『上に天井がある。』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:silver978
機種:PC
ジャンル:短編心理アドベンチャー
発売日:2023/3/9
価格(税込):235円
silver978による短編のアドベンチャーゲーム。
スマホでも出てそうな画面だけど今のところSteamだけのようだった。
ストレスを抱えた少女の視点で自宅の中を探索するゲーム。
フルコンプまで遊んでも50分くらいの短編だがなかなか面白かったぞ。
物語は主人公が朝起きるところから始まる。
部屋を移動しながら画面内をあちこち調べるポイント&クリックタイプだ。
エンディングは2+1個でアイテムを探す脱出ゲームっぽい要素もあるが、
難易度は低いので詰まるところは無いと思う。
主人公が勉強に追われているのが一目で分かる自室から、
台所に移動して朝ごはんの準備をしていく。
朝ごはんの準備をして皿を持ち上げた時や鏡を見た時など、
主観視点なのが効果的な演出を挟んでくるので臨場感あるね。
淡々と進んでいくが、ざらつき色褪せた画面と音がどこか不安を煽る。
行動していくと部屋のあちこちで妙なものが見つかるし……。
気が付くと明らかに自室ではない謎の空間に移動したりも。
どこか寒々とした自宅からいつの間にかここに来る異様さがいい。
大量の本と課題に埋もれた謎の男も登場する。
一見ヤバい奴だけど割と愛嬌ある。
ホラーゲームっぽいが公式が「短編心理アドベンチャー」を名乗るだけあって、
そこまでホラー要素は強くない。
単純だが普遍的な題材かつ終わった後に清々しさがあるシナリオで、
描き込まれたグラフィックで不安を煽りながら、
「主人公の自宅で起こった奇妙な出来事」を描いてる。
何か選んだ時の「ドゥーン」って効果音がしつこいのが気になったくらいで、
200円ちょっとで遊べる短編としてよくまとまっている1本だったぜ。
スクショの雰囲気が好みだったら是非。
テキストやフォント、文字が揺れる演出など含めてローカライズも丁寧だった。
翻訳者による興味深い翻訳後記も公開されているので、
クリアした後に読むのをオススメだ。