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PS4/Switch/Vita「√Letter ルートレター Last Answer」レビュー!島根サイコパス一人旅、狂気の実写ゲーム化!ここまで来たら俺の負け!

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『√Letter ルートレター』公式サイト|角川ゲームミステリー

 

行くぜ……『√Letter ルートレター Last Answer』のレビューだ!

 


メーカー:角川ゲームス

機種:PS4/Switch/Vita/Steam

ジャンル:ミステリーアドベンチャー

発売日:2018/12/20

価格(税込):5480円


 

2016年に角川ゲームスから発売され

全世界40万本以上のヒットとなった『√Letter』という作品がある。

箕星太朗が担当した魅力的なキャラデザに、実力派揃いの声優陣。

島根県とコラボしてロケーションを活かした背景美術に耳に心地良いBGM。

これは良ゲーかと思いきや、シナリオとテキストのデキが凄まじい合体事故で、

単にfeaturing島根の毒物が出来上がっただけだった。

 

その『√Letter』に様々な追加要素を加えたのが本作『Last Answer』だ!

まさかの実写グラフィックや本編のエンディングを補完する後日談『解明編』、

主人公のパートボイスなどを追加し、スキップ機能やUIなども改善した完全版である。

実写ではなくオリジナルと同じイラストにも切り替えられるので、

幸運にも『√Letter』をプレイせずに生きることが出来た人も安心の内容。

オリジナル版はSwitchでは発売されていなかったので、これが恐怖の初上陸となるぞ。

 

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PS4/VITA「√Letter ルートレター」レビュー!合体事故が生んだサイコ主人公が島根を襲う!どうしてこうなった - 絶対SIMPLE主義

 

根本的なゲームとしての評価はオリジナルと同じなので、

そちらは以前書いた俺のレビューを参照ということで。

この記事では追加要素についての紹介をしていくぞ。

 

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まずは何と言っても追加された実写グラフィック!

元々アニメ絵のADVだったものを実写ADVにするというトンデモ企画だが、

モブキャラ含めた90人以上をすべて実写化していて、

あの迷シーンもこの珍シーンもバッチリ実写で再現されているのが圧巻。

ムービーも実写に合わせて作りなおしてるのが凄い。

オリジナルをプレイ済みでもじっくり遊び直したくなるインパクトだ。

 

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ちゃんとキャラの雰囲気に合わせたキャスティングをしているのが素晴らしい。

このゲーム中に散々見ることになる、

智子ちゃんが布団運んでくるシーンの再現度は良い意味で感動したぜ。

 

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元々、『√Letter』の一部のキャラは

実際に島根に居る人たちをモデルにしていたんだが、

今回の実写版ではモデルになっているご本人たちが出演しているものも!

キャプテン!キャプテンじゃないか!マジで本人だこれ。

 

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全体的には凄い再現度なんだが、一部「んん……!?」という人もいたり。

 

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ガッツ!

 

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そして実写になったことで

ストーリーやテキストのヤバさが改めて浮き彫りになった感あるな……。

悪い夢を見ているようだ。

 

主人公であるマックスは文通の中で、

思ったことをハッキリ言うように決意する描写があったし、

登場キャラの過去を暴いていくという構成上、

ある程度ぶっ飛んだキャラにするのも分かるんだけど、

それを考慮してもネジが2光年くらい飛びすぎてる……。

 

まあ、最後まで遊ぶと

「マックスだけじゃなくメインキャラ全員おかしい!」

「シーンとシーンの繋ぎに入るちょっとした会話も大体おかしい!」

ってなるんだがな!

 

あと、登場キャラの過去を暴いて現在の姿と過去の姿が重なるシーンなんかは、

実写だと変化のインパクトに乏しく、現在と過去が繋がってる感が薄いため、

ここはイラストであるオリジナルに軍配が上がるぜ。

 

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実写版の背景は島根の名所の写真をそのまま使っているのも必見。

臨場感があって見ていて楽しいし、オリジナル版の再現度の高さにも感心できるしで、

ここはイラストと実写を両方収録している本作ならではの魅力。

より島根を堪能できるようになったぞ!

 

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島……根……だよな……?

 

 

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後日談である解明編はトゥルーエンドだった「縁結びルート」と、

オチが中途半端だった

「政府の陰謀ルート」「姫が森の姫ルート」「呪いの手紙ルート」

の4つに用意されている。

マックスモードのみで選択肢や移動パートは無く、分量も少ないのでやや肩透かし。

 

本編に影も形も無かった重い設定がいきなり出てきたりと後付け感も強かったが、

まあ、どれもそれなりにオチを付けた話にはなっていたかな。

「呪いの手紙ルート」の構成は新鮮だったし、

全体的にネタなのかマジなのか区別出来ない描写がちょいちょいあるのも

『√Letter』らしいと言えばらしい。

 

最後の最後に流れる新主題歌である「Departure」も、

本作の一番綺麗なところだけを見事に掬い上げた楽曲で、

『完全に解毒された理想の√Letter』とでも言うべき超名曲になっていたぜ。

 

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ただ「政府の陰謀ルート」に関しては、

本編と全然繋がってない上にリアクションに困る謎展開の連発。

いきなり角川ゲームスの『スターリーガールズ』のネタがぶっ込まれたりで、

全然解明編になってねぇ!これは巧妙な隠蔽ですよね。そうですよね!

 

まあ、『√Letter』は存在そのものが狂気のギャグ過ぎて忘れがちだけど、

マルチエンドのADVに付き物のギャグルートが存在しない作品だったので、

今回の「政府の陰謀ルート 解明編」でその辺りを補完したと思えば……。

 

UIやスキップ機能に関しては元々かなり快適だったが、

オリジナルのPS4版とVita版では不可能だった8章のスキップも可能になっている。

より快適になったサイコパス一人旅が待っているぜ。

ボタン一つでイラストと実写を切り替える操作があればもっと完璧だったが、

完成度自体には文句ない。

 

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今回から主人公のマックスの声を新たに山寺宏一が担当しており、

かなり楽しみだったんだが、フルボイスではなく一部ボイスのみ。

「ちょっとした掛け声」「マックスモードのイカれたセリフ」「飯を食った時の感想」

の3種類だけな上に、

頻繁に出てきて印象に残る「ちょっと勘弁してよ」ってセリフが、

ボイスだと「勘弁してくれー」になってるのも大不満だ!

ボイスワード担当の人は島根で勉強しなおして欲しい!

 

山ちゃんの演技も全体的に軽いというか、どう演技していいのか分からない困惑が、

聞いててハッキリ伝わってくるのがある意味凄かったな……。

これは関しては元々が理解に苦しむキャラな上に、

変なセリフだけボイス有りって構成のせいなので山ちゃん悪くない。

 

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こんなセリフ、どういう演技で言えばいいのか分からないよな!

 

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オリジナルの『√Letter』が発売されてから2年以上の月日が流れた。

角川と島根の衝突事故かと思いきや、

様々な機種に移植されて40万本以上の大ヒットとなり、

続編が決定し、アジアでの映像化にハリウッド映画化も決定し、

そして今回の手間のかかった実写版である。

 

「俺は√Letterが大人気のパラレルワールドに迷い込んでしまったのか?」

と思うくらいに信じられない展開の連発で困惑する日々だったが、

改めて遊んでもやっぱりトチ狂ったゲームであり、

サイコパス主人公と共に破綻したシナリオを楽しむバカゲーを求めている人か、

オリジナルの『√Letter』に脳をやられた人以外にはオススメ出来ない。

 

それでも、決して手を抜いて作られたゲームではないし、

今回の実写化に関してもややネタに走った部分はあるものの、

全体的には非常に気合の入った実写化になっている。

ここまで堂々と展開されたら俺の負けと言うしかないぜ。

 

だが角川ゲームスにこれだけは言っておきたい。

俺は貴様に負けたわけではなく、

島根とそこに住む人々に負けただけだということを……!