『魔法司書アリアナ ~七英傑の書~』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:アイディアファクトリー
機種:PS5/PS4/Switch
ジャンル:サイドビューアクションRPG
発売日:2025/8/21
価格(税込):7480円
コンパイルハートが送る完全新作のアクションRPGだ。企画・開発は株式会社ハイドが担当しており、キャラデザもハイド所属のKYK氏が手掛けている。
複数の魔法を組み合わせた爽快バトルや、VTuberの周央サンゴさんが主役の声を担当している辺りが特徴となっている。
今年のコンパイルハートはパッケージでの完全新作を3本も発表しており「せっかくだから3本ともやってみるか!」「完全新作を応援するのが当ブログだ!」という気持ちで臨んだら死亡遊戯がスタート。
・俺のレビュー
□【レビュー】「遅延行為」をゲーム化したような8580円のスゴロクRPG!『届けろ!戦え!カラミティエンジェルズ』【PS5/PS4/Switch】 - 絶対SIMPLE主義
□【レビュー】ここ数年でワースト!8580円の虚無!『スカーレッドサルベーション』【PS5/PS4/PC】 - 絶対SIMPLE主義
8580円で地獄行きの片道切符を2枚買うことになって吐血。
もうコンパイルハートのゲームはコリゴリだよ~!3本目となる『魔法司書アリアナ ~七英傑の書~』が最後の戦いだ!シューティングゲーム以外は新作が出ても買わないぞ!
と、遊んでみたが今回はそこそこ面白かった!人を楽しませようという気持ちが感じられる内容になっており、地獄から現世に帰ってこれた気分になれたぞ。
まあ「仮に定価が2000円くらいならそこそこ満足」というレベルの話ではあるがな…!
- 世界を救うために「魔法司書」が本の中を冒険するストーリー
- 魔法でガシガシ進むアクションRPG!探索要素は薄めでステージクリア型に近い
- 多彩な属性魔法で敵を圧倒する「攻め」の魔法アクション!
- 溢れる低予算感!湧き出す色違いの敵たち
- 悪くない素材を調理せずに食わされてるようなシナリオ
- やり込み要素は作業系多し!時限式の条件にも要注意
- まとめ:定価2000円くらいならアリだけど現実は7480円!
世界を救うために「魔法司書」が本の中を冒険するストーリー

舞台となるのは魔法を生み出す魔法書によって人々が豊かな暮らしを送る世界。
すべての魔法を司る「七英傑の書」が何者かに改ざんされ、魔法が使えなくなってしまう。修繕可能なのは特別な司書官魔法を使える主人公のアリアナのみ。
魔法書の中に飛び込み、書の中で魔物と戦ってすべての七英傑の書を修繕せよ!
というストーリーだ。
普通の魔法書を活用すれば一般人まで魔法を自在に使える世界で、科学技術は忌むべきものという見方もあるが、そっちはそっちで研究してる人間がいる。こういう歪な発展も描写されている。
魔法でガシガシ進むアクションRPG!探索要素は薄めでステージクリア型に近い

サイドビューのアクションRPGで、スロットにセットした3×2種類の魔法を自在に使いながら戦っていく構成だ。ゲームが進むと新しい魔法の取得や強化などが可能になっていくし、アクセサリーを装備してのパワーアップもある。

ザコ敵を倒しながら探索し、修繕個所を見つけたらボタンを押して修繕開始!
「制限時間以内に敵を全滅させる」「ゴールを目指す」などのミッションが始まり、クリアすれば修繕完了だ。修繕すると強化素材が手に入るし、クリアタイムAランクで修繕するとステータスアップなどの特典もあるぞ。

怪しいザコ敵を倒さないと出現しない修繕場所もあるものの、マップ開いて背景が暗くなっているエリアに絶対存在するので分かりやすい。

すべての修繕個所を回る必要は無く、ストーリーを追ってボスを倒せばその書はクリアとなるが、全部回った方が強くなれる。
街に相当するのは拠点となる図書館だけで、そこから「七英傑の書」を1つずつ攻略していく構成。マップの構造は単純なので探索要素は薄め。二段ジャンプなどの新アクションで行動範囲が広がる要素もあるんだが、新アクション自体の数が少ない。
ゲームとしてはステージクリア型のアクションに近い構成だ。
どっかのフルプライスゲームみたいに「水増しみたいな道中が延々と続いて気が狂いそうになる」というようなことはなく、程良い長さでまとめてある。
多彩な属性魔法で敵を圧倒する「攻め」の魔法アクション!

本作の魅力は何と言っても魔法攻撃の爽快感!
特徴の異なる魔法の合わせ技を考えて敵をガンガン倒すのが楽しいゲームになってる。
敵を引き寄せる魔法でひとまとめにしてから、複数の敵に連鎖する魔法を撃ち込むとか。
発射までに時間の掛かる貫通ビームの魔法を発動させつつ、敵をぶん殴って射程範囲に足止めするとか。
盾を召喚する防御魔法の後ろから遠距離攻撃魔法でチクチク削るとか。
自動で敵を攻撃してくれる魔法を発動しながら、接近攻撃でガンガンダメージを与えるとか。
立ち回りが分かって来るとスピーディーに攻められるシステムだ。
魔法の発動にはSPが必要となるが、これは時間経過ですぐ回復するので撃ちまくれる。

全体的にプレイヤー有利のシステム設計で、魔法を当ててゲージ貯めると極太の属性レーザーをぶっ放せたり、特定の魔法を一定時間強化するフォームチェンジを行えたり。
同じ属性の魔法で攻撃し続けて敵のバーストゲージをMAXにすると、周囲の敵を巻き込んで大ダメージを与える属性バーストが発動するし、攻撃を当てて敵のガードゲージをゼロにすると一定時間動きを止められる。そこに魔法をぶち込めば大ダメージ!
「魔法司書」というサポート職みたいな肩書からは想像もつかない火力ゲーである。
これが知だッッッ!

攻撃判定のある泡が跳ねまわる魔法が超強くて、覚えて使った瞬間にスタンディングオベーション。もうコイツだけで良いんじゃないか?スプラトゥーンでもこういうのが猛威を振るってた時期あったし。
と思いきや狭いところだと引っかかって上手く跳ばなかったり、敵の属性によっては効率悪かったりで一度座って落ち着くことに。一本調子では勝てないゲームだ。
逆に苦戦するボスも、使う魔法の属性を変えて編成を組み変えたら結構アッサリ勝てたり。新しい魔法をどんどん覚えたくなるバランスになってるぞ。
水の回復魔法を強化すると「体力が30%切ると自動発動」が付いてこれがメチャクチャ強く、これのゴリ押しで進める箇所が多数。しかし回復魔法のクールタイム中に大ダメージを受けると当然死ぬし、無敵時間がほぼ無いゲームなので、ボスの弾をばら撒く攻撃を至近距離で喰ったりすると致命傷だ。ラスボスもクソ強いので、防御魔法の使いどころが大事になってくる。
爽快感重視でやや大味だが、要所ではそれを前提にしたボスが出て来るので苦戦する……という作りだ。難易度ノーマルでクリアしたが、バランスは程良かった。
アクション部分の手触りは丁寧に作ってあり、細かいところだと、使うと前に進む剣のコンボ攻撃を地上で出すと、ガケで引っかかって下に落ちないようになっている。「足場の悪いところでコンボ攻撃したら勢いで穴に落ちまくり!」なんてことが起こらないわけね。
ハシゴをジャンプボタン連打で高速で登れる辺りも地味にポイント高い。
溢れる低予算感!湧き出す色違いの敵たち

ただ、全体的に低予算感が強い。
色違いのザコが延々と出て来るし、序盤で戦う中ボスの巨人とは最終ステージまでの付き合いとなる。結構いいデザインだなと思ったらこんなに長い付き合いになるとは思わなかった。ただでさえ少ない予算が尽きたようなラスボス戦も侘しい……。
せっかく主人公が可愛いのに、フォームチェンジがただの色違いなのも残念なところ。火水地風のドレスそれぞれ用意して欲しかった!

修繕のやり直しがすぐに出来ず、一度別のエリアに画面を切り替えないとダメだったり、一部のタイムアタック系は開始前に仕掛けを動かしてるとランクAが不可能になるのは作りが甘い。
ミニマップに取れそうで取れない宝箱やスイッチが記録されないのも、マップが複雑じゃないとはいえ面倒だ。
悪くない素材を調理せずに食わされてるようなシナリオ

ストーリーは魔法書の中に飛び込み、そこで展開される「物語」を追うことで改ざんの根源にたどり着く……というものなんだが、「物語」はシルエットの登場人物がスーッと動くチープな作りで、アリアナはずっとそれを見ているだけ。話もほとんどダイジェストなので、構図やテーマ的なものは悪くないけど、読んでてそんなに面白くない。
これなら魔法書に飛び込んだアリアナが登場人物の一人になって、自分で物語を引っ張る話にした方が面白かったと思う。

周防サンゴさんの演技は普通に上手いので全然違和感なく、井上喜久子さん演じるヴェステルとのやり取りは良いものの、図書館内で立ち話してるシーンばかりで、全体的にテキストが冗長に感じる。
機械人形であるヴェステルが自分の首を外してアリアナを笑わせようとするも、アリアナはそれを見てドン引き……ってシーンなのに、首を外してる絵が画面に出ないから見ててピンと来ないとか、緊迫した急展開!ってシーンなのに、穏やかな通常BGMをバックに延々と立ち話してるとか、低予算過ぎる演出も問題あるぜ。

拠点となる図書館内には多数のモブキャラがいてゲーム進行でセリフが変わるが、ここも今一つ。先輩に話しかけるとびっくりするくらい長い脱力トークを聞かされたり……。しょうもない話が長いところ含めたギャグだと思うけど、毎回な上に本当に長すぎてビビるので自然と先輩を避けるようになったぞ!
メインストーリーと並行して「このモブキャラ……実は!」となるような連続会話が用意されてるんだが、ここも図書館内での立ち話と、プレイヤーが知らないアリアナとの過去話だけで進行させるので、やりたいことは分かるけど唐突過ぎて乗り切れない!ってのばかりだ。

メインストーリーもサブイベントも素材は悪くないが、調理する予算が無くて生のまま食わされてる作り。キャラデザは良いのに勿体ない。一枚絵の数もメチャクチャ少ないぜ!
やり込み要素は作業系多し!時限式の条件にも要注意

ゲーム内実績とPSのトロフィーの話になるが「図書館職員からの3種類の魔導具を貰った」の項目は時限式。特定のボスを倒したタイミングでモブに話しかけないと取得不可能となる。
「敵を5000体倒す」という項目があるが、俺の場合はすべてのマップを埋めてすべての修繕をランクAでクリアしても2600匹。加えて「すべての魔法と魔法の強化を手に入れる」を達成するにはザコがたまに落とすドロップ素材を集める必要があり、コンプを目指すとかなり作業だ!
クリア後にエンドレスで大量の敵と戦うモードとかあれば楽しく埋められたんだけどなあ。
まとめ:定価2000円くらいならアリだけど現実は7480円!

マップ埋めてすべての修繕個所をA評価でクリアして13時間ほど。トロコンは時限式を逃したのと作業系で断念。
尖った箇所があまりなく、作りもチープなので定価はキビしいが、仮に安ければ爽快感重視のコンパクトなアクションRPGとしてそこそこ満足できる……という、良くも悪くも「アクションゲームをしっかり作れるスタッフが、超低コストで頑張った」内容になっていた。
それでもゲームバランスやアクションの手触りには見所があるし「安くても遊びたくねぇ!」ってフルプライスゲームが平然と店に並んでる昨今だと大分マシに見えるぜ。
『届けろ!戦え!カラミティエンジェルズ』や『スカーレッドサルベーション』とかはタダでもやりたくねぇからな!
コンパイルハート完全新作3本勝負の最後に掴んだ光と言うにはあまりにもか細いが、見所はある作品でした!
じゃあ……コンパイルハート完全新作を買うのはよほどのことが無い限りこれが最後ってことで……。