G-MODEアーカイブス+ サイコミステリー・シリーズ Vol.1「THREE -三つの記憶-」 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『サイコミステリー・シリーズ Vol.1「THREE -三つの記憶-」』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:ジー・モード
機種:Switch
ジャンル:ADV
発売日:2023/5/11
価格(税込):800円
2005年に元気からガラケーで配信されたADVの移植となっているぞ。
好評に付き10作品以上が配信された『サイコミステリー・シリーズ』の1作目が、
G-MODEアーカイブスで再び蘇る!今後続編も来るだろうから遊ぶなら今だ!
シナリオは『短期記憶欠損障害』により3つしか物事を覚えられない主人公が、
「なぜ自分は恋人をナイフで刺してしまったのか」を辿っていく内容。
やや『メメント』『ストーンオーシャン』辺りの影響を感じるが、
設定をシステムに絡めたゲーム構成はなかなか面白かった。
とはいえ、2時間掛からずに終わるボリュームでチープなところも多いので、
1本800円だと割高感があるかも。
主人公は高校二年の瀬田秀明。
彼は何故彼女であるミキをナイフで刺してしまったのか?
秀明、ミキ、そして友人である隆志の3人に何があったのか。
ゲームが進むごとに「1時間前」「2時間前」と時間軸が遡る構成になっているぞ。
最初に時間軸に関する注意書きも出たり。
この注意書きいるかな!?
昔ながらのコマンド式のADVで、
建物を調べたり通行人と会話したりして情報を集めて進んでいく。
舞台となっている渋谷では酔っ払いやサラリーマン、
学生や謎の老人など沢山の人に出会えるぞ。
ガングロ女子高生の描写がガラケーの時代って感じだ!
会話でゲーム進行のヒントが手に入ることもあるが、
主人公が記憶出来るのは3つだけ。それ以上は1つ消さないといけない。
うおー!記憶1個だけ消えろー!って、主人公器用だな!
まったく役に立たない情報も多いので惑わされてはいけないぞ。
ここら辺でタヌキが出たとか、酔っ払いの与太話とかね。
いや、タヌキがストーリーに絡まないという保証は無いが……!
ハチ公前やセンター街、公園通りなど渋谷各所を巡っていくが、
「場所」も記憶に含まれているため、
例えばハチ公前に行きたければ「ハチ公前の場所」を記憶してないと移動できない。
ゲーム進行に必要な情報と、場所の移動に必要な情報。
それを3つという制限内で取捨選択していく
通行人の会話をパズルのように組み合わせて、
少しずつストーリーを進めていく構成だ。
ドットで表現された当時の渋谷各所を巡る面白さがあるし、
時系列を逆に辿って少しずつ真相が明らかになる作りも引き込まれる。
沢山いるモブの行動もしっかり描写されているので、
「あの人は2時間前こんな行動してたのか」
「あの家出娘はこういう経緯でここにいたのか」とか、
主人公に対する反応の理由が後から分かるとか、
メインストーリーに関係ないテキストでも結構楽しませてくれる。
当時のメーカー繋がりで、
『探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.6「対交錯事件」』が映画化されてる小ネタも!
こっちもNintendo SwitchとSteamのG-MODEアーカイブスで移植されてるから、
普通に2023年の視点で見ても通じる宣伝になってるの面白い。
ゲームはほぼ一本道だけど、選択肢を間違うとバッドエンドになることも。
1度バッドエンドになると、ゲーム内で攻略……というか、
行動の答えそのものが見れるようになるのが親切だ。
ただ、それを考慮しても行ったり来たりが多く、
初回は楽しいんだけど、やり直しになると結構面倒だ。
一応メッセージの早送りはあるんだけど、細かい行動選択が多いからね。
短いゲームなのであまりシナリオについては言えないんだが、
俺の場合バッドエンドになってやり直しても2時間掛からないくらいだった。
記憶障害という設定を上手くシステムに落とし込んでいるし、楽しめはした。
ただ、シナリオの筋自体は結構チープ。
今回の事件はちゃんと本作で完結してるし見所もあるけど、
ボリュームも含めて今800円出すゲームかはちょっと微妙かも。
当時のファンや、当時の人気シリーズに興味がある人向けって感じかな。
今後のシリーズ移植も続いていくはずだから、
俺は進化を楽しみながら完走を目指すぜ!