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【レビュー】B級すぎる!ある意味驚きの超魔術アクション『ジャレコレ ファミコン編:マジックジョン』【Switch】

 

ジャレコレ ファミコン編:マジックジョン & Totally RAD | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

『ジャレコレ ファミコン編:マジックジョン』のレビュー行くぜ!

 

パブリッシャー:シティコネクション

機種:Switch

ジャンル:超魔術アクション

発売日:2025/4/24

価格:990円

 

1990年にジャレコから発売されたファミコンソフトの移植だ。

駆け出しマジシャンが超魔術で敵と戦う2Dアクション。当時大ブームだったMr.マリックの影響が大分きてますね!メニュー画面の新規BGMがMr.マリックのテーマと、手品でよく使われるオリーブの首飾りのリミックスなのめっちゃ笑った。

 

ジャレコのB級ゲームを復刻する「ジャレコレ」シリーズの1本。巻き戻しやクイックセーブはもちろん、原作を遊びやすくする新機能も多数搭載だ。

 

俺は今回が初プレイだが、「これマジシャンなの!?」と言いたくなる内容の取っ散らかり方がスゴかった。色んな意味でこれぞB級!な1本だったぞ。

 

 

主人公はごく平凡なアメリカの少年ジョン。

スーパーマジシャンであるミスター・ポンに憧れて弟子入りするが、来る日も来る日も体力作りの運動ばかり。ガールフレンドのユウに応援されながら頑張っていたが、正体不明の怪人たちに襲われ、ユウも誘拐されてしまう。

教わったマジックで怪人たちを倒して追いかけたら、なんと敵の正体は地底人だった!

という斜め上なシナリオだ!

 

 

ゲームを始めるとミスター・ポン氏の濃ゆい顔をいきなり拝むことになる。

 

 

ゲームはステージクリア型のアクションで、溜め撃ちも出来るショット攻撃がメイン。MPを消費して回復や無敵、全体攻撃に変身能力のマジックが発動可能だ。

 

言ってしまうとロックマン系のゲームなんだが、最初からすべてのマジックが使えるのと、MPの回復手段が「チェックポイント通過」「1回やられる」しかない。途中でアイテムを取って回復する手段が無いってわけだ。

 

なので「限られたMPをどう使うか?」というリソース管理が問われる構造。

鬱陶しい敵を全体攻撃で一掃するか、手強い中ボス相手にどの変身で挑むか、回復マジックを使うべき温存すべきか。ここが本作の特色と言える。

 

 

変身能力は「接近攻撃&ジャンプ中無敵のライオン」「飛行可能&羽による遠距離攻撃のホーク」「水中で高機動&ヒレ攻撃のフィッシュ」とあり、MP消費が少ないので使いやすい。

 

……まあ、お察しの通りホークのゴリ押しでなんとかなる場面が多く、フィッシュは使う場所あんまり無いんだがな!水中タイプって基本的に不遇になるのよね。

 

そもそも火風水岩の全体攻撃に変身能力って、これマジシャンでも超魔術でもなんでもなく、ただの攻撃魔法だよな!?本当に種も仕掛けも無いマジックで地底人を焼き払うゲーム!

 

 

風のマジックで出てくる風のオッサンとか一体誰なんだ。雲山かな?

 

 

そういうわけでロックマン風にしつつ、一味違う面白さがあるゲームになっている。

しかし全体的に敵が硬くてザコ1匹にも手間取ったり、ゴツゴツした狭苦しい地形が多かったり、溜め攻撃がジャンプ中に撃てなかったり。どうにも遊んでいて引っかかる点が多い。

 

 

ステージ1でいきなり「徒歩で通過できず、ジャンプで上に乗ると滑り落ちる坂道」が頻繁に出てくるのがもう良くないと思う……!

 

マジックの使いどころを見極めるとボスも簡単に倒せるのは長所と言いたいが、ゴリ押しでなんとかなるボスと、弱点を突けないとやたら苦戦するボスが極端。

 

 

ラスボスは初見で完勝出来るくらい弱いのに、その手前の中ボスはゲーム中最強。マジック全部ぶち込んでギリ勝てる強さだったぞコイツ!

 

ラスボス手前の中ボスを除けば、ファミコンのゲームとしてはそこまで難易度が高くない。繰り返しプレイして「ここでこのマジック使えば楽勝じゃん!」を探るゲームとしての面白さもちゃんとあるんだが、リソース管理を重視して、アイテムや新しい技入手する要素を無くしたせいで地味だし、全体的に練り込みが足りてない印象だ。

全体攻撃魔法が4つあって違いがよく分からないとか。ゲームが進むとマジックが強くなるって説明があるけど実感できないとか。

 

 

ケミカルな色使いの巨大ボスなんかは迫力あって好きな点。一部のボスには部位破壊要素があったりで、ファミコン後期らしい凝りっぷりだ。

 

 

カラーパレットの大胆な使い方がシビれるキモカッコ良さ!

 

 

本作のエンディングでは主人公のガールフレンドであるユウが登場。

手助けをしたかったけど、マジックを覚えられなくて花を出すのが精いっぱい、といういじらしいシーンが非常に気に入っている。マジックと称した攻撃魔法で怪物をなぎ倒す謎ゲーの最後に、人を笑顔にする本物のマジックを見ることが出来たからね。このゲームでマジックが何なのかをちゃんと理解してたのユウだけよ!B級ゲームの最後に咲いた一凛の花である。

 

 

ちなみに本作には海外版である『Totally RAD』も同時収録されており、そちらも日本語でプレイが可能。主人公が顎の割れた兄ちゃんになってる!セリフ回しもなんだかアメリカンだ。

 

 

ガールフレンドも大人になってる!

ゲーム内容は一緒なんだけど大分インパクトあるぜ。

 

 

「ジャレコレ」としての新機能に触れておくと、いつでもセーブ&ロードに、ボタンを押してる間だけ発動する巻き戻し機能、LRボタンを使ったマジックの切り替え、画面右にマジックの効果を表示、敵を一定数倒すと1UPするルールなので倒した敵の数の表示、ボスの残り体力の表示、実績機能、タイムアタック用のタイマー機能などを搭載だ。

すべてOFFにして、ファミコン版に近いスッキリした画面でのプレイも可能。

 

オリジナル版はポーズメニューから使うマジックを切り替える操作が手間だし、ボスの体力が高いから体力表示が無いとしんどい。痒い所に手が届く機能素晴らしい!

 

日本版・海外版共にパッケージと説明書を収録しているのもありがたいね。

 


クリアまでは1時間くらい。

とっ散らかってる部分と光る部分が混在した、B級ゲームらしいB級ゲーム。こういうタイトルも見事な追加機能付きで出してこそジャレコレか。

オススメはし辛いが、味わい深い1本でなんだかんだ楽しかった!