『HARDCORE MECHA(ハードコア・メカ)』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS4版ね。
メーカー:アークシステムワークス/Lightning Games/ROCKETPUNCH (BEIJING) TECHNOLOGY CO., LTD.
機種:PS4/Steam/Switch
ジャンル:横スクロールアクションゲーム
発売日:2019/06/27(PS4/Steam)
価格(税込):1980円(PS4/Steam)3050円(Switch)
中国のインディーデベロッパーであるRocketPunch Gamesが開発した
2Dのロボットアクションゲームだ。
2016年にKickstarterで出資を募って開発されたタイトルで、
なかなかデベロッパーが決まらなかったところに
アークシステムワークスが名乗りを上げてめでたく発売決定。
その後、発売元を変えてソフトを出し直したので少しややこしい。
もう見たまんま「スパロボの戦闘デモをアクションゲームにした」という内容で、
タイトル画面で影山ヒロノブの主題歌が鳴り響く徹底っぷりは絶対笑う。
とにかくキャラや演出が贅沢な作りでゲームとしてもしっかり楽しかった。
これが遊びたかったッ!というアクションゲームだったぜ。
ゲームを開始するといきなりコンゴウヒーローXなるスーパーロボットが登場。
そのままチュートリアルが始まり、
「お前が大張正己好きなのはわかったから少し落ち着け」
と言いたくなる熱量を浴びせられる。
そして実は『ゲキガンガー3』的な劇中劇でした……という構成がイイ。
ストーリーは民間軍事会社であるハードコアディフェンス社に所属する
主人公のタレサーとその仲間たちが、連合軍による人探しの依頼をきっかけに
テロリストとの戦いに巻き込まれていくという内容だ。
荒廃した火星を舞台に連合軍とテロリストによる大乱戦が繰り広げられる!
火星が舞台のロボットアニメやロボットゲーム多いよね。
主役機であるサンダーボルトがかっこいいーッ!
敵パイロットから「アンテナ付き」って呼ばれることがあるのが楽しい。
ゲームはオーソドックスな2Dのアクションゲームで、
ステージも多少分かれ道はあるものの一本道の構成だ。
4つの基本武器とサブウェポン、必殺技、アイテムを駆使して進んでいく。
レベルアップしてクリア報酬を使うことで、
様々な追加パーツや武器が解禁されていくシステム。
接近戦強化パーツや射撃攻撃力アップパーツ、装甲強化パーツなどなど。
サブウェポンも直接攻撃に使える物から防御に使えるものまで様々。
自分なりに「ロボットアニメらしい戦い方」を色々と出来るところが特徴のゲームで、
遮蔽物の陰から狙ってくるスナイパーの後ろに、ブーストで回り込んでぶん殴る!
ビームライフルと胸部バルカンを同時発射して敵の装甲を削る!
重装甲の敵をブーストで翻弄する!などそれっぽい動きがやりたい放題。
アイテムやサブウェポンは完全に使い捨てだが、
その分威力が高いし敵がよく落とすのでポンポン使える。
高火力のマシンガンに煙を噴いて敵を追いかけるロックオンミサイル。
ショットガンに大出力のレーザー砲までほしい物は揃ってる。
使いまくってもいいし、堅い敵が出てきた時のために温存しておくのもよし。
設置型のシールドを展開して身を隠したり、
設置型の砲台を複数置いて敵を蜂の巣にしたりも可能でプレイヤーの工夫次第。
ザコ敵は個性的で種類も多く、
いかにもな巨大ボスも満載なので1ステージ当たりの密度が非常に濃い。
削岩機を使ってくる巨大重機とか、
水中戦だからビームライフルが使えなくてピンチ!になる水中専用の巨大メカとか、
味方の支援で届く武器を使って戦うとか、
ありがちなシチュエーションを片っ端から突っ込んでくるので、
アクションゲームとして遊んでいて楽しく、飽きさせない構成だ。
やや難易度が高めなところがあるが、
装備するとイージーモードになる救済措置アイテムも用意されている。
演出周りの力の入れっぷりが本当に凄まじい。
イベントでも通常アクションでも
とにかく2Dで描きこまれたメカがこれでもかと動きまくるし
この空輸シーンとか実に燃え所を分かってる!
進むごとにスケールアップしていく戦場は必見だ。
終盤の変則ステージはゲームとしてはやや単調で批判も分かるんだが、
「とにかくこれがやりたかったんだな……わかるよッ!」
という構成で俺は支持したいッ!
4等身くらいのロボットがバリバリ動きまくるゲームだが、
ここぞというカットインでは等身が高くなるスパロボしぐさを
しっかり押さえてあるのがずるい。
ライバルキャラであるヴォルフェスは戦闘中に喋る時は声にエコーが掛かる仕様。
格闘主体のクリムゾンフレイムという機体を駆り、
めっちゃ見覚えのある飛び蹴りをしてきたり、胸から極太ビームを発射したり……。
つまり、主人公がリアル系でライバルがスーパー系というわけだな!
そしてライバルだから赤い機体に乗ると。
クリムゾンフレイムが「悪いロボットの瞳」してるの最高に好き。
メタっぽいギャグセリフなどはあるものの、
荒廃した火星を舞台にテロリストと戦うストーリーなので展開は結構ハードだ。
登場キャラは立っているし燃え所もしっかりあるが、
どうしても主人公とその仲間であるエドガー、
ライバルのヴォルフェス以外のキャラは出番が少なく感じてしまったかなー。
とはいえ、変におふざけに走り過ぎず、
ロボットアニメらしいストーリーをやり切ってるところは評価したいし面白かった。
ハードコアディフェンス社は強力な武装付きの母艦が拠点で、
セクシーかつ明るい艦長のおかげでアットホームな空気なのも、
お約束かつ、ほっと一息つけて良かった。
本作の一番好きなところは他のキャラとの共闘がふんだんに盛り込まれているところ!
名も無き連合軍のパイロットと一緒に市民を守るシーンや、
数体のモブ兵士と共に敵陣に攻め込むシーンが満載。
ただの演出ではなく、アクションシーンでしっかり共闘できる。
機体もオーソドックスな量産機から高機動タイプまで豊富なため、
見たことないカッコいい機体が援軍で登場することがあってテンション上がる。
名前と顔グラ付きもパイロットも味方と敵に沢山いて、
戦闘中に入れ代わり立ち代わり登場。
ステージ中のセリフはフルボイスで、戦っている最中もノリノリで喋りまくりだ。
こういう、主人公と直接会話はしないが存在感を出すキャラが
味方と敵に沢山いて、協力したり戦ったりしながら進行していくため、
大きな戦場の中で戦っている感覚がしっかりとあるのだ。
脇役だと、重砲を搭載したラウンドハンマーで援護射撃をしてくれる
ヘドウィグさんがお気に入り。
基本的には大満足!……なんだが、
難点を挙げると落下での即死や壁に引っかかっての即死など、
意地悪な地形で難易度を上げてる箇所がいくつかあるのがやや鬱陶しいところ。
1ステージが長くて敵の攻撃が激しく、リトライや被弾でゴリゴリ評価が下がるため、
クリア評価を高くしようとするとかなり苦しくなるところも気になった。
まあ無視すればいいだけなんだが。
ロボットアニメらしい雰囲気やシチュエーション作りは大変良かったんだが、
一部、有名作品の歌詞や名セリフをそのまんま叫ぶようなシーンがあり、
そこは完全に寒いギャグになっちゃってて好きじゃなかったね。
主人公機以外も使えるオンライン対応のマルチプレイモードがあり、
ランクマッチやポイントで解禁されていく多数の機体など気合入ってるんだが、
あくまでもマルチプレイのみの仕様でストーリーモードで使えるのは主人公機のみ。
せっかく色んな機体があるのになぁ。
機体を自由に選べるミッションモードみたいなのがあったら最高だった。
クリアまでは6時間くらい。
制作者が作りたいものを全力で作り切った完成度で、
「ロボットアニメファンに向けたスパロボ風アクション」
としてほぼ文句無しの内容だ。詰め込みっぷりがあまりにも贅沢。
公式サイトやPVで惹かれた人はそのまま出撃してもらいたいッ!