Stray | ゲームタイトル | PlayStation (日本)
『Stray(ストレイ)』のレビュー行くぜ!
俺はPSplusのエクストラコースでPS5版をプレイしたぞ。
パブリッシャー:Annapurna Interactive
機種:PS4/PS5/Switch/PC
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2022/7/20(PS4/PS5/PC)2024/11/19(Switch)
価格(税込):3500~3520円
サイバーシティに迷い込んだ一匹のネコを操作し、
仲間の元に戻るための道を探すアクションアドベンチャーだ。
ゲームとしてはオーソドックスな作りだが、
圧倒的な表現力で送るネコと街の描写で、
最初から最後までこちらの心を揺さぶってくる1本!
世界観とネコの可愛さに浸れる良いゲームだったぜ……。
開幕からめっちゃリアルな動きで仲間とじゃれ合ったり、
ボタン押して「ニャー」と鳴いたり、ボタン連打して木で爪とぎしたりと、
最初の掴みはバッチリ。
更にPS5だとコントローラーからネコの鳴き声がしたり、
鼓動に合わせて振動もするぞ。
PS5のコントローラーにネコが憑依してる!
そして一匹だけはぐれて地下世界に落下。そこから脱出を目指す大冒険が始まる。
待ち受けるのは荒れ果てた街、謎の生物、生活をするロボットたちだ。
途中で出会った謎のドローンである「B-12」と共に、
ロボットたちと交流しながら探索を進めていく。
物言わぬ気まぐれなネコと、雄弁なAIによるバディ作品になっているぞ。
人間は既に絶滅しているらしく、
ロボットたちは自分たちだけでコミュニティを作って生活している。
残っていたデータを元に人間の生活を模倣し、
自らをアップデートし続けているため、
それぞれ個性があって警察組織や稼働している工場があり、
食事をしたり油を飲んで酔っ払ったりも出来る。
公式にはサイバーパンクと紹介されていたけど、
実際遊ぶとこれはポストアポカリプスだなぁ。
マップがそこまで広くない分、
都市の雰囲気作りや密度が素晴らしいから探索が楽しい。
小物まで作り込まれた部屋や、ロボット毎に違う服装から色々な想像が出来る。
人間を模倣して家族関係まで構築し、
「外の世界」へ様々な想いを馳せるロボットたちの姿は、
不気味さ、切なさ、愛らしさが入り混じった魅力に溢れている。
そんなロボットたちの生活に乱入するネコちゃん!
麻雀してるロボットの邪魔したり、ペンキをひっくり返したりと大暴れ!
このゲーム、ネコがキーボードの上を歩くとか、
ピアノの上を歩くとかでいちいちリアクションが用意してあって、
ネコあるあるを片っ端から再現しようという気合を感じる。
良い感じのねぐらやロボットの膝の上でうたた寝も出来るぞ。
意味ありげな隙間を調べたら、
そこに入り込んで寝始めるシーンもあって笑顔になった。
ゲームとしてはひたすらお使いイベントをこなす一本道のゲーム。
オープンワールドではないので、先に進むと戻れなくなる。
目新しさは無いものの、探索ではネコらしい動きをしっかり堪能できるぞ。
「自由なジャンプは出来ず、飛べる場所でボタン押すと飛び移る」
という作りなので、簡単操作でどんどん先に進める。
普通の3Dアクションみたいに操作ミスで落下したり、
シビアな操作に悩まされることもない。ストレス無いしネコらしくもある。
ボタン1つでエアコンの室外機や看板、パイプをピョンピョンと登り、
あっという間にビルの上に到達。
ロボットには通れない狭い隙間や開いた窓を通って道を切り開いたりと、
ネコらしさ満点だ!
バケツに乗って移動するシーンもあってかわいい!
これネコの移動用としか思えないけど何のための仕掛けなんだ……。
まあかわいいからヨシ!
どこを切り取っても絵になる作り込みなだけに、
フォトモード無いのが勿体ないぜ!
かわいいゲームかと思いきや、
「ZURK」という敵キャラが出現するゾーンもある。
なんでもモリモリ食べるヤバい生物で、巣を作って繁殖してる。
群れで襲ってきて機械も食べちゃうからロボットたちもビビってる。
遊んでる俺も正直ビビった。
ZURKの群れから逃げるパートが度々挿入され、逃げ遅れると死亡!
予備知識無しに遊んだプレイヤーが
必ず「これそういうゲームだったの!?」って驚くシーンです。
画面が赤くなるだけで、グロいシーンは流れない辺りに配慮を感じる。
ネコらしく細かい段差や水路を飛び越えて振り切れるようになってるので、
上手く行くと「してやったり!」って気持ち良さがあるね。
雰囲気作りバッチリだし、
マップが無くても迷い辛い視線誘導も丁寧なので良いゲーム。
ただ、スイッチを探したりバッテリーを拾って装置にはめ込んだりと、
謎解きが普通過ぎてネコにやらせると少し違和感はあった。
このネコ、俺より賢いんだが?!
後半は見つからないように進むステルスアクションパートもある。
ある程度ゴリ押しは出来るものの、捕まると結構戻されるのが厄介。
ステルスゲーじゃないゲームにステルスパート入れるの嫌い勢としては、
毛が逆立つところだ!
まあ、そこまで難易度は高くないし
「ゲームのよくあるシチューエションをネコにやらせるとこうなる」
という面白さがあるので、
ZURKとの追っかけっこ含めてアクセントとしてはアリかな。
ネコの機動力でクリーチャーから逃げる!追手から身を隠す!
というのは人間には無いスピード感とハラハラ感があるし、
仕掛けを動かす謎解きもネコの可愛いイタズラみたいに見えてくる。
ネコという題材の強さを実感するね。
あと、カメラがネコ視点で低いのは没入感あって良いんだけど、
その分他の3Dゲームよりも酔いやすいかも。3D酔いしやすい人は注意が必要だ。
クリアまでは5時間前後。
B-12のメモリーを探すやり込み要素コンプを目指したらもっと行くかな。
ゲームとしてはオーソドックスな作りだが、
ネコらしさ満点の操作感と、儚くも美しいストーリー演出が見事。
これは主人公がネコだからこその物語だったと思う。
終わった後の満足度は非常に高かった。ローカライズも文句無し。
「ネコとAIのバディ作品」「ネコとポストアポカリプス」
このフレーズに惹かれた人は是非遊んでみて欲しい!