『モンカルファンタ~勇者と水晶の少女~』レビュー行くぜ!
パブリッシャー:エクスペリエンス
機種:Switch
ジャンル:ハードワーク勇者RPG
発売日:2025/9/18
価格(税込):5280円【ダウンロード版】6380円【パッケージ版】
体験版アリ
備考:パッケージ版は『モン勇(略)』『黄泉ヲ裂ク華』同梱
自由に選んだ仲間とともにファンタジー世界を冒険し、悪しきマ王を倒して世界に平和を取り戻す王道RPG!ダンジョンRPGとホラーADVに定評のあるエクスペリエンスが、初めて挑戦する2DのRPGだ。
キャラクターデザインは『世界樹の迷宮』などで知られる日向悠二が手掛けている。
「どこか懐かしさを感じるグラフィック」という売り文句でそんなわけ無さ過ぎる画面を出したり、1000円ほど高いパッケージ版に関係ない過去作を同梱にして強引にお買い得感出したり、全年齢に向けたゲームだったのに『黄泉ヲ裂ク華』同梱したせいでパッケージのCEROがAからDに跳ね上がってたり。
よく分からん売り方で、インタビューでもノウハウ無いから作るの苦労した話ばかりで大丈夫か!?内容次第では時間犯罪者扱いだぞ!
と思ったが、昔ながらのコマンド式RPGにハクスラを足し、エクスペリエンスらしいエッセンスでまとめたゲームとして、ちゃんと面白かった!
- マ王を倒す王道ストーリー!懐かしい……というよりドラクエまんま!?
- 一本道だが幅があるゲーム展開。仲間をゾロゾロ連れてフィールドを探索!
- 戦闘はコマンド式!サクサク進行でモンカルスキルの見極めが超楽しい!
- 戦闘は装備が確定ドロップ!ハクスラ要素で楽しませつつ緊張感ある仕様!
- ショートカット多めでDRPG的な味付けを感じるダンジョン構成。謎解きは程良い!
- 戦闘システムとバランスは絶妙!「転職」の気軽さも良し。
- ドラクエを浅くなぞった味気ないシナリオ。ヒロイン兼相棒のヒメリはナイスキャラ!
- まとめ:ボリュームに難はあるが「レトロ風+ハクスラRPG」として面白い!
マ王を倒す王道ストーリー!懐かしい……というよりドラクエまんま!?

舞台は突如現れたマ王とモンスターによって脅かされる剣と魔法の世界。
勇者を目指す主人公は水晶玉に封じられた謎の女の子ヒメリと出会い、マ王を倒す旅に出ることになる。

生きてるって感じ~!
主人公は選択肢以外では喋らず、3人まで入れられる仲間も喋らない。ストーリーはあえて捻りを一切入れていない単純な構成で、ゲーム進行に合わせたヒメリとのお喋りがテキストの大半を占めるのでゆるいノリ。
とはいえ、モンスターにやられた冒険者のガイコツとかは結構出て来るし、ちゃんと世界は脅かされてる。目を醒ませ僕らの世界がマ王に侵略されてるぞ。

最初の町からマ王の城が見えており、いつかあそこにたどり着くぞ!と決意しての旅立ちだ。
ドラクエ1じゃねーか!

最初の町には主人公のお母さんが帰りを待っている。父親はかなり前にマ王討伐に出て消息不明となっているぞ。
ドラクエ3じゃねーか!
「懐かしい!」じゃなくて単に「ドラクエじゃねーか!」で構成されてるゲームな気がする。
お母さんがゲーム中のキャラで一番可愛い気がする。

仲間は最初に戦士、僧侶、魔法使いの3人が用意されており、そのままこいつらを加入させてもいいし、好きな仲間を作成してパーティを組んでもいい。
仲間の職業は戦士、騎士、武道家、盗賊、僧侶、魔法使い、ピエロの7種類。
エクスペリエンス作品なら侍が欲しいところだが、今回はwizじゃなくてドラクエなので無し!
見た目(性別)と名前は後から自由に変更できるし、後述するが転職も気軽に出来るシステムだ。
一本道だが幅があるゲーム展開。仲間をゾロゾロ連れてフィールドを探索!

勇者を先頭に仲間をゾロゾロ引き連れてフィールドを冒険するスタイル。まあこれは確かに最近だと本家以外じゃほぼ見ない懐かし要素かも。
各地の町とダンジョンを巡って様々なアイテムを集めて物語を進め、最終目標であるマ王の城を目指す構成だ。
ゲーム自体は一本道だが、例えば「情報を聞かずにダンジョンに突撃して先のイベントをクリアしちゃう」ってことをやると特別なセリフがあったり、周りより強い敵が出現するエリアがあったり、早い段階で船が手に入って世界中を巡れたりと、やろうと思えば展開の幅も楽しめる。
戦闘はコマンド式!サクサク進行でモンカルスキルの見極めが超楽しい!

戦闘はオードソックスなコマンド式。
強化魔法掛けてから殴ったり魔法撃ったり、1ターンだけ有効な防御魔法で敵の全体攻撃や状態異常に耐えたりする王道の立ち回りが基本となる。
装備とスキルの組み合わせで火力を跳ね上げられるのがアツいゲームで
主人公に二刀流させて3回攻撃の技を撃たせて6回攻撃!更に敵の弱点属性のオマケ付きだーッ!
2回攻撃出来る武闘家と全体攻撃スキルの合わせ技だーッ!
とか出来るのがめちゃくちゃ気持ち良い。
「ドラクエの最強コンボはバイキルト掛けたばくれつけん教」の信徒である俺としては高評価ポイント。小学生しか入っていないと言われている宗教です。

連続攻撃が多くなるとテンポ悪くなるが、ボタン長押しで高速化できるからめっちゃサクサク。後からログを見返してダメージなどの確認も可能だ。

一味違うのはモンカルスキルの概念。
攻撃で溜まるゲージがMAXになると使用可能な大技で
「このターンに敵を倒すと落とすアイテムが2倍になる」
「1ターンだけMPを使わずにスキルや魔法を使える」
「1ターンだけの敵からのダメージを半減し、状態異常になる確率も下げる」
などなど強力なもの揃いだ。ゲーム進行で新しいものが手に入っていく。
「1人が1回攻撃をするとゲージが1本溜まる」
「ゲージは4本でMAX」
「なので4人全員で攻撃すれば1ターンでMAXになる」
のも絶妙なライン。毎ターン全員で攻撃すれば、毎ターンモンカルスキルを撃てる。しかし敵の攻撃が激しいので1人は回復か防御魔法に回したい……いや、2人はいるか……!?って悩む瞬間が絶対に来るのがアツい。
ボス戦で「このターンに敵を倒すと落とすアイテム2倍」を決めるために調整してる時は昔のスパロボ思い出したわ。
戦闘は装備が確定ドロップ!ハクスラ要素で楽しませつつ緊張感ある仕様!

昔のRPGそのままやるとザコ戦がだるくて面倒になるが、本作は敵が絶対に装備アイテムをドロップする仕様で解決。現地調達しながら装備を更新しまくる気持ち良さが常にあるし、星1~3で強さが変化する仕様もあるぞ。くっ付いてるスキルがランダムだったりはしないのでそこはシンプル。同じ装備なら星3が絶対に強いのだ。
町に帰らずにずっと戦い続けてると、レア装備を落とすワンランク上の強敵が出て来るのも面白いところ。ザコと戦い続けて消耗した状態で勝てるか?勝てばレアアイテム!

主人公が装備できる武器を手に入れた時限定で、ヒメリが武器解説を挟んでくれるのかなり好き。かなりノリノリで性能を教えてくれるぞ。

セーブがダンジョンの内部以外ならどこでも可能だったり、ファストトラベルが標準だったりと快適性も大事にされているが、シビアなところはシビア。
モンスターがザコ含めて強敵揃いだし、味方が死ぬと高額の復活費用が掛かる。復活呪文の類が無く、復活アイテムはレア扱い。序盤から終盤まで仲間の死亡にはヒヤヒヤさせられる。ダンジョンから脱出する方法がアイテム限定で、そこそこ高額なのも悩みどころ。
ショートカット多めでDRPG的な味付けを感じるダンジョン構成。謎解きは程良い!

ダンジョンはスイッチや落とし穴による仕掛けがあり、あえて落とし穴に落ちることで先に進めるようなロンダルキア仕草もある。一見複雑そうだがダンジョン自体はそこまで広くなく、ショートカットが多めに配置してあるDRPG寄りの構造なので攻略しやすい。
ここら辺はかなり試行錯誤してバランス取りしたの伝わってくるね。

俺はツルツル滑る氷の床ギミックがナンバーロックより嫌いなので、出てきた時は怒りの炎で地球温暖化を押し進めるところだったが、よく見るとヒントがあって気付けるとすんなり進めるようになっている。
昔のRPGの面倒なギミックを再現しつつ、難易度はそこまでじゃない塩梅はちょうど良いね。ヒメリも細かくヒントを教えてくれるのだ。
戦闘システムとバランスは絶妙!「転職」の気軽さも良し。

まとめると、頻繁なザコ戦は装備アイテムの確定ドロップと、演出の高速処理で作業感を軽減。
戦闘システムはモンカルスキルによるリスクとリターンの面白さあり。
ダンジョンはしんどくない範囲で昔のRPGっぽい仕掛けを取り入れてある。
全体的に現代風の快適さにしつつ、復活や脱出のシビアな仕様で緊張感を保つ。
ザコもボスも強敵揃いで歯応えあるが、難しすぎる死に覚えゲーではなくやり方は色々ある。
これは……なかなかよく出来てるゲームだ!

ドラクエの転職に該当する「転生」も存在するが、こちらはレベルなどすべてそのままで職業だけ変える単純なもの。中盤以降は手軽に使えるようになる。
レベルアップした時にステータスに割り振るポイントも、ここでリセットが可能だ。
詰まった時に職業を変えて色々試しやすくなってる。このゲーム、使い方次第で激烈に強くなるスキルが多いので、気軽に転職できるのは長所。遊び人ポジションのピエロが意外に強かったりね。
立ち絵は職業毎じゃなくて全部から選ばせて欲しかったが……。職業は戦士(女)なんだけど立ち絵は武道家(女)とかが出来ない。
ドラクエを浅くなぞった味気ないシナリオ。ヒロイン兼相棒のヒメリはナイスキャラ!

難点を上げるとシナリオ部分の味気なさ。
あえてやっているところもあるんだろうが展開やテキストが全体的にそっけなく、ほとんどドラクエを浅くなぞってるだけ。街の数が少なく、入っても背景イラストだけで自由に歩き回れる作りではなく、会話出来るのはどの町も重要キャラ1名と商人1名だけ。
日向悠二が描いたキャラでなんとか持たせようとしているぞ!
店売りの装備アイテムが基本的にゴミなのもあり、新しい町に来たぞ!というワクワク感が薄い。

町の人間よりもイベントで出会うザコや、いかにも悪党なセリフ回しで向かってくるボスの方が印象強い。
妙に腰が低いけど普通に悪いザコ敵、他のエクスペリエンス作品でも見た気がするなぁ……!

一緒に行動するヒメリのテキスト量は非常に多く、選択肢による漫才めいた掛け合いや、状況に応じた細かいセリフなどで楽しませてくれる。
シナリオもここに全振りしてて、これはこれで独自性になってて面白かった。ヒメリが好きになれるかでかなり評価変わりそう。

フィールドをクソデカい雲がプカプカ浮かんでて、建物の入り口が隠れる仕様は「こんなクソ仕様のレトロゲーム、いつの時代にあった?」って言いたくなる!
フィールドでキラキラ光る部分を調べると、小さなメダル的なアイテムが見つかる収集要素もあるんだがこのせいで見辛いぜ!
まとめ:ボリュームに難はあるが「レトロ風+ハクスラRPG」として面白い!

RPGには珍しくクリアタイムのオンラインランキングがあって最後に表示される。
そこまで早解きしたつもりもないんだが、10時間45分でクリアして世界14位だった。
クリア後は強敵と裏ボスが待ち受ける裏ダンジョンがあるのでそれがやり込み要素。
定価5280円のRPGなのに10~12時間くらいでクリア出来て、ハクスラや成長システムもシンプルなのでやや物足りなさある。
6380円のパッケージ版だと『モン勇(略)』『黄泉ヲ裂ク華』の2本が付くのでお買い得なんだが、全然関係ないゲームとのバンドル価格を考慮するのはなんか違うよな……。
とはいえ、個人的に昔のRPGの面白さって「このMPとアイテムであとどのくらい戦い続けられるか?」というリソース管理が大きいと思ってるので、そこは外さずに現代風に快適にして、ハクスラ要素を加えた本作のバランスは好みだった。
ステータスの意味や細かいシステム解説など、ゲーム内の説明も非常に丁寧で、本当にRPG初心者に向けて作ってるのも分かる。ステータスの意味はゲームによっても違うし、あんまり説明しない作品も多いので、初心者じゃなくてもありがたい点だ。
ダラダラと無駄に長いだけのゲームよりはずっと良い。
丁度良い「レトロ風+ハクスラRPG」としては満足したぞ!