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3DS「大逆転裁判2 成歩堂龍ノ介の覺悟」レビュー!予想を裏切り、期待を裏切らない!シリーズ屈指の盛り上がりで魅せる文句無しの完結編!

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CAPCOM:大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟- 公式サイト

大逆転裁判2のレビュー行くぜ!


メーカー:カプコン

機種:3DSパッケージソフト

ジャンル:大法廷バトル

発売日:2017年8月3日

価格:税込6264円


カプコンが誇る法廷ADV「逆転裁判」シリーズから生まれた新シリーズの第二作目だ。

近未来の日本を舞台にした本家から内容を一新。

19世紀の日本と倫敦を舞台に、新たな主人公である「成歩堂龍之介」が、

あの「シャーロックホームズ」氏を始めとする頼もしい仲間たちと共に活躍する内容となっている。

本家シリーズのぶっ飛んだキャラクターのノリや、コミカルかつキレ味鋭いテキストは継承しつつ、

まだまだ未熟な裁判や捜査、日本と倫敦の微妙な関係など、

激しい変化の真っ只中にあった当時の空気を描いているのも特徴だ。

3DS「大逆転裁判」レビュー!キャラとテキストは良いが……暗雲立ち込めるシリーズ新章!

新シリーズがスタートしたと思ったらエンディングで何も解決せず、

謎はいつ出るか分からない続編にいきなり全投げして終わった前作から2年……長かった!

そして待たされただけのことはある内容。

前作の謎を解消するのはもちろん、完成度も文句無し。

逆転裁判シリーズは家庭用ゲームとして発売された作品はすべてプレイしているが、

その中でもトップクラスのデキだったぞ!

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登場キャラは新人弁護士、世界的名探偵、大和撫子、天才少女、死神の異名を持つ検事、

アゲモノ好きの刑事、元スリの女の子、情緒不安定な作家、変装のプロである刑事、

ドイツから来た科学者、見世物館の女主人、謎の仮面をかぶった正体不明の謎の男などなど。

一度見たら忘れられない強烈な面々がメインからチョイ役まで30人以上。

待ち受ける事件は悪霊に呪われた下宿での殺人事件に、

万博会場での爆発事故、蝋人形の誘拐事件とこちらも難事件揃い。

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システムは昔ながらのテキストアドベンチャーゲームスタイル。

様々な場所を移動して画面をクリックして証拠品や情報を集める探偵パートと、

それを元に弁護士として裁判に挑む裁判パートで進行。

裁判では毎回のように絶対絶命の状況に追い込まれるので、

証人の証言からムジュンを探して「異議あり!」と噛みつき、

そこに「くらえ!」と証拠を叩き付けて真実を暴き、無罪を勝ち取るのだ!

色々とぶっ飛んでいる要素は多いが、

なんだか分からない証拠品をよく調べてみると重要な情報がスルッと出てきたり、

意外な証拠品が意外な人物に繋がっていたり。

点と点が繋がっていく気持ち良さがある王道推理ゲーム。

証拠品にしっかり目を通さないと証言を崩せなかったり、

さりげなくヒントがあったりと、ゲームバランスは簡単すぎず難しすぎずになっている。

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有罪判決を望む陪審員たちのムジュンを突いて意見を変えさせる最終弁論や、

あのシャーロック・ホームズ氏とナルホドくんがノリノリで展開する共同推理もそのままで、

これといった新システムは無し。

こういうところも含めて、2というより前作が前編で、今回が後編って作りになっているね。

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前作は話が大体終わってるのに相手がやたらしぶとかったり、

最終弁論がしつこかったりでストレス溜まるところもあったが、

今回はそこら辺も改善されて裁判がスムーズに進行するようになっている。

ゲーム自体は前作よりも長いんだが、テンポが悪いとは感じなかったな。

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「レイトンvs逆転裁判」から3DSで磨きをかけ続けてきた、

3Dによるキャラクターの演技や演出、書き込まれた背景表現は円熟の域。

生き生きと動くキャラクターのモーションは前作からさらに良くなってるし、

空間を使った3D演出も前作以上に上手かった印象。

終盤はちょっと怖さのあるシリアスなシーンも、斜め上のギャグ演出もどちらも決まってた。

探偵パートで出かけることになる場所は

どこも思わず調べたくなるアヤシゲな小物で溢れていて、

そこに軽妙な掛け合いが楽しいキレ味バツグンのテキストが散りばめられている。

新しく行けるようになった場所に移動するとツッコミ待ちとばかりに変なことになっていたり、

逆転裁判はやっぱこれが魅力だよなあ。

今回も立体視にしっかり対応しているのが嬉しいね。

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謎を投げっぱなしにして終わった前作だったが、

公式の宣伝通り、残っていた謎は本当にすべて解決して完結!

仮に3を作るとしたらまったく新しい話にしなきゃいけないなこれは。

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前作では「法廷でワインを飲む、足癖が悪くて日本人が嫌いな検事」

以外の情報が無く、なんだかサッパリ分からない人だった

バロック・バンジークス検事の掘り下げも文句無し。

ちょっとギャグっぽいやり取りもあったり、過去に関連した新キャラが登場して

背景が語られたことでバツグンに魅力的でカッコいいキャラになっている。

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前作の終盤に登場した元スリのジーナも、

今回はグレグソン刑事との絡みでグッと味わい深いキャラになっていて一気に好きになった。

こういうドタバタで成長していくキャラに弱いんだわ。

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謎の新キャラクター「成歩堂龍太郎」も良かった。

突如大日本帝国の法廷に現れた彼は一体何者なんだ……?!

凛々しい立ち振る舞いと、彼が弁護する女学生の村雨葉織さんとのやり取りはたまらんね!

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今回は女性陣のレベルも高かったな。

マダム・ローザイクにビーナスちゃんにグーロイネに。

男性陣でもドビンボー氏とか印象に残っているキャラは多い。

謎の動きで四文字熟語の叫びを繰り出す夏目漱石さんも安定した面白さ。

今回からの脇役だとミテルモン&ミテルモン夫人が特にお気に入りかなあ。

単体でも面白いんだけど二人の関係性が凄く好き。

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あのシャーロックホームズ氏とアイリスについても見せ場満点。

ネタバレになるから言えないが今回のアイリスちゃん関連のエピソードはずるい!

いつもふざけてるけど決める時は決めるホームズくんの活躍っぷりも見事だった。

やっぱり食えない名探偵様だぜ!

「シャーロックホームズ」としての強キャラっぷりを出しつつ、

主人公はナルホドくんという一線は超えないバランスもうまかったと思う。

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頼れるツッコミ役&補佐役のスサトさんもいるだけで安心感がハンパ無かったぜ。

今回はあんまりスサト投げをやらなくなっていたが、前作で評判が悪かったんだろうか。

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前作と今作でバラまかれた大量の伏線が爆発しながら、

謎が次々に解き明かされていく怒涛の展開は圧巻。

「やっぱりこう来るか!こうでなくちゃ!」

「マジかよ?!こんな展開テンション上がるしかないだろ!」

「あれはそういうことだったのか……!」

の連発で、まさに予想を裏切り、期待を裏切らないストーリー展開。

中盤からのエンジンの掛け方が凄まじくて一度読み始めると止まらない。

過去と現在の間に散りばめられたいくつもの要素が複雑に絡み合いながら、「大逆転」に繋がっていく。

BGMも基本は前作と同じだが、

追加された新曲が名曲揃いかつ、どれもここぞというタイミングで流す使い方が上手い。

「成歩堂龍太郎~異議あり!」も使用回数こそ少ないが血が滾るし、

「前奏曲、そして大逆転のとき」は曲の構成に気づいた時にゾクゾクした。

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激動の時代の中で登場人物それぞれの成長と因縁、そして未来に繋がる逆転を描いた作品。

1と2を合わせての評価になるが、

長編小説的な作りのADVとして完成度が非常に高くて素晴らしかった。

これは本家逆転裁判から舞台と主人公を一新した新シリーズだからこそ出来た内容で、

このレベルの新シリーズが遊べたのが逆転裁判ファンとしてとても嬉しい。

ラストはボロボロ泣いてしまったわ。タクシューがやってくれた。

シリーズでも評価の高い逆転裁判3や逆転検事2と同等かそれ以上の完成度だったと断言できる。

重ね重ね、思いっきり続編に続く内容なのに、

それを伏せて発売した1で評判を落としたのが惜しいぜ……。

前作を遊んだ人は絶対に遊ぶべき作品だし、これから遊ぶ人は出来れば1から。

面倒な人は公式が公開してる1のダイジェスト動画を全部見てから遊んでもらいたい。