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少女たちは戦う。絶望と、あと税金と。『溶鉄のマルフーシャ』レビュー!【Switch/PS4/PS5/Xbox/PC】

 

溶鉄のマルフーシャ | Game | PLAYISM公式サイト

 

Steam:溶鉄のマルフーシャ

 

『溶鉄のマルフーシャ』のレビュー行くぜ!

俺がプレイしたのはSteam版とPS5版ね。

 


パブリッシャー:hinyari9/PLAYISM

機種:Switch/PS4/PS5/Xbox/PC

ジャンル:ハイテンポシューティング

発売日:2021/8/27(PC)2023/4/26(Switch/PS4/PS5/Xbox)

価格(税込):790~1180円


 

ディストピア国家を舞台にしたタワーディフェンス風のアクションシューティング。

兵員不足で徴兵されたパン屋のマルフーシャを操作して、

迫りくる敵国の機械兵士軍団から門を守り切れ!という内容だ。

CS版はKOKIAの主題歌付きアニメオープニングが追加され、

おまけとしてアートブックも同梱されているぞ。

 

2.5Dで表現されたビジュアルと登場キャラの可愛さ、

1プレイの短さに、分かりやすい撃ちまくる爽快感や儚い世界観などが魅力の1本だ。

 


画面左の門に向かって敵国の機械兵軍団が押し寄せてくるので、

左右に移動してスティック操作で銃を撃ちまくって門を守るゲームだ。

自分に当たり判定は無く、門を破壊されたらゲームオーバー。

やってくる敵をすべて迎撃するとその日は終わりで翌日へと進む。

 

 

1日ごとに給料が支給され、ランダムで3つ選ばれる強化カードから1つ購入可能。

カードは新しい武器やステータスの強化、設置メカ、

使い捨てのサブウェポン、仲間の徴兵など様々な種類があるぞ。

休暇申請カードもあるけど申請が通るかどうかは分からない……!

 

シューティングとしてシビアなところはほとんどなく、

効率よく成長出来ればバンバン撃ってるだけで勝てる。

武器には毎日減る耐久度があり、

0になると壊れて初期の武器のハンドガンで戦うハメになるので、

タイミングを見誤って交換できないと悲惨。

カード選択のタイミングが最重要のバランス。

 

 

仲間は最大で1人のみだが、撃ち手が1人増える効果は絶大。

加入時や戦闘中などの短いセリフでもしっかり個性が付けられていてみんな可愛い。

マルフーシャは1人じゃない!でも2人しかいないぞ!

 

 

たまに貰える休暇では、部屋で様々な行動を取ってステータスを上げられる。

このマルフーシャの境遇と文化レベルが伝わる部屋の質感に、

思い思いの行動を取る仲間、TVから流れるプロパガンダに相互監視の情報。

あまりに雰囲気が良すぎる。

 

 

そして演出が見たくてついついシャワーばかり浴びてしまう……。

 

 

ゲームが進むと出世して給料アップしていくが……。

厚生年金に雇用保険、学生ローンに住民税などで天引きされる上に、

税金もどんどん厳しくなっていくので、出世しても生活が楽にならない。

マルフーシャは機械兵だけでなく税金とも戦わなければいけないのだ。

機械兵は銃ぶち込めば黙ってくれるが税金は手強い。

扉への損害がデカいと給料から修理費を天引きされるのも辛いぜ。

 

 

世界観とシステム面の両方で世知辛さが押し寄せてくるゲームだが、

対照的に戦闘パートは非常に爽快。

敵を撃つ時のエフェクトと音が実に気持ち良いゲームで、

仲間と一緒に弾幕を張って敵を食い止めるのが気持ち良い。

 

 

武器もマシンガンやショットガン、スナイパーライフルに

グレネードランチャーとお約束のものが揃っており、

使い捨てのサブウェポンとして自動で砲撃するタレットや、

7方向に攻撃するワイドショット、

巨大な回転ノコギリで敵を粉砕するバズソーショットなど。

ロマンあふれる強力な武器が盛り沢山だ。

 

1日(1ステージ)は数秒~数十秒でサクッと終わり、

クリアまで通しプレイでも30分掛からないテンポの良さも長所。

 

 

ストーリーデモは最小限なのでキャラの掘り下げは物足りなさがあるが、

合間に挟まるイベントは良い味出してる。

これはマルフーシャにゲームシステムを説明するために、

わざわざ説明パネルを自作して首から下げる上司のライカさんだ。

この後パネルの件で上司に怒られて泣く。

 

 

パン作りの腕が落ちないようにパンをこねるイメトレするマルフーシャも好き。

 

 

『常世の塔』にゲスト出演した時に拾われてて、

やっぱりみんな印象に残ってるんだなぁって思った。

 

 

仲間だと凄腕のスナイパーお嬢様だけど

色々あって日常生活は全部人任せの自堕落キャラになったフェリセットがお気に入り。

魅力的な仲間が多いので、もっと細かいイベントが沢山欲しかったなぁ。

 

 

メインモードで操作可能なのはマルフーシャのみだが、

本編とは別のチャレンジモードでは、条件を満たすことで全キャラを操作可能だ。

性能差があるのでメインモードよりも個性を生かした戦いが可能で、

特別な仲間の組み合わせでイベントが見られたりも。

 

 

ディストピア社会、銃を携えた少女たち、押し寄せる機械兵器、血塗られた銃撃戦。

この辺りの要素を手軽に摂取できる携行食のようなゲーム。

「税金と戦ってる時は幸せだった」となっていく過酷なシナリオと、

仲間たちとの戦いの果てに迎えるマルチエンディングも強烈だが、

この儚いシナリオもまた印象に残る点だ。

単純な作りなので飽きが来るのも早いが、

それでも世界観やキャラの仕草を味わいながら、繰り返し遊びたくなる魅力があるぜ。