マリンエクスプレス殺人事件 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『マリンエクスプレス殺人事件』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:1564 Studio/レイニーフロッグ
機種:PS4/PS5/Switch/Xbox/PC
ジャンル:ビジュアルノベル
発売日:2021/7/30(PC)2022/9/1(PS4/PS5/Switch/Xbox)
価格(税込):499~500円
1564 Studioが開発したレトロ風ビジュアルノベルだ。
めっちゃ日本のゲームっぽいけどスペイン産!
一本道のビジュアルノベルなので読むだけの内容だし、
2~3時間くらいでサクッと終わるが面白かったぜ。
時折やたら濃いオタクネタがぶっ込まれるのも笑った。
舞台となるのはカリフォルニアと日本を繋ぐマリンエクスプレス。
出来たばかりのピカピカの車両で、
乗るのは名門女子校である聖ヨアキム学校の生徒たち。
列車を貸し切りにしてのゴージャスな修学旅行で
楽しいプログラムもいっぱい……だったのだが、
教師の一人が殺されたことで車内はパニック。
海底なので目的地に着くまで逃げ場無し!
そこで生徒の一人である東川乱子ことランコが、
友人のアストリッドと共に事件解決に乗り出す!というストーリーだ。
正義感溢れるランコと天然炸裂のアストリッドを中心とした、
テンポの良いドタバタと掛け合いが見所。
国籍も様々なキャラが15人以上登場する。
隙あらば嫌味を飛ばしてくる性格の悪い3人組に、
先生と付き合ってると噂の優等生、
会話にスポーツ用語を入れたがるスポーツ馬鹿、セクシーな3年生などなど。
コテコテなキャラから色んな意味でカオスなキャラまで登場だ。
学校関連だけでなく、海底電車のスタッフも物語に絡んでくる。
アラビアから来た忍者オタクの女の子ハイファとか特に濃い!
海底列車の中でダンボール製の手裏剣を投げて修行したりしてるぞ。
キメる時はスカーフで口を隠して忍者を気取る。
海外のゲームでこんなボケかまされたら笑うわ #PS5Share, #マリンエクスプレス殺人事件 pic.twitter.com/3P58sq38m8
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) September 3, 2022
そして海外のゲームなのにこの忍者ネタは耐えられなかった!
こんなのガード不可能だろ……。
気になって英語に切り替えて確認したけど内容そのままだった。
こういう濃ゆい小ネタがやたら多いゲームで、
『フリーダムファイターガンボーイ』とか
日本人でも分からない人多そうなネタもあったり。
『シャーロックホームズの冒険』の話題で
推理モノらしい空気を出したと思ったら、
いきなり『VA-11 Hall-A ヴァルハラ』の名セリフをぶっこんで来たり……。
しかもちゃんと日本版の名訳に合わせてあるのが丁寧。
ローカライズは誤字脱字が少し目立ったが、
基本的には見事な仕事をしているぜ。
会話や小ネタはギャグっぽいが、話自体は結構生々しい。
名門学校で起こったドロドロした人間関係やイジメ、
感情のすれ違いなどなどが、閉鎖された海底電車の中で吹き荒れる。
この辺はファミコン時代のADVというよりは、海外小説っぽいノリと言えるかも。
一本道のノベルゲームなので探索パートや選択肢などは無いが、
ゲーム進行に合わせてスマホのチャットアプリが更新されて、
事件や人間関係を掘り下げるやり取りがあるのが面白い。
また、真相解明シーンの手前で作者から語りかけがあるので、
そこでプレイの手を止めて、プレイヤーが自分で人物図鑑を開き、
真相を推理出来る作りにはなっているぞ。
レトロ風ということを差し引いても演出があっさり目で、
死体発見シーンなどもうちょっと迫力が欲しかったなぁとは思ったが、
表情豊かな登場キャラやBGMなどは良い雰囲気だし、
500円で楽しむビジュアルノベルとしてはなかなか面白かったね。
ランコは名探偵でも天才でもなく、
ちょっとがさつで正義感溢れる女の子なので、
事件に翻弄されるし失敗もする。
そこで挫けずに立ち向かっていく姿が魅力的だった。
1作目だが「東川乱子ミステリーシリーズ」と銘打たれているので、
今後の展開にも期待!