SUPER MARIO BROS. 35(スーパーマリオブラザーズ 35) | Nintendo Switch | 任天堂
『スーパーマリオブラザーズ35』のレビュー行くぜ!
メーカー:任天堂
機種:Switch
ジャンル:アクションゲーム
発売日:2020/10/01
価格:Nintendo Switch Online加入者限定特典
備考:2020/10/01~2021/03/31の期間限定配信
スーパーマリオブラザーズ35周年記念として配信されたオンラインタイトルだ。
Nintendo Switch Onlineの加入者特典で、来年3月までの期間限定。
35人のプレイヤーで同時に初代『スーパーマリオブラザーズ』をプレイし、
お互いに妨害しながら最後の1人を目指すという内容になっているぞ。
TETRIS® 99 | Nintendo Switch | 任天堂
同じコンセプトの『テトリス99』と同じくアリカが開発している。
もう見ただけで絶対面白い!ってゲームなのだが、
実際やったらやっぱり超面白かったし、
めちゃくちゃ丁寧に作られているのも伝わってきたぜ。
メインとなる「35人マリオ」は参加プレイヤーがそれぞれ希望コースを選択して開始。
みんなが選んだコースを順番に遊んでいくという構成になっている。
運営側が指定したコースを遊ぶ「スペシャルバトル」もあり、
こちらは一定期間で入れ替えとなる。最初から難しいコースが出るなど上級者向け。
親の顔より見た1-1……だが、ゲーム画面の左右には他の34人のプレイヤーが!
ぶつかり合う35の並行世界。生き残れるマリオは1人だけ!
普通にやられるか、画面右上の残り時間がゼロになったらゲーム終了。
バトルが長引くと、どんどん時間経過が早くなっていくからヒヤヒヤ。
残り時間は敵を倒したり、アイテムを取ることで増えていくぞ。
そして倒した敵が他のプレイヤーの画面に送り込まれるルールになっているので、
クリボーを倒せばクリボーが、ノコノコを倒せばノコノコが、
クッパを倒せばクッパが他のプレイヤーの画面に飛びこんでいく!
砦以外でクッパと遭遇したり、
複数のクッパが同時に襲い掛かってくるのも当たり前のゲームになっている。
『スーパーマリオメーカー』の世界と融合してるじゃねーか!
返り討ちにすれば再び他のプレイヤーの世界へと飛んでいく。
送り込む相手は「ランダム/コインねらい/カウンター/ピンチねらい」の4つの作戦で選ぶか、
プレイヤーが直接右スティックでカーソルを動かして設定するかだ。
カウンターにすれば、こちらを狙ってるすべてのユーザーに送り込めるので、
俺はいつもこれ一択!
自分が送り込んだ敵がマリオを倒せばKOとなり、コインとタイムにボーナス!
なので敵を倒す時は
「行けいクッパ!並行世界のマリオを倒すのだ!」とか応援したくなっちゃう。
このゲーム、並行世界のマリオ同士が戦っているのか、
それともクッパ軍団が並行世界を渡り歩いてマリオに勝とうとしてるのか、
どっちなんだろ……?
通常のマリオでは考えられない物量の敵と戦うことになるが、
そこで大事になるのが左上のハテナブロック。
好きなタイミングでコインを20個消費することでハテナブロックを起動し、
「画面全体の敵を倒すPOW」「スーパーキノコ」「フラワー」「スター」
の4つの効果をランダムで発動可能。
ヤバくなったり、稼ぎ時と見たらこいつで仕掛けるってわけだ。
大量の敵が出てきてもスターやPOWを引き当てれば一掃できるし、
外してもコインがあればもう一回抽選だ!
ピンチに備えてコインを沢山集めておく必要があるし、
ファイア状態の維持も極めて重要となる。
こういう配置が平然と出てくるからな!
ファイア状態ならなんてことない状況だが、
そうでないとダメージ1回分、あるいはハテナブロック1回分の損害。
パックンフラワー1つでも、狭い場所では致命傷になりうる。
そしてプレイヤーの数が減ってきて、
敵の激しい送り合いが始まったらこんな状況では済まない!
こういうクソ配置オブクソ配置を死ぬほど見ることになるからな!
おのれッ!宮本茂の作り上げた神聖なるスーパーマリオブラザーズのステージをッ!
好き勝手に破壊しやがってぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーッ!
じゃあ俺もそれやるからな!!!!!!!
ジュゲムの送り合いが始まると、
プレイヤー同士でジュゲムが倍々ゲームで増えていき、
すぐに画面内が数体のジュゲムと数十体のトゲゾーで埋まるから恐ろしい……!
スターで駆け抜けるしかねぇ!
繰り返し遊んでいると、送られた大量の敵の配置箇所や登場する順番の処理など。
オリジナルの破壊をしていても、
ゲームとしての破綻はしないように考えられているのが分かる。丁寧な作りだ。
面白かったのは1-4終盤の隠しブロック。
オリジナルだとほとんど何の意味もなかったんだが、
本作はここにも敵が出現するため、油断してると頭を引っ掛けて一撃喰らっちゃう!
35年前の宮本茂は本作の登場を予知してこの配置にしたのか……!?
と思ってしまう見事なハマりっぷりだぜ。
ピンチに備えてコインは沢山持ってないといけないから、
10コインブロックやパワーアップが出るブロック、
隠しブロックの場所をどれだけ把握してるかが問われるぞ。
ちなみに1UPキノコを取った場合は、ハテナブロック1回分となるコイン20枚が貰える。
技術、知識、そして戦術……。
プレイヤーの持っている「マリオ力」のすべてが試されるゲームになっている。
どのコースが稼げるか。ワープゾーンでどのコースに行くか。
稼げるコースを回るか、それともあえて強い敵の出るコースに行って攻めるか。
そしてどの敵を倒せば効率よく嫌がらせ出来るか?
ゲッソーやパックン、ハンマーブロスやクッパなら強いが、
クリボーなどの大量に出てくる弱いザコ敵を無駄に倒しすぎると、
逆に他のプレイヤーに制限時間を増やすチャンスを与えてしまう。
土管で地下に行くか、行かないか。
行った方が稼げる?それとも地上を進んだ方が稼げるか?
大量の敵に追われている時に土管に潜れば敵をスルー出来ることもあり、
コース構成を頭に入れるか入れてないかは極めて重要だ。
このゲーム、残り時間ギリギリの勝負や、
押し付け合う敵の物量が限界を迎えた時など。勝負が最終局面になったら、
手持ちのコインでハテナブロックを連続使用しまくって押し切ることになる。
しかし、ただのゴリ押しゲームではない。
そこに至るまでにどれだけコインを稼げるか、ミスせずにいられるかが重要だし、
ハテナブロックの連続使用は数秒のスキがあるため、
画面が敵で埋まっているタイミングだと、このスキにダメージを受けてしまうこともある。
敵の群れの中で死なずに耐える技術が必要。
最後にものを言うのはやはりプレイヤー個々の総合的な「マリオ力」なんだ!
これらの要素を瞬時に処理しながらバトルするのがやめられない面白さで、
オリジナルじゃありえない大量の敵をぶっ飛ばす爽快さと、
オリジナルをどれだけうまく遊べるかという繊細さがあまりに絶妙!
上手いプレイヤーとのデッドヒートになった時の緊張感は凄まじい。
面倒な敵を送っても送っても返ってくるし、時間は刻一刻と減っていく。
相手プレイヤーとのハンマーブロスやジュゲムでの殴り合いは別次元の楽しさ。
こういう時にクソ面倒な後半のアスレチックステージとか当たるとマジで冷や汗が出る。
遊んでいてこんな顔になるわ。
「落ち着け……相手も条件は同じ……!冷静になれば勝てる!」
とか落ち着こうとして負けたりする。ちくしょう!いいゲームだな!
1位の文字はマリオカラーだけど2位は緑。負けるとルイージ扱いだ!
難点を上げると、
「他のプレイヤーが選んだコースを遊ぶゲーム」「最初はみんな1-1しか選べない」
「未クリアのコースをクリアすると次のコースがアンロックされる」という仕様なので、
必然的に通常モードだと「1-1」「1-2」などの序盤ステージを何度も遊ぶことになる。
このせいでゲームが長引きがち。
まあ、早い段階で終盤ステージがバンバン出るような構成だと
初心者がきつすぎるから、これに関しては
「上手いやつはスペシャルバトルやってくれ!」ってことなんだろう。
そのスペシャルバトルが開催されてない期間が結構長いんだけどな!
地獄への扉はもっと開けっぱなしにしろ!
マリオ経験値の差がモロに勝負に反映されるため、
ゲーム自体の敷居も結構高いと思う。
一応、解禁されたステージを1人で遊べる練習モードもあるから、
フォローはされてるけどね、
俺は別物と割り切ってるのであまり気にしてないが、
オリジナルの『スーパーマリオブラザーズ』とマリオの挙動が結構違うため、
ちょっと引っかかる経験者は多そうだ。動きの重さとか、ツタを登る時の動きとか。
そんな『スーパーマリオブラザーズ35』。
プレイヤー同士の対戦が熱かった初代『マリオブラザーズ』に回帰したとも言えるし、
『スーパーマリオメーカー』のようなカオス過ぎる爽快さもブレンドされているし、
そして「スーパーマリオブラザーズはファイアマリオが最強のゲームだった」
ということも思い出させてくれる。
原点回帰にして原点の破壊。そして改めて原点の良さを実感できる。
35周年に相応しい傑作だ!
最近のバトロワゲーについていけないおっさんにも優しいぜ!
というか、マジでこれ期間限定配信なの許せないんだがッ!?
3月以降もサービス続けるか、金取ったダウンロードソフトとして配信してくれよ!
『テトリス99』みたいにフレンドマッチ実装のアップデートも欲しい!
頼むぞ宮本茂!