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3DS「超人ウルトラベースボール アクションカードバトル」レビュー!奇跡に金を払ったと思え!

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超人ウルトラベースボール アクションカードバトルのレビュー行くぜ!

いやー、発売日付近に買ってたんだが後回しにしてるうちに随分と月日が流れてしまったぜ。

超人ウルトラベースボール アクションカードバトル 公式サイト

超人ウルトラベースボール アクションカードバトルは

3月31日にカルチャーブレーンから定価4980円、

税込みだと5378円で発売されたニンテンドー3DS用パッケージソフトだ。

超人ウルトラベースボールシリーズは元々1989年にファミコンで発売されて好評を博した作品。

スーパーファミコン版を最後に20年近くシリーズが出ていなかったのだが、

ニンテンドー3DSで誰もが耳を疑う大復活を遂げたのだ!

ちなみにカルチャーブレーンは「まだあったの」なんてよく言われるメーカーでもあるが、

FC時代から現役バリバリでGB、GBA、DS、3DSとずっと途切れずゲームを出しているメーカー。

ニンテンドー3DSのパッケージソフトもウルトラベースボールで5本目だ!侮れないぞ!

パッケージ内には操作説明をまとめたシートが封入されており、

カルチャーブレーンのプレイヤーへの配慮と温かみが感じられる商品仕様となっている。

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……って、全然操作がわかんねぇ!必要かこれ?!

しかもいらないカードの消費に重要な見送り操作とか載ってない!

カードをBボタンで選ぶと見送りだよ!

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裏面はパッケージイラストとまったく同じイラストが印刷されている。

大事なイラストなので2回印刷しました。

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ゲームを起動すると「ゆめのすけプロジェクト」という偉大なる大プロジェクト名が大表示される。

カルチャーブレーンの社長である 阿迦手観屋夢之助(あかでみや ゆめのすけ)氏の名前から取られたもので、

カルチャーブレーンのゲームを起動すると大体これが出てくるみたいだ。

超人ウルトラベースボール アクションカードバトルは、

文字通り「超人」でしかありえない魔球や打法が飛び交う野球ゲーム!

元々は普通の野球ゲームに近かったが、本作はアクション要素の無いカードバトルになっている。

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モードはストーリーモード、フリー対戦、通信対戦、エディット、ミッション、記録の6つ。

ストーリーモードと、課題をクリアしていくとエディットモードで使える物が増えていくミッションの二つがメインかな。

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ゲーム部分は非常に単純。

打者は5枚の打法カード、投手は5枚の投法カードから1枚を選択し、

5箇所あるポイントのどこを狙うか選択。これを繰り返すだけ。

カードにはレベルの概念もあり、これが高いほど強力となる。

カードはランダムで配られるだけなので、

いわゆるトレーディングカードゲームのようなデッキ構築や

試合に勝って新しいカードをゲット!みたいな要素は無し。

投手の場合だとストレートやスローだと狙ったポイント通りの投球。

カーブなどの変化球だと狙ったポイントからズレた軌道での投球となる。

打者側はこの狙ってくるポイントと相手の手札が見えるので

「相手が変化球ばかり持っているからまっすぐな軌道にはならないな」

「ストレートとスローボールのカードばかりだから軌道はズレない。大振りのカードで狙おう」

みたいな読み合いが重要になってくる。

また、投手も打者もカードを1枚選んで見送りが可能なので、

あえて見送りを連発してレベルの低いカードやダブりのカードを消費させるなどの戦法も可能だ。

下画面の操作で盗塁は可能だが、守備などはすべてフルオートとなっている。

ちなみにバットがボールに当たってからの動きはBボタンでスキップ可能なのでテンポは悪くない。

数少ない長所なのでしっかりとクローズアップしておこう。Bボタンでスキップ可能なのでテンポは悪くない!

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たまに回ってくる超人技カードを使うことでウルトラ技を放つことが可能!

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見よ!これが魔球ドラゴンバズーカだッ!

ウルトラ技は多数存在し、

野手にボールをキャッチされても感電して落としてしまう雷神打法、

キャッチした野手を吹き飛ばしてフェンスに叩き付けるタイガーファング、

打者を爆破するメテオボール、折れたバットの破片がボールと一体化して野手を跳ね飛ばす流星打法などなど!

この常識ではありえないウルトラ技の数々が、

ファミコン時代にタイムワープしてファミコンしか知らない子供に見せたら

それなりに感動して涙を流すレベルの大迫力演出ともに展開されるのだ!

流星打法は頭にジャコビニって書いてないからセーフ!

ウルトラ技は強力で使えばほぼ勝てるが、

ウルトラ技vsウルトラ技でぶつかった場合はカードレベルの高い方が勝つみたいです。

そんなゲームなんだけど面白いかと言われると……。

確かに相手の手札を見ての駆け引きとか、

見送りで使えないカードを消費して、

やっと回ってきた高性能カードをここぞという場面で使う楽しさとかはあるんだけど、

結局のところカードの強さ勝負なので運の要素は強いし展開自体は非常に単調。

CPUがウルトラ技を3回連続で使ってくることもあって運の要素ホントに強い。

演出も本当にスーファミ時代のゲームでもまだマシってレベルのショボさで

ウルトラ技も発想は面白いのに動きにハデさや重さが無いから見ててとにかくシュール。

ウルトラ技を喰らった選手がシュポーンと吹っ飛んでいく姿は色んな意味で涙を誘う。

Bボタンで守備画面のスキップが出来るからテンポは悪くないはずなのに何故か遊んでると眠くなってくる。

9回までプレイするから、野球ゲームとしてはテンポ良くてもカードゲームとしてはテンポが悪いんだな。

ゲームとして底が浅すぎる……。

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頭を抱えるのはまだ早いぞ。

メインとなるストーリーモードがこれまた凄まじい内容。

超人野球ウルトラリーグが世界中で大人気の時代!

超人野球世界一を決める大会「ワールドウルトラベースボールカップ」に、

アルカトラズ野球スクールに通うウルトラ野球少年「輝竜」が挑む!

待ち受ける世界の強豪ライバル達!輝竜はウルトラリーグで優勝することが出来るのか!

というストーリー。

「アルカトラズ野球スクール」の突っ込み待ち感!

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基本的に主人公が濃い対戦チームをバンバン打ち破っていくだけの展開だが、

試合前後にある会話デモは分量が少ないくせに3分の1くらいはメタ会話というひどさである。

予選一回戦突破!だがまだフットマンズ、CBクラブ、グローリーズといった強豪が残ってる!戦いはこれからだ!

っていう引きで次のシナリオに行ったら

「いやー、あいつら強かったな!」とかの冒頭の会話で

予選試合全部すっ飛ばされてる展開には脱力した。刀語かよテメーッ!

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しかもこのダイジェスト展開を終盤でもう一度やる上に、

そのダイジェスト展開にキャラ自身が突っ込みを入れるという……。

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ダイジェストですっ飛ばされたチームには飛龍の拳ネタの魔球を使うチームもいた模様。

そこはダイジェストじゃなくてちゃんと見せろや!

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ストーリーモード最大の見所は新魔球習得の流れ。

「キミの欠点は必殺技が無いことだ!」

「えっ、300キロの魔球がありますけど…」

「それはキミのオリジナル必殺技ではないだろう!むしろ使い古されたオーソドックスな魔球だ!

早いだけの魔球なんてリアルに20年以上前から投げられてる!そんな必殺技で他のゲームに勝てるか!」

みたいなメタセリフなのかカルブレの自虐ネタなのか分からない会話を経て

(リアルに20年以上前ってのは過去作のことだろうな…)、

打者100人をパーフェクトに押さえる100人組み手に挑戦する主人公。

プレイヤーが実際に操作するのは最後の3人だけなので安心してクリアすると新魔球が完成。

そこで主人公の口から飛び出すこのゲームで一番の迷セリフ!

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理屈は全く分からないけど

なんか、完成した

オレの新魔球…

そういうのは「完成してない」って言うんだよ!!!!

ストーリーモードはずっとこんな調子で、

頑張ってクリアしたんですけど特に凝ったエンディングとかスタッフロールとかは無かったです。

会話デモだと敵のチームとして軍人とかカンフー使いとか色々出てくるけど

試合中だとユニフォームが違うだけで全部同じ顔なのが悲しかった。

会話デモキャラのセリフとナレーションがごっちゃになって表示されるのは

ゲームを遊びながら読解力を鍛えられるというカルブレの親切心だと思うので触れないでおきます。

ストーリーモードは会話デモが短いしシナリオ数もそこまで多くないからクリアまでに時間は掛からなかったけど、

なんなの…この脱力感……。

ミッションモードは20種類の課題に挑戦するモードで色々変化はつけてあるんだけど

前述の通り肝心の野球部分がアレなんでね……。

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ゲームとして褒められる点を上げておくと、やはりカードを選ぶだけの単純なシステムなので、

野球のルールに詳しくない人やアクションゲームが苦手な人でも遊べるところかな。

「このラーメンには麺とスープが入っていないのでラーメンが苦手な人でも安心!」みたいな。

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グラフィックはショボいんだけど立体視だけは割としっかりしてるのと、

球場の看板のイラストが妙にいい感じなところは普通に好きな点。

底が浅すぎるカードバトル部分。

ユニフォームが違うだけで全員同じ顔の選手、

ニンテンドーDS初期の作品と思い込んで遊んでみてもチープ過ぎるグラフィックと演出。

動きがヘボ過ぎて迫力が皆無のウルトラプレイと。

ゲーム部分以外に目を向けてもこれが2014年に発売された野球ゲームだという事実が信じられない。

思わず「新手のスタンド使いから攻撃を受けている?!」と呟いてしまうレベルだ。

「常識ではありえない内容のゲームを、

平均以下の予算と人員と期間と技術力で作るとこうなる」という侘しさがあるね。

「○○が悪い!」とか「○○さえ良ければ」という類のソフトではなく、

構成しているあらゆる要素の平均点が恐ろしく低く、遊んでいてひたすらに面白くない作り。

使えるチームが6球団で球場3種類というのも寂しい。

なんかフルプライスの野球ゲームにおまけで収録されてるモードか何かを遊んでる気分になるぜ。

カードバトルで野球ゲームって発想と方向性自体は悪くなかったんだが。

これが定価4980円というのは何かの奇跡としか思えない……。

500円のダウンロードゲームと考えてもやや厳しい内容。

しかし俺はこのゲームを遊んで逆にこう考えてみた。

自分はこの500円でも微妙なゲームにお金を払ったのではない、

このゲームが定価4980円で2014年に発売された奇跡そのものにお金を払ったのだ。

そう考えた瞬間、このゲームを遊べたことが素晴らしい体験のように思えてきたよ。

俺は宝くじを買ったんじゃない、夢を買ったんだ。

俺は金をドブに捨てたんじゃない、金をドブの中で永遠に水浴びさせてやっただけだ。

それと同じことで、超人ウルトラベースボール3DSというゲーム自体の内容はもうどうでもよく、

ただただ、この奇跡に立ち会えたことへの感謝の気持ちだけが湧き上がってきた。

ストーリーモードをクリアするころにはそういう超人的な清々しい気持ちになれたゲームなので、

この記事を読んでいる皆さんにも是非オススメ。

まったくダメなゲームというわけではなく、

生まれてからエンターテイメントに1度も触れたことの無い人が遊べば最高に面白いと思うし、

3ヶ月ほど何もない部屋に監禁されてからプレイするなどのちょっとした工夫でも涙が出るほど楽しめるはず。

販売価格が980円を切ったら清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ってもらいたい!