いよいよ始まったyoutubeでの見逃し無料配信も実施中の最新ウルトラマン。
ウルトラマンオーブがウルトラマンXに続いて素晴らしくてホクホク気分だが、
6月27日に復刻されたコミック版ウルトラマンタロウも大注目なので紹介するぜ!
ウルトラマン50周年の裏でひっそりと復活を遂げた幻の作品!
史上最凶!石川賢「ウルトラマンタロウ」完全復刻版が刊行! | 円谷ステーション
何度か復刻されているが、
今回のはタロウ放送当時の1973年に少年サンデーで連載されていたコミカライズ版に、
初単行本化となる「小学一年生版」も収録した完璧な内容だ。
作者はゲッターロボや虚無戦記、極道兵器に魔獣戦線などでお馴染みの石川賢!
個人的には烈風!!獣機隊二〇三がお気に入りです。
石川賢が描くだけあって内容はテレビのウルトラマンタロウとはまったく違うノリになってる。
俺にとって思い出の作品で、
ウルトラマンタロウ大好きだった幼少期の俺に父親が単行本を買い与えてくれたものの、
内容をチラ見した父親が俺に読ませず、そのまま本屋に返品したことがあったのだ。
当時の俺は子供心に理不尽に感じていたと思うんだが今見ると……。
ナイス判断!マイファーザー!
タイトルの見開きからしてこの迫力。紙面に踊る「絶望」「恐怖」の文字!
主人公がボクサー志望の東光太郎であるという点以外はほとんどオリジナルストーリー。
登場する怪獣もコミック版独自のものとなっているぜ。
この顔の表現めっちゃカッコいい。
「絶望と恐怖の未来に挑戦!!驚異の空想怪奇」って文章がまたスゴい。
どんだけ絶望と恐怖を推すんだ……。
ウルトラ殺意!
人類自身の手で滅亡の運命を辿ろうとしている地球を救うため、
「母」に選ばれた東光太郎が超人ウルトラマンタロウへと変身する内容だ。
テレビ版に登場した防衛チームZATは登場しない。
敵は地球を救うためにすべての人間を食い尽くそうとする宇宙生命体ゾヴァーに、
突然変異で生まれた超能力を持つミュータントなどなど。
ゾヴァーは街を一つ支配して立ち入った人間を真っ二つにしたりドロドロに溶かしたりするし
ミュータントは子供を操って日本中で暴動を起こさせて、
ついに自衛隊と衝突をするなど強烈な展開。
ノリとしてはウルトラマンというよりデビルマンだぜ。
「操られてるんだけど、操られている自覚がない」子供たちの描写が本当に怖くて凄いんだわ。
神に近い存在として描かれているウルトラ一族に、
人間とウルトラマンの関係、そして人類は地球を滅ぼす存在なのか?という問いかけ。
テレビ版のウルトラマンタロウとは全然違うんだけど、
鬼気迫る勢いで描かれたまさに「石川賢の描いたウルトラマン」になっていて非常に面白い1作。
「タロウを見守るウルトラ兄弟」の独特過ぎる表現も本作ならではで好き。
今はウルトラマンタロウも石川賢も大好きな俺としてはたまらない1作だった。
ただ、打ち切りだったのかかなり中途半端なところで終わっているのが残念……。
未回収の伏線もあるし、もっと続いてたらどういうオチになっていたのかなあ。
こちらはカップリング掲載されている石川賢の描いた小学一年生版のウルトラマンタロウ。
初単行本化で俺も初見。
サンデー版とは違ってTVと同じ設定で、
ウルトラ兄弟も普通に出てくるし、敵もお馴染みのウルトラ怪獣たち。
児童誌ということでページ数は少なく話も単純。
こちらは完全に子供向けって感じだね。
そう思っていた時期が俺にもありました。
こっちはこっちですげぇバイオレンスだよ?!
ウルトラマンタロウじゃなくてレッドマンのコミカライズじゃねーか!
こ、これは設定上は存在したけど番組では一度も使われていない「ヒーロー光線」じゃないか!
初めて見たわ。
話は子供向けの単純なものなのに、
やたら怪獣の首がぶっ飛んだり血が噴き出したり戦闘が生々しいのが特徴です。
まあ昭和ウルトラシリーズではちょいちょいやる描写だけども…。
このマンガだけの合体技。
「ウルトラタイフーン」の残虐ファイトっぷりもヤバい。
ページを切り裂く怪獣たちの悲鳴と飛び散る四肢!血!
ウルトラマンの絵は全体的にのっぺりした描き方で細部がいい加減だったり
ウルトラセブンにカラータイマーが付いてたり付いてなかったりするのに
怪獣に関しては陰影をしっかりつけて質感出してるのが凄い。
テレビに登場した着ぐるみを合成したページもあり、そこはちゃんとカラーで収録されている。
今見るとチープだけど、たぶん俺が子供の時に見たら
「本物を使ったマンガだ!すごい!」ってなってたと思うなあこういうの。
っていうか、ウルトラファイトに登場した方のイカルス星人が
ゼットンと一緒に国会議事堂を破壊しようとしてるのが面白すぎる。
出世したなイカルス!
タロウを助けるためにウルトラの星からウルトラ兄弟が出撃するシーンで、
先陣を切っているのがタロウというウルトラ級のエピソードもあって度肝抜かれましたね!
何十年も前の児童誌に載ったマンガなわけで今ツッコむのは無粋だろうとは思いつつ、
それでもついつい突っ込んじゃうパワーに溢れた作品だった……。面白かった。
サンデー版と小学一年生版。
それぞれ違う魅力があって味わい深い石川賢版ウルトラマンタロウ。
今回の復刻版は2200円とイイ値段するけど一見の価値アリだぜ!
小学館
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