『まつろぱれっと』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはPS5版ね。
パブリッシャー:ケムコ
機種:PS5/PS4/Switch/XBOX/PC
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2024/11/15
価格:1430円
喋る絵画の女の子と7日間を過ごすアドベンチャーゲームだ。選択肢をしくじって女の子の機嫌を損ねると呪いでぶっ殺される!彼女との交流で絵画の正体を探り、未完成の絵を完成させるのが物語の終着点。
スマホで大ヒットしたタイトルのコンシューマ版で、追加要素として前日譚エピソードが収録されているぞ。
システムはよくあるポイント&クリックタイプのアドベンチャーゲームだが、女の子の魅力と「絵画」をテーマにした切り口が光る1本だった。
主人公はとある画家。知り合いに見せられた呪いの絵画によってアトリエに閉じ込められてしまい、魂を削りながら彼女の要望に応えることになる。
ゲームは一本道のアドベンチャーゲーム。
毎日彼女からお題を出されるので、先行した犠牲者たちの言葉を参考にアトリエ内を探索。お題に相応しいモチーフを見つけたら、呪いの絵画にそれを描き込む。正しければストーリーが進むし、失敗したらやり直し。
狭いアトリエでアイテム集めて、女の子に正しい物を突き付ける!という単純な構成だ。
そして絵画相手なのでアイテムを「渡す」ことは出来ず、「絵画に描き込む」という形で彼女に提供する。お腹が空いていると言われたので、アトリエでリンゴを探して、それをモチーフにリンゴの絵を描き込んだりね。描き込む際には色の選択も可能で、これも合否に関わってくる。
しかし描き方をしくじると女の子が機嫌を損ねて即死!
食べたかったリンゴを頭の上に描くと撲殺されるし、皮を剝いてないリンゴを描くと、全身の皮を剝がされて殺されるし、何も描かずにじっと見てると目をくり抜かれて殺される。呪いの絵画による48の殺人技が主人公に襲い掛かるぞ!
死に様はえぐいものだらけだが、簡略化したイラストなので絵的にキツいものは無し。
彼女の機嫌次第で変化する主人公の末路は数十種類で、一度見た末路はギャラリーで確認できる。特にコンプ特典などは無いが、せっかくだからコンプを目指して彼女に無礼を働きまくろう!ほーら、こんなところに置いたリンゴを食べることが出来るかな?(首を引き延ばされて死亡)
死亡バリエーションが豊富過ぎて面白い。死んでも即リトライなのも親切。
この死にゲーっぷり、コンシューマ版がケムコから出ているので『シャドウゲイト』を思い出してしまうな……わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!
舞台は閉鎖空間だが女の子のノリで次々に変化する絵画や、少しずつ明らかになる物語の背景で飽きさせないし、女の子の理不尽だけど品のある喋り方や表情の変化も魅力的だ。
なんか物凄い表情の猫も出てくるぜ!
コンシューマ版で追加された短編は本編の前日譚。
過去の被害者たちの視点でちょっとした謎解きに挑戦する。
本編の謎解きが全体的に簡単で、「黒猫」みたいな絵画らしい謎解きがもっと欲しいと思っていた俺にはちょうど良い内容で満足だ。
クリアまでは2~3時間ほど。
色の無い狭いアトリエの中で、幾重にも姿を変える絵画と向き合い、試行錯誤をしながら筆を重ねて物語を引き出す。まさに絵画を題材にしたアドベンチャーゲームだ。
女の子もどこに地雷が埋まってるか分からないヤベー奴!って印象から、どんどん見え方が変わって鮮やかな着地を見せる。単純なポイント&クリック型のアドベンチャーゲームながら、筆さばきの上手さでしっかり独自の魅力を確立した1本だった!