Nintendo Switch|ダウンロード購入|クリスタルクライシス
『クリスタルクライシス』のレビュー行くぜ!
メーカー:ピッキー
機種:Switch/PC
ジャンル:パズルゲーム
発売日:2019/08/01
価格(税抜):3700円(ダウンロード版)4000円(パッケージ版)
『洞窟物語』『The Binding of Isaac』といったインディーゲームから、
『海腹川背』『コードオブプリンセス』などのアクションゲーム、
『鉄腕アトム』『ブラックジャック』の手塚治虫作品まで。
多数のキャラが参戦している対戦型のパズルゲームだ。
近年では珍しい新作の落ち物パズルで、俺の好きなお祭り作品。
しかも参戦作品の顔触れが色んな意味でカオス過ぎるということで買ってみたぞ。
発売日にダウンロード版を予告なく45%OFFの2160円にするという、
パッケージ版を予約した俺を少しイラッとさせる売り方をし、
最終的にSteam版は値引きなしで2050円なので最安というオチが付いたりもしたが、
まあ、ゲーム自体は結構面白かった!
参戦キャラは20名。
クォート(洞窟物語)
カーリー(洞窟物語)
ボロス(洞窟物語)
アイザック (The Binding of Isaac)
海腹川背(海腹川背)
鉄腕アトム
ブラックジャック
アバン (1001 Spikes)
ティナ (1001 Spikes)
ジム(1001 Spikes)
ソランジュ (コードオブプリンセス)
アクジ (魔王のアクジ)
ナイト (迷宮城ハイドラ)
トンプソン (The TEMPURA of the DEAD)
ズンビー( The TEMPURA of the DEAD )
ジョニーターボ(海外版PCエンジンであるTurbografxの宣伝キャラ)
ヘレン (ブレードストレンジャーズ)
ハンター (オリジナルキャラ)
ニンジャ(オリジナルキャラ)
エリーズ (オリジナルキャラ)
インディーゲームからの参戦キャラが多く、
『洞窟物語』を筆頭に日本のフリーゲームからも多く参戦。
かと思うと海外版PCエンジンの宣伝キャラがいるし、
何故か手塚プロ作品である鉄腕アトムとブラックジャックって超大物がいるし、
古くてもうダウンロードできないゲームがあったりするし……。
ごった煮ってレベルじゃねーぞ!コンセプトが分からんわ!
だがそのカオスっぷりに惹かれて買ったのがこの俺だぜ!
とはいえ、お祭り作品なのに、公式サイトにもゲーム内にも
元の参戦作品のタイトル名がちゃんと全部書かれていないのは、
普通にとてもよくないと思うねぇ。
一部のキャラだけギャラリーモードの解説文で確認できるくらいか。
モードはキャラの会話デモなどがあるストーリーモードがメインで、
様々なルールで遊べるアーケードや、ローカル対戦、オンラインモードに、
ギャラリーやサウンドテスト、ゲーム内実績などの要素もある。
アーケードには5つのモードがあり、
普通にCPUを倒していく「スタンダード」
エンドレスでどこまでCPUを倒せるか競う「サバイバル」
同じ色を3つ以上揃えると消えるルールで戦う「ラインズ」
キャラを2人選んで交代が可能な「タッグチーム」
設置したクリスタルの色が分からなくなる状態で遊ぶ理不尽モードの「メモリー」
と、なかなか多彩な構成だぜ。
ゲームは上から落ちてくる色とりどりのクリスタルを消し、
相手のフィールドにお邪魔ブロックである
カウントダウンクリスタルをどんどん送り込んで攻撃していく、
王道の落ち物パズルだ。
同じ色のクリスタルをどんどん繋げていき、
たまに落ちてくるウルトラクリスタルをくっ付けることで消すのが基本ルール。
同じ色のクリスタルを2×2の形にするとクラスターという塊になり、
これを消すと通常よりも効果が大きいので狙っていくのも大事だ。
連鎖よりもこっちを重視した方がうまくいくかな。
クリスタルが全然繋がってないのにウルトラクリスタルが来ちゃったり、
逆にクリスタルが繋がってるのにウルトラクリスタルが来なかったりと、
プレイヤーの任意でクリスタルが消し辛いシステムになっているのが特徴で、
ウルトラクリスタルを後で使える場所に置いておくなど、
一手先を読んで配置を繋げていくプレイが必要となってくるぞ。
クリスタルを消した分だけ振ってくる数字の付いたカウントダウンクリスタルは
そのままでは消すことが出来ない。
クリスタルを1回落とすごとに数字が減っていき、
ゼロになると普通のクリスタルに変化するのだ。
繋げたクリスタルが一気に消える
「スパーククリスタル」「シャードクリスタル」というのもたまに落ちてくるので、
不利な状況から巻き返せることも。
キャラ毎に攻撃用の「アタックバースト」と
防御用の「ディフェンスバースト」という能力を持っており、
クリスタルを消すと溜まるゲージを消費して好きなタイミングでぶっ放せる。
相手のフィールド配置をずらすものや、カウントダウンクリスタルを落とすもの。
一定時間カーソルを操作して自分のフィールド内を自由にいじれるものなどなど。
強力なものやクセの強いものが揃っていて、
キャラを変えると立ち回りも変わってくる。
ブラックジャックは、カウント経過で隣接したクリスタルを、
任意の色に変化させていく特殊クリスタルを降らすものでなかなか面白いな。
ただ、アクジが使える「自分のフィールドと相手のフィールドを丸ごと入れ替える」
はちょっとチート性能過ぎる気がする……。
同じ色のクリスタルを繋げる!たまに来るウルトラクリスタルで一気に消す!
相手のフィールドに一気にカウントダウンクリスタルが送り込まれる!爽快!
たまにやってくる一発逆転の特殊クリスタルも熱い!
攻防に使える各キャラ毎の必殺技もあるよ!というゲームだ。
ブラックジャックの攻撃方法が相手を指さすという『逆転裁判』みたいな動きで
「原作だと悪党にメスを投げてたけど、お祭りゲーだからそこは押さえてるのかな?」
と思いながら連鎖したら普通にカバンで相手をぶん殴り始めたのは笑った。
ツッコミどころはあるが色を使った落ち物パズルゲームとしてしっかり面白いし、
キャラもよく動きよく喋る。
大量にカウントダウンクリスタルを送り込むとキャラの派手な攻撃演出が挟まって、
コントローラーの振動と共に相手が吹っ飛ぶのも気持ち良いね。
オプションでクリスタルの色を変えられて、
その中には色覚サポートになっているものもある。
デフォルトだとフィールドが妙に立体的でやや見辛いが、
これもオプションで奥行きをOFFにして見やすく出来るなど丁寧な仕様。
ストーリーモードは並行世界を繋ぐ強大な力を持つレッドクリスタルを巡り、
ヒーローとヴィラン達が乱戦を繰り広げる内容だ。
ボイス付きの会話デモがあり、
プレイヤーが操作するキャラクターを選ぶことでストーリーが分岐していく仕様。
と、言ってもそんなに分岐のボリュームがあるわけではないし、
エンディングも変わらない。
10戦ほどで終わるあっさりした内容なので、ストーリーも会話も強引で薄味だし、
オリジナルキャラがどんな奴かもさっぱり分からなかった。
まあ、同じピッキーから出て参戦キャラも似てるけど、
ストーリーがもはや怪電波レベルだった
『ブレードストレンジャーズ』よりはずっと真っ当ですね!
ナレーションはブラックジャックと同じ大塚明夫が担当しているので、
なんかそれだけで重みがでてくるのもずるい。
キャラが闇鍋過ぎて、
『鉄腕アトムvs魔王のアクジ』だの『ブラックジャックvs海腹川背』だのを
公式で実現できるのも意味不明過ぎてもはや面白い。
『洞窟物語』のキャラが主役っぽい構成ではあるんだが、
ジョニーターボもチュートリアルを任せられていたりで妙な存在感ある。
PCエンジンミニの宣伝に呼ばれなかった鬱憤をこっちで晴らしているのだろう。
一体どんなヤクをやってるんです?と言いたくなる変な企画なんだが、
OPではなかなか綺麗なアニメムービーが流れるし、
エンディングで流れる登場キャラたちが楽しそうに交流する一枚絵の雰囲気も最高。
各キャラにちなんだステージ背景や原作BGMのアレンジなど、
節々からそれなりに力が入っているのも感じさせる作品だ。
ギャラリーモードでかなりの枚数の設定画や宣伝用イラストが見れるのも嬉しい。
『1001 Spikes』ステージだと背景に原作のドットが横切るなど、
どのステージも凝っているから見ていて楽しいぜ。
しばらく立つと巨大ヒーロー(足しか見えない)と
巨大怪獣(足しか見えない)が戦いを始めて、
よく見ると看板にも小ネタが混じっている渋谷ステージは特にお気に入りです。
難点は何といってもロード時間。
落ち物パズルゲームなのに1戦ごとに20秒くらいロードがあるし、
一度マップを経由するストーリーモードは更に長くなる。
これはきついぜ……。
キャラの解放条件がちょっと分かり辛いのも気になった。
基本的にはストーリーモードの周回やアーケードモードのクリアで解禁されるようだが
ノーヒントなので引っかかると妙に苦戦することも。
俺の場合だと「海腹川背はアーケードモードを女性キャラでクリアするとアンロック」
が分からなくてちょっと苦労してしまった。
基本ルールがカプコンの『スーパーパズルファイターIIX』そっくりなのは見逃せない。
バーストが無いのが大きな差ではあるんだが、基本ルールはほぼ一緒。
ここはちょっと遊んでいて引っかかったところね。
オリジナリティは薄くストーリーモードはすぐ終わってしまうが、
ゲームとしては手堅いしキャラとモードは多いから色々遊べる内容ではある。
セール価格の2000円ちょっとが基本と考えれば割と豪華な1本か。
食える味には仕上がってる夢の闇鍋ゲームだった。
ただ、オン対戦は人がいないし、ロード時間が長いのも勿体なかったね……。