難易度ハードで全ミッションクリアしたので一旦地球防衛軍5のレビュー行くぜ!EDF!EDF!
メーカー:ディースリー・パブリッシャー
機種:PS4/PC
ジャンル:3Dアクションシューティング
発売日:2017年12月7日(PS4)2019年7月11日(PC)
価格:7800円(税抜)
地球を守るEDF(EARTH DEFENSE FORCE)の一員となり、
群れを成して襲い来る巨大昆虫、
UFO、戦闘メカをなぎ倒しまくるアクションシューティング!
数百種類の武器が生み出す戦略性に、血沸き肉躍るB級テイストのストーリー、
山ほど出てくるデカい敵をとにかく撃ちまくる
単純明快なゲーム性がたまらない魅力の人気シリーズだ。
SIMPLEシリーズでヒットを飛ばして
フルプライス化されて更にシリーズが続いた作品でもある。
と言っても地球防衛軍がSIMPLEシリーズだったのはもう10年以上前の話だが……。
本当は全難易度遊んでからレビューしたかったが、
ボリュームが凄まじいゲームなので
それやるとレビューが2020年になりそうなのでここで一区切り。
不満点もあるんだが、システム面に大きく手が入っていて多少親切にもなり、
今回はシリーズ最高傑作と呼んでも良いと思ったぜ。
ある日突然地球を襲撃した侵略者「プライマー」と、
全地球防衛機構EDFとの死闘を描いたストーリー。
簡単に言うと「悪い宇宙人をやっつけろ!」という単純明快なもの。
地球防衛軍シリーズは1と2、3と4がそれぞれ同じ世界観で、
今回の5はまた新しい世界観となっているのでシリーズやっていなくても安心だ。
まあ、元々作品ごとの繋がりがそこまで重要なストーリーではないけども。
侵略宇宙人が尋常じゃない物量の戦力を投入するという、
あまりにも絶望的な状況下での熱き戦いが描かれるのはいつも通り。
しかし今回は主人公が民間人から始まって軍人になる流れが描かれたり、
プレイヤー以外の精鋭部隊である「グリムリーパー部隊」などが登場したり。
よりドラマティックな構成になっているぜ。
ミッションは数十種類以上。
イージー、ノーマル、ハード、ハーデスト、インフェルノの5段階の難易度があり、
難易度を上げると敵が超強くなるが、手に入る装備も相応のレベルにものになる。
過去作と違い、今回はとりあえず1周クリアしないと
ハーデストとインフェルノは解禁されない。
どのミッションも基本的には
数百と押し寄せる敵を全滅させれば勝利というこれまた単純明快なルール。
無数の巨大なバケモノを重火器でぶっ飛ばす!楽しくないわけがないッ!
使用出来るキャラも特徴の違う兵科が
4種類用意されている上に武器の種類は数百種類。
自分に合ったバトルスタイルで死地に飛び込めるようになっているぜ。
敵を倒した時にポロポロ落とすアーマーを拾うことで最大体力が上昇するし、
武器箱を拾う事で新しい武器が取得可能。
キャラを育て、武器を集めて戦力を強化しながらゲームを進めていくのだ。
兵科の説明をしておくとまずは「レンジャー」。
一言で言うと「普通の歩兵」で他の兵科に比べると地味だが、
アサルトライフル、ショットガン、スナイパーライフル、ミサイル、火炎放射器、爆弾など使いやすい武器が揃っているため、
プレイヤーの熟練であらゆる局面に対応可能。
5ではついに、やっとダッシュが可能になって機動性がアップ。
ダッシュ中はアイテム取得範囲が広がるのも地味に便利。
武器を2つ装備可能なのはこれまで通りだが、
それとは別に補助装備を選択出来るようにもなった。
回復アイテムの効果アップ、ダメージを受けた時に怯み辛くなる、
アイテムの回収範囲アップなどなど。これまた地味に便利なのが揃ってるぜ!
シリーズ1作目からずっと登場している伝統の兵科。
この安定感と存在感がウリと言えるね。
続いて「ウイングダイバー」。飛行能力を持った女性隊員だ。
女性のみで妙に露出度が高いのは
出来るだけ重さを減らすためという理由付けがあります!
空を飛べるので地上の敵には圧倒的な攻撃力を誇るし、
何より操作していて気持ちがイイ。
しかし最大体力が低いため、敵の攻撃力が高い局面では一撃が致命傷になることも。
攻撃と飛行、どちらにもエネルギーを消費する上に、
一度エネルギー切れになると一定時間経つまで飛行不能に。
大量の敵と敵弾が押し寄せる中で、
エネルギーチャージするタイミングを見極めるのが大事だぜ。
新アクションとしてエネルギーを大きく消費して
一時的に加速するブーストが追加され、
補助装備としてプラズマコアを選択できるようになった。
プラズマコアはブースト速度やチャージ速度、飛行速度などを強化できるし、
飛行性能が大幅に落ちるけど武器のチャージ速度アップ、
なんてテクニカルなものもあったり。
リスクとリターンの見極めがより面白くなってる。
重装歩兵の「フェンサー」はハンマーやスピアといった接近武器に、
大型の機関砲、キャノン砲といった重火器、
敵の攻撃を防ぐシールドなどが使用可能だ。
歩くのがめちゃくちゃ遅いし、攻撃はめちゃくちゃ当てづらい。
最初に触ると「なんだこれ?!」となること間違い無し。
しかし武装に付属するブースト機能や
スラスターダッシュ機能を使いこなせれば世界は一変。
アーマードコアみたいな挙動で戦場をビュンビュン飛び回れるようになるぞ!
装備は武器は2×2、補助装備を2つ付けられるので合計6枠。
機動性を拡張しても良いし、
シールドを強化して味方をフォローする方向にしても良い。
反動が大きい武器の反動を減らす装備なんてのもあるぞ。
装備の組み合わせ、実際の操作、
共に熟練が必要なものの、そこが面白いテクニカルな兵科だ。
じゃじゃ馬を使いこなしてみろ!
最後は特殊装備を使いこなす「エアレイダー」。
爆撃要請や戦闘メカの支援投下要請、自動砲台や特殊爆弾の設置などが使用可能だ。
装備は武器3枠と、メカを呼ぶためのビークル枠が1枠。
「普通の銃」みたいな武器がほとんど無い代わりに
通信で強力なミサイルや機関銃、レーザー攻撃を要請できるので火力が圧巻。
過去作でも爆撃は使えたが
今回はボタン長押しで上空から爆撃位置を細かく指定可能に。
まるでリアルタイムシミュレーションゲームのように敵軍に狙いを付けられるので
格段に強くなったぞ。こいつはバーベキューが捗るな!
呼べるメカは強力なガトリングガンや火炎放射器を装備したカッコいい戦闘ロボや、
主砲が強力な戦車、救護車両、
そして中型の敵相手に頼りになる自走式レールガンまで様々。
設置すれば弾切れになるまで敵をオートで攻撃してくれる
セントリーガンなんかもあってラクチン。
とにかく派手で、わかりやすく楽しい兵科になっているぜ。
どの兵科も5からの要素である追加装備で戦いの幅がグッと広がっている。
武器との組み合わせ、そしてオンラインでの共闘プレイで戦略は無限大だ!
待ち構える敵エイリアンも凶悪な連中揃い。
特に今回から登場した「コロニスト」「コスモノーツ」は
シリーズでも初となる人型の敵エイリアンで、
賢いので建物の裏側から回り込んできたりするやっかいさん。
両手と両足にそれぞれ判定があるので足をぶち抜いて移動不能にしたり、
手をぶち抜いて武器を使えなくしたりといった対応も出来るぜ。
賢いから手足をぶち抜くと痛そうにする。賢いなあ!(撃ちながら)
他にもレーザー攻撃を繰り出すUFOや酸を吐き出す巨大蟻。
しつこく絡みつく糸を吐き出す巨大クモに、針を高速発射してくる巨大ハチ。
巨大怪獣まで登場して大騒ぎだ。
「怪獣 対 超獣 対 宇宙人」どころのレベルじゃないぞ!
押し寄せる敵の群れに対応するために、
時には建物を盾にして敵弾を防いだり、
敵を建物ごと吹っ飛ばしたりといった立ち回りも大事。
これぞスペースインベーダーの時代から続く伝統的な宇宙人退治の戦術よ!
歴史に学べってね!
画面を見ただけで地球の終わりが迫っていることが一目で分かる
絶望的な物量に対抗するためには、仲間との連携が必須。
マップには一人プレイでもNPC部隊が点在しており、
頭の上にマークが出ている部隊に近づくと仲間に加わって一緒に戦ってくれるのだ。
ミッションによっては最初から多数の味方と一緒に行動することもある。
「地球防衛軍4.1」でレンジャーのみに導入されていた
「回復アイテムを拾うと味方の体力も回復する」という仕様が全兵科に適応されたし、
強い味方キャラも多くなったし、
「軍として戦うこと」の重要性が5でますます強まった印象。
味方部隊と合流して一斉攻撃すれば一人じゃ苦戦する敵群も処理しやすいし、
危なくなったら味方を囮にして逃げるのも非常に有効だ。
みんなで戦うっていうのはそういうことなんだよ……!
巨大ロボやメーサー戦車まんまの砲台など。
仲間の強力な秘密兵器と共に出現するミッションもあって感動。
装備の種類が多いゲームなので
ミッションと自分に合った組み合わせを頻繁に考えることになる。
小型の敵が大量に出てくるミッションなら
まとめて吹っ飛ばせるように爆発力の大きい武器を持っていくとか、
中型の敵が多いのなら強力なスナイパーライフルとか、
UFOが多いのならマルチロックのミサイルを持っていくとか。
基本はそういう選択になるが、
色んな武器があるのでプレイヤーの閃き次第で意外な突破口が開けることも。
敵の出現位置を覚えて、
そこにリモコン爆弾を仕掛けて出現と同時に爆破したりとかね。
有効な武器を使ってみると難所があっさりクリアできることも珍しくない。
とにかく色々試してみるのが大事だし楽しいぜ。
しかし難易度をハード以上でプレイすると敵エイリアンのあまりの手加減の無さに
「こいつら人間じゃねぇ!」と叫びたくなるくらい難易度が上昇!
強力な武器を手に入れた上で、敵の配置、敵の増援が来るタイミング、
味方部隊の位置と合流するタイミングを完全に覚えて
ギリギリの立ち回りをしなければ一筋の光明すら見えない。
難しいと感じたらクリア済みミッションに戻って武器を稼いでもいい。
世界の終わりは迫っているが、気が済むまで稼ぎ作業をするくらいの時間はあるぞ。
武器は同じ武器でもランクの高い物の方が性能が上で、
同じ武器を拾った場合はステータスの高い部分だけが上書きされて強くなっていく。
役立たずだと思った武器が、
ランク上がった途端に一気に化けることもあるから油断できないぜ。
地球防衛軍がシリーズ通して1作目から変わらず素晴らしいのが効果音。
アクションゲームで操作性と同じくらい大事なのが効果音だと思うのだけど、
地球防衛軍はいつ触ってもこの2つを高レベルで実現してあって心地良い。
敵を吹っ飛ばした時のエフェクト、爆発音、敵の悲鳴。
不快で無礼な侵略者どもに鉄槌を下している実感があるぜ!
建物の破壊描写や爆発の迫力も最高!
BGMも相変わらずハズレ無し。
盛り上がりところでは盛り上げてくれるし、
絶望させられるところでは絶望させてくれる。
今回の曲調はいつもより感情が乗りやすいかな。よりヒロイック。
また、ミッション中は本部からの連絡や一緒に戦っている仲間、
別の場所で戦っている仲間の通信やボイスなどがひっきりなしに流れていて、
遊んでいるプレイヤーを飽きさせない。
コテコテの洋画みたいな軽妙なセリフがあったり、
大真面目なのになんだか必死さが笑えてしまうセリフがあったり、
思わずツッコミたくなるのんきなセリフがあったり、
一体どれだけパターンがあるのかと思うくらいに膨大。
もちろん、盛り上がるところでは、
鼓膜にニトログリセリンをねじ込まれるような熱いセリフが用意されている。
リモートコントロールダンディから遊んでいるが、
本当にサンドロットの通信ボイスのバランス感覚はすげぇと思うわ。
戦場に流れる通信だけでこっちの感情をガシガシ揺さぶってくる。
今回は宇宙人との話し合いを訴える活動家とか、「大本営発表」とか、
過去作より皮肉の利いた通信が多いのが特徴かな。
世界観が過去作と違うから宇宙人に対する視点も異なっていて、
そこも新鮮だったところ。
NPC部隊の活躍も良かったぜ。
プレイヤー以外にも名前のある部隊が登場する!
というのを発売前に聞いた時は「ほーん」くらいの印象だったが、
実際にプレイするとグリムリーパー隊がマジで強くて
マジでカッコ良いからマジでありがたい!
遊んでると「グリムリーパー隊が来てくれたーーーーッ!」ってなる。
街の作り込みが地味に凄いのもこれまで通り。
新ステージの工場や田んぼマップは実にテンションが上がるし、
ちょっとしたお店の看板や掲示板のチラシが「読める」レベルになったりするので、
街を探索してみるのも楽しいぞ。
まあ、すぐに戦火に飲み込まれて吹き飛ぶんですけどね!
雪や嵐といった天候を取り入れた表現もシリーズ初で雰囲気出てる。
基本的な部分はいつも通りの面白さだけど
装備関連で大きくゲームバランスに手が入ったし、
拾ったアーマーと武器アイテムが他の兵科にも分配されるようになったし、
クリアした難易度より低い難易度は自動でクリア扱いになったし、
死んでも拾った武器箱やアーマーは拾ったことになるしと、
色々と遊びやすくなったぜ。
まあ、単にこれまでが融通聞かな過ぎただけってのもあるんだけど
それでもありがたい。
ただし、難易度ハーディストとインフェルノはそれぞれ独立してるので
クリアしても下の難易度とは無関係だし、
難易度を上げるほど死んだ時に没収されるアイテムが増え、
インフェルノでは0個になるなど。
厳しいところは厳しいのは防衛軍か。
あと、これは「地球防衛軍4.1」からだけど、
これだけ大量の敵を出して、ド派手に爆発させているのに、
処理落ちがほとんどないところも素晴らしい。
「地球防衛軍と言えば処理落ち!」なんて冗談っぽく言われることも多いけど、
処理落ち無しで地獄のような迫力の戦場を実現している
今のスタッフの努力を褒める方が先だと思うね。
そんな本作の不満点を挙げるとまずストーリー。
シリーズ遊んでいる人間としても
新鮮な展開やセリフが多かったのは非常に良かったんだけど、
山場のミッションに過去作の焼き直しが多かったりするし、
後半の流れが大分強引なのがやや不満だった。
グリームリーパー隊や例の突入ミッションなど、
部分的には過去最高に盛り上がる箇所もあるだけに色々と惜しい。
道が分かりづらい地底ミッションも
相変わらずダルいのでいい加減なんとかして欲しいぜ。
今回は細い道の上で戦う場面が多いところもストレス溜まった。
っていうか……ミッションもっと少なくていいと思うよ!
今回はシリーズ最多だけど無くてもいいかな?ってミッションも結構あったからねえ。
新しい敵の「コスモノーツ」は面白い敵キャラではあるんだが……。
終盤になると登場するアーマー持ちはこっちの攻撃でなかなか倒せない上に
こっちを発見した途端に高速で狙いをつけて、
画面が見えなくなるほどの強烈なエフェクト付きで弾幕を叩き込んでくるので
さすがに理不尽感。
難易度ノーマルでも普通に死ねるレベルで、ここはなんとかして欲しかった。
今回から敵を倒す時に体液が飛び散るようになったり、
人型の敵が出てきて四肢欠損するようになったりと、
過去作と違う方向のグロさが強化されたのは好みが分かれそうなところ。
片足をぶった切られたカエル人間が痙攣して体液を出しつつ反撃してくるとか、
シリーズ全部やってる俺でも怯む描写だったぜ!
とはいえ、飛び出す体液や欠損描写があるから爽快感が増してるのも確かだし、
ここは俺としてはアリ。
ヘッドショットでカエルの頭をシュポーン!と吹っ飛ばせた時とかテンション上がる。
こちらはグレイ型宇宙人の死体。なんて恐ろしい!
「とにかく敵をやっつけろ!」という昔ながらのゲームらしい分かりやすさがあり、
それでいてプレイヤー毎に千差万別となる戦略の幅広さがあり、
そして高難易度になると詰将棋パズルのような立ち回りを要求される。
そこにサンドロットの職人芸的な味付けで極上のロマンと燃えが添加され、
オンラインでの共闘や山のようなミッションなどの
果てしないやり込み要素が待ち構える。
「間口は広く、奥行きは深く」を地で行く、
まさにシンプルなのにハマるアクションシューティングゲーム。
不満点はあるがシリーズ最高傑作と呼んでいい完成度だと思うし、
このB級感満載ながらも独自の凄味と中毒性がある本作は
間違いなく日本が世界に誇れるゲームの1本だと断言したい。
「絶望」の対義語は「希望」の2文字ではなく「EDF」の3文字!
EDFは正義の心に燃える君たちの入隊をいつでも待っているぞ!