トロコンした『Dusk Diver 酉閃町 -ダスクダイバー ユウセンチョウ-』のレビュー行くぜ!
メーカー:傑仕登
機種:PS4/Switch/PC
ジャンル:絆と連撃のACT
発売日:2019/10/24
価格(税込):5280円(PS4/Switchパッケージ版)3900円(PC)
実在する台湾の「西門町」を舞台にした3Dアクションゲームだ。
魅力的な仲間キャラ達と共に敵をなぎ倒していく内容で、
街で食事をして一時的にステータスを上げたり、
様々なサブイベントをこなしたりする要素もある。
台湾のメーカーが開発したタイトルだが、
日本の豪華声優陣がキャラの声を担当しているし、
ローカライズのレベルは非常に高いので遊んでいて違和感無し。
システムもバランスもかなり作りの甘いゲームではあるんだが、
見所は多く嫌いになれない1本だったかな。
ストーリーは普通の女子高生ヤン・ユモが、
ひょんなことから神々と魔物の戦いに巻き込まれるところから始まる。
コンビニでバイトをしながら個性豊かな守り神たちと共に魔物と戦い、
西門町を脅かす異変の謎を解き明かしていくのだ。
人が住む西門町と、その裏側にあり魔物が潜む酉閃町。
この2つを行き来しながら進めていく構成。
その他に、神々が住まう場所である崑崙界も存在しているぞ。
ユモと共に戦う守り神は3人。
ネクタイのセンスが凄すぎるリーオウは見た目こそイカついおじさんだが、
スイーツが好きだったり、最近の映画にビックリしたりあざとい所満載。
ちゃんと年長者としての姿も見せてくれるイカしたおじさんだ。
バッヘはクールな眼鏡キャラ……と思いきや超お坊ちゃまなので、
一般常識が通じなくて一騒動起こしたりしてしまう。
ゲームを進めると愛らしい一面も見えてくる天然キャラである。
「でっか!」とまず言わせていただきたいリ・ヴェーダは、
売れっ子のモデルでもある。
プロ意識を持っている強くて優しいお姉さんだ。
初見の「エッロ!」の後に「かっこいいな……」という感想がやってくるステキな人。
サブクエストでちょいちょい出てくる過去の話が気になる~。
他にも見た目が置き物にしかコンビニ店長(真の姿があるらしい)や、
ユモの親友であるユシャといったサブキャラも重要な役割を果たすぞ。
そして現れる謎の少女ネメアとは一体!?
3Dで表現された西門町は自由に歩き回ることが可能。
実在の店舗や名所がかなり再現されているとのことだ。
通行人がシルエットなのがやや寂しいが、看板や地形などの作り込みが細かいため、
実際の西門町を知らない俺でも観光気分で楽しめたぜ。
街のあちこちでサブクエストも待っているし、
どこかに落ちている「龍脈石のカケラ」を集めることでキャラの育成も可能だ。
このゲーム、「龍脈石のカケラ」を集めないとキャラのステータスを上げられないし、
一定以上集めないとメインストーリーが進められない仕様になっているので、
ゲーム始めたばかりの頃は探すのがめっちゃ面倒だったんだが、
少し進めるだけでミニマップに場所を表示する
ヒント機能が解禁されるので良かった……。
数十種類用意された屋台や店舗などで食事をすれば一時的にステータスアップ。
料理に画像と説明が1つ1つ用意されているのがまた細かいぜ。
見てるだけで腹が減ってくる!
裏世界「酉閃町」に赴いて行うアクション部分は、
弱攻撃と強攻撃を組み合わせたコンボで、
ガンガン敵をなぎ倒していく無双系アクションに近い手触りとなっている。
攻撃で溜まっていくゲージを消費することで仲間を召喚して攻撃したり、
ド派手な必殺技をぶっ放したりが可能だ。
仲間はリーオウしかいないがゲームを進めていけばすぐに3人になるし、
クリア後に更に1人追加される。
リーオウは強力な殴り攻撃、バッヘは鎌による広範囲攻撃、
ヴェーダは銃によるスタイリッシュな遠距離攻撃だ。
ボスなどの一部の敵は、体力と別にあるアーマーゲージを削ってダウンさせないと、
ダメージがほとんど通らないので、
アーマーゲージを削りやすい攻撃を適度に繰り出すのも大事になってくる。
慣れてくると連続コンボでゲージをガンガン稼ぎ、仲間を同時召喚して、
敵の群れを正面から押し切る豪快な戦い方が出来るようになるぞ。
キャラを育成していけば圧倒的ラッシュで敵をボコボコにするコンボを覚えるし、
仲間との好感度を上げていけば新しい必殺技や、
コンボの途中から召喚に繋げる新技も覚えられる。
そして召喚を使ってTPゲージを溜めていけば「D武装」を発動可能。
ユモの髪色と服装が派手になり、一定時間パワーアップ状態で戦えるのだ。
この状態で一度だけ「D武装フィニュシュ」が使用可能で、
セットしている仲間との合体技を繰り出して大ダメージを与えられるぜ。
簡単操作でド派手なコンボ!ゲージを溜めて技を撃ちまくり、
更にゲージを溜めて一定時間パワーアップ!トドメに超必殺技をぶちかます!
と、3Dアクションとしては非常にオーソドックスな作りになっているが、
キャラの動きや戦闘ボイスも良く、手軽に爽快感が味わえる。
仲間の召喚中に別の仲間を召喚できることが分かると一気に楽になるし、
回復アイテムのゴリ押しも効くので、難易度も含めて遊びやすい作りになっているね。
1ステージは短めだが、
通常ステージには育成に必要な「龍脈石のカケラ」が3つ隠されており、
これを探すやり込み要素もある。
1度クリアしたステージは何度でもやり直せるので、
苦戦するようならカケラを見つけてないステージを再度探索するのも良しだ。
ストーリーもまずまず。
西門町、酉閃町、崑崙界という3つの世界がある割に登場人物が少ないので、
シナリオ展開がかなりこじんまりとしているんだが、
メインキャラがみんな立っていて、
主人公も含めて気持ちの良いやつらばかりなので読後感が良かったね。
サブクエストはバイトしたり、開店直前のお店の手伝いをしたり、
道案内をしたりと地域密着型のものが多く、
食い物関係の会話やイベント中心なのが上手くマップ構成とマッチしてる。
キャラの会話が楽しいからどんどんこなしたくなるし、
食事をして好感度も上げたくなるぜ。
仲間との好感度をMAXにすると、タッグ必殺技が進化する演出が凄くイイ。
ゲームを進めてサブイベントや街中にあるガチャなどをこなしていくと、
大量の設定資料や日常のワンシーンを見ることが出来る。
日常のワンシーンは一枚絵ではなく、ゲームのポリゴンを使ったものになっているが、
これはこれでまさに「ゲームの中の日常シーン」になっていてかなり好きだ。
キャラの着せ替えを出来るオマケ要素も嬉しいところだね。
こちらは学生服。リーオウがあまりに似合わなくて大笑いしてしまった。
この制服、なんでも実在する学校のものがモデルになっているとか。
他にはスーパー戦隊風のコスがあり、ちゃんとフェイスオフの差分があるのも注目。
とはいえ、3Dアクションゲームとしては10年くらい前の水準かなぁ……。
アクションはそれなりに気持ち良いものの単調だし、
ステージも似たようなものばかり。
たまに仕掛けのあるステージを挟んで、変化を付けようとしてるのは分かるものの、
『スーパーマリオ64』気取りの見辛いジャンプステージとか、
ワープゾーンを使った迷路とか面倒なだけで楽しくない。
4つの拠点を防衛するステージは結構好きだったが。
そして本編をクリア+サブクエストコンプくらいで終わらせれば
まだ「大味だけど敵を薙ぎ払うのはそれなりに楽しい」で済むんだが、
メインストーリーが割とすぐ終わってしまうからといって、
難易度ハードを含めたクリア評価Sランク埋めや、
カケラの収集要素といったやり込みに手を出すと、
作りの甘さが産んだ歪みが押し寄せてマジでしんどくなる。
難易度ハードは敵がやたらめったら堅く、
しっかり育てていても敵がまったく倒れないため、
指が痛くなるまで同じ技をひたすら出し続ける作業。
ステージに3つ隠された『龍脈石のカケラ』の場所もヘタ。
壊すとアイテムが出てくるブロックを足場にしないといけないので、
気づかず壊しちゃうともう取れないとか、
スイッチを押して先へ進むための足場を出現させちゃうともう取れないとか。
分かり辛い上にやり直さないとダメな個所がいくつかあったり。
かと思うと、途中からとりあえず置きましたって配置ばかりになったりとチグハグ。
やり込み要素のためにステージを攻略していくと、
「既に条件を満たすことは不可能になっているが、それにプレイヤーが気づけない」
という瞬間にちょいちょいぶつかるのが非常に良くないね。
普通に進めれば普通に取れるステージが大半なんだけど、
一部のこういった構成のせいで「もしかしてやり直さないとダメ?」と、
無駄に疑心暗鬼になってしまう。
頑張ってトロコンまで遊んだがめっちゃ疲れた。
疲れたので有料DLCの水着をつい買ってしまい、
ヴェーダの胸部破壊力で「ジーザス……!」ってなった。
これから買う人はやり込み要素を頭から消した方が楽しく遊べるぞ!
キャラとストーリーや街の雰囲気はまずまずだが、
全体としてはもう一歩のB級アクションゲームってとこかなぁ。
とはいえ、作り手がキャラに愛着を持ってしっかり作っているのは伝わってきたし、
なんだかんだ好きなところの多いゲームだった。
強くオススメはしないが、軽く遊べてオンリーワンの雰囲気が味わえる
3Dアクションを求めているなら悪くはない1本だ。
ストーリーはしっかり終わっているものの、
崑崙側はまだまだ描き切れていないところが多かったし、
これはアクション部分をよりパワーアップした続編を望みたいところだ。
またユモたちと西門町で会えることを祈ってるぞ!