Steam:Nitro Express(ナイトロ エクスプレス)
『Nitro Express(ナイトロ エクスプレス)』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:PLAYISM
機種:PC
ジャンル:2D横スクロールアクションゲーム
発売日:2025/5/19
価格:1300円
主役はハッピートリガーの美少女!押し寄せるメカを重火器で粉砕するアクションシューティングだ!
Grayfax Softwareの最新作。過去作の『Orangeblood』は犯罪島でヤクザ相手に暴れる血生臭い内容だったが、今回はドローン犯罪と戦う内容。ライトに仕上がってるぞ。ドローンには血も涙も無いから安心!
操作や仕様面でクセがあるので好み別れるが、俺としては世界観・バトル含めて非常に楽しかった!
ハイパーテクノロジーの急速な発展とともにあらゆる分野に進出した自律型ドローン 「コンパニオン」。しかしそれは、コンパニオンを利用したテロという新たな社会的脅威をも生み出すことになった。東京特別行政区・内瀞市警察の対コンパニオン専務部隊・AVDS―― "例外車両処理班" の出撃である。
とかそんな感じの世界観とストーリー!
ドカーン!問題児の萌えキャラが重火器振り回して暴走メカをハチの巣にするぜ!
主人公たちは警察の一組織の人間だけど問題児で庶民的な会話もある。その上で戦車相手に戦うステージで、武装状態の戦車相手だと職域を越えちゃうとか、自衛群の治安出撃なんて話が出るとか。どことなく『機動警察パトレイバー』っぽい雰囲気だ。
コミカルな掛け合いをしつつ、テロや社会のきな臭さを掘り下げる会話デモは面白いし、2人に振り回されるいかにもな上司キャラの山田班長もいい立ち位置。
ただでさえテンション高いのに、高笑いする金髪縦ロールお嬢様もお出ましだ!色々な栄養分が含まれていて体に良さそうなゲーム。
金髪縦ロールお嬢様で高笑いするお嬢様はまだガンには効かないが、そのうち効くようになる。
ドット演出は期待を裏切らず、毎ステージこういう一枚絵がガンガン出てくるし……。
署内を全力ダッシュで駆け抜ける出動シーンはモブまで個性的。ピザ屋の配達みたいな山盛りの書類持ってる人や、昔気質の刑事っぽい人、連行されてる人などなど。
こういうチラッと映るだけのシーンも作り込まれてる。全シーンが見せ場と言っていい密度だ!
市街地戦でボスの装甲車を破壊した瞬間に、画面外から消防車がすっ飛んできて放水しながらクリア画面になるとか。とにかく小気味良い演出がバチバチにキマってる。
ゲームオーバーになってタイトル画面に戻ってくると、病院に入院してる小ネタも。凝ってる~!
市街地の架空店舗の看板も作り込んであって面白い。
これは割と作り手のセンスが出るドン・キホーテのパロ店舗。本作は「ドン・ファン」でした。『メガトン級ムサシ』は「ベン・ハー」だったなぁ。
ゲームとしては2Dのアクションシューティングで、メインウェポン2つとガジェット2つを選んで出撃する仕様。メインとなるストーリーモードと、特殊な条件や高難易度ボスなどに挑むミッションモードが存在する。
お金を貯めて新しい武装を買う要素もあり、ストーリーモードで苦戦するならミッションモードで稼いで武器を揃える……なんてやり方も出来るぞ。
ザコ倒しながら右に進んでボス倒したらクリア!が基本の分かりやすい構成。
2Dで精密に表現された日本の街並みの中で、押し寄せるメカ軍団と銃撃戦するのが熱い!右スティックで狙いを付けて射撃し、時間経過で溜まるゲージを消費してガジェットをぶちかます!敵弾はローリングとジャンプで避ける!
回復アイテムはたまに飛んでる出前中のドローンを撃墜してゲット!
ドラムカンを壊して中から食い物をゲットなんてもう古いぜ!
装甲の分厚いボスはコントロール部分を銃撃で撃ってダウンさせてから、装甲の薄い背後や弱点にガジェットの爆発武器をぶち込む!という立ち回りが基本だ。
凄まじいドット!撒き散らされる銃弾と破片と爆風と爆炎!
現代版『メタルスラッグ』的なアクション……と言いたいが、コンセプトはまるで異なり、仕様面も癖が強い。
大ダメージを受けると吹っ飛んで起き上がるのに数秒掛かる、ローリングするとリロードが途切れる。爆発物は自分にも判定がある。装甲の厚い敵やシールドに通常兵器を撃つと弾が反射されてこっちに当たる。キャラの向きでカメラが大きく動くので真上の敵を狙い辛い。回復アイテムがすぐ消える。死ぬとステージ最初からやり直し。
慣れるまではもっさり感が強いし、加えて爆発エフェクトが派手過ぎて細かい敵が見辛いのも難点だ。F1メニューから画面振動切らないと結構キツい。
しかしステージは短くてテンポ良いし、有効な武器を見極めて攻略する気持ち良さがある!
ジリジリと引き撃ちで敵を削っていき、ここぞというタイミングでガジェットを起動して敵をドカーン!ガジェットは自動攻撃タレット、EMPドローン、火炎放射器、対戦車ミサイル、対戦車地雷など多彩。起動するとザコを一掃できる指向性地雷なんかは初期装備ながら頼れるヤツ。
どの武器を持っていくか。どのタイミングで使うか。
激しい敵の攻撃の中で見極めて押し返していくのが熱い。武器の相性ゲーかつ覚えゲーであり、それなりにアドリブの攻めも効くバランスだ。
ボス戦は見た目も動きも個性的で戦ってて楽しく、慣れるとローリングで避けてからの狙い撃ちで体力をゴリゴリ削れる。ボスの体力が減るとBGMが切り変わる演出も遊んでて盛り上がる。こういうところ含めて演出は本当に分かってるぜ!
新しい武器の値段が全体的に高めなのがちょっと辛いところ。ステージ中に死ぬと最初からで手に入れた金も没収される。初期から解禁されてる武器がもうちょっと多ければ印象変わったかも。
まあ、ミッションモードで戦闘の無い稼ぎステージも用意されてるから救済措置はあるし、明確な強武器もあるのも分かりやすくてこれはこれで。
ミッションモードはザコ殲滅や防衛に、ひたすら車を破壊するステージ、海に銃弾をぶち込んで魚を獲るステージなどなどバラエティ豊か。
ダイナマイト漁はもう古い!時代はロケットランチャー漁だぜ!カニも飛び出す破壊力!
ミッションモードだけの背景も多く、レストランで何十台もコンパニオンが出てきて暴れる中、店の前でタバコふかしてる店員さんイカしてる!
ただ、ストーリーモードのボスに切れ目なく無限湧きするザコを付けただけという、雑な高難易度ステージが混じってるのは不満。ボスの弱点を狙ってダウンさせて最大火力を叩き込むゲームなのに、ザコが切れ目なく襲ってくるから弾が届かなくてストレス溜まる。貫通性能がある強武器でゴリ押すだけになってしまったな。
むしろ「金貯めて手に入れた強武器で存分にゴリ押してください」というステージとして受け取めるべきかも。
ボタン連打で事務仕事するミニゲームは「これ1種類だけかよ!?」とツッコミたくなるが、本当にこれがやりたかっただけという潔さを評価したいッ!!
アクションゲーム慣れてる人間がストーリーモード・ミッションモードを一通り終わらせて、5時間掛からないくらい。
暴走メカを蜂の巣にするロックンロールなゲームかと思ったら、遊んでいて引っかかる仕様が多い……それをお前の手でロックンロールにするんだよ!出来た!
そんなゲームで慣れてくるとサクサク進められて、武器の切り替えを意識して戦う手応えがあり、強力な武器が揃ってくると爽快さも倍増。最初から最後までノンストップで進むストーリーと演出も堪能したぞ。『アクションゲームツクールMV』でこんなゲーム作れるんだなぁ。
好みは分かれるものの、定価1300円のアクションとして満足度の高い1本でした!