絶対SIMPLE主義

Switch/PS4のダウンロード専用ソフトを中心に全方位でゲーム紹介するブログ。SIMPLEシリーズも応援中。

母を訪ねてCG・スチル1000枚越え!キラキラ輝くノベルゲーム『マルコと銀河竜』レビュー!【Switch/PC】

 

 

マルコと銀河竜 ~MARCO&GALAXY DRAGON~ ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

マルコと銀河竜公式サイト

 

『マルコと銀河竜』のレビュー行くぜ!

俺が遊んだのはPC版ね。

 


パブリッシャー: ヒューネックス/HOBIBOX/Shiravune    

機種:Switch/PC

ジャンル:ノベルゲーム

発売日:2022/4/28(Switch)2020/2/28

価格:税込2480円(Switch)税別7800円(PC)税別14800円(PC限定版)

備考:3時間くらい遊べる体験版配信中


 

『ノラと皇女と野良猫ハート』のスタッフが手掛けたSFファンタジーノベルゲーム。

CG・スチルの枚数は1000枚越えという怒涛の作り込みだ!

SwitchのADVは元18禁タイトルが多かったりするが、

本作は最初から全年齢タイトル。

まあ、18禁のPC雑誌で特集されたことはあるが……。

 

ノベルゲーム×カートゥーンという新境地 オタクが驚がくした「マルコと銀河竜」は「ソーシャルゲームへの対抗心」から生まれたゲームだった - ねとらぼ

 

インタビューによると、ソーシャルゲームに負けない

「5秒で面白いノベルゲーム」を目指して作られたそうで遊ぶと納得できる。

アニメ感覚で遊べる豪華なビジュアルに声優陣の熱演。

凄まじいテンポで進み、ギャグとシリアスの殴り合いがこちらの脳を揺さぶるシナリオ。

何もかもが豪華で濃密!

登場キャラたちのドタバタっぷりが非常に楽しい作品だったので、

終わった後のロスっぷりがつれぇぜ……!

 

 

物語は幼いころに宇宙人に誘拐された主人公のマルコが、

母親に会うために10年ぶりに地球に戻ってくるというものだ。

主人公の名前含めて『母をたずねて三千里』オマージュ。

マルコは銀河を股に駆けるトレジャーハンターとして名を馳せており、

直前に手に入れたお宝「トカゲ石」を巡り、様々な連中に狙われることになる。

 

シナリオはマルコの母親探しと、「トカゲ石」を巡る争奪戦、

銀河制服を目論む悪の帝王アスタロトに纏わる復讐劇、

侵略宇宙人との戦いなどが入り乱れながら進む構成だ。

要素が多い上に、登場キャラも濃い奴しかいないのでぶっ飛んだ展開の連発。

 

 

とにかくCGの枚数が凄まじいゲームで、

クリックする度に新しい一枚絵がガンガン出てくる。

メインキャラが出揃うまで、

「立ち絵を並べた会話シーン」がなかなか出てこないのに慄くわ。

 

 

更にムービーになると絵柄がカートゥーンになって雰囲気がガラッと変わる。

アクションシーンで挟まれることが多いんだけど、アニメの凝りっぷりがまた凄まじい。

見ていて楽しいキャラの動きが詰め込まれていて見応えバッチリだ。

無駄に細かいゲームネタもあったりしてあれはずるかった。

 

 

地の文章を極力排除し、豊富なCGを切り替えながら会話主体で進むため、

豪華なアニメを見てるような目まぐるしいテンポで進行する。

個人的にこの手のノベルゲームは

ボイスをちょいちょいスキップしながら遊んでしまう時があるんだけど、

本作はテンポの良さと声優の熱演でずっと聞いていられたな。

スピード感とキレのあるギャグシーンが山盛りで、

いちいち凝ってるから笑いっぱなし。

 

 

みんな大好き野球回もあるぞ!

 

 

時折挿入される銀河放送のドラマやニュース、

CMの数々も斜め上のセンスで「一体何を見せられているんだ……」と唖然とさせられる。

 

 

基本はそんなギャグノリなのにシリアスシーンの重さはガチ!

まずマルコの境遇からしてかなりヘビーなんだが、

それ以外にも重い設定が次々に飛び出してくるし、

悪の帝王アスタロトも悪役らしい冷酷さに溢れている。

 

この振れ幅が強烈な作品で、直前まで緊張感ある空気だったのに、

いきなりカートゥーンムービーでのドタバタが始まる場面もあるし、

ギャグキャラっぽい奴が酷い目にあったりと感情が迷子になるわ!

 

 

とはいえ、重い設定をギャグで吹っ飛ばしつつ、

押さえるところはしっかり押さえてるシナリオだ。

宇宙人がバリバリ出てくるけど作風としてはファンタジー寄り。

詩的な会話や、おとぎ話のような理由付けがされたシーンも多い。

アルコが虫歯になった理由、とある侵略宇宙人の弱点辺りなどね。

この作風だからこその印象的シーンが沢山あるし、

ここぞという場面での暖かいセリフには泣かされる。

 

シーンに合わせたBGMも絶品で主題歌も挿入歌もハズレ無し!

特にEDテーマである『銀河竜の詩』は名曲過ぎて何度聞き直したことか!

『でんでらりゅうば』もイントロだけでもう泣ける。

 

 

登場キャラみんな魅力的なんだけど、主人公であるマルコが一番好き。

母親のことは覚えていないが、それでも一目会いたくて地球に舞い戻ってきた。

けだるげな喋りでスカジャン着こなす三白眼ガール。

でも苦労がにじみ出た優しさを見せるシーンが多くて、ホロリとさせられる。

お腹が減る辛さをよく知ってるから、子供にコロッケをあげちゃうシーンとかね。

やめてくれマルコそういうのは俺に効く。

 

 

マルコの相棒であるアルコもハチャメチャに可愛い。

ブラックホールから生まれたドラゴンで、

お腹が空いてるとマスコットキャラ的なちび形態。

そこそこ元気だと角の生えた人間形態。フルパワーだと最強のドラゴン形態だ。

CV吉田有里による各形態の演じ分けと熱演は必聴。

ドラゴン形態の演技が一番好きかなぁ。

 

 

本作でもかなりヘビーな登場をするのがガルグイユ。

故郷を滅ぼされ、処刑される寸前で逃げのびた復讐の戦士だ。

頼れる武闘派キャラで、携えた宝剣シーラカンスの強さはびびる

 

 

ガルグイユの故郷を滅ぼしたのが悪の帝王アスタロトで、

その娘がこのハクア。かわいい。

 

 

全身イラスト映ったら結構えっちな恰好してた。

感情の起伏こそ薄いが、実は誰かに父親を殺して欲しいと思っていて、

ガルグイユを助けるなどの行動を起こす。

トカゲ石を狙ってマルコを探したり、

因縁あるガルグイユとのバトルがあったりと見せ場は多い。

部下との楽しそうな日常パートがまたいい味出してる。

 

 

瑠璃はマルコが地球で出会った蕎麦屋で働く女の子で、

常に明るく元気いっぱいかつマイペースなムードメーカー。

学校をよくサボって怖いパイセンに怒られてる。

序盤から出てきてボケ倒していくので

「なるほどコイツがギャグ担当か!」

って思ったらそこから更にヤバい奴が次々に出てきて、

ドラゴンボールじゃねぇんだぞ!って思った。

 

 

本作のヤバい奴代表テラ・イセザキ。

街を仕切る伊勢崎重工が実家のお嬢様。

CV内山夕実の怪演によるぶっちぎったハイテンションっぷりが振り切ってる。

喋るだけで場の空気を持っていくぞ!

 

 

この他、戦う女子高生の桜子パイセンに、

テラの妹でしっかりもののラッカ・イセザキなどなど。

濃いキャラが次々に出てきて絡んでいくので、

進めば進むほど掛け合いが面白くなっていく。

 

 

脇役でも、奴隷として売られたマルコを助け、

トレジャーハンターとして育てあげた悪党ドスゴロを筆頭にキャラ立ちまくりだ。

 

ただ、掘り下げ不足なキャラが多いのは気になった点。

尺の都合も大きいんだろうけど、あんまり活躍するシーンが無かったり、

「ここの人間関係どうなってるの?」って引っかかるキャラがいたり。

舞台になってる地球と、ゴールドコード市がどういう状況なのかも分かり辛かったかな。

「マルコと銀河竜」の話に関しては綺麗にまとめてあるんだけど……。

もっと!色んなキャラの細かい話が!見たかったので!ナウ!続編!

 

 

かけがえのない宝物を描いた、キラキラ輝くドタバタSFファンタジー。

ほとんどオートモードで読み進めても

8時間前後くらいで終わる一本道のノベルゲームだが、

ビジュアルとシナリオは劇場アニメ数本分の密度があるし、

声優の熱演もキャラの掛け合いも大満足で腹いっぱい。

 

最初にも書いたけど魅力的なキャラの掛け合いで引き込んでくるゲームなので、

終わった後めっちゃ寂しくなる。

腹いっぱいと書いたがもう腹が減ってきたぞ!

マルコとアルコのやり取りが笑えて泣ける暖かいゲームだった。

『スペースダンディ』や『宇宙パトロール ルル子』辺りが好きな人だとかなり刺さるかも。

 

 

俺はPC版の定価でも満足できたが、

Switch版は定価2480円と更に買いやすくなった。おっとくー!

この機会に是非、マルコとアルコの旅を見届けてやってくれ!