『冒険家エリオットの千年物語』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS5版ね。
パブリッシャー:スクウェア・エニックス
機種:PS5/Switch2/XBOX/PC
ジャンル:アクションRPG
発売日:2026/6/25(Switch1)2026/7/30(PS5/Switch2)
価格:7480円
スクウェアエニックスがHD2Dで送る完全新作のアクションRPG!
冒険の主人公と相棒の妖精によるバディアクションと、1000年を跨ぐ4つの時代を描いたシナリオが特徴だ。
開発はクレイテックワークス&SQUARE ENIX 浅野チームが担当。
90年代アクションRPG的なあるあるをベースに、最新の味付けを加えた温故知新の1本になっている。
ただ、ゲームとして露骨に力尽きた箇所やシナリオの粗が目立ち、そこそこ面白いんだけど物足りない……って内容だった!
- 難易度は4段階!アクションに慣れているならハードがオススメ
- 主人公の設定からコテコテな王道ストーリー!
- 2Dゼルダ的だが多彩なアクションで差別化は出来ている!
- 相棒の妖精がバトル、謎解きの両方で大活躍!
- マップが変わり映えしない4つの時代。中盤からのダレ方がハンパない!
- 後半は盛り上がるがシナリオが全体的に平坦!
- 悪くないが、スーファミ時代のスクウェア作品を期待すると肩透かしな作り
難易度は4段階!アクションに慣れているならハードがオススメ

難易度はイージー・ノーマル・ハード・ベリーハードの4段階。
ノーマルが優しめの表記だったので俺はハードでプレイしたが、アクションゲームに慣れてるならこれが丁度良いと思う。
序盤は結構苦戦するが、装備が揃って慣れてくるとどんどん楽になるバランスだった。
主人公の設定からコテコテな王道ストーリー!

主人公のエリオットは情に厚くて困っている人は放っておけない性格で、育てられた孤児院を寄付で支えており、子供たちには帰ってくるたびに「兄ちゃんが帰ってきた!」「次はいつ帰って来るの?」と慕われている。
最近じゃ珍しいくらいの超コテコテな主人公気質である!
イベントも普遍的な情を描いたものが多く、冒険家エリオットの人情噺。
舞台となっているヒューザー王国の国王に依頼された遺跡調査から、時を超えた壮大な冒険が始まるストーリーだ。

ヒューザー王国は露骨に悪そうな大臣と、寛大だけど声優が子安武人の王様によって治められており、冒頭からロクでもないことが起こりそうな気配すごい!

国を結界で守っているヒューリア姫と絆を深めるエリオット。
ここもお約束の構図だ。か弱いお姫様……と思いきや肉体的にかなりタフだった気がする姫。

旅の相棒は時を超えた先で出会った妖精フェイ。
4つの時代を巡って様々な人物を助けながら、王国を襲う「脅威」に挑んでいくシナリオだ。
2Dゼルダ的だが多彩なアクションで差別化は出来ている!

ゲームは見下ろし視点のアクションRPG。
メインストーリーとサブクエストに加えて、バトルや謎解きをクリアするとアイテムが貰える遺跡に、世界中に隠された収集物集めなどのやり込み要素もある。
かなり『ゼルダの伝説』っぽいテイストで、遺跡はブレワイを思い出すところだし、武器で草を刈ったり、アイテムを使ってボスの弱点を突いたり。
吸い込み攻撃してくるボスに爆弾を吸わせて爆破したりできる。ドドンゴじゃねーか!4つ集めると最大HPが上がるアイテムもあるぞ!

差別点は『聖剣伝説』シリーズの発展と言えるアクション要素の強さ。
剣・弓・ブーメラン・爆弾・槍・ハンマー・鎖鎌から2つを選んで戦うシステムで、魔石を付け外しすることで性能のカスタマイズも可能だ。
どっちも戦闘中に自由に変更できるのが遊びやすい点。

魔石は攻撃力上昇やクリティカル率の上昇、ホーミング性能の付与、チャージ性能の短縮、状態異常の付与など様々な効果があり、コスト内で自由に付け替えできる。
剣で斬撃を飛ばしたり、槍や鎖鎌に多段ヒットを付けたり、弓攻撃におまけの矢を付与出来たりと、派手に強くなるのが気持ち良い。
爆弾に「置くと火花をまき散らして追加ダメージ」「触れた敵を凍らせる」などの効果を付けられたり、ハンマーもチャージ攻撃で広範囲の吹っ飛ばし攻撃出せたり、「この手の武器は使い辛いんだよな」って武器がしっかり強いのが良いバランスだ。

魔石は街のショップでランダムで生成して手に入れるのが基本。ガチャである!
繰り返し生成するほどレア度の高い魔石が出やすくなるので良心的。最終的に最高レアがジャンジャカ出る。あったけぇ世界……!

お金を貯めて魔石の箱を拡張することで、装備する時の最大コストもアップ可能だ。
最終的に魔石を盛りまくった悪魔的な武器でモンスターや蛮族を殴りまくるゲームになる。
相棒の妖精がバトル、謎解きの両方で大活躍!

加えて、相棒であるフェイを右スティックで自由に操作可能。
敵を直接体当たりで攻撃したり、火を付けて燃やしたり、敵を吸い込んだり、フェイのいる場所にエリオットをワープさせたりもできる。ゼルダのナビィと比べて超攻撃的!
多彩な武器を魔石でカスタマイズして性能を引き上げ、妖精との協力攻撃で敵を圧倒する。攻撃とチャージ攻撃にガードやパリィを併用した立ち回りはシンプルだが、このバトルシステムで手応えを出しているゲームだ。
ダメージを受けずにザコ敵を倒し続けるとドロップするお金が増えるシステムもあり、お金があれば魔石箱の拡張や回復アイテムの購入に役立つ。
プレイが安定すると新しい魔石もどんどん手に入って、更にコンボで稼ぎやすくなってと、ザコ狩りが単調にならない工夫を感じるね。

ダンジョンの謎解きはかなり古典的で、ツルツル滑る氷の床に、光パズルに、倉庫番に……。
「令和RPGでこういうギミック入れるヤツは懲役刑じゃなかった?」と思ったが、そこまで面倒な作りにはなっていないし、フェイの能力でズルできる箇所も多い。
一捻りした構成でスタッフの懲役を免れている!

妖精のフェイが状況に応じて賑やかに喋るのも良い。
イベント中でも画面左下で悲しんだり喜んだり考え込んだり、表情豊かでコメンタリー的な魅力があるね。
謎解きの答えやボスの弱点をそのまま喋っちゃうことも多いが、オプションでセリフ頻度を弄れるようにもなってるぞ。
マップが変わり映えしない4つの時代。中盤からのダレ方がハンパない!

そんなゼルダ風ながらしっかり差別化できている本作だが、肝心の探索が単調なのが最大の難点。
4つの時代を巡ると言っても同じ地域で街も一つしかないため、同じマップを4回探索することになる……!地図やファストトラベルもすべて埋め直し。
時代によって地形が大きく変化しているとか無いし、ダンジョンに後で手に入るアイテムが無いと通れない扉があるとか、二度手間になる探索・収集要素もあるのがじわじわとストレスになっていく!
同じようなザコと延々戦うことにもなるので、最初は楽しかった戦闘も大分作業的になってくる。

加えて、宝箱の内容がショボいのもしんどい。
各地の宝箱にお金と魔石が入っているが、中盤からもう持っている魔石ばかり出てくる。その場合は魔石の生成に使う欠片1個と交換で、これはザコをちょっと倒せば手に入る程度の小銭。
つまり中盤以降は大半の宝箱がハズレになり、探索のモチベーションを更に下げて来るのだ……!

収集要素が宝箱と野良猫集めだったり、ゲーム全体がやたらネコ推しなのは何だったんだろうか。かわいいからいいけど!
後半は盛り上がるがシナリオが全体的に平坦!

メインストーリーも「〇〇を取ってこい」的なおつかいイベントがあまりに多い。
1000年の物語と言っているがずっと同じ街とその付近が舞台で、セリフの無い蛮族やモンスターと戦ってのアイテム探しばかり。仲間はフェイだけで、過去や未来のキャラが同行するような展開もなく、時間旅行のワクワク感が薄くてこじんまりしてる。

人々が原始的な村で暮しながら蛮族と戦っている時代、魔法を使う亜人の登場、後の時代ではモンスターに近い魔法生物を人々が活用している時代、対立する研究機関、魔法を失い人類が危機に立たされていた時代、現れる英雄、そして魔法による障壁が人々を守る現代。
遊んでいると時代を超えたキャラのつながりが見えては来るし、メインストーリーとサブクエストは終盤の前振りに近い構成で、「そういうことだったのか!」という展開が来てさすがに盛り上がる。
ただ、いかにも感動させようとするやり取りが多くてくどいし、メインストーリーの中核を担う重要なシーンで、ご都合主義の三段重ねで悲劇に持っていく稚拙な描写があって一気に萎えてしまった。長々やった割に唐突な要素も多くて粗が目立つシナリオ。
緊急事態な場面で、いきなりFF5のカルナック城とクロノトリガーのRARAを足したようなミニゲームが挟まるのも気になった点。失敗したら展開が変わるとかも無くただのやり直し。いらんだろこれ!
……LALAだっけ?

軽めのサブクエストは好みの話も多く、「ヨイケロリの実」の話が一番お気に入り。
酒場で酔っ払いに依頼される実探しから、意外な人物の過去が判明する。含みのあるセリフ回しが味わい深くて良かった。

これは個人的な好みになってしまうんだが、『オクトパストラベラー』『ライブアライブ』『ドラゴンクエストIII』と遊んだ後だとさすがにHD2D自体が食傷気味になる。
カメラが引き気味で見せ方が一本調子なこともあって、ボス戦が迫力不足な印象。ラスボス戦の構図は好きだったけども。
悪くないが、スーファミ時代のスクウェア作品を期待すると肩透かしな作り

クリアまで25時間ほど。
序盤でフェイが仲間になった辺りからどんどん盛り上がっていくが、マップの単調さと肩透かしの探索、多くなる同じようなザコとの戦闘、平坦なシナリオでじわじわと不満点が蓄積されていき、終盤の盛り上がりでもちょっと挽回できなかった。
このゲーム買う人は大体スーパーファミコン時代のスクウェアのゲームを期待すると思うが、良くも悪くもこじんまりした作りで物足りない。
往年のアクションRPG的な作りをベースに、より幅を広げた戦闘システムとHD2Dによる表現を融合させた温故知新の内容とは言えるし、それなりに面白かったんだけど不満点の方が目立つ1本だった!