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大満足!キャラと王道シナリオで魅せる推理ADV『イヌワシ~うらぶれ探偵とお嬢様刑事の池袋事件ファイル~』レビュー!【PS4/Switch/PC】

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イヌワシ〜うらぶれ探偵とお嬢様刑事の池袋事件ファイル〜

 

『イヌワシ』のレビュー行くぜ!

 


メーカー:オレンジ

機種:Switch/PS4/PC

ジャンル:推理アドベンチャー

発売日:2019/10/10(Switch) 2020/08/26(PS4)

価格(税込):1500円


 

『探偵 神宮寺三郎』シリーズを手掛けたスタッフによる完全新作のADVだ。

元々は育成要素のあるスマホ向けの基本無料タイトルとして展開していたが

そちらは既に配信終了。

快適に遊べる売り切りのアドベンチャーゲームとして、

PCやコンシューマ向けに作り直したのが本作というわけだ。

 

シナリオは神宮寺シリーズで『灰とダイヤモンド』『赤い蝶』

『GHOST OF THE DUSK』などを担当した金子光恵。

BGMは神宮寺といえばこの人!な馳見“Ace”大地が手掛けているぞ。

キャラデザは『ガンダムビルドダイバーズ』のキャラ原案であるハラカズヒロ。

 

元が基本無料タイトルだった名残なのかちょいちょい変な仕様はあったが、

魅力的なキャラとジェットコースターのような展開で引っ張る、

ライトな推理ADVとして非常に面白く、ボリュームも含めて大満足な1本だったぜ。

 

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主人公は、元刑事だったが今はしがない探偵稼業をやっている狗神エイジと、

警視総監令嬢であり、思念を読む特殊能力を持っている刑事の鷲宮ヒナの2人だ。

かつてはヒナの兄と組んで凄腕のコンビ「イヌワシ」と呼ばれていたエイジだったが、

ツカサが不審な死を遂げてからは警察を辞めている。

 

とある連続通り魔事件をきっかけで出会ったこの2人が、

池袋を舞台に様々な難事件に挑むことになる。

果たして2人はツカサの死の真相に辿り着くことが出来るのか。

そしてかつての「イヌワシ」のような名コンビになれるのか?!

というストーリーだ。

 

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シナリオはメインストーリーとサブストーリーを合わせて全17話。

題材はドラッグ、家出事件、マフィア、カラーギャングなどなど。

池袋の闇、そしてその中で暗躍する悪意との戦いだ。

 

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無気力気味で多少は捜査で汚い手も使うが、キメるとこはしっかりキメるエイジと、

悩みつつも健気に進んでいくかわいいヒナがぶつかり合いながら、

コンビとして少しずつ成長してまとまっていく流れが丁寧に描かれているぜ。

ヒナちゃん子供っぽいけど25歳なんだよな……刑事だもんな……。

 

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ヒナの思念を読む特殊能力は人間だけでなく、物に残された残留思念にも有効。

「何故この証拠品からこの情報が?!」と驚かされたりすることもある。

元刑事だけあってエイジの捜査能力は確かだが、

それだけでは活路が見いだせない時にヒナのこの能力が頼りになるのだ。

 

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2人に協力する仲間たちも凄腕揃い。

狐塚チヒロは高校生だがスーパーハッカー!

監視カメラや商業施設のハッキングなどはお手の物という頼りになるけどヤベー奴!

でもまだまだ高校生なので、

年相応に慌てたり恥ずかしがったりするところもあるので微笑ましい。

 

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美馬ハルカは元カラーギャングのリーダーで今は執事喫茶で働いており、

有事の際は昔の仲間に声を掛けて戦力を集めてくれる。

単独戦闘力も作中最強という属性の盛りっぷり!

 

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さっすがハルカさん頼りになる~!

執事モードじゃない時は途端にくだけた軽いノリになるんだが、

執事やってる時にもちょくちょくこのノリが出ちゃうので、

これは常連客から「たまに素が出るのが良い」とか言われてそう。

職場も含めて便利なキャラで話によく絡むから、

やってると「この執事喫茶、やたら揉め事が多いな!」ってなるな!

 

このハルカとチヒロはぶつかることが多く、

「仲良く喧嘩しな」的な憎まれ口のたたき合いが楽しくて見ていてニヤニヤしてしまう。

 

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他にも科捜研の所属で鑑識調査を手伝ってくれるセクシーな鮎川レイコや、

精神科医でヒナの能力にも詳しい龍谷寺アキヒコ。

表はおもちゃ屋のオヤジ、裏ではヤバいブツでも即調達なんでも屋である鴨井ジロー。

刑事課の課長代理でヒナのことを快く思っていない猿渡ツヨシなどなど。

多数のキャラが登場だ。

各シナリオではそれぞれの見せ場と成長がしっかり描かれており、

設定はコテコテながらみんな実に魅力的!

 

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メインシナリオは2時間ドラマ的な構成。

レイジの元に事件を持ち込む依頼人とのやり取りで各キャラを掘り下げつつ、

ぶっ飛んだ展開でこちらを引き込み、しっかりとオチをつける。

分かりやすい悪役もいて芯も通してあり、1話完結ながら

「相棒だったツカサの死の謎」という最終目標に少しずつ近づいていく。

シナリオの作りが丁寧だぜ。

 

メインシナリオだと意外なキャラにも見せ場があって、

後半の展開が痛快だった。「鷺の館」が一番好きかなぁ。

不気味さだと現実と虚構が入り混じる

「蝶は少女を導く」が頭一つ抜けててこれもお気に入りだ。

 

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サブシナリオはメインシナリオよりも短く、

クリスマスやバレンタインといった季節モノや、

タイトルの時点で圧がすごい「炎上アイドル 地獄のバスツアー」などなど。

本編に比べるとゆるいモノが多いが、

ミステリーしてるものから感動系の話まで様々なエピソードがあり、

「サブシナリオなのにこんな大掛かりな事件やるんだ?!」と思うような話もあったりで、

こちらも目が離せない作りになっているぞ。

  

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ADVとしては一本道かつシステムが単純で難易度は低い。

こうやって画面をあちこち調べる証拠品を場面などはあるが、

一部だけだし短いので、ノベルゲームに近い作りかな。

 

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ミニゲームの結果や途中で正解の選択肢を選べたかどうかで星を入手。

各シナリオ終了時の星の数で結末が3つに分岐する構成になっているが、

選択肢は1クリック前の会話の再確認みたいなものばかりで、星の数もかなり余裕がある。

チャートからのやり直しも出来るので、

普通にプレイしていれば簡単にベストエンドに辿り着けるぜ。

 

ベストエンドの条件さえ満たせば、

グッドエンドとバッドエンドもチャートから自動的に見れるようになるので楽。

まあ、バッドエンドはどれもかなり簡素なオチではあるが。

 

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難点はミニゲームの内容。

「赤いところでタイミング良くボタンを押せ!」という特に面白くない内容な上に、

ターゲットの尾行も犯人との対決も全部これなのでムリヤリ感がすごい……。

しかもタイミングがどんどんシビアになっていく!

全部失敗しても選択肢で挽回すればグッドエンドは十分見れるんだが、

やっぱり遊んでいて引っかかるところではあった。

 

基本的にスマホ版のシナリオはすべて収録しているんだが、

『探偵 神宮寺三郎』とのコラボシナリオなどは未収録。

DLCや別売りでもいいから出して欲しいなぁ。

 

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クリアまでは15時間以上かかったかな。

バラエティ豊かなシナリオと魅力的なキャラでグイグイ引っ張る王道ADVとして、

非常に満足度の高い1本だったし遊んでいてまったく飽きなかった。

BGMも絶品で、いい感じの一枚絵も沢山あってこれが1500円はあまりにもお買い得!

 

完全新作のADVが出ると「唐突に続編に続くオチで終わらないだろうな……?」と

不安になってしまう俺だが、本作はしっかりと完結している。

それでいて 『探偵神宮寺三郎』シリーズ並にいくらでも続編作れそうな設定なので、

是非とも売り切り版を機に続編などの展開もお願いしたい。

 

イヌワシの2人が挑む新しい事件を待ってるぞ!