OGRE TALE -鬼譚-(オウガテイル)公式サイト - 和風剣劇バトルアクション いざ開幕!
『OGRE TALE -鬼譚-(オウガテイル)』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはPS4版ね。
パブリッシャー:MAGES./KOMODO
機種:PS4/Switch/XBOX/PC
ジャンル:ミッションクリア型アクションロールプレイングゲーム
発売日:2024/7/11(PS4/Switch/XBOX)2020/8/21(PC)
価格:1980~2178円
現代の日本を舞台に可愛い鬼の三姉妹と、おとぎ話の英雄たちが激戦を繰り広げる和風アクションゲーム。『ファントムブレイカーバトルグラウンド』のスタッフが贈る完全新作だ。2020年にPC版が発売され、そこから随分経ってやっとコンシューマ版が実現した。今年に入ってPC版もアップデートでバランス調整が入ったようだ。
ドットで表現された個性豊か&可愛いキャラクターたちは見所満載なんだが、ゲームとしてはあまりにも大雑把でバランスもグダグダ……!フルボイスで送る長々とした会話も、氷柱でぶん殴られるような寒さ!こいつはキツかったぜ!
プロローグは鬼族の女統領と桃太郎の最終決戦からスタート。桃太郎が勝利するが、鬼の女統領は負けた後も復讐を誓って転生を繰り返す。そして数百年後の現代で鬼族の末裔「鬼ヶ島三姉妹」を育てていた。桃太郎を倒して一族の仇を討つと意気込んでいたが、当の桃太郎は現状に不満を持って人間に反旗を翻す。
色々複雑だが、とりあえず桃太郎を倒すぞ!鬼ヶ島三姉妹!というストーリー。
プロローグに登場した「彩羽(CV.田村ゆかり)」が転生して「いろは(CV.千葉繁)」になったことにゲーム内でツッコミが入ったり、「王国民になれると思ったのにー!」なんてヤジが飛んだり……まあそういうノリだ!
ゲームは2Dのベルトスクロールアクションで、通常攻撃、必殺技、遠距離攻撃、投げ、ガードなどを駆使して大量の敵を倒す作りだ。
キャラのドットやモーションは非常に丁寧に作られているし、背景のこだわりも必見。見てくれよこの新宿のヨドバシカメラとクラブセガの再現度!昔の新宿各所を再現してるので、個人的に結構感動するぜ。販売元繋がりで『バレットソウル』のキャラがいたり。他にも京都や廃遊園地、樹海に竜宮城などなど。現代日本+おとぎ話で送るステージ構成は彩り豊か。
最初は立ち回りが分からなくてもたつくが、必殺技が解禁されてからは豪快に戦えるようになる。大量の敵を爽快にぶっ飛ばせるコンボアクションゲームになっているぞ。
公式サイトにも書いてあるが、レア装備を狙うハック&スラッシュ要素がある。
敵がランダムで落とす武器を拾って強くなる!武器に付いている空きスロットに呪符や宝珠をセットすれば更にパワーアップだ!スキルは単純なステータスの底上げから、遠距離攻撃に貫通を付けたり、複数ジャンプが可能になったりと色々。
「強いけどスロットが空いてない」「弱いけどスロットが空いてる」なんて悩むこともあるのがハクスラらしい。
それでもずっと遊んでいれば、強くてスロット空き放題の武器も手に入る。
これが俺の最強武器!「超・謎のムラサメブレード+2 スロマシマシのマシのマシのマシ LV91」だーーーーーッ!みたいな頭の悪い表記は大好き。
ミッション数はストーリーに関係ないサイドミッションを含めると50以上。難易度は最大で6段階あり、高くするほど強い武器が手に入りやすくなる。あえて格上の難易度に挑んでいきなり強い武器を狙っても良しだ。
と、そういうゲームだが……グラフィック以外の大体全部が大雑把!
ザコ敵が消えながら空を飛ぶ敵、こちらに高速で突っ込んでくる敵、銃撃しつつたまに消える敵など、鬱陶しい奴らが多いし、いきなりこちらの周りに敵の群れが出現して殴られる箇所も多くて理不尽。
メインミッション自体もボスと戦わず終わったり、ちょっとザコ倒して移動しただけで終わるぶつ切りなものが多く、かと思ったら変に面倒な迷路が始まったりと、遊んでいて気持ち良くない構成だ。
メインミッションもサイドミッションも最初から最後まで似たような敵構成が続くし、方向キー2回入力のダッシュ操作が微妙に動かしてて引っかかるのも気になる。
ボスはいつ攻撃すればダメージが入るのか分かり辛い相手が多く、デザインは凝ってて面白いのにチマチマとダメージを与えるバトルばかり。
牛鬼をホルスタインカラーにするセンスとか好き。桃太郎の犬猿雉を合体させて三つ首の「ケルベロス」として出してくるのも面白いわ。
バランスも極端で、こっちがちょっと強ければ、ひたすら必殺技連打であらゆる敵を瞬殺可能!ここまでに説明したウザい敵は、全部雑に必殺技を振るだけで死にます!ボスのガードも叩き割れます!
でもレベルが足りてないと飛んでくる見辛い敵の銃弾などで即死!
最強クラスの武器が割と簡単に拾えちゃうので、それが手に入ったらあとは必殺技を雑に振り回すだけの作業になるぜ……。
レベルを上げて高難易度に挑めるようになると金がザクザク手に入るが、金の使い道がないのも空しい。ショップに並んでる最低ランクの装備を買う以外の使い道が無いのだ。その上でアイテム周りのUIが悪くてまとめ売りが面倒。
武器の強化や合成要素、防具の概念など一切なし。拾った強い武器に、拾った強いスキルをセットして最強武器完成!それ以外に道無し!って単純なゲームである。
会話デモがずっとこんな感じのアクションゲーム、なかなか厳しい pic.twitter.com/HOBSiH4iDH
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) July 14, 2024
シナリオもキツい……!
思いついたパロネタやネットスラングをそのまま書き散らかしたような、冗長な会話が延々と続く。
メインキャラがみんなパロネタとメタネタとネットスラングを喋るから個性が薄くなってるし、会話デモは無駄に長いのにシステム面で説明不足が多かったり、ザコの種類は豊富なのにその辺に言及する会話が無かったり、世界観がよく分かんなかったり。ゲームの魅力を掘り下げられてないから、マジで「無駄話」としか表現できない。
「パロネタだらけのしょうもないけど笑えるシナリオ」として成立してれば良かったが、本当にただ滑り倒してるだけ。フルボイスなのが逆にキツいぜ!トロフィー/実績もゲームと関係ないパロネタで埋まっているから逃げ場なし!
話が長いとかネタが古いとか、自分でツッコミ始めるのがまたキツい。
いろは(CV千葉繁)のセリフが多く、大御所ならではの心地よい名調子も聞かせてくれるのに全然面白くない。緊急事態ですよ。みんな避難しよう。こっちだ逃げろーッ!
常に操作キャラが棒立ちなので会話デモと画があってないことが多く、例えば「桃太郎の奇襲を受けた主人公たちが、一瞬でやられて縛られる」ってシーン、ずっと棒立ちでセリフでしか説明しないから、何が起こってるのか分からず混乱した。
「ラスボスの桃太郎が変身する」「変身後の姿がひどくて主人公たちが爆笑」ってシーンも、映像では最初から変身後の姿で出てくるので流れが成立してなかったり。
アクションゲームの会話デモだろうがッ!アクションしろよ!
こんなグダグダな無駄話ばかりのゲームなのに、エンディングは驕り高ぶった人間がどうこうとか、変に説教臭く終わるのがマジで最悪だと思いました。
このノリのゲームで一番やっちゃいけないやつだろそれ!?100点満点で0点のダメさで、一周回って一番面白かったまである。
ラスボス前の会話で「たった3匹のアリが恐竜に勝てると思うのかい」「変身があと2回あるんじゃないだろうな」とかドラゴンボールのフリーザ戦を始めるゲームのクセによぉーッ!
トロフィー/実績は簡単にコンプできるが、いくつか分かり辛いものがある。2020年発売のゲームなのに、ビビるくらいネットに攻略情報が無くて震えたのでここで解説。
OGRE TALE -鬼譚-(オウガテイル)の実績/トロフィーである「おたやん」、浦島太郎が稀に召喚する亀っぽい敵の上に乗ると取れます。 pic.twitter.com/DA8yPBgyDy
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) July 14, 2024
「おたやん(アレの上に乗る)」は浦島太郎が稀に召喚する亀っぽい敵の上に、ジャンプで乗ると取れる。『妖怪道中記』のパロネタらしいんだけどわかんなくて苦労した。製作者の趣味にプレイヤーをノーヒントで巻き込まないで!
「運ゲーかよ(いずれかのレア妖怪を倒した)」は、サイドミッションの『雪入道を探せ!』で取れた。ひたすらザコ敵を倒してると出てくる雪入道を倒すと取得だ。
参考にしてくれ!
ハック&スラッシュをウリにしてるが、クリアしてトロコンしてレベルMAXにして、最高レア武器拾って最高難易度で暴れるまで遊んでも、6時間ほどという内容の薄さ。クリアするだけなら2~3時間かな?
ドットは文句無しの素晴らしさで、結構豪華な声優さんのボイス量も評価点なんだが、そこ以外で褒めるところが全然無かった……。
もし買うつもりなら「鬼」を覚悟せよッッ!