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PSVR「カイジVR~絶望の鉄骨渡り~ 」レビュー!空中に浮かぶ「ざわ…」!落下する石田さんをガン見!バギクロス!珍妙すぎる原作再現はファン必見!?

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ゲームソフト | カイジVR~絶望の鉄骨渡り~ | プレイステーション

ざわ…

       ざわ…

カイジVR~絶望の鉄骨渡り~のレビュー行くぜ!


メーカー:ソリッドスフィア

機種:PSVR専用ダウンロードソフト

ジャンル: シネマティックVR鉄骨渡り

発売日:2017年8月28日

価格:税込1944円


超人気マンガである賭博黙示録カイジの劇中に登場した

「鉄骨渡り」をPSVRでゲーム化したものだ。

ビルの間にかけられた鉄骨の上を人間がすり足で歩いていくゲームに参加するエピソードで、

原作ファンの俺としてはこれVRなら絶対怖いだろう、絶対面白いだろう、

どういう作りになっているのだろうと楽しみだった。

実際、臨場感はスゴい!

しかし、薄すぎるゲーム性、雑過ぎて理不尽なだけになっているif展開。

マンガやアニメだからこそ成立したシーンを何も考えずにVR空間で再現したせいで、

やたらシュールなことになっている名セリフや名シーンの数々にと。

ある意味で原作ファン必見の内容になっていたぞ。

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『「限定ジャンケン」を乗り越えたカイジに再び絶望が訪れる……』

という文字だけでそれまでのストーリーをすべて説明する力技でゲームスタート。

原作同様、人間競馬とビルの間の鉄骨渡りの2部構成だ。

難易度選択やオプションなどは存在しない。

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ゲームが始まると人間競馬の会場へ運ばれるカンオケの中。

自分の体を見ると俺の体がカイジになっているッ!

やった!カイジだ!俺がカイジだ!カイジになれたぞーーーー!

って、よくねぇ!なりたくないよカイジには!

なりたくないマンガ主人公で結構高ランクだと思う!

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しかしカメラ位置がズレると首無しなのが分かってしまう。

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鉄骨渡りの前にみんなを励ますシーン。

顔を造形すると鼻とかアゴとかが邪魔になるのは分かるんだけど……。

サマーレッスンみたいにシルエットとかで表現した方が良かったのでは。

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操作は驚くほど単純。

方向スティックを上に倒すと前進。

前進してるとカイジがバランスを崩すしてコントローラーが振動するので、

そうなったらコントローラーを左右に傾けて、振動が一番少ない場所でしばらく固定する。

するとバランスを取り戻すのでまた方向スティックを上に押して進む。

最初から最後までこの繰り返し……っ!

フルボイスだが声優はすべてアニメとは別人。

ナレーションも立木文彦ではなく別人なんだが、喋り方は似せててあふれ出るモノマネ感。

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さすがVRだけあって臨場感はなかなかだ。

人間競馬で振り向くと12番が落とそうとしてくるし、

鉄骨渡りでは周りを見渡せばビビりながら進む佐原や石田さんといった他のメンバーがいる。

本当に、カイジのあの鉄骨渡りを俺がやっているんだ!という感動があるね。

鉄骨の向こう側のリアルな距離感が体感できるのも面白い。

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空中に立体的に浮かんでは消える「ざわ…」「ざわ…」の文字も圧巻!

買って良かったと思った。

しかしゲームとしてはまるでダメ。

前述の通りゲーム性がほとんど無いようなもので、

バランス取りに苦戦するのは最初の10分くらい。

あとはイベントを見ながらスティックを倒すだけの作業となる。

合間の会話やナレーションは原作をきっちり再現してはいるんだが、

そのせいで非常にテンポが悪いし、

会話してる間は周りの人間がフラフラしながらもその場で止まっていたりするから不自然。

変わり映えのしない画面で棒立ちしながら延々とボイスを聞き続けるような場面が続く。

アニメやマンガのワンシーンを、何も考えずにそのまんまVR空間でやった弊害だなあ。

よく見ると利根川さんがタバコ吸ってるシーンを再現してたりする細かさは好きなんだけども。

肝心の鉄骨からの落下シーンはすぐに暗転するので寂しい。

VRでリアルに落下シーンを描くと心臓に悪すぎるからってことなんだろうが、

もうちょっとやりようは無かったのか……。

キャラのモデリングはPS4クオリティとは言い難いし、演出もとにかくチープ。

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佐原が死んだ人間の幻を見て動けなくなってしまうシーンは、

カイジの視点からハッキリと幻が見えてるのが面白すぎる。

単に幽霊が出現してるだけのシーンになってるじゃねーか!

SEと登場エフェクトが幽霊そのものなのもずるい。

これはもう「佐原…っ!使え……っ!ニフラムを……っ!」としか言えない。

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佐原がドアを開けて気圧差の突風で吹っ飛ばされるシーンも、

エフェクトが完全に衝撃波でただのバギクロス!

終わった後にドアが自動でパタン…と閉まるのがまたシュール。

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そんなやっつけ感ある演出が満載なのに、

原作だとただのイメージ映像だった「57億の孤独……!」のシーンだけVRで完全再現なのは爆笑した。

このシーンがここまでのクオリティで映像再現されたのは人類の歴史で初だと思う。

いや、なんでこのシーンにそんな力入れてるんだよ?!おかしいだろ!

カイジの脚がぐわってなるシーンとかは軽く暗転するだけの手抜きだったりするのに!

ちなみに最近の数字に合わせて「73億の孤独……ッ!」になってたぞ。

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石田さんが落下するシーンをこの目で見れるのも素晴らしい。

原作ではカイジを心配させないために無言で落下していて、

カイジが振り向いた時にはもういない…ッ!ってシーンだったが、このゲームでは振り向いて確認可能。

石田さん、割と粘るのでマメに振り向いて落ちるところを確認しよう!

カイジの首を180度回転させてじっくり見ることをオススメ。

この石田さんの落下を見れるのはゲーム独自で良かったんだが、それ以外のif展開は雑。

人間競馬で前のヤツを押そうとする、最後のドアを開けようとする、石田さんをガン無視するなど。

原作を無視した行動をしようとすると、セリフも説明も無く突然死してゲームオーバー。

やっつけ過ぎる。

特に石田さんをガン無視するとその後の突風で説明無く即死するシーンは意味が分からなくて、

スキップしながら進めてた周回プレイの時に戸惑ったわ……。

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VRのノウハウがまったく無いメーカーが作ったVRキャラゲー。

驚くほどあっさりしたエンディングで終わってクリア後のおまけ要素などは皆無。

トロフィーコンプを目指しても2時間~3時間で制覇可能だ。

PSVRならもっといいゲーム沢山あるよ!

1944円の高い一発ネタって感じだったが、

なんだかんだでVRで鉄骨渡りを体験できる面白さは唯一無二。

原作ファンなら爆笑間違いないなので一度体験して貰いたいところではある。

俺も値段分は笑わせてもらった。

みんなも是非とも実際にプレイして、

最後の階段を見つけるシーンで「いや、やっぱりこれ気付くだろ!?」と叫んで欲しい!