Nintendo Switch|ダウンロード購入|Tokyo Dark – Remembrance –
Tokyo Dark – Remembrance – | 公式PlayStation™Store 日本
『Tokyo Dark – Remembrance –』のレビュー行くぜ!
メーカー: UNTIES
機種:Switch/PS4
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2019/11/07(Switch)2020/01/10(PS4)
価格(税込):1800円
東京を舞台にした女刑事が主役の伝奇ホラーADVだ。
日本在住の外国人が開発した作品。
クラウドファンディングが大成功して高評価を得た、
PC版『東京ダーク』が元になっていて、
SwitchとPS4版は操作の最適化やグラフィックの強化に加え、
シナリオなども追加された完全版だ。
システムなどちょっと気になるところはあったものの、
遊んでいて引き込まれたし選択肢による変化も面白い1作だったぜ。
ストーリーは主人公の伊藤刑事が、
行方不明になっている相棒かつ恋人である田中刑事を探すシーンから始まる。
関連した事件を調査していくうちに、伊藤刑事は暗躍する謎の少女と東京の闇、
そしてそれにまつわる超常現象に直面することになる……というもの。
ゲームは横スクロールのマップを歩きながらあちこち調べていく形式。
マップは新宿に秋葉原、鎌倉に浅草などだ。
選択肢によってゲーム展開が変化するマルチエンド方式。
正気度、職業倫理、調査能力、ノイローゼという4つのパラメーターがあり、
選択肢などでこれも変動していくシステムとなっている。
情報を得るために悪人と取引をすると職業倫理が下がるし、
ホラーイベントに遭遇したリ、気軽に銃を使ったりすると正気度が下がる。
逆に自室で飼い猫と触れ合ったり、薬を飲んだりすると正気度が回復したりするぞ。
伊藤刑事は優秀な女刑事なんだけど事件でメンタルやられてるので、
情緒不安定気味になっている。それを加速させるか、抑制するかはプレイヤー次第。
証拠がありそうなゴミ箱にカギかかってるじゃん!銃で壊そ!
こいつ邪魔だな!ぶん殴って排除しよう!
とかやるとステータスも状況もどんどん悪化だ!
選択肢で細かくストーリー展開が変化するし、
ステータスは一部のエンディングにも影響する。
1周目はオートセーブかつファイルを一つしか残せないので、
初回プレイの選択肢はかなり緊張感あるぜ。
思わぬ選択肢から取り返しのつかない展開になることがあるし、
正気度が下がってくると伊藤刑事も大分ヤバい感じになってくる。
マップはそこまで広くないが東京各所の雰囲気はよく出てるし、
秋葉マップの背景がやたら凝ってるのも見所。
しかもこれ表通りじゃなくてちょっと脇に入った辺りの雑多な通りだな。
秋葉よく行くからすごく分かる……!
東京の各地で出会う人物は警察の同僚から巫女さん、バーのマスター、清掃のバイト、
女子高生からメイド喫茶の店員にヤクザなどなど。クセのある人物揃い。
調査を続けるうちに、本筋と関係ないところで犯罪や揉め事に関わることも。
ヤクザ、宗教、JKビジネスと現代社会の闇を見る事になるぞ。
闇一辺倒ではなく、聞き込みに訪れたメイド喫茶でのギャグっぽいイベントや、
世知辛い東京で懸命に頑張っている人々の描写もあり、
彼らと伊藤刑事とのやり取りはどれも印象的。
良くも悪くも都会を舞台にしたことが活きている空気感になっているね。
主人公である伊藤刑事もコートと手袋含めたビジュアルがカッコいいし、
和んでる時も煽る時もいいキャラしてて好き。
俺が気に入ってるのは酒を自分へのプレゼントと勘違いして素直に喜ぶシーン。
一枚絵やちょっとしたアニメが頻繁に挿入されるのもいい演出。
しかし銃を持ち出すシーンと飯を食ってるシーンで一枚絵が出ることが多く、
猫関連のシーンもやたら優遇されている。食と暴力と猫に力を入れたゲームか。
やたらキラキラしたパンケーキの一枚絵は何事かと思ったよ!
この情緒不安定女刑事、たまにあざとくなるな。
自室で薬飲んでるシーンとの温度差がすごい。
正気度を上げなきゃ……(ボリボリ)。
ホラー演出もよく出来ていて、
状況が侵食される不気味さやノイズ混じりの音楽がお見事。
追加されたエピソードは一部エンディングの後日談や
2週目以降に見れるようになる伊藤刑事と田中刑事の過去話などのようだ。
どちらもかなり重要な内容なのでシナリオの印象が結構変わるねぇ。
シナリオ、ホラー演出ともに楽しめたんだが、システムは気になる点が多い。
2週目以降は6か所にセーブできるようになり、一部の会話もスキップ出来るんだが、
スキップ出来ない会話の方が多いため、
選択肢による分岐やマルチエンドを楽しもうとすると少々面倒だしバックログも無い。
11種類あるエンディング条件もゲーム中で確認できないので、
攻略サイトを見ないと結構苦戦する。
4つのステータスがそこまでエンディング分岐に絡まないのも、
物足りないところではあるんだが、
まあ、あんまり細かいと遊ぶ方が大変だからこのくらいでちょうどいいかなぁ。
正気度が限界まで下がると発生するバッドエンドなどはらしい作り。
ここは完全に好き嫌いになるんだが、
「めっちゃ分かりやすく事態を解説してくれる都合の良いキャラ」が出てくるせいで、
得体の知れない怖さが薄れてるところはちょっとノレなかった。
エンディングまで含めるといいポジションに収まってはいるんだけどね。
気になるところはあったが、
登場キャラの個性、ホラー演出と謎、選択肢の面白さでグイグイ引っ張るゲーム展開に
東京を舞台にしたからこそのストーリーが非常に楽しい1本だった。
海外スタッフの作品だが日本語もまったく違和感ない。オススメだぜ!