ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤 | SQUARE ENIX
『ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:スクウェア・エニックス
機種:Switch
ジャンル:トレジャーライフRPG
発売日:2022/12/09
価格(税込):7990円
ドラクエシリーズの新たなスピンオフで、
仲間モンスターと一緒にお宝を探すアクションRPGだ。
開発はトーセ。
ファミコン時代から業界を影で支える縁の下の力持ち的なメーカーだが、
起動時にタイトルロゴが出たのは珍しいな。
『ドラゴンクエストモンスターズ』とは違うシリーズなので、
モンスター要素に期待すると物足りなさはあるが、
オープンワールド風のフィールドでお宝を搔き集める楽しさと、
ヤバい物量の歴代ドラクエネタがたまらない1本。
オープンワールドRPGを遊ぶ時に、メインシナリオそっちのけで、
細かいサブクエストやマップ探索しちゃうのが好きな人向けの作りだったぜ。
主人公は『ドラゴンクエスト11』に登場したカミュとマヤだ。
バイキング船でこき使われながら、凄いお宝を見つける日を夢見ていた2人が、
精霊に導かれて「はてしなき竜の大地」へと迷い込む。
そこは古の巨大なドラゴンの体がそのまま大地になっており、
異世界から流れついた不思議なお宝が山ほど眠っている場所だった。
精霊に「七つの竜石」探しを頼まれた2人による、お宝集めの大冒険が始まる!
というストーリーだ。
これはドラゴンのクエストでトレジャーズですわ……。
いきなりタイトルを回収してくる。
ゲームとしての作りは、
3体の仲間モンスターと一緒にいくつかのエリアを探索していくアクションRPGだ。
操作するキャラはカミュかマヤかで選択可能で、
レベルなどはすべて共通となるので気分で変えられる。
仲間は自動で行動して周りのモンスターと戦ってくれるし、
固有の探索スキルを使用出来る。
鳥系のモンスターだったら滑空、
キラーパンサーなどのモンスターだったら背中に乗ってダッシュ。
スライムだったら踏み台にしてハイジャンプなどなど。
目的地へ続く道を頑張って探したり、
正規ルートの道を無視して強引に突破したりと、
スキルを活用して
高低差のあるオープンワールド風のマップを探索するのが楽しい作り。
サーチ能力を持っている仲間だと周りをサーチして、
宝箱や素材の場所を一定時間表示だ。
素材の量が増える効果もあるので便利。
一緒にマッチョポーズ取るカミュがかわいい。
マップに埋まっているお宝を集めつつ各種クエストをこなしていくゲームで、
羅針盤で大まかなお宝の方向を探り、
近くまで来たらモンスターの視点で具体的なヒントを表示。
これを元にお宝を掘り当てるのだ。
視点の表現がモンスター毎に異なるのが細かいところで、
上の画像だとドラキーは白黒になってる。コウモリだからかな?
マドハンド系のモンスターだとこういう視点になるぞ。
前が見えねぇ!
そもそもどこに目があるんだ……!?メインカメラの場所を教えろ!
まあ、モンスター視点はかなり近くにある場合のみ発動なので、
ざっと周りを歩くだけで見つかるようにはなってる。
それ以外にも近づくだけで
マップにポコポコ表示される価値低めのお宝がある。
羅針盤が反応するデカいお宝の方向に進みつつ、
マップに表示される細かいお宝もガンガン拾っていく……って感じになるね。
お宝の場所は毎回ランダムなので何度でも拾える。
拠点から電車で各エリアに出撃する形式で、各エリアには複数の駅がある。
駅は最初は1つしか使えないが、
辿り着いてサブクエストをこなせば使用可能になる。
こうやって少しずつファストトラベル出来る場所を増やしていくってわけね。
基本的に駅に辿り着くか、
キメラの翼を使わないとお宝を持って帰還出来ないので、
どうやって帰るかも大事になって来る作り。
キメラの翼、便利アイテム過ぎるので『ダイの大冒険』など、
作品によってはレア扱いされることあるが、
このゲームもミッションをこなすなどしないと手に入らない貴重品だ。
まあ、一度クリアすると結構手に入りやすくなるので、
割と雑に使えるようにはなるけど。
戦闘はアクションRPGとして見ると単純だが、
仲間モンスターがザコモンスターを自動でボコスカ殴って、
魔法や回復まで自動でやってくれるテンポの良さは気持ち良い。
主人公は通常攻撃がナイフによる連続コンボで、
補助的にスリングショットも使用可能だ。
このスリングショットがかなり強力で、実質こっちがメイン。
弾を購入するなどの手間はあるものの、
多彩な属性攻撃に味方の回復、敵への状態異常までこなせる。
仲間に任せて雑に戦ってもそこそこいけるけど、
状況に応じて弾をしっかり使いこなすと格段に楽になるバランス。
分かってくると面白い。
最初はカミュのナイフ火力低いな……と思うが、
慣れてきてスリングショットを活用できるようになると、
バシバシダメージを与えられるぜ。
行動などでゲージを溜めれば仲間の「ロマン技」を発動可能。
広範囲の敵に大ダメージを与えられるので、ザコでもボスでも重要だ。
倒したモンスターは一定確率で拠点にやってくる。
そこで素材アイテムや素材集めて作れる料理を渡すことで仲間になる。
「スカウト弾」を使えば仲間になる確率アップだ。
同じモンスターでも性格や覚えている特技で強さがガラッと変わるので、
厳選すると果てが無いぜ……!
余ってるモンスターは派遣に出してアイテムを稼げるシステムがあるので、
ガンガン仲間にしておけば無駄にならない。
このゲーム、オープンワールド風なので
道を外れるとめっちゃ強い敵がいたりするんだが、
レベルに15くらい差があってもロマン技を上手く使えばゴリ押しできるし、
そのまま仲間にも出来ちゃうのが気持ち良い。これはロマンあるバランスだ!
こうやって仲間を増やしてフィールドを探索して、
搔き集めたお宝を持ち帰ると鑑定タイムになるが……。
お宝は歴代ドラクエネタが闇鍋状態でぶち込まれてるため、
ドラクエファンがやるとお宝集めにドハマリすること間違いなし。
まずチュートリアルで手に入るのが
「アリーナが蹴破ったサントハイム城のカベ」だからな!
こういうのが色々出てくるゲームだぞと分かりやすく教えてくれる。
「キャラクターの像」という扱いで歴代ドラクエキャラが総登場。
ナンバリングの主人公や勇者系、仲間はもちろん脇役までフォロー。
ドラクエVのベラがいてビックリしてたらポワン様まで出てくる!
『ドラゴンクエストヒーローズ』のホミロンや、
『スライムもりもりドラゴンクエスト』ミイホンなど外伝系もいるし、
モンスターの像で歴代魔王はもちろんゲマやキングレオの像も登場。
ザコモンスターも多彩で「どこまで入ってるの!?」となる。
更に歴代ネタだと「星降りの大会の床」とか普通に出てきて、
細かすぎて伝わらないドラクエネタ状態。
分かるけどさ!このキャラ3マス分の床分かるけどさ!
他にも「パパスが息子につけようと考えていた名前のリスト」だの、
「トルネコが資金援助して掘ったトンネルの土」だの、
マジで細かすぎるお宝が次々に登場する。
外伝系のネタも幅広く収録してるんだが、
普通に市販されてる商品を入れるの反則じゃねーかな!?
度肝抜かれたのは「あくまのよろい」。
最近のドラクエシリーズに登場してるデザインではなく、
1988年の『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々 公式ガイドブック』に
掲載されたイラストを3D化したものになっている。
子供の頃にガイドブック読んで印象に残ってたデザインだったので、
見つけた時に感動したけど頭おかしいだろ!?
シルエットで「まさか!?」と思わせてズッコケさせるニセアイテムもあるぞ。
しょうもないネタが多くて不覚にも笑わされてしまう。
見つけたお宝で気に入ったものはマイトレジャーとして飾ることが可能。
このように女性キャラだけで固めてみるなど、
テーマを持ってレイアウトすると楽しい。
マイトレジャーに設定してると、定期的に仲間が磨いて価値が上がるし、
たまに発生する、お宝を狙って敵が襲撃するイベントに勝っても価値が上がる。
お気に入りのお宝の価値をどんどん上げられるのだ。
「よし、ゼシカの像を最高にするぞ!」
「俺はハッサンだ!」「私はアモスよ!」など好きに楽しもう。
見つけたお宝の累計金額で団のランクがアップしてボーナスが貰える。
かなり強力なボーナスが多いので、
メインシナリオそっちのけでお宝集めてもゲームが有利になる作り。
ちょっとしたオンライン要素もある。
自分のトレジャーを他のプレイヤーに見せびらかして価値を上げたり、
他のプレイヤーが地面に隠したお宝を探すなどだ。
お宝を見つけると経験値と一緒に「レプリカのお宝」を入手。
お店で結構いい値段で売れるので稼ぎに丁度良いぞ。
ストーリーで出会う登場キャラも濃ゆいモンスターが多くて楽しい。
列車を管理する車掌トマソンがさまようよろいというセンスよ。
CVは蒼井翔太が担当している。
女さまようよろいのセシリーはCV鬼頭明里だ。
今回、モンスターはセリフ喋る奴も、
鳴き声だけの奴もみんな声優が担当して喋りまくるぞ。
結構豪華声優で凄い……。
そこら辺で仲間になる野生のキラーパンサーの声が中村悠一だったりするからな。
スペシャルモンスター | ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤 | SQUARE ENIX
モンスターの話で避けて通れないのが、
公式サイトのコードを入力すると手に入る特別なモンスター。
現在は兎田ぺこらが声を当てているキラーマシンのペコットと、
堀井雄二が声を当てているキングスライムのゆうぼんがいるぞ。
ペコットもかわいいけどゆうぼんがインパクトあり過ぎる!
仲間にすると堀井雄二の声で
「いやー、さがしましたよ」「人生はロールプレイングです」
などの名言を、仮面ライダー春映画レベルの雑さで喋りまくるし、
HPがゼロになると「しんでしまうとはなにごとだ」と呟いて倒れる。
死んでるのオメーなんだが!?
ロマン技を使うと聞ける、口から氷を吐く演技をする堀井雄二は必聴!
二体ともはしたゴールドを支払うだけで仲間になってくれるので、
序盤のうちにパーティに加えて使いたいところだ。
なかなか楽しいゲームなんだが、
気になる点を挙げるとまずモンスターの種類の少なさ。
この画像を見て察してもらいたい!
その代わり1体1体のモーションは凝ってるし、
うるさいくらい喋りまくって存在感あるが、
『ドラゴンクエストモンスターズ』のノリを期待してはいけない。
その他、素材回収する時の拾うモーションが少しテンポ悪いとか、
モンスターを派遣に出す操作が面倒とか、
戦闘でモンスターに出せる指示が「行け!」「集まれ!」だけな上に、
集まりが悪い時が多いのでボス戦でちょっと苦労するとか、
お宝を持ってるモンスターが大ダメージを受けると
お宝を落とす時があるのが面倒とか、
モンスターを仲間にする時に必要な一部アイテムが入手が難しいとか、
細かいところでひっかかる点は多いね。
シナリオもお使いイベントが中心で、
沢山キャラが出てくる割りには話自体はあっさり気味。
ただ、脇役キャラはサブクエストで掘り下げる構成になってるし、
「ドラクエ11のスピンオフならでは」の展開も少しあるので、
そこそこ満足は出来たかな。
クリアまでは公称15~20時間で、実際18時間くらいで終わった。
クリア後はめっちゃ強い敵とのバトルや、
最高レアのお宝を沢山集めるイベントなどが発生するし、
お宝が700個以上あるのでかなりやり込めるぜ。
『ドラゴンクエスト モンスターズ』とは
一味違った新たなドラクエスピンオフ。
モンスターを仲間にしてフィールドを探索しながら
メインシナリオである「七つの竜石」集めとサブクエストを進め
合間にお宝を集めてさらにモンスターを仲間にしていくアクションRPGだ。
新規タイトルらしい粗さやコンテンツ不足を感じるところもあるが、
ドラクエネタを闇鍋の如く詰め込んだお宝の物量と、
フィールド探索の魅力でグイグイ遊ばせる1本だ。
最初にも書いたがオープンワールドRPGを遊ぶ時に、
メインシナリオそっちのけで、
細かいサブクエストやマップ探索しちゃうのが好きな人向けだね。
面白かったのでピンと来た人は是非遊んでみてくれ!