OPUS-魂の架け橋(Nintendo Switch) | フライハイワークス
『OPUS-魂の架け橋-』のレビュー行くぜ!
メーカー:フライハイワークス
機種:Switchダウンロードソフト
ジャンル:探索アドベンチャーゲーム
発売日:2018年3月22日
価格999円
『OPUS-地球計画』のスタッフが送る新作アドベンチャーゲームだ。
シリーズモノっぽいタイトルにはなっているがストーリーに関連は無いようだし、
ゲームシステムも別物。どちらを遊んでも楽しめるようになっているぜ。
絶対SIMPLE主義 Switch「OPUS 地球計画」レビュー
舞台は数十万年後の未来!星の海で一粒の希望を探せ!500円で楽しむ良質短編SF!
なかなか面白かった前作のレビューはこちら。
今回はマップを探索して必要なアイテムを探していく作りになっていて、
崩壊した世界を歩き回る雰囲気が最高。
やや気になるところもあったものの、まずまずのデキだったぜ。
舞台は「地球教」という名の独自の宗教と、超テクノロジーが同居した未来の地球。
巫女の手によってロケットを打ち上げて
死者の魂を星の海へ誘う「宇宙葬」が一般化していて、
ロケット工場もあちこちにあるという世界観だ。
しかし突如、蔓延した謎の疫病によって
人類は1年で1万分の1にまで人口を減少させてしまう。
そして気象コントロール装置の故障によって冬がずっと続くようになり、
世界は雪に覆われた。
そんな世界の数く少ない生き残りであるロケット技師を父に持つ男ヨハンと、
コールドスリープで難を逃れた15歳の巫女フェイの2人が主人公だ。
生きている人間は基本的にこの2人以外に出てこない。
世界には霊魂となって行き場を失った人々で溢れかえり、
何故か霊魂の声が聞こえてしまい、
寝てる時もこの声に悩まされるヨハンはこれでかなり捻くれてしまっている。
フェイは最後の巫女として「宇宙葬」を成功させるという使命があり、
霊魂の声に悩まされているヨハンは渋々これに付き合うことになる。
背負った使命の重さに苦しみつつも健気に頑張るフェイと、素直になれないヨハン。
何度ロケットを作って打ち上げても失敗し、
その度にぶつかり合いながらも前へ進んでいく2人の姿が物語の軸になっているぜ。
ゲームのメインとなる探索パートは
上から見下ろした視点でヨハンを操作して進行する。
光となってそこら辺を漂っている霊魂が、
「巫女に協力しろ……」「連れて行ってくれ…」「ロケットはまだか…」
とか思念をぶつけてくるのが重苦しい。
ロケットの材料を探すために探索するのは閉鎖された工場や、誰もいない学校、
爆発事故があった燃料所、危険な野生動物が闊歩する市街地などなど。
ヨハンに関連した場所も多く登場し、平和だった頃の幸せな思い出や、
身近な人々と離れ離れになった苦い記憶を回想しつつ進んでいく。
あちこち閉鎖されていたりするので、ロケットの材料だけでなく、
ライトやカッター、キャンプ用具、雪山装備などを作るための材料も必要となる。
探すアイテムは指定されるし、
分からない場合は無線でフェイに聞くことでマーカーも表示されるから親切。
ロケットのパーツ以外にも様々なアイテムがあり、
手に入れてテキストを読むことで
疫病で混乱する世界で何が起こったのかの背景が分かっていくし、
霊魂の中には生前の意識を色濃く残したものもいる。
そういった霊魂はヨハンに頼みごとをしてくるので、
クリアすることで様々なアイテムが手に入るようになっているぞ。
サブクエストなので無視しても進行するが、
無念の中で死んでいった魂たちの最後の願い。
なんとか叶えてやりたいと思えるね。
見下し視点で進むので基本的に雪に覆われた地面ばかり見て進むことになるんだが、
だからこそ、ロケットの打ち上げシーンなどで
空が映った時の美しさが際立つ作りが見事。
透明な空。魂たちを引き連れて、そこに輝く星々の海へと旅立っていくロケット。
もう、ここだけでこのゲームの勝ちだろう……!というシチュエーションだぜ。
気になったのはヨハンの態度。
聞こえ続ける霊魂の声に年単位で悩まされてきて、
精神的に完全に参っているというのは分かるんだけど、
それでもずっと年下で、
意思疎通できる唯一の人間であるフェイにこんなひどい態度取る?
という気持ちが抜けなくてちょっとストーリーに入り込めないところあったなあ。
『OPUS-地球計画』も結構主人公が頑固で話を聞かないところあったけど、
あっちは子供のロボットという前提があったからね。
探索パートも移動スピードが遅い上に、
一定時間経過したら拠点に戻らないといけない、
一部のアイテムを作るために同じ場所に
何度も訪れて素材アイテムを集める必要があるなど。
変に制限がついた仕様になっているので、遊んでいると段々と単調に感じてくる。
クリアするだけならまだ良いが、
コレクションアイテムを集めようと本当に面倒臭いぞ!
終末が訪れた世界で出会った2人が、
彷徨う魂たちとの別れに向けて進んでいくSFアドベンチャーゲーム。
難点もあるものの、雰囲気や終盤の演出は本当に良かったので、
あらすじで惹かれた人なら満足できる内容になっていると思うぜ!