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2万年早かった野心作!『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』レビュー!【PS2】

 

7日間連続ウルトラマンゲームレビュー レビューリンク

 

『シン・ウルトラマン』公開記念!

そして『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』配信記念!

7日間連続ウルトラゲームレビュー6本目は

『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』だ!

 

レビューの動画はこちら

 

 

 


パブリッシャー:バンプレスト

機種:プレイステーション2

ジャンル:格闘アクション

発売日:2005/10/22

価格(税込):7140円


 

前作の1年後に登場した

『ウルトラマン Fighting Evolution』シリーズの4作目。

発売された2005年はウルトラマンマックスが放送されていた頃だね。

同じ年にPS2では『ウルトラマンネクサス』のゲームも発売されている。

何気にデキ良かったんだよなネクサスのゲーム。

 

開発は今回も株式会社メトロだ。

原作再現は前作でやり尽くしたということで、

ゲームでしか出来ない映像表現や

オリジナルストーリー、オリジナル怪獣をメインにした実験作。

大きく方向性が変わっているので、当時はかなり賛否両論。

 

俺も当時はそこまで高評価しなかったんだけど、

改めて遊ぶと凄いゲームだったと気づかされたし、

その後のウルトラシリーズ本編に逆輸入された要素も多い。

ウルトラマンゼロの言葉を借りるならば、2万年早かった野心作だ。

 

 

オープニングは改造される歴代怪獣たちや、暗躍する宇宙人の姿がメイン。

これまでのシリーズとは異なるダークな雰囲気。

 

 

参戦キャラは28体。

37キャラいた前作から大分減ったし、

改造怪獣が多いので実際は更に少なく感じる。

 

ウルトラマン/セブン/タロウ/ティガ/ガイア/アグル/コスモス

ブルトン/ゴモラ/改造ゴモラ/レッドキング/改造レッドキング

ジェロニモン/バルタン星人/メフィラス星人/エレキング/改造エレキング

タイラント/改造タイラント/改造タイラントII

キリエロイド/カオスキリエロイド/ワロガ/カオスワロガ

カオスロイドU/カオスロイドS/カオスロイドT/ネオカオスダークネス

 

とはいえ、メフィラス星人やキリエロイドといった人気キャラに、

ブルトンやジェロニモンといった珍しいキャラが新規参戦してるのは嬉しい。

エレキングもFE1以来の復活だ。オリジナルの改造怪獣が多いのも特色。

 

 

今回はオリジナルの長編であるウルトラモードをじっくり攻略するのがメイン。

原作再現エピソードは無し。

必殺技をカスタマイズする要素もなくなったし、

リプレイモードやビューモードなども軒並み削除。

チュートリアルも普通の内容になってしまったのが寂しい。

おまけはミニゲームとして、ゴモラで街を壊す大破壊モードがあるくらい。

 

 

今回も3Dの対戦格闘ゲーム。

これまでは打撃で敵のふらふらゲージを溜めてふっ飛ばし、

ゲージの分だけふらふらしてる間に必殺技をチャージする……。

というものだったが、システムはかなり変わっている。

 

まず必殺技は必殺技ゲージを溜めて放つ形式になり、

チャージと発射はいつでも可能。

最高レベルの必殺技を撃つと勝利が確定するが、

その分ゲージを溜めるのは大変だ。

「ふらふらゲージ」も「スタミナゲージ」に変更。

攻撃でスタミナゲージを削り切ると一定時間ふらふらになる。

 

つまりノンストップで戦ってゲージを溜めながら、

必殺技チャンスを伺うゲームになった。

テンポは良くなった……と言いたいが、必殺技演出がその分長かったりはする。

 

 

新システムとしてネビュラコンボも導入。

キャラによって異なるコンボ始動技を入れると画面に表示が出る。

これに合わせてタイミング良くボタンを押すと強力なコンボが発動。

一定時間パワーアップもするというものだ。

コンボはウルトラマンだったら連続投げ、

タロウだったらスワローキックと、それらしいアクションを盛り込んでる。

スワローキックの再現に力入れてると俺は評価甘くなるぞ!

 

従来のシステムを踏まえつつ、対戦アクションらしさを強めた作り。

ふらふらゲージをスタミナゲージにしたり、ターゲット年齢層上げてるな!

これはこれで面白い。

 

 

そして目を見張るのがグラフィックと演出!

ビル街や雨の表現など久々に見て「こんなに綺麗だったっけ!?」って驚いた。

通常カメラワークも激しく動くようになり、接近戦の迫力が増しているぞ。

必殺技のアクションはエフェクトも動きも盛りまくり。

顔なじみのウルトラマンたちが、見たこと無いド迫力の大技を繰り出す!

 

 

ウルトラマンが光を練り上げて八つ裂き光輪を生成する動き。

初めて見た時はマジで感動した。

 

 

ウルトラマンガイアスプリーム・バージョンのムキムキっぷりも原作以上。

これにはウルトラマンタイタスも大喜び。マッスルマッスル!

コスモスのフルムーンレクトの演出が相手によって変化したり、

必殺技が固定になった分、一つ一つが見応えたっぷり。

 

 

超能力描写を盛られまくったジェロニモンも圧巻。

目が光り、腕の動きに合わせて数十の羽が舞い上がり、

ナイフのように相手に向かって飛んでいく!

人類の歴史上もっともカッコいいジェロニモンだぞこれは。

 

 

そして相手の全身に羽が刺さって倒れるのがちょっとグロい!

こういう演出がちょいちょいあるのも、本作の特徴と言えるかな

 

 

改造タイラントの巨体っぷりもすごい。

通常のタイラントにジェロニモンの羽やゴモラの足が追加され、

ケンタウロスのようなフォルムになっている。

こういう怪獣をグリグリ動かせるのもゲームならでは。

 

 

分かりやすく悪人面になった改造ゴモラもいいね。

長い尻尾で相手の腹を貫くトドメ演出が衝撃。

後に映像作品の『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』で、

主人公の相棒であるゴモラのパワーアップ形態として登場したことでも有名だ。

ただ、主役側にしては凶悪過ぎるとスタッフも思ったのか、

早々に違うパワーアップ形態が出たのも印象的だな……。

 

改造ゴモラや改造レッドキングは

2015年の『ウルトラマンX』にも登場してるので

そちらで最初に見た人も多いかも。

 

 

逆に改造エレキングはほとんど再登場してないんだが……。

やっぱ見た目がキモいのとスーツ作れないからかな!

 

 

そして敵キャラで今回の目玉となるのが3体のカオスロイド!

ウルトラマン、セブン、タロウをコピーした黒いウルトラマンで、

光の国を襲撃してウルトラベルやウルトラキーを奪取!

ダーティな必殺技の数々を使いこなすナイスキャラだ。

 

 

カオスロイドTは体内に埋め込んだウルトラベルを使って攻撃をしてくる。

光の国は『ウルトラ銀河伝説』で再デザインされる前なので、

タロウの時のオモチャっぽいデザインが元。今となっては懐かしいね。

 

 

カオスロイドSは手に持ったウルトラキーで相手をボコボコにし、

トドメ演出ではウルトラキーの力で相手を星ごと爆破!

宇宙空間でカメラ目線を決めてWIN!ヤバい!

誰だよ!「キーなど問題ではない!」って言った奴!

 

このカオスロイドたち、カッコいいんだけど、

ストーリー上は1回戦って終わりと扱いは悪い。

その後、スーツが作られてショーに登場するようになり、

『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル第2弾』

で映像作品デビューもしてるが……。

全体的に扱いはあんまり良くないので、

ウルトラギャラクシーファイトで拾ってくれないかなぁ。

来てくれタルタロス!

 

 

そんなキャラたちが活躍するウルトラモードは完全なオリジナルストーリー。

かつてウルトラマンが倒した怪獣が次々と復活して地球は大混乱。

バルタン星人やメフィラス星人、カオスヘッダーなども絡んだ長編だ。

ウルトラマンたちは喋らず、「防衛チーム」の隊員2人による

ちょっとギャグっぽいナレーションで進行していく。

 

暴れる改造ゴモラを止めようとするコスモスや、

ブルトンが出現させた幻影アグルとの死闘。

そして光の国を襲撃するカオスロイドなど。

オリジナルだからこその展開が満載だ。

ゴモラのしっぽが切れるイベントがあるのも良し。

 

 

特定のイベントではここだけの演出もある。

ウルトラマンがプラズマスパークのエネルギーを吸収して発射する、

ギガスペシウム光線のド派手なエフェクトは必見!

ウルトラマンタロウとカオスロイドTで、

ウルトラダイナマイト合戦があるのも好き。

 

ただ、カオスロイドの扱いが雑だったり

黒幕であるメフィラス星人の作戦がただの侵略宇宙人と大差なかったり、

壮大なOPからするとやや肩透かしな展開も多い。

 

そこら辺は好みだけど難易度と隠し要素の出し方はかなりきつい!

まず勝利条件が分かりにくかったり、

連戦形式で1つのステージが長かったりする上に、

基本的にこっちが不利な状態で戦うステージばかり。

難易度イージーにしても苦戦する。

 

 

今回はステージ毎に用意されたミッションをクリアして、

ポイントを溜めると使えるキャラが増えていく。

ただ、面倒な条件が多くてかなり作業的になるし、

戦闘中に条件を確認できなかったり、リトライがすぐ出来ないのもストレス。

最後の隠しキャラであるメフィラス星人を出すには、

100個あるミッションをすべてこなす必要がある。

解放条件が悪質過ぎる!ウルトラしんどいぜ!

 

『ウルトラマンFE3』も隠し要素厳しかったけど、

あっちは原作再現して高ランク取るとか、

あるいは「頑張って原作をプレイヤーの手で壊す」ことで解禁だったので、

まだ納得出来たんだけど、今回はちょっとねぇ。

 

 

原作再現ではなく、

ゲームでしか体験できない新しいウルトラマンを目指した内容。

シン・ウルトラマンか……!

 

当時は賛否両論で演出がくどすぎるとの声もあったんだが、

今見ると現行作品であるニュージェネレーションや

『ウルトラギャラクシーファイト』のノリに近い。

最近の作品にセンスで全然負けてない。演出のバリエーションも凄い。

これを『ウルトラ銀河伝説』どころか

『ウルトラマンメビウス』すら放送されてない時期にやったとは!

本家に逆輸入された要素が多いのも頷ける力作。

ゲームとしても悪くないだけに、もっと難易度が低ければ……と思ってしまうね。