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殺し屋が送る空虚な日々を完全体感!『Arrest of a stone Buddha』レビュー!【Switch/Steam】

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Nintendo Switch|ダウンロード購入|Arrest of a stone Buddha

 

『Arrest of a stone Buddha』のレビュー行くぜ!

 


メーカー:CIRCLE Ent.

機種:Switch

ジャンル:アクションアドベンチャー

発売日:2020/05/21

価格(税込):1500円


 

殺し屋となって決められた日までを生き抜くアクションアドベンチャーだ。

『The friends of Ringo Ishikawa』を手掛けたクリエイターの新作。

 

Switch/Steam『The friends of Ringo Ishikawa』レビュー!ロシア生まれのくにおくん!?永遠の青春を満喫しよう! - 絶対SIMPLE主義

 

『The friends of Ringo Ishikawa』は

『熱血硬派くにおくん』っぽい不良ゲーに見えて、

実は全然違うところを目指したほろ苦い内容。

クセは強かったが、システム含めた雰囲気作りが非常に好みだった。

そういうわけで購入したんだが、

色んな意味で前作以上に尖がってるゲームだったな……!

 

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ゲームを開始すると11月にカレンダーに自分の手で丸を付けるシーンから始まる。

この日まで生き延びるのがゲームの最終目標だ。

 

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教会を殺し屋が歩いて行き、祈りをささげている男を撃ち殺す。

と同時にBGMが流れ始め、襲い掛かる無数の刺客との銃撃戦が始まる……。

というオープニング&チュートリアルがいきなり超カッコいい。

 

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ゲームは日常パートと戦闘パートを繰り返す構成で、

ゲーム内時間で大体1日ごとに戦闘パートが挟まる。

殺し屋と言っても依頼を自分で選んだりは出来ないので、

ステージクリア型のアクションゲームに近いかな。

 

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日常パートでは映画館で映画を見たり、バーで酒を飲んだり、

タバコを吸いながら歩いたりなどが可能。

しかし、イベントらしいイベントはまったく起こらないし、

ステータスの変化があるわけでもない。 ただひたすらに時間を潰すだけ。

日付が変わるまでぶらつくか、夕方の6時以降に睡眠薬を飲むことで次の日になる。

 

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戦闘パートはターゲットを殺した後、ほぼ無限に湧いてくる敵を撃ちまくる内容だ。

見ての通り体力ゲージなどの要素は一切ない。アイテムなどの要素も無い。

細かい狙いを付ける必要はなく、

右を向いて撃てば右の敵に必ず当たるし、左なら左の敵に絶対当たる。

主人公は数発撃たれても平気だが敵はすべて一発で死ぬぞ。殺し屋つよい!

 

方向キーの下を押しながら撃つことで、

こちらに銃を向けてる奴だけを狙い撃ったりも出来る。

 

銃はすぐ弾切れになるので敵から奪う。

奪っては撃ち、奪っては撃ちの繰り返しだ。

銃を持ってるのに、何故かこちらにギリギリまで近づく現実が見えてない敵と、

遠くから狙い撃ちしてくる常識的な敵の2種類がいるので、

近づいてくる敵からどんどんお借りしよう。

 

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敵はハンドガン、ショットガン、スナイパーライフルの3種類。

ショットガンは貫通力があるが弾切れしやすい。

ハンドガンは2つ奪って2丁拳銃が可能で、弾が減ってくると2丁拳銃をやめる。

スナイパーライフルは距離的に奪うのが不可能(多分)。

 

銃の残弾が画面に表示されず、弾が切れたらその瞬間に蜂の巣にされるので、

常に二丁拳銃を維持することを心がけるゲームだな。

うっかりショットガンを奪ってしまったら早くハンドガンに変えないといけないぞ。

ジョン・ウーに影響を受けてるらしく、二丁拳銃の撃ち方が実にそれっぽい。

 

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1ステージ100人くらい出てくる敵をひたすらボタン連打で撃ちながら、

どのタイミングで、どの敵から銃を奪うかを意識しながら立ち回る。

主人公は仕事中は一切喋らず、一切走らない。

ステージの端までゆっっっくりと歩く……!

死体の山を築いた後は、乗り物に乗って帰宅。

操作は単純だが、独特のリズムがあるアクションパートだなぁ。

 

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ステージ翌日には、主人公の友人らしき人物との会話シーンが挟まる時がある。

本作では貴重な会話シーン。

内容は断片的で、時代と会話内容からベトナム戦争帰りっぽいんだが、

とにかく情報が少ないから想像で補完するしかないぜ。

 

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ひたすら空虚な日常パート、現実感がまったくないアクションパート。

ゲーム的な表示を一切排し、雰囲気たっぷりのドットで彩ったグラフィック。

それに素晴らしくマッチしたBGM。

本当に少ない会話シーンで、主人公と友人の関係性が伝わるところなど。

演出と一貫した空気感がすごい。

 

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ただ、ゲームとしては本当に空虚。

日常パートは言うまでもなく、アクションパートが辛い。

場所が違うだけで敵の種類が最初から最後まで変わらないため、

全ステージやることが同じ。1ステージが結構長い上に慣れるまでは難易度も高めだ。

イージーモードもあるんだけどそこまで難易度に差が無いような……。

背景が凝り過ぎて敵が全然見えない場所もあったりする。

 

刺激的なのは最初だけで後はだるさしかないが、止める事は出来ない。

現実感が消失した殺人を淡々と続けていく。

コントローラーを通して主人公の心情がプレイヤーに伝わる構成になっている。

が、まあ……ゲームとして面白くはないな!

 

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クリアまでは3~4時間ってところか。

『The friends of Ringo Ishikawa』とは別物。

最小限の要素で、ひたすらにハードかつ乾いた物語を描き切っている1本だ。

 

一貫した表現が凄い作品で奥行きのある背景にも心打たれたけど、

ゲーム的にもストーリー的にもマジで空虚さしかないので遊んでいて辛くもあった……!

めちゃくちゃ好みが分かれそうだが、

この映画的な雰囲気に惹かれたら手に取ってみてもいいかな。