『アニマルハンターZ』のレビュー行くぜ!
メーカー:スターサイン
機種:Switchダウンロード専用ソフト
ジャンル:FPS
発売日:2018/11/29
価格:800円(税込)
得体のしれないゲームを沢山出すことに定評があるスターサインの新作。
制限時間以内に動物をひたすら撃っていくガンシューティングだ。
開発は老舗の国内メーカーであるシムスが担当しているので、
実はローカライズではなく完全な国産ゲームである。
Steamで雑に売られているゲームを適当にローカライズしたものではないぞ!
邪気が凄すぎるPV(特にクマのパンチ)に惹かれて買ってみたら、
もうPVそのままとしか言いようがない焦土が広がっていたので、
これはもう買った俺が悪かったという結論になるな……!
突然、島の動物が未知のウイルスに感染したので、
感染した動物を一匹ずつ銃でハントして全滅させろ!という謎のストーリー。
ストーリーはこれ以外に一切語られず、陰謀とか黒幕とかあるわけでもないし、
ウイルスがどっから来たのかも一切不明である……!
感染した動物は紫色のオーラを纏っているから一目で分かるという、
すごく人類に親切で優しいウイルスになっているぞ。
モードはノーマルとハードが選択可能な全6ミッションの1人プレイ。
2P、あるいはCPUと組んで行う協力プレイ。
射撃場で次々に出現する的を撃っていくスポーツシューティングの3つ。
感染して紫色のオーラを出した動物が、静かな環境音と共に
ノシノシと画面内を横断するので、それをどんどん倒していく!
よく見ると感染してない動物も、
感染してる動物と寸分たがわぬ動きで一緒に歩いている!
異様なビジュアルショックにクラクラさせられる。
1人プレイは全6ミッションをぶっ通しでプレイする構成。
1ミッションは1分30秒~3分ほどの長さで、時間内に動物を規定数倒せばクリア。
クリアまでに掛かった時間で評価が変化する作りだ。
武器は攻撃力の高いライフル、攻撃範囲の広いショットガン、
2連射出来るエアライフル、3回だけ使えて広範囲を吹っ飛ばせる手榴弾の4つ。
こちらが出来るのは照準カーソルを動かして撃つことだけ。
その場から動くことは出来ない。
ちなみにジャイロエイムなどという高度な操作は存在しないし、
オプションでカーソルの上下反転設定をすることも出来ないぞ!
照準の移動スピードは調整できるので最低速度がオススメ。
ボタンを押しながらスティック操作することでカーソルの高速化は可能なので、
低速と高速を上手く使い分けよう。
ステージは上下左右に広いので
画面をスクロールさせながら動物を探すことになるのだが、
このスクロールがまたやり辛い……!ガクガクして素早く動物を狙い撃つのが困難だ。
動物のグラフィックは恐ろしくショボいし、
数分で終わるミッション6つしかない上に似たような背景ばかりだし、
操作性が悪いから狙いを付け辛いし、
感染してない動物を撃つと残り時間が減るけど、
背景に完全に溶け込んでるから視認するのが極めて困難だしと……。
ショボい上にゲームとしての完成度も低い。
難易度をハードにするといきなり出てきて攻撃してくる動物のウザさが跳ね上がる。
数発当てないと倒れない牛にクマがしんどい。
クマの攻撃は視線を外すことで回避できるんだが(ノーヒント)、
いきなり空から襲ってくる上に、
視線を外しても高速エイムで追尾してくる鳥もキツくて怒り心頭だ。
動物に対して異なる4つの武器を使い分ける面白さはあるし、
慣れてくるとライフルとショットガンとエアライフルを
高速で切り替えてクマに全弾ぶち込んで瞬殺できるようにもなる。
物凄く頑張って操作性の悪さと画面の見辛さと敵のストレスに目を瞑れば、
動物を撃ちまくる単純な射撃ゲームとして破綻しているほどではないんだが、
このゲーム独自の調整や魅力と呼べるものがゼロ。
手榴弾を喰らってその場でバタバタと横に倒れていく動物たちや、
スッと出てきてツッコミを入れるような動きで謎のダメージを与えてくるクマなどが、
ちょっと笑えるくらいかな……!
ミニゲーム的なスポーツシューティングは射的場なので
画面の見辛さや変なスクロールもなく遊びやすい。
的が出てくるパターンを完璧に覚えて、
最高難易度をSランクでクリアするまで遊んだわ。
とはいえ、これはパターン化する作業が楽しいだけであって、
別にこのゲームがよく出来ているわけではないからな……。
協力モードも画面のスクロールが無くなって多少遊びやすくなるし、
協力モードでCPUを入れるとさりげなく良いアシストをしてくれる点。
銃を撃つ時の振動などは評価できなくないんだが、
とにかくゲームそのものがショボ過ぎてキツいデキ。
これに800円という天文学的な値段をつけて、
Switchのゲームとして2018年に発売するのはどうかしている1本だった……。
しかし、ゲーム内容はPVで完全に把握できるので、買う方もどうかしている。
つまり……誰も不幸になっていないゲームだったな!