっていて、
似たような地形ばかりだからステージの個性が全然ない。
だというのに全100ステージ以上という大ボリューム。
序盤は本当に楽しいんだけど、中盤くらいからダレまくりでつらさしかない。
後半になると早送りみたいな爆速スピードになるから何度も落下するぞ!
左右に行ったり来たりして鍵を集めるステージがあったり、
ダーツのミニゲームだけのステージあったりと、
変化を付けようとしているのは分かるが焼け石に水である。
リトライが早い点や、連続でコインを取った時の感触も評価点ではあるんだが…。
ジャンプで足場を乗り継ぐランアクションにも関わらず、
ボス戦は「ボスの攻撃で画面がマジで見えない」という反則を平然とやってくる。
これが極まるのがラスボス戦で、爆速で動くキャラを操作してジャンプしてる最中に
画面全体を覆いつくす攻撃を連発してくるのにドン引きした。
稼ぎプレイをしてショップで「スロー+」のアイテムを買えば
かなりマシになるのでどうにかクリアしたが、
アイテムで何とかなる分を差し引いても酷いラスボスだった。
2段ジャンプのアイテムを買って装備しないと、
中盤以降は絶対に取れないカギが山ほどあるとか、
アイテム周りのバランスはあんまり良くないな。
プレイ中のキャラのセリフのフキダシが異様にデカく、
足場が隠れてしまうことが頻発するのもしんどい。
特にゲームスピードが早い終盤はストレス爆発だ。
見えるキーはすべてゲットしてクリアまで9時間ほど。
ごった煮的な企画から生み出された怪作だ。
「おしゃべり!」部分の賑やかなノリは文句無いものの、
ランアクションとしては血を吐きながら続ける悲しいマラソンのような作り。
もうちょっと短くまとまった内容なら全然違ったと思うんだけど……。
色々と残念な1本でした。