『何度目かの式』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS5版ね。
パブリッシャー:オレンジ
機種:PS5/PS4/Switch/PC/iOS/Android
ジャンル:伝奇ミステリーADV
発売日:2026/4/9
価格:1320円
株式会社オレンジが送る完全新作の伝奇ミステリーADVだ。
結婚当日に殺された花嫁が土地神の力で蘇り、自分を殺した犯人を捜すストーリー。頼りになるのは結婚相手の若旦那と、自分にだけ見える土地神の龍神様!あの手この手で罠を仕掛ける犯人相手に、1回死んで時間ちょっと戻して復活して挑め!
3時間くらいでサクッと終わって、やや物足りなさはあるけどしっかり面白い。いつものオレンジ製ADVと同じでライトに楽しめる1本だ。

主人公は5年前に水難事故に巻き込まれ、両親を亡くして記憶を失ってしまった笹倉瑞月。その時に助けてくれた龍城辰吾との縁談が持ち上がり、互いの事をそこまで知らないまま結婚することになる。

結婚は唐突だが瑞月には辰吾への想いはあるし、酒造の若旦那なので居酒屋を経営している叔父さんへの配慮もある。見合い結婚に近い形とはいえ、じわじわと実感と幸せが沸き上がってきたところでデストラップで死亡!

そこで助けてくれたのは龍神様。
死ぬ少し前まで時間を巻き戻してくれるし、幽霊のように付き添って相棒役として調査に協力してくれる。死んで復活しての犯人当てを何度か繰り返す構成になっているぞ。

ゲームは一本道の作りで、マップを移動したり、あちこち調べたりする要素はあるが迷う箇所は無し。各章の最後では容疑者との対決が待っており、集めた証拠品で追い詰めていく。
ミスるとバッドエンドになる箇所もあるが、すぐやり直せるしテキストも簡素。いつものオレンジ作品と同じで、ここはライトな調整だ。

復活には事前に特別な酒を飲んでおく制約があるし、調査で「本来知っていない情報を元に質問をする」などの矛盾は発生させられない。戻れるのは死ぬ数十分なので時間が足りない。
結婚相手である辰吾の家はめっちゃデカくて四龍川で作られる酒も好調。それだけに人間関係で色々とギクシャクもしており、そもそもなんでこんな急すぎる縁談が持ち上がったのか?というのも謎の一つ。

数々の制約と思惑の中で大慌てしながら、龍神様の力を借りて調査に走る。この流れが各章の犯人当ても含めてテンポ良く進むし、遊んでいて引っかかっていた部分が、終盤に向けて綺麗に整理されていくのも引き込まれるところ。
飄々としてるけど呆れたり厳しめのツッコミもかます龍神様が相棒役としてしっかり機能しているし、結婚相手である辰吾のイケメンっぷりも良し。

他の登場キャラもしっかり立っており、主人公が結婚する辰吾の幼馴染で、結婚式を挙げる神社の巫女である咲那さんはおいしい立ち位置だ。その心中はいかに……!?

主人公の友人で、受付の手伝いにやってきた絵美と啓太も良い味出してる。来れなかった他の友人とビデオ通話を繋げてくれたり、気心の知れた一息つける存在。

親代わりで育ててくれた叔父さんのはしゃぎっぷりや、瑞月を気遣う姿も胸に来る。
脇役の書き方がしっかりしたゲームである。

主人公である瑞月は普段は少し頼りないけど、推理パートではビシッとキメる!オレンジ製ADVの女主人公って感じだ!今回も一枚絵の枚数はそこまで多くないけど、表情や衣装の付け方が繊細かつ力強くて印象に残った。
画の力は同じラインのオレンジ作品の中でも一番かも。

この嬉しさが滲んだ立ち絵も好きだなぁ。

手伝いやってる泰子ちゃんの「やっべぇ~!」って顔もかなり好き。

最初にも書いたがクリアまでは3時間ほど。
ミステリーとしてはややツッコミ所もあり、分岐がほぼ無く、一応「もう一つのエンディング」的なものは存在するものの、もっとじっくり読みたいなぁ……と思うくらいの分量であっさり終了。
その辺で物足りなさはあるものの、今回もライトに楽しめるADVとして面白かった。軽めの恋愛要素がある、女性主人公の伝奇ミステリーとして安定の1本でした!