ワイズマンズワールド リトライ 公式サイト - 株式会社シティコネクション
『ワイズマンズワールド リトライ』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS5版ね。
パブリッシャー:シティコネクション
機種:Switch/PS5/PS4/XBOX/PC
ジャンル:RPG
発売日:2024/5/30
価格:3950~3980円(ダウンロード版)4950円(パッケージ版)
備考:XBOX/PC版は2024年発売予定
2010年にニンテンドーDSで発売されたRPGのリメイク!知る人ぞ知るジャレコ最後の作品で、3人のホムンクルスたちと共に崩壊する世界を救うRPGだ。2画面から1画面への最適化や数々の調整にグラフィックのリファイン、新BGMに図鑑機能の追加など、非常に力の入った作り。
シティコネクション社長吉川氏インタビュー。なぜ「まこ8」は消えるのか、『黄金の絆』復活の可能性、そしてオリジナル新作について訊ねた - AUTOMATON
オリジナル版が出た当時はジャレコがボロボロで、直前に鳴り物入りで出た『黄金の絆』は完成度の低さで非難轟々。当時の社長は2chの住人と喧嘩したりと炎上商法みたいなことやっていて、思い付きで始めた人気投票の結果、2chのクソコテ「まこ8」がゲーム内にボスで実装されるなんて結果にもなった。そんなこんなでジャレコは消滅して本作が最後のゲームとなる。
その後、ジャレコの権利を引き継いだシティコネクションがジャレコIPの復刻を開始。そこから数年続けてきた移植の集大成として、オリジナル版を手掛けたランカースの協力の元「ゲームだけで勝負したい」という想いで送り出されたのが本作だ。
ただのリトライじゃねぇぞ……ド級のリトライ『ワイズマンズワールド リトライ』だ!
ちなみに「まこ8」はカットされてました。
俺は『黄金の絆』をリアルタイムで遊んで耳から血を出したが、こっちはプレイしてなかったのでワクワクしながら購入。クリアした結果、普通に今遊ぶにはちょっと厳しいかな……という結論になったぜ!
- 外部から隔離された街が舞台。街は一つでダンジョンはたくさん!
- 仲間は3人のホムンクルス。街の住人達も個性的!
- 3人のホムンクルスがモンスターの魂と合体!能力変化でドットも見所!
- 主人公をどう使うかがカギになる!ピリ辛でターン制の戦闘
- ザコ戦を飽きるほど繰り返す構成がしんどくなる。意外と戦略の幅も狭い
- ダンジョンが「崩壊」と「再生」をするシステムが面白さに繋がっていない
- 重い選択をプレイヤーに突きつけるシナリオ
- リメイクでの追加機能は良い、が足りない。
- ファン向け……という評価に落ち着く
外部から隔離された街が舞台。街は一つでダンジョンはたくさん!

舞台となるのは外界から隔離された街ウィザレスト。街の住人たちは目覚めた時から記憶を失っており、持っているのは魔法の知識と技術のみ。外界を目指して街を囲むモンスターだらけのダンジョンに挑み続けるが、出口が見つからないまま100年が経過。
そこに現れたのが記憶喪失の新たな魔法使いである主人公。魔女ジゼルに保護された彼は、3人のホムンクルスと一緒にダンジョンに挑む!
というストーリーだ。
そんな設定なので街は一つだけ。そこを拠点にダンジョンを一つずつ攻略していく構成になっているぞ。
仲間は3人のホムンクルス。街の住人達も個性的!

3人のホムンクルスはかわいい。
金髪ツインテで真面目だけど少し天然っぽいところがあるエーン、銀髪褐色で冷静沈着なドゥー、黒髪ぱっつんで元気なボクっ娘のトォーリとバランスも良い。作り出した魔女ジゼル、良い趣味してるぜ!

俺のお気に入りはトォーリです!知り合った人に誰でも「〇〇兄ちゃん!」って呼びかけるのが可愛い。

街やダンジョンでは外界への出口を目指す他の魔法使いや、平和に暮らす住人達など様々なキャラが登場だ。探索で命を落とすものが多かったりと、世界観は暗いがみんな逞しく生きている姿が描写されている。他の探索チームの重鎮であるバンコー団長好きだなあ。

主人公と子供の頃から付き合いがあるマチルダはコテコテのツンデレキャラで微笑ましい。
この辺はメインストーリーに絡むキャラだが、街にいるちょっとしたモブキャラにも全員名前が付いていて、ゲーム進行に合わせてセリフも細かく変化する。街が一つしかなくて狭い分、こういうところで密度を濃くしてるのだ。

アイテム屋の店主であるゲオルさん、見た目に反して異様な口の悪さで、特に重要キャラでもないのに印象的。お客様が神様なら俺は神殺しだくらいの気合を感じるぜ。『魔界塔士サ・ガ』の店員よりひどい!
3人のホムンクルスがモンスターの魂と合体!能力変化でドットも見所!

ホムンクルスはそのまま戦うのではなく、モンスターの魂と合体して様々な姿に変身する。合体する魂によって属性や使えるスキルが変化するし、合体時にアイテムを混ぜとステータスを底上げ可能。スキルも2つまで引き継げる。
属性魔法に特化させるか、物理攻撃に振るか、回復役にするか、バランス型にするか……強敵に合わせたカスタマイズが本作の大事なところ。
モンスターの魂はそのモンスターを倒すと低確率で落とすので、モンスター狩りしまくってレアドロップを狙うことになる。
スライムのヌルヌル動くドット良いっ!#WiZmansWorldReTry pic.twitter.com/YBuuHz0RCO
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) June 4, 2024
合体した魂によって様々な姿に変化するのも見所で、カッコいい姿、なんかエッチな姿、ゆるキャラみたいな姿まで様々。静止画だと地味に見えるが、描き込まれたドットが細やかな動きをするので必見だ。新しいモンスターの魂が手に入ると、どんな姿になるのかワクワクする。

こいつの防御モーション好き。
主人公をどう使うかがカギになる!ピリ辛でターン制の戦闘

ダンジョンは昔ながらの見下ろし視点。敵シンボルにぶつかると戦闘開始だ。
複数の敵を巻き込むと連戦になり、しんどいけど経験値が少しアップ。敵の後ろを取ると先制攻撃で、逆にこちらが後ろを取られると奇襲を受ける。

戦闘はオーソドックスなターン制で、戦闘が終わるとHPが全回復するタイプだ。
3人のホムンクルスは強力だが、合体している魂によって使えるスキルが変わるし、魔法などで消費するSPは戦闘が終わっても回復しない。
主人公はステータスこそ低めだが、すべての魔法を覚えるので全属性の攻撃、回復、補助となんでもこなせる。魔法などで消費するMPも戦闘が終われば全回復となるぞ。
きっちり役割分担したホムンクルスを、オールマイティに動ける主人公で臨機応変にサポートする。ここが本作の面白いところ。敵はそこら辺のザコもかなり強く、状態異常や全体攻撃を先制で喰らうとあっさり全滅しかねない。
敵の特性を見極め、経験値や新しいモンスターの魂をゲットしてホムンクルスを強化し、着実に前に進む楽しさがあるのだ。

輪を掛けて強いのがボス。
ボスの行動パターンや属性を踏まえて、ホムンクルスと主人公をどうローテーションさせるか悩ませながらの死闘が燃える。描き込まれたデカいドットで表現された「これぞ古き良きボスキャラ!」感もたまらないぜ。
ザコ戦を飽きるほど繰り返す構成がしんどくなる。意外と戦略の幅も狭い

しかしダンジョンはだだっ広いだけの平坦な作りで、そこにザコのシンボルを山ほど詰め込んだ薄味の構成。最初から最後までずっとザコ戦を繰り返すことになるから飽きてくる。
強力なボス戦は歯ごたえあるんだけど、ボス戦のために仲間の編成変えようとすると、ザコが低確率で落とす魂と、アイテムを合成してステータスを底上げするための金が必要になる。なので結局ザコ狩りは必須だ。
魂は落ちない時はマジで落ちないし、落とす確率を上げるアイテムとかも一切無い。お金が稼ぎ辛いのもあってしんどいぜ。

ボスも試行錯誤してると「全体攻撃をどう耐えるか」に落ち着いてしまうため、ある程度遊んでると戦略の幅が狭いことにも気づいてしまう。
ラスボスが異常な耐久力と全体攻撃の頻度で苦戦をさせるという、ゲーム中で一番退屈なボスだったのも全体の印象を悪くしてる。
最初から最後までずっとザコ戦での稼ぎを繰り返すゲームなのに、お金と経験値を簡単に稼げるDLCが330円で売ってるのも空しくなる……。最近はこういうの珍しくないとはいえ。
ダンジョンが「崩壊」と「再生」をするシステムが面白さに繋がっていない

探索している時に特定の条件を満たすとダンジョンが崩壊、または再生を起こして地形が変化するシステムも、探索が面倒なだけでまったく面白さに繋がってない。
進める道が増えたりはするんだが、そもそも平坦なダンジョンだから見た目以外に変化が乏しいのだ。
変化が起こるとスタート地点に戻されて探索がやり直しになるので、俺のやる気も崩壊寸前!
特定の条件を満たすと崩壊と再生の条件が分かるんだが、こんなつまんない条件なんかい!という気持ちで作業感が増すだけだった。
各ダンジョンにはショートカット可能なチェックポイントが2つ存在するんだが、探索で宝箱から「起動石」を手に入れておかないと開放不可能。ここも遊んでて面倒に感じたところだね。
重い選択をプレイヤーに突きつけるシナリオ

本作は節目ごとにプレイヤーに重い二択を要求してくるのも特徴だ。
どっちを選んでも後悔しそうな正解の無い二択で、短い中で登場人物をしっかり立ててくるので悩まされるぜ。
後から「明確に正解の選択肢があったんじゃないか?」と考えてしまう展開が来て引っかかったが、とある重要人物の行動原理にも繋がった構図になっている。そこも含めて「正解の無い選択に悩まされる物語」として筋が通っていると納得できたな。
ゲームの大半が無限に続くザコ戦なのでもっと細かいイベントが欲しかったが、キャラ含めてシナリオ自体はまずまずだ。
リメイクでの追加機能は良い、が足りない。

リメイク版で追加された図鑑機能は非常に快適で、一度戦ったモンスターと自由に再戦が出来る。経験値やアイテムなども通常戦闘と同じように手に入り、負けてもゲームオーバーにならない。魂を狙ったレアドロップ厳選作業が捗るぜ!
っていうかオリジナル版これが無かったってマジか。

死んだら即ゲームオーバーでタイトル画面行きなのにオートセーブ無しとか、ミニマップに宝箱や素材の場所が表示されないのは不便な点。ここは現代に改めて出す作品としてもうちょっと親切で良かったと思う。ロード時間などは問題なし。
ファン向け……という評価に落ち着く

クリアまで35時間以上。
仮にリアルタイムで『黄金の絆』の次に遊んでたら
「ちゃんとしたRPGになってる!やるじゃんジャレコ!ジャレコ?死んでる……」
ってなってたと思うが、今遊ぶにはちょっと厳しかった。平坦なダンジョンでザコ戦を果てしなく繰り返すゲームで、閉塞感のある世界設定なので冒険してる感も薄い。
キャラやドットに熱いBGM、魂合成でパーティ編成を試行錯誤する面白さなどはあるもの、強すぎる作業感に全部の意識を持っていかれる。G-MODEアーカイブスの今遊ぶとしんどいRPGに近い感覚だった。
「古き良きRPG」と評されてるのをよく見たが……どうだろう!?
パーティ強化のために延々とザコ狩りしてレアドロ狙う作業が大半だからなぁ。
ニンテンドーDSのRPGをこういう形で移植した労力は本当に凄いと思うんだが、ゲームとしては当時のファンやジャレコファン向けって評価になりました!