Nintendo Switch|ダウンロード購入|ゲーム発展国++
『ゲーム発展国++』のレビュー行くぜ!
このレビューはNintendo Switch版発売当時の記事になっているぞ
メーカー:カイロソフト
機種:Switch/PS4/PC
ジャンル:ゲーム会社経営シミュレーション
発売日:2018/10/11(Switch)2019/12/5(PS4)2022/3/28(PC)
価格:1200~1500円
90年代からPCや携帯アプリ、スマホで
シミュレーションゲームを作り続けていた老舗のカイロソフトが、
初の家庭用プラットフォームであるNintendo Switchに参入!
第一弾として『冒険ダンジョン村』『ゆけむり温泉郷』と共に配信されたタイトルだ。
内容はゲーム会社を経営する経営シミュレーションで、
元々は2010年にスマホ向けとして作られたものを移植した作品。
ゲーム会社経営ゲームといえば『ザ・ゲームメーカー』に
『キングオブプロデューサー』『パブリッシャードリーム』など。
ニッチだけどたまに商品化されるジャンルだな。
(『セガガガ』はゲーム会社経営ゲームではなくセガ経営ゲームなので除外)
実況しながら最後まで遊んだが非常に面白かった……!
経営シミュレーションとしては単純なんだが中毒性あってずっと遊んじゃうぜ。
ゲームは20年という期間内でゲーム開発を行い、大ヒットゲームを作りまくる内容だ。
20年経過した時点で一度エンディングとなってそこまでのスコアが記録されるが、
その後もスコア記録無しのエンドレスでゲームを続けることは出来る。
メーカーの名前や作るゲームの名前はもちろん自由に入力可能。
俺は「D3パブリッシャー」でスタートしたぞ。SIMPLEシリーズを作りまくるのだ!
まず「参入ハード」「ジャンル」「内容」の3つの項目を選んでゲーム開発を開始。
完成するまでに宣伝をすることも可能で、
ラジオやネット広告、TVCMといったよくあるものから、
カードゲーム大会に飛行船や月面広告なんてスケールのデカいものまであるぞ。
月面広告とかめっちゃ叩かれるヤツだこれ!
完成したらバグ取りをして出荷だ。
「バグが残っていても出荷することができます」
という素朴なメッセージに静かな圧力を感じる……。
発売後はファ……ゲーム雑誌でのレビューが表示されるが、
ゲーム開始直後は大体このようなボロクソレビューが表示されるので
「知能がミジンコの方々に向けたゲームを作った覚え無いから遊ばないで貰える?」
ってなる。
作ったゲームが雑誌が特集されたり、ゲームショウに出展したり、
停電や似たゲームが別メーカーから発売されるトラブルなど、
それっぽいイベントが満載となっているぜ。
自社でゲームを作らず、下請けの仕事をこなして経験とお金を稼ぐことも出来る。
序盤では合間合間にこれをやるのが重要だぞ。
制作スタッフは育ててもいいし、金をかけて手っ取り早く募集しても良い。
どっかで見たような名前の人が次々にやってくる。
おっ、このステイブジョビンくんいいね!D3の下っ端としてこき使ってやろう!
まあ名前ネタだと一番ひどいのはビルゲイ子さんだと思う。
プログラマにグラフィッカーにとスタッフの職業は決まっているが、
アイテムを使えば転職ができるし、
各職業のレベルを最大にして転職させていけばどんどんステータスは伸びる。
弱いキャラでも育成でレベルを上げていけば戦力になるのだ。
とはいえ、体力だけは伸びないのでここが低いとどうにもならないが……。
色々なゲームを作ったり、
スタッフを育成することで選べるジャンルや内容が増えていく。
ジャンルは「RPG」「アクション」「レースゲーム」「素材集」「音楽ゲーム」など。
内容は「将棋」「麻雀」「埋蔵金」「アニメ」「パンチラ」「ポンチョ」などなど。
それぞれ数十種類が用意されているので、
遊ぶほどに幅広いゲームが開発できるようになるのが非常に楽しい。
「パンチラ」+「素材集」ってもはやゲームでもなんでもねぇ……。
それにゲームっぽい名前をつけて売り出すのが我々の腕の見せ所だな!
俺はシューティングと埋蔵金を組み合わせて
「SIMPLE THE 首領糸井(ドンイトイ)」という
糸井重里を題材にした埋蔵金発掘シューティングを作ったり、
パズルゲームと忍者を組み合わせて「SIMPLE THE 抜け忍消し」という
色とりどりの抜け忍を連鎖で消していくパズルゲームを作ったりしたわ。
埋蔵金と体感ゲームを組み合わせた作品で、
地面に埋まった埋蔵金の気持ちをリアルに体感できる
「SIMPLE THEみんなの埋蔵体験」や
色々なブラジャーが最速を競うレースゲームで、
ヌーブラが性能の高い隠しカーで登場する
「SIMPLE THE爆走ブラブースト」も気に入ってる。
スパイたちが政府の機密米を巡って死闘を繰り広げる
「SIMPLE THE 米泥棒」なんてのも作ったなあ。
最初に選んだジャンルと内容以外は名前しか決められないが、
こうやって自分で妄想しながら色んなゲームを作るのがめちゃくちゃ楽しい。
現実ではありえない組み合わせのゲームも作り放題だぜ!
それを月面広告で宣伝して狙えミリオンヒット!
年に一回「日本ゲーム発展大賞」というイベントも開催。
デキが良いとここで色々な賞を受賞するんだが、
クソゲーム賞に選ばれると
日本のゲームの発展を妨げたということで罰金を取られるという
謎の要素もあるから気が抜けない。
何が「二度と受賞しないよう努力してください」だ!
我が社の傑作をクソゲーム賞に選んでしまう節穴審査員たちに
人生を微生物からやり直して反省してもらう方が先なのでは?
参入ハードは年代が進むごとにどんどん増えていくが、
「セガタヤ」「ソヌイ」「雨天道」などこれまた聞き覚えのある名前がズラリ。
「雨天道」の携帯ゲーム機「ゲームボーヤ」とかネーミングセンスが光るぜ……。
一番唸ったのは「ネオンジオン」ですね。
2文字足しただけなのに別の存在になってるじゃねーか!?
育成&転職でスタッフのレベルを上げてハードエンジニアにまですれば、
夢の自社ハード制作も可能だ。
名前に加えてビット数や使用メディアなんかも選べるぞ。
ここら辺はやっててすげーテンション上がる。
育成をゲーム開発を丁寧にやっていけば簡単に良いゲーム作れるし、
現実ではありえない数百万、数千万本の大ヒットゲームもバンバン作れる。
そういうわけでリアリティは全然無いんだけど、
「高いライセンス料を払って新ハードに参入したら
直後に別メーカーが更に売れそうな新ハードを発表」
「売れたゲームの続編を作ったが、
開発トラブル続きで思ったほど良いゲームにならなかった。」
「グラフィックを外注に任せたら思ったより全然伸びなかった。」
なんて瞬間が不意にやってきたりもする
このゲームらしいぶっ飛びっぷりと、
どことなくリアルな展開が交錯する手触りが見事。
ただ、元々が2010年に発売されたスマホのゲームなせいか、
オートセーブを除くとセーブファイルが1個しか作れなかったり、
ゲームタイトルに入力できる文字数が少なかったりするので、
さすがにもうちょっと最適化して欲しかったな。
同じことの繰り返しでイベントなどもそこまで多くは無いんだが、
1本のゲームがすぐ作れるゲームスピードの速さと、
どんどん増えていく作れるゲームの種類。
システムの分かりやすさ、細かいところで光るテキストのセンスなどで、
どこまでもグイグイと遊ばせる魅力に溢れた経営シミュだ。
2010年に発売されたスマホタイトルで
iOS版が600円でAndroid版が300円くらいなことを考えると
どうしても割高感はあるが、いざ遊び始めるとそんな気持ちは吹き飛び、
ついもう1本、もう1本とゲームを作り続けてしまう中毒性があるぜ。
俺はメチャクチャ楽しめたし、昔からのゲーム知識ある人にはオススメしたい。
みんなもゲームソフト、つくろうぜ!