『シン・ウルトラマン』公開記念!
そして『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』配信記念!
7日間連続ウルトラゲームレビュー5本目は
『ウルトラマン Fighting Evolution 3』だ!
動画版はこちら。
パブリッシャー:バンプレスト
機種:プレイステーション2
ジャンル:格闘アクション
発売日:2004/12/2
価格(税込):6800円
前作から2年越しに登場した
『ウルトラマン Fighting Evolution』シリーズの3作目。
発売された2004年は映像作品だと、
『ウルトラマンネクサス』『ULTRAMAN』と同時期。
PS2では『ウルトラマン』『仮面ライダーブレイド』
『ゴジラ怪獣大乱闘 地球最終決戦』も発売される特撮ゲー祭りの年。
開発はこれまでと同じ株式会社メトロだ。
これまで参戦キャラは昭和シリーズのみだったが、
ついにティガ・ダイナ・ガイア・コスモスが参戦!
更に演出もモードも奇跡の超進化をしており、
今も「キャラゲーの名作と言えば?」という話題で必ず名前が上がるほど。
ウルトラファンならスマイル確実の1本だ!
オープニングではティガとウルトラマンがガンQと戦い、
ダイナとガイアがバルタン星人と戦うドリームマッチ。
多彩なウルトラマンと怪獣・宇宙人が死闘を繰り広げる映像が一気に流れ、
最後はティガとウルトラマンが握手をしてシメという見事な構成。
ついに実現した昭和・平成ウルトラの共演を盛り上げてくれる。
途中で『TAKE ME HIGHER』っぽいメロディが入ってるのがまたいいね。
参戦キャラは16体だった前作から37体にボリュームアップ!
ゾフィー/ウルトラマン/セブン/新マン/エース/タロウ/レオ/アストラ/80
ティガ/ダイナ/ガイア/アグル/コスモス/ジャスティス/レジェンド
バルタン星人/レッドキング/ゴモラ/ダダ/ゼットン/キングジョー
グドン/ツインテール/ベムスター/バキシム/エースキラー/エースロボット
タイラント/マグマ星人/もうそうウルトラセブン/ゴルザ
イーヴィルティガ/レイキュバス/ニセウルトラマンダイナ
ガンQ/グローカービショップ
この時点でボリュームがおかしい。
貴重な参戦となったウルトラマン80に加えて、
エースロボットにもうそうウルトラセブンまでいるのは驚き!
ニセ系が多いのはキャラを作る労力削減の事情もありそうだけど、
動きは個別で再現イベントもあるから水増し感は全然ないね。
更にストーリーモード限定の敵キャラとして
ガタノゾーア、シルバーブルーメ、ゾーリムも登場する。
様々なエピソードに挑むウルトラモードや、
好きなキャラでCPUと順番に戦うバトルモードがメイン。
ここは前作と同じ構成だが、やり込み要素が格段に増しているし、
新たに2人プレイで敵と戦えるタッグモードや、
自由にキャラを鑑賞できるビューモードなどが追加されている。
攻撃でふらふらゲージを溜めて吹っ飛ばすと、
ゲージの分だけふらふらするので、そのスキに必殺技を撃ち込む!
ゲージを沢山溜めてふっ飛ばすほど、強力な必殺技を当てられるぞ!
という基本システムは前作と一緒。完成度高いからね。
ただ、全体的にブラッシュアップされていて手触りが全然違う。
打撃が□と×ボタンの2種類になったし、
威力の弱い光線技を単発で出せるようにもなった。
ふっ飛ばし攻撃をガードした時にタイミング良くボタンを押せば、
カウンターや回り込みも出来る。
ティガなどの平成ウルトラマンはタイプチェンジも可能だ。
必殺技は4つのボタンから1つを選んで撃つ形式に変更。
そして撃たれた時に相手と同じボタンを押すことが出来れば、
バリアなどで防御可能。ただ撃たれっぱなしではないのだ。
全体的に高度な戦いが出来るようになったし、
アクションのバリエーションが増えたので単純に操作していて楽しい!
キャラの個性もより強くなったんだが、
特に極端なのがウルトラマンコスモス。
なんとルナモードでは通常攻撃が不可能!
出来るのはタイミング良くボタンを押して相手の攻撃を捌くことだけ。
相手の攻撃を10回捌くと、
ゲージが最大になってフルムーンレクトを発射して勝利だ!
ルナモード、原作でもある程度は戦ってたというツッコミ所はさておき、
「慈愛の戦士」の仕様として非常に面白い。
問題は機械の怪獣相手にはフルムーンレクト効かないし、
捌けない攻撃が多いから選んだ時点でめっちゃ不利ってことだが……。
超上級者向けのキャラ!
普通に戦えるエクリプスモードにチェンジするしかねぇ!
隠しキャラであるウルトラマンレジェンドは文句無しの最強キャラ。
基本性能が反則レベルで強い上に、必殺技が防御不可能かつ一撃死。
撃った瞬間に相手が消し飛んで決着が付く。コワイ!
しかし出してもメモリーカードにセーブが不可能。
電源を落とすたびに、もう一度条件を満たす必要があるぞ。
強すぎるからか、他のウルトラマンとの次元の違いを表現してるのか。
分からないけどコスモス周りの仕様は攻めてるなぁ。
キャラの作りだけでなく演出も大幅進化!
試合開始前に固有の登場演出が挟まるようになり、
ウルトラマンだとこのように変身シーンの再現がある。
必殺技のカメラワークなどもグッと良くなっていて、
怪獣にトドメを刺すと爆発してバラバラになる演出もある。
う~む、パワーアップしてる。
前作は必殺技が固定だったが、今回は条件を満たすことで増えていく。
増えた分はカスタマイズモードで付け替えが可能。
技によって発動までの時間が違うし、
沢山付けて選択肢を増やせば、敵に防がれにくくなる。
しかし、沢山付けると1つ辺りの威力が弱くなる。
魅力的な技が多いしどれを付けるか悩みどころ。
とにかく技数が多く、コスモミラクル光線のような大技から、
ウルトラ水流のようなネタ技まであるし、
ウルトラマンエースの無駄に多い切断技も徹底再現!
ギロチン技だけで4種類ある上に……。
ただのポン刀だったエースブレードもあるぞ!
ウルトラマンZでエースがこれ使った時は度肝抜かれたなぁ……。
ポーズ違いを別の技として収録してるこだわりも凄い。
エメリウム光線はABCの3タイプ収録してるし、M87光線も2タイプある。
そしてゾフィーは弱光線技でZ光線も使える!
あの「バードンを痺れさせた(当時の書籍より)」技だ!
メインとなるのは原作再現エピソードに挑むウルトラモードだが、
3本だった前作から20本に増加!増え過ぎ!
名シーン再現からネタっぽいものまで様々だ。
いくつか紹介しておこう。
すべてに原作再現のタイトル表示があるのがテンション上がる。
内容も見事な作り込み。
ティガ最終決戦を再現した「暗黒の支配者」では、
初戦で負けるとティガが石化し、
ガッツウイングでガタノゾーアを狙い撃つシーンに。
しばらく戦っているとグリッターティガが誕生して再戦という流れ。
シズマ会長「これは……あの時と同じ!」
頑張ればグリッターにならず勝てるのも良い。
「死刑!ウルトラ五兄弟」はエースの再現シナリオだが、
前座としてエースロボットを操作してエースキラーと戦う場面からスタート。
原作を再現した負けイベントで、
この後にエースvsエースキラーの戦いが始まる。
スペースQでのトドメもある凝った作りなんだが……。
こちらも頑張ればエースロボットでエースキラーに勝利可能!
「強すぎたエースロボット」という特別な称号が表示されて最高ランクだ。
こんなんズルいだろ!
たぶんこの後ウルトラ兄弟がエースロボットに
「助かったぞエース!」「なんだか無口になったんじゃないか?」
とか言うんだろうな。セブン辺りが言いそう。
『仮面ライダーバトライドウォー創生』に
「強すぎた本郷猛」ってトロフィーがあるんだけど、絶対これが元ネタだと思う。
「怪獣標本」はダダが主役のシナリオ。
ウルトラマンは強い!なので、
各地で怪獣を捕まえてウルトラマンにけしかけて倒そう!という展開だ。
怪獣の力、お借りします!
日本各地でベムスター、レイキュバス、ガンQなど怪獣が暴れ回ってるので、
好きな怪獣を捕まえに行く。
普通に劇場版レベルのピンチじゃないかな!?
ある程度戦ってるとウルトラマンがやってくるので、
捕まえた怪獣を使って順番に戦うという構成だ。
よーし!じゃあゼットンから捕まえに行くかな!
ゼットン捕まえられるならウルトラマン倒せるだろ!
というツッコミはさておき、
小さくなった怪獣を捕まえて「ダダ~!」って喜ぶシーン面白くて好き。
他にも80vsもうそうウルトラセブンとか、
このゲーム以外で実装されなさそうなレアエピソードもあるし、
Sランクや特殊クリアを狙ってやり込むと歯応え満点。
アクションゲーム慣れしてる人間でも苦戦は必死だ。
今回からチュートリアルも実装。
ゾフィーがタロウに稽古をつける形式なのがニクい作り。
順を追って基本システムを学べるようになっているぞ。
ゾフィー兄さん、訓練とはいえウルトラダイナマイトを喰らっても
「ううむ、すごい攻撃力だ」で済ませるの強すぎる……。
ビューモードも追加。選んだキャラのモデリングを鑑賞出来て、
援護してくれる防衛チームの機体までじっくり見れちゃう、
BGMも切り替えられるのでサウンドテスト代わりにも使える。
とりあえず『ウルトラギャラクシーファイト運命の激突』で
数十年越しにスポットが当たるアストラでも見ておこう。
保存数は減ってしまったがリプレイモードも健在。
今回もゲージを消した状態で、8種類の視点からバトルを鑑賞できる。
この車越しのアングルが特にいいね。
素晴らしいゲームだが、隠し要素はノーヒントのため、
攻略情報入れないとキャラや必殺技を含めたコンプリートはほとんど不可能。
特定のウルトラマンに特定の必殺技をセットしてクリア、とかね。
加えてウルトラモードの難易度がかなり高いので苦戦は必死。
ウルトラマン80の出現条件がめちゃくちゃ厳しくて、
特に「ウルトラモードをすべてAランク以上でクリア」には苦労させられたよ……!
歴代ウルトラマンたちの激闘をそのまま詰め込んだ決定版。
グラフィックのデキに加えて純粋に対戦アクションとしての手触りが良く
好きな組み合わせでCPU戦を延々遊ぶだけで時間が溶ける!
今の目で見ても、こんなゲーム二度と作れないのでは?と思うほどの傑作。
ボリュームもやり込み要素もグランドキング級だ!
そして原作再現は本作でやり尽くしたという理由で、
次回作からは路線が変わっていき、そのままシリーズは止まってしまう。
そういう流れも含めて、今も惜しまれるオンリーワンの1本だね。