昆虫モンスタースーパーバトルのレビュー行くぜ!
昆虫モンスター スーパーバトル 公式
昆虫モンスター スーパーバトルは
6月19日にカルチャーブレーンから定価4800円で発売された3DSパッケージソフトだ!
昆虫そっくりのモンスター「ムシモン」を使っての大バトルを繰り広げるRPG!
3DS「超人ウルトラベースボール アクションカードバトル」レビュー!奇跡に金を払ったと思え!
先日レビューした超人ウルトラベースボール3DSに続く
カルチャーブレーンの3DSソフト第6弾である。
ウルベー3DSは20年ぶりのシリーズ復活というのが一部で話題になったが、
昆虫モンスターも実はこれがシリーズ4作目であり、本作がほぼ10年ぶりのシリーズ復活!
今年に入ってからのカルブレは男児向けゲームを次々と復活させており、
7月にWiiUでのバーチャルコンソールに参入することも発表した。
このカルチャーブレーンの勢い……何かを感じさせるぜ……。
昆虫モンスターの過去作はGBAで3本も発売されている。そちらのパッケージも見てみよう。
まるで成長していない……。
パッケージ内には超人ウルトラベースボール3DSと同じく操作説明をまとめたシートが封入されており、
カルチャーブレーンのプレイヤーへの配慮と温かみが感じられる商品仕様となっている。
やっぱり何のための操作シートなのか分からんぜ……。
まあ、Rボタンでのメッセージ高速化は戦闘中に頻繁に使うから重要か。
裏面にはやはりパッケージと同じイラストが印刷されている。
ゲームを起動すると「ゆめのすけプロジェクト」という偉大なる大プロジェクト名が虹色で大表示される。
カルチャーブレーンの社長である 阿迦手観屋夢之助(あかでみや ゆめのすけ)氏の名前から取られたもので、
カルチャーブレーンのゲームを起動すると大体これが出てくるみたいだ。
ここも超人ウルトラベースボール3DSと同じ仕様!
この後に名前を入力してゲームをスタートするわけだが、こういう子供向けゲームは大体、
初心者の主人公が友人からレクチャーを受けながらチャンピオンを倒すレベルまで成長するとか、
まず「○○が大流行している時代!」とか世界観の説明から入るとか、そういうところから始まるものである。
超人ウルトラベースボール3DSもそうだったね。
だが昆虫モンスタースーパーバトルは一味違う。
ストーリーモードを開始すると
「主人公が昆虫カードを母親に捨てられてバトルできない!」というシーンからいきなりスタート。
昆虫カードって何?バトルとは?ムシモンとは?世界観はどうなってる?
そのような疑問は最後まで説明されず、母親も最後まで画面に登場しない。説明書にも一切書かれていない。
なんなんだ…この唐突な展開は……。
一応公式サイトには「クワガタやカブトムシに似ている不思議な生物、
昆虫モンスターを操って戦わせるムシモンバトルが大流行。」とだけ説明はあるが……。
主人公は手元に一枚だけ残っていた昆虫カードを使って友人である「ハカセ」との練習バトルを行い、
その後、ムシモンチャンピオンを決めるムシモングランプリに参加するという流れになっていく。
ハカセは言い訳のセンスをもうちょっと磨いた方がいいと思いますね。
ゲームはこのマップを移動して進行する。
新しいムシモンをゲット出来る研究所で手持ちのムシモンを増やす。
強化に使えるカードを買えるお店でパーティを強化。
自宅でパーティーを編成。
練習試合で経験値とお金が稼げる公園でパーティを成長。
大会会場で大会に参加し、勝利してムシモンランキングを上げる。
基本的にはこの繰り返しだ。
いかにも児童漫画に出てくる天才博士っぽい研究所の所長によると、
次元転送システムによって生成されたフィールドでムシモンを捕まえるシステムになっている模様。
どういうことなの……。
こちらがムシモン捕獲パート。
罰ゲームで全身の間接に棒を差し込まれたような動きをする主人公を操作して、
1分と掛からず回りきれる狭いフィールドを移動してムシモンを探す。
とりあえずそこら辺の木を調べていくと
「動く2つの的が重なった瞬間にボタンを押す」という単純なミニゲームが発生。
成功すれば新しいムシモンゲットだ。
難易度は変わるが、ムシモンのゲット方法は基本的にゲームの最初から最後までこれだからな!
フィールドも1つだけという省エネっぷりだぜ!
メインとなるバトルは3vs3。
タイマン勝負で途中で交代などは出来ず、ムシモン1体ずつのタイマン勝負を3回する系式だ。
3回中2回勝てばその試合は勝利となる。
ムシモンには6枚のカードをセットすることが可能。
セットすることでステータスの底上げや特殊能力の付加、必殺技の追加などが可能。
絵柄は適当だが種類は数十枚存在し、カスタマイズの自由度は結構高い。
大迫力の戦闘シーン!
バトルは試合会場と公園で行うがどちらも背景は森!
そしてよく見るとこの森も虫捕りフィールドの使いまわしという
ここでも省エネ精神が溢れた構成となっている。
ちなみにムシモン以外の登場キャラで3Dモデルが存在するのは主人公だけです。
バトルではビームや炎や衝撃波が飛び交う!やっぱり昆虫バトルはビームがないとな!
動きに重さのない連続コンボや投げ技も出てくるぜ!
しかしこのバトル自体はなかなかバカに出来ない作り。
出来ることは
毎ターン少しずつ貯まっていく集中ゲージを消費して技を使う。
技を使わずに集中ゲージを通常より大きく溜める。
防御する。
の3つ。
ここで効いて来るのが前述の6枚のカードをセットするカスタマイズ要素。
例えば「一定確率で敵の攻撃を防御する」「集中力ゲージの回復量を通常より高める」
「5ターン経過で全ステータスアップ」のカードをセットして長期戦狙いをしたり、
逆に「バトル開始時の集中ゲージを増やす」
「技の使用に必要な集中ゲージを減らす」カードをセットして最初から大技を狙ってもいい。
「敵の集中ゲージを一定確率で下げる」「敵の技を避ける確率を上げる」
「低確率で敵の攻撃を必ず避ける技・シャドーディフェンスを発動」
をセットして敵の攻撃を不発させるスタイルでもいいし、
「一定確率で集中ゲージが大幅に増える」「集中ゲージ50%以上で攻撃アップ」
「集中ゲージ50%以上で防御アップ」辺りを組み合わせてもいい。
強力な必殺技、ステータスアップ技やステータスダウン技、回復技を追加できるカードもあるので
自分のムシモンに足りないタイプの技を補ってもいいし、
「経験値アップ」「お金アップ」なんてカードもあるから強さを捨ててそっちを取るのもいい。
単純ながら自分と相手の体力&集中ゲージを見ながら技、集中、防御のタイミングを図る楽しさがしっかりあるし、
カスタマイズの自由度もなかなか高い。うまくハマればレベルが大きく上の相手にも勝つことが出来る。
骨子の部分は意外にもしっかりした作りだぜ。バトルは普通に面白いぞ。
バトルの立体視もなかなか迫力アリ。
特にツノのデカいムシモンに掴み技を仕掛けた時の飛び出しっぷりは必見。
登場キャラがやたら立っていて会話デモも楽しい。
女の子キャラの可愛さは、
なんだかんだでGBA時代から女の子向けのおしゃれゲームを作り付けてきたカルブレの底力を感じるね。
途中で登場するアゲハのデザインとかすげぇ可愛い。クモカードのデザインも地味に秀逸。
侮れんなカルチャーブレーンめ……!
ま、栄光のSIMPLE2000シリーズを代表する昆虫ゲーであるTHE昆虫採集には勝てんがねッ!
電波的な意味で。
主人公の前に立ちはだかるのは
最強のムシモンプレイヤーであるチュウソンジ・コウと、
その配下である4人の「チュウソンジ・ムシテンノー」だ!
虫と四天王をかけてムシテンノーというおもしろネーミング!
そしてバトルでぶっ倒したムシテンノーに
「なんでムシテンノーなのにランキング低いの?」って聞きまくる主人公がひどすぎて笑う。
やめてやれよ!
そして「最近ムシテンノーに空きが出来て入ったばかりだから」
「金の力でムシテンノーに入ったから」などの答えが返ってきて更にひどい。
そういう流れが何回か続いて
「チュウソンジ・ムシテンノーって対したことねーな!リーダーのコウも弱いんじゃねーの?」
ってプレイヤーが思い始めた頃に
チュウソンジ・コウがラスボスオーラ満点で登場して主人公を叩きのめす構成がうまい。
顔こええええええええ!これはラスボスだわ……!
割と練られたバトルに妙に間の抜けたノリが楽しい会話デモ。
ムシモンとカードはフィールドとお店でランダムでゲットとなるが、
一度ゲットしたものは2度と登場しないのでコンプも容易。
ここは皮肉でもなんでもなくユーザー配慮が感じられていいと思う。
意外にも遊べる内容となっている。
ただ……やはり手放しには褒められないデキ。
基本的に練習バトルでムシモンを育てて試合会場で試合をする、の繰り返しだし
ムシモンのゲットも捻りのないミニゲームで入手しないといけない。
しかも大量に登場するムシモンには1から6のランクが存在し、
基本的にランクの高いムシモンはランクの低いムシモンの上位互換。
ゲームが進むたびにランクの高いムシモンが手に入るようになっていくので、
どんどん新しいムシモンに乗り換えていくプレイになる。
ランク限定の大会も定期的に挟まるので、
「新しいムシモンを3匹ゲットしてレベル1からの経験値稼ぎ」
を定期的に強制させられるのがかなり作業感強い。
カードのカスタマイズは自由度高いんだが、
ムシモンの方はあまり個性が強く無いし、大量に存在する技も使いまわしだらけ。
動きも全体的にぎこちない。
ストーリーも会話は楽しいが説明不足。「精霊カード」ってなんだよ?!説明しろよ!エンディングとかないのかよ!
15時間ほどプレイしてラスボス撃破後も含めた全大会を制覇するまでやりこんだが、
プレイの大半が経験値稼ぎのためのバトルだったし全体的に使いまわしも多くチープで単調。
超人ウルトラベースボール3DSに続いて今回も定価4800円は厳しすぎる1本。
ただ、所々で丁寧に作られてる部分もあって、
なんだかんだでカルチャーブレーンが
ファミコン時代からゲームを作っている老舗であるってのは感じられたかな。
オススメは出来ないが、公式サイトだけ見て笑い飛ばしていい作品でもなかったぜ。
超人ウルトラベースボール3DSよりはよっぽど遊べる1本でした。
ちなみに本作はミーバースの公式コミュの8割が
「ムシキングのパクリ」「ムシキング懐かしい」「ムシキングの話しましょう!」などの投稿で埋まっている。
実際、ムシキングのブームに便乗して作られた作品であることは間違いない。
だがアーケード版ムシキングの稼動が2003年でGBA版の発売が2005年!
それに対して昆虫モンスターシリーズ1作目のGBA版発売は2004年ッ!
家庭用ゲーム展開に関してはこちらの方が僅かに早い!
そもそもバトル昆虫伝とかそれ以前にも昆虫バトルゲーはあったしな!
そして2014年現在。
本家ムシキングはホビー展開こそ2013年まで続いていたようだが3DSで新作を発売していない以上、
いくらパクリと呼ばれようが昆虫モンスター側の不戦勝と断言してしまっていいだろう。
最後に立っていた方が勝者なんだよッ!
自分が本物だと信じるものがあるのなら
そいつが最後まで立っていられるように応援することを惜しんではいけない。
このゲームをプレイしてそう思えた。この気持ちは忘れないようにしたい。