絶対SIMPLE主義

Switch/PS4のダウンロード専用ソフトを中心に全方位でゲーム紹介するブログ。SIMPLEシリーズも応援中。

PS1「SIMPLE 1500 THE ゼロヨン」レビュー!悪行を積んだ走り屋が死後落ちる地獄の一つ。

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THEゼロヨンのレビュー行くぜ!

本作は2001年10月25日に発売された78番目のSIMPLE1500シリーズ!

現在はゲームアーカイブス化され309円というお値打ち価格で購入可能だ。

まあお値打ち価格どころかマイナス309円で売って、

買うと残高が増えるようにした方がいい内容かもしれんがな!

SIMPLE1500 シリーズvol.78 THEゼロヨン D3公式サイト

PSストア-SIMPLE1500シリーズ Vol.78 THE ゼロヨン

開発はクインテット。

そう、スーパーファミコンでアクトレイザー、ガイア幻想紀、天地創造、ソウルブレイダー、スラップスティックなど。

数々の名作ゲームを開発したあのクインテットだ!

一流のSIMPLEシリーズには一流の開発会社が似合うということですよ。

アクトレイザーはアクションパートの鬼畜さと、シミュレーションパートののんびり具合の温度差がいいのよね。

ソウルブレイダーはダンジョンを進めていくごとに街がどんどん賑やかになっていくところと、

動物の森とか人魚の国とか舞台もバラエティ豊かでゲームを進めて行くのがとにかく楽しかった。

スーファミのクインテット作品だと1本だけえらくマイナーな印象があるがスラップスティックもお気に入り。

戦闘バランスこそ大味だがあのシナリオと雰囲気と音楽は最高!

戦闘員の格好をして悪の秘密基地に潜入するイベントとか好きだったなあ。

全体的にテキストが本当にイイんだよねクインテット作品って。

このままTHEゼロヨンの話をせずに

スーファミのクインテット作品の話だけをして終わらせたいところだが、

そういうわけにはいかんのだよな……!人生って辛いぜ!

スーファミ時代のRPGの印象が強いクインテットだが

このTHEゼロヨンの数年前にセガサターンでコードRというレースゲームを1本出しているので、

一応レースゲームの開発経験もあったとは言える。

いや、THEゼロヨンのデキを見るとコードRの開発では経験値は手に入らなかったのかもしれない。

むしろコードRを開発したことで何か深刻な後遺症が残ってしまった可能性すらある。

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本作はCPUと1vs1のゼロヨン勝負をするレースゲーム。

99人いるライバルを全員ぶっちぎってランキング1位になるのが目的だ。

レースで勝った時に貰える賞金や、ミニゲームのバイトで稼いだ金で車をチューンナップしていく。

ゼロヨンは400メートルの直線コースでタイムを競うのがルール。

重要なのは車の性能とドライバーのギアチェンジの腕のみ。

これをそのままゲームにしてしまうと内容が非常に薄くなってしまうので、

これまで発売されてきたゼロヨンのゲームはストーリーモードを凝るとか

特別なシステムを入れるとか濃いミニゲームを入れるとかの工夫がされているものが多い。

例えばあまりにも有名なゼロヨンゲームの元祖にして金字塔「ゼロヨンチャンプ」は、

「もうこれミニゲームだけで1本ゲーム作れるだろ?!」ってくらいミニゲームを凝っていた。

本作THEゼロヨンではどういう工夫がされているのか?

答え:何も工夫をしない。

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特にストーリーは存在しないし

100人いるライバルも名前だけで何かセリフがあるわけでも顔グラフィックがあるわけでもない。

順番に淡々と戦っていくだけである。

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コースは5種類あるがほとんど違いが無いしどこも廃墟のようなグラフィックだ。

この荒涼とした背景は遊んでいるプレイヤーの心情が投影されたものかもしれない。

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ランキングではやる気の無い名前がズラリと並ぶ。

このやる気の無い名前のライバル達の一覧がTHEゼロヨンで一番面白くて一番エンターテイメントな部分なので、

これを見ている読者の皆さんはこの画像で30分くらい笑ってください

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ライバルにはD3パブリッシャーの名前もある。

ランキングひっくいな!

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なんかプロレスラーが混じってるんですけど?!

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7位に食い込む鈴木。

レースに勝てば賞金は貰えるが、一度倒した相手とは基本的に再戦することは出来ない。

一部のコースでは可能だが勝っても賞金はもらえない。

というわけなので勝てない相手が出て来たらミニゲームのアルバイトで稼ぐ事になる。

……が、ミニゲームのアルバイトは洗車のバイト1種類!

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しかも「街道を走っている車にホースで水をぶっ掛ける」という謎の内容である。

ただの反社会的行動じゃねーか!

ほとんどボタン連打しているだけでOKの内容です……。

「がんばってください!」じゃねーよ!お前がミニゲームの作りこみがんばれよ!

一応ゲームを進めるとミニゲームの種類は増えていくんだけど

内容はどれも一緒で高額の車が出やすくなるくらいの差しかない。

金稼ぎの手段がこれだけなのでゲーム中は延々とこのバイトをし続けることになる。

また新しい車もパーツも高い高い!クリアまでに150回くらいはやりましたよ!

新しい車を買うとパーツは1から買い直しになるため、

弱い車のパーツを延々と強くするより、

出来るだけ早い段階で性能の高い車を買ってしまった方が後々楽だ。

中盤の段階で上から3番目くらいの性能の車を買っておくとちょうどいい。

これからこのゲームを遊ぶ人がいたら参考にしてくれ!

まあこれからこのゲームを遊ぶ人がいたら殴ってでも止めますけど。

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レース中の操作は×ボタンでアクセル、□ボタン+方向キーでギアチェンジ操作。

これでキーコンフィグ無し!という極めてやり辛い操作!地味な嫌がらせだぜ!

AT操作にすればギアチェンジは必要なくなるが、

ラスボスは最高の車に最高のパーツをつけていてもATだと絶対勝てないのでMTもマスターする必要がある。

しかしご安心を。

ゲームアーカイブスにはキーコンフィグ機能があるので、

VITAなどで遊ぶ際はアクセルをLかRボタンに割り振ることで操作面だけでは快適に遊ぶことが出来るのだ。

ようやく時代がTHEゼロヨンに追いついたと言えるだろう。

いや、製作スタッフが

「そうなんですよ!ようやく時代がTHEゼロヨンに追いついたんですね!」

とか言ってきたら覇王翔吼拳を使いますけども。

延々と遊ぶことになる1種類しかなくて面白さが皆無のミニゲーム。

無言で立ちはだかるふざけた名前の99人のドライバー達。

シンプル過ぎるレースパート。

ひたすらに味のしない辛いだけのゲーム展開が果てしなく続く……。

対戦モードもあるけど誰がこのゲームで対戦なんかするんだよ?!

こんな地獄に誰かを巻き込む気にはなれない……。

悪魔と相乗りする勇気、あるかい?

このいつ終わるともしれない戦いを勝ち抜くと、プレイヤーの前に1枚の衝撃的な画面が現れる。

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CONGRATULATION!! 

YOU ARE 

KING OF KINGS!

そしてスタッフロールへ。

脱力感と疲労感が凄すぎて怒る気にもなれない……。

これこそ無我の境地である。

THEゼロヨンがゲームではなく悟りを開くためのソフトであったことが証明された瞬間。

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スタッフロールを見ると企画が3人もいるんだが一体どういう企画だったのか……。

ここがTHEゼロヨンで2番目に面白かった点ですね。

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そりまちたかしとか明らかにふざけた名前のプログラマーが混じってるのも気になる点。

エロゲーか。

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シンプルではなくてただの無。

悪行を積んだ走り屋が死後落ちる地獄のようなゲームである。

脳細胞をトップギアに入れる前に脳細胞が灰色になる。

最高のパーツと最高の車とMT操作で

限界まで腕を上げないと勝てないラスボス戦は多少熱くはなったがそれだけだったよ……。

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ちなみにSIMPLEシリーズのゼロヨンゲーは「SIMPLE DS THEゼロヨン★深夜」というのがもう1本存在する。

そっちはタムソフトが開発したもので

ギアチェンジがタイミングよく決まるとコンボになってスピードがグンと増したり、

ミニゲームが複数あったり、お姉チャンバラやTHE歩兵のスロットマシンがあったり、

ストーリーと恋愛要素があったりと、THEゼロヨンとは大違いの盛り沢山な内容だったのだ。

まあそっちもミニゲームがただの作業でしんどい欠点はあったんだが……。

タムソフトはPS2版ゼロヨンチャンプの開発もやってたんだけどその話は長くなるのでまたいつか。

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当時のSIMPLEシリーズファンの間では

THE競馬、THE卓球、THEすごろくの3本がSIMPLE1500核地雷ゲー3本柱として親しまれていたが、

個人的にはTHE競馬を抜いて代わりにTHEゼロヨンを入れるべきだと思うね。

なお、「THE競馬を抜かずにTHEゼロヨン足して四天王でいいんじゃね?」などという意見は聞く耳持たない。

どうしてもというのなら俺と勝負して決めようじゃないか。

勝負内容は……そうだな、SIMPLE1500 THEゼロヨンでどうだい?