THE 呪いの廃病院 ~閉じ込められた顔のない少女~ | ニンテンドー3DS | 任天堂公式
THE呪いの廃病院のレビュー行くぜ!
メーカー:ディースリー・パブリッシャー
機種:3DSダウンロード専用ソフト
ジャンル:ホラーアドベンチャー
配信日:2012年9月12日
価格:500円
@SIMPLE DLシリーズの5作目はようやくTHE密室以外のゲームが登場。
まあ、開発元はTHE密室と同じインテンスではあるんだが、内容はホラーアドベンチャーゲーム。
見たことも無い廃病院で目を覚ました主人公が、
脱出するために病院内の探索をしながら人魂を集めていく内容だ。
同じように病院に迷い込んだ謎の女の子と一緒に行動することも。
何故か顔を見せてくれないが、いつも安全地帯である診察室で待機していて会話も可能。
全3章でマルチエンディング。
ゲームの流れとしてはまずスライドパッドで移動する廊下パートで次に行く部屋を探す。
そして部屋に入ると視点を切り替えながらカーソルであちこち調べるパートになる。
ここはTHE密室からの脱出と同じような感じだな。
あちこちの部屋を行ったり来たりして、謎解きに必要なアイテムや扉を開くカギなどを集めていく。
廊下を歩いていたり部屋を調べたりしていると人魂が出現することがあり、
カメラを構えて写真を撮り、診察室で現像をすることで入手可能。
すべての部屋の探索を終えた上で、この魂を規定数集めると章クリアという構成だ。
魂は白、緑に黄色、紫などの色違いがあってエンディングに関連してくる。
カメラはジャイロ操作だがスライドパッド操作にも切り替えられる。
この仕様はTHE密室の方にも導入して欲しいな……。
探索をしていると病院内を巡回している恐ろしい看護婦が登場。
見つかる前にベッドの下などいかにもそれっぽいところに隠れてやり過ごせ!
3回捕まるとゲームオーバーだ!
看護婦から逃げつつ病院を探索してアイテム探しと謎解きをこなすホラーゲーム。
オーソドックスな作りだが、
さすがTHE密室からの脱出シリーズで3Dのステージを作りなれており、
過去に本作に近いTHE廃屋病棟を作ってもいるインテンスだけあって雰囲気作りが上手い。
あんまり調べたくない部屋や物、不気味なテキストがどんどん出てくる!
テキストもギャグっぽいノリのTHE密室とは違ってシリアス。
閉鎖された扉を開ける方法を探したり、ヒントを頼りにナンバーロックを解除したりといった謎解きもあるが
こちらも難易度はほどほどに収まっているぜ。
顔が見えない謎の女の子もなかなか可愛いキャラで、
一緒に脱出しような!って気持ちにさせてくれる。
細かい部分でTHE密室とのリンクがあったりするが、別に知らなくても問題ないレベル。
便器、異常無し!
本ゲームの欠点はエンディングの分岐条件。
1週目はバッドエンドで、2週目以降の「集めた魂の色の種類」でエンディングが変化。
例えば「全部紫の魂にするとこのエンディング」、
「全部黄色の魂にするとこのエンディング」って感じで分岐するんだけど、この魂集めが大変に面倒。
魂を撮影する→診察室で現像して魂の色を確認する→お目当ての色じゃないものは破棄する
の繰り返しで良いし、2週目以降は部屋の探索をスキップして魂集めに専念出来る。
廊下を一定時間ウロウロしていれば魂もどんどん出てくる。
が、廊下に出現する魂はある程度同じ色で揃えると「白い魂」で固定されるので、
他の色を狙っている時は適当なところで部屋も調べる必要がある。
しかも、部屋で手に入る魂は場所と数が決まっている上に、
必ず狙っている色が出るとは限らないので
迂闊に取ってしまうと狙ったエンディングが見れなくなる。
つまりこのゲーム、セーブして狙った魂の色が出るまでリセットを繰り返さないと
まともに狙ったエンディングが見られない仕様。
白以外の魂は出現確率が低いため、
全章を同じ色で揃えるには何十回もやり直す必要があって本当に面倒。
真エンドと色々ひどくて面白かったギャグエンドは見たがそれ以外は見る気しなかった。
慣れると簡単に回避できてまず捕まらなくなる看護婦とか、
全3章なので割とあっさり終わる点などは気になるものの、
緊張感あって演出も良く500円のホラーゲームとしてはツボをしっかり抑えた作りだ。
ストーリーもそこまで分量は多くないがきっちりオチを付けて余韻を残したエンディング。
THE密室からの脱出から派生した新たなタイトル。
3DSのダウンロード専用タイトルでホラーゲームは意外と少ないし貴重な1本としてオススメしたいんだが、
ボリュームの水増しとしか思えないリセマラ前提の魂集めがなぁ……これさえ無ければ!
非常に勿体ない作品だったぜ。