KAMEN RIDER memory of heroez | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
ほぼすべての仮面ライダーゲームを遊んできた俺は今回も予約して全力でプレイ!
PS4版で遊んでトロコンしたので
『KAMEN RIDER memory of heroez』のレビュー行くぜ!
動画版のレビューはこちら。
メーカー:バンダイナムコエンターテイメント
機種:PS4/Switch
ジャンル:アクション
発売日2020/10/29
価格(税抜き):7600円(通常版) 11800円(プレミアムサウンドエディション)
令和初となる仮面ライダーゲーム最新作。
『仮面ライダーダブル』『仮面ライダーオーズ』『仮面ライダーゼロワン』
3大ライダーによるアクションゲームだ。
原作BGMを60曲収録したお高いプレミアムサウンドエディションも同時発売。
https://www.natsumeatari.co.jp/games/
開発はナツメアタリ。
仮面ライダーのゲームを担当するのは『ガンバライドDS』以来だ。
古参ゲーマーだと『ワイルドガンズ』などがお馴染みだが、
近年はキャラゲーを多く手掛けているメーカー。
めっちゃ面白かった『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチ』もここだ。
ぜってぇ許さねぇぞローズヒップ!
今回は最近の仮面ライダーゲームで多かったオールスター系ではなく、
10年前のライダーだが今も高い人気を誇るダブルとオーズがメインで、
そこにゼロワンがくっ付くという作品数を絞った構成。
というかほぼダブルが主役だ。
更に今回は現行作品であるゼロワンを除いて、
声をすべてゲームオリジナルの声優キャスト。
これまでの仮面ライダーのゲームだと、
原作と同じ声のキャラと代役のキャラが混在していたが、
今回は「物語」を重視した作りなので、違和感を無くすために、
ゲームオリジナルの声優キャストで統一するというコンセプトになっている。
しかしそんなこと言われても
「声が違うの、単にスケジュールの都合でしょ……?」としか思えないし、
公式で公開されたプレイ動画もあんまり面白そうに見えない。
キャラ数も少ないため、発売前は結構不安だったんだが……。
実際遊んでみると新しいライダーゲームとしてしっかり面白い作り。
特にアクションの爽快さは歴代ライダーゲーでも上位に来るレベルで、
不満点もあるもの、かなりの1本になっていたぜ!
オープニングでは仮面ライダーダブル、
左翔太郎の語りに合わせてタイプライターの文字が打たれるけど、
全部ローマ字という本編準拠の演出でまずシビれる。
そのまま変身前の左翔太郎を操作できるのか!と驚いたんだが、
顔の部分が黒塗りという、肖像権に配慮し太郎!
仮面ライダー龍騎のオープニングみたいになってる!
ちなみに映司も絶妙に顔を映さないアングルで変身シーンがあるぞ。
顔出し無くても行けますって!明日のパンツがあれば!
ストーリーの舞台となるのは、大事故によって封鎖された観光島セクターシティ。
未知のエネルギーによって栄えた場所だったが、
厳重な監視体制が敷かれ、見覚えのあるメカや戦闘員が守りを固めている。
なにやら渦巻く陰謀の香り。
やってきた仮面ライダーたちは、
ナビゲートAIのアイに導かれ、島の秘密を探っていくことになる。
島にやってきた理由はライダー毎に異なっており、
仮面ライダーダブルは謎めいた依頼メールに導かれて、
仮面ライダーオーズは鴻上ファウンデーションの依頼で、
仮面ライダーゼロワンはTVのニュースで見かけたAIロボが気になって来た
というあらすじだ。
なんか……ゼロワンだけ動機が軽い気がする!
3Dのアクションゲームで、ゲーム進行は完全な一本道。
とにかく敵を倒しながら進んでいく。
戦って経験値やポイントを溜めることでライダーが成長していく作りで、
探索によって見つけたアイテムを1つだけ装備することも可能。
ゲーム開始時だとライダーたちはメダルやメモリを失っているので、
基本フォームくらいにしか変身出来ないが、進めていけばフォーム数が増えていく。
バトルはRP(ライダーパワー)ゲージを使った攻防がメイン。
通常攻撃を当てたり時間経過で回復し、特殊攻撃や回避行動で消費する。
このゲージを上手く管理して途切れずに攻撃を当てていくのがコツだ。
一部の敵の攻撃は発動前に「!」マークが表示される。
これに合わせてタイミング良く回避するとカウンター攻撃が発動。
ダメージを与えてRPゲージが一気に回復するぞ。
攻撃で溜まっていくEXゲージが一定以上溜まったら、
必殺技の発動や、一定時間、最強フォームへの変身が可能になる。
また、ボスや強いザコはHPとは別にアーマーゲージを持っており、
攻撃を当ててこれを削り切らないとダメージを与えられない。
……と、書くとだるそうに聞こえるが、
立ち回りをしっかりすればすぐに削れるバランスだし、
削り切ってピヨったところにコンボを叩き込むのが気持ち良い。
基本的にはガンガン避けて、ガンガン攻めまくる手触りになっているから、
戦闘のゲームテンポはかなり良いぞ。
コンボの最中にフォームチェンジしてそのまま攻撃も可能!
「変身した直後は周りの時間がゆっくりになる」という仕様にして、
予備動作やフォームチェンジの隙を敵に突かれないようにしてある。
スムーズな連続フォームチェンジによるコンボ攻撃は爽快の一言!
作品数を絞っただけあってフォーム毎の作り込みも、見所たっぷりだ。
メインライダー毎に紹介していこう!
仮面ライダーダブルは基本となる9フォームが使用可能。
EXフォームはサイクロンジョーカーエクストリームだ。
まずはサイクロンジョーカーで様子を見て、
ヒートジョーカーで相手のゲージを削り、トドメにヒートメタル!
みたいな戦い方をしっかり出来るのがたまらない!
ルナトリガーのザコ殲滅力の高さや、ヒートトリガーのボスキラーっぷりも、
そうそう、こういう感じ!ってなる。
オーズはタトバ、ガタキリバ、ラトラータ、サゴーゾ、タジャドル、シャウタの基本コンボに、
設定のみ存在していたムカチリが使用可能。
2周目限定だが劇場版コンボのブラカワニも使用可能だ。
EXフォームはプトティラコンボ!スーパータトバはいないのが残念。
なんと言っても楽しいのがガタキリバ!
最大まで育てると分身を4体まで出せるし、
分身を正面から突撃させて、自分は横から回り込む立ち回りも出来る。
他にも高速ダッシュでボスの攻撃から逃げ放題のラトラーター、
スーパーアーマー持ちで相手を押し切れるサゴーゾ、
攻撃範囲の広さが強烈なシャウタとムカチリ、
笛を使ったコブラ攻撃とガードが可能なブラカワニ、
飛行とロックオンのフェザーが強すぎるタジャドルと。こちらも個性付けはバッチリ。
仮面ライダーゼロワンはライジングホッパー、フライングファルコン、
シャイニングアサルトホッパー、メタルクラスタホッパーが使用可能で、
EXフォームはゼロツーとなっている。
さすがに開発期間の関係でフォーム数が少ないものの、
最強フォームであるゼロツーまで入っているのは嬉しいところ。
シャイニングアサルトホッパーの演出再現っぷりが実にいい。
相手の近くにワープ出来るのでボス戦でめっぽう強い。
個人的に一番うれしかったのはメタルクラスタホッパーのバッタ攻撃!
番組で見てからずっとこれをアクションゲームでやりたかったんだよ!
しかもめっちゃ強い!そりゃ強いわな!
もちろん必殺技の文字演出も完璧。やっぱゲームだと映えるなぁ。
サブライダーとしてアクセル、バース、プロトバースも参戦。
もちろんプレイアブルとして使用可能だ。
アクセルはフルスロットルモードでのパワーアップや、
アクセルブースターで飛行しながらの戦闘が可能だし、
バースはカッターウイングでの飛行やバース・デイへの変身が出来る。
プロトバースはクレーンアームとバースバスターがメインで、
合間に豪快なドロップキップなども挟む立ち回り。
やっぱりアクセルでブオンブオン言わせながら戦うのが楽しいかな。
各ライダーの技がしっかり作り込まれているし、
「そうそう、本編だとこの技強かったよなー!」とか、
「そうそう、こういう感じで使ってたよなー!」とか、
動かしていて納得感のある落とし込み方をしてるのが非常にポイント高いぜ。
この感じで他のライダーのゲームも見たい。
というか、作品数を絞ったとは言っても、
フォーム違いを含めると新規で30キャラくらいプレイアブルで作るのと
あんまり変わらないよね……。ライダーゲー作るの大変だわ。
必殺技演出はもうちょっと撃った後の余韻が欲しいところもあるが、
全体的にはグラフィックも含めて再現度高いし、今回は効果音もしっかりしてる。
仮面ライダーのゲーム、なんか音周りが雑なこと多いからな!
プレミアムサウンドエディションは1万円を超える価格だが、
ダブルとオーズが好きなら絶対にこっちを買った方がいい。
フォームチェンジや必殺技を使うと、
対応する挿入歌にしっかり切り替わるのがマジでテンション上がる。
オーズだったら、ちゃんと必殺技に合わせて「スキャニングチャージ」が流れるぞ!
60曲収録してるから「運命のジョーカー」ももちろんあるし、
ラトラーターの挿入歌聞きながら、
やっぱり「夢はほらブレた途端 欲望になる」って歌詞は
パンチが効いてて良いなぁ……と、浸れながらプレイ出来るね。
ただ、60曲中仮面ライダーゼロワンは2曲だけなので注意。
OP流れるだけでも大分楽しいけどね。ゼロワンゼロワンゼロワン……!
作品数を絞っただけあって敵側も充実してる。
園崎一家にウヴァ、カザリ、メズール、ガメル、恐竜グリードはもちろん。
カマキリヤミーやバイラスドーパントみたいな、
あんまりゲームで見かけないキャラもいるぞ。
最新クオリティでカマキリヤミーと戦えるだけでめっちゃ嬉しい……!
ストーリーは蘇る怪人軍団、暗躍する財団X、圧倒的な力を持つ謎の黒幕、
集結するダブル、オーズ、ゼロワンたちと、完全にムービー大戦のノリ!
題するなら、
「仮面ライダー×仮面ライダー MOVIE大戦メモリーズfeaturingゼロワン」だよ!
オーズに新フォームのムカチリもある。
時空が乱れたりはしないが、かなり完璧な冬映画っぷり。
ストーリーは、メダルを奪いに来たグリードが返り討ちにして逆にメダルを奪うとか、
ダブルのピンチにアクセルが駆け付けるとか、
本編を思わせてニヤリとするシーンが満載。
逆に言うと、キャラの使い方が型にはまっていて、
やや強引な流れで本編の名シーンを再演したような会話が多いため、
クロスオーバーとしては結構ゆるい印象かな。
とはいえ、キャラの数が多く、色んな怪人がバンバン出てくるし、
ライダー同士でフルボイスの掛け合いがたっぷりあるから遊んでいて満足感はある。
終盤はこのキャラをこう使うか!という意外な盛り上がりもあって面白かった。
ゲームや映画で散々使われた
「ライダーは助け合いでしょ!」をあえて使わなかったとこも評価したいぜ。
声優陣も番組本編の演技をしっかり勉強してるのが伝わってくる演技で、
遊んでるとこれはこれでとなってくるね。
声だけで出番は少ないんだけど、所長の声も異常なくらいハマってた。
ただ、アンクだけは最後まで慣れなかったなぁ……。
仮面ライダーゼロワンの或人社長はほぼメインストーリーに絡まない。
「夢」って単語をほぼ言わず、ひたすらギャグを推してる辺り、
これは多分ゼロワン放送初期に収録終わってるな!
というのが分かりやすく、他のキャラも登場無し。
イズも、かろうじて名前だけ出るってレベルだ。
ただ、ムードメーカーとしてはなかなか存在感あったし、
アンクとのやり取りなんかは笑えて良かった。
いいゲームではあったが難点を上げると、
狭い場所が多いのでカメラワークが悪く感じるのと、
ゲームを進めてフォームがある程度揃うまでアクションが単調なこと。
そしてマップの一本道っぷり。
公式だと探索要素に力を入れているような紹介だったが、
完全な一本道で、アイテムを使った探索要素が強引にねじ込まれる構成。
謎解き開始!マーカーが出た場所までちょっと歩いて謎解きクリア!
みたいなのが淡々と続く。
火事で先に進めないからヒートジョーカーの力を使おう!とか、
高いところに行くのにルナジョーカーの力を使おう!とか、
かなり強引に各ライダーの特性をぶっ込んでくるぜ。
仮面ライダーなんだからそのくらい基本フォームで行けない?!
デンデンセンサーで周りをぐるっと見回してアイテムを探す場面がやたら多く、
バンナム内部に潜む、
デンデンセンサーガチ勢の陰謀を感じるほどのゴリ押しっぷりである。
とはいえ、シャウタで水の中を泳いで進むパートとか、
ハードタービュラーでのシューティングとか、
おまけレベルではあるものの、
ゲームで活躍する機会が少なかった要素を活かそうとしてるのは非常に良い。
マップが結構作り込まれてるようなので勿体なさはあるが、
水増しみたいなだるい探索要素を大量にぶち込まれるよりは、
一本道でアクションに集中できる現状の方がまだ良いかも。
俺はそういう地獄を何度も見て来た……。
やり込み要素も少なめ。
強敵と連戦するサバイバルモードがあるもののあっさりクリア出来る
というか最高難易度のサバイバルモードより、
本編終盤のボスを普通に倒す方がよほど苦戦するじゃねーか!
ラスボス強いんだよ!
サバイバルモードの最高難易度クリアや、
2周目開始でチートアイテムが貰えるため、
好きなライダーで自由に暴れたいという欲望にはしっかり応えてくれる。
これはPS4でトロフィーコンプを狙う人限定の話なんだが、
「キャラのスキルゲインをすべて解放する」のトロフィーは
1キャラ分を全開放出来るだけのポイントを溜めて、
セーブ&ロードで埋めるのが一番効率良いぞ。
「全キャラのスキルゲインを解放する」ってトロフィーが無いからね。
俺、これに気づかなくて一人ずつチマチマ育成して、
6時間くらい無駄にしたので……みんなは気を付けてくれよな!
クリアまでは12時間ほど。
PS4版で効率良くトロフィーコンプまで遊んでも15時間くらいかなぁ。
物足りない部分もあったものの、
グラフィックやアクション部分の作り込みが素晴らしかったし、
新しい仮面ライダーゲームとして上々の1本。
あくまでもダブルとオーズがメインなので、
ゼロワン好きな人が買うとちょっと寂しいし、
完全にダブル本編見てる前提で話を進める構成になっているが、
気になってる人は遊んでみて欲しい!
シリーズ化希望だ!