Battle Chef Brigade|Nintendo Switchソフト|任天堂
Battle Chef Brigadeのレビュー行くぜ!
メーカー:Adult Swim Games
機種:Switch/PS4/PCダウンロード専用ソフト
ジャンル:ハンティングアクション&クッキングパズルバトル
発売日:2017/11/23(Switch) 2018/12/18(PS4)
価格:税込2100円
海外のインディーゲームで、
「料理の鉄人」のパロっぽい要素もある料理バトルゲームだ。
アクションゲームで魔物を狩って食材を集め、パズルゲームで調理して料理を作る!
審査員の好みを加味しつつ対戦相手より素晴らしい料理を作れば勝利だ!
スクリーンショットを見ただけで分かるビジュアル面の凝りっぷりは見事だが、
なかなか見ないタイプのゲーム内容なだけにシステムやバランスはどうかな……。
と遊んでみたがこれが見事なベストマッチ!
登場キャラクター達も含めてよく出来た作品だったぜ。
大飢饉を経て魔物を使った料理が発達し、
最強のシェフ兵で構成された軍隊
「バトルシェフ・ブリゲード」が人々の食のために尽力している世界が舞台。
今年もブリゲードへの入隊を決める「考試大会」が開かれるため、
田舎のレストランでひっそり腕を磨いていた主人公のミナが上京して大会に挑む!
果たしてミナは大会で勝利して入隊できるのか?!
という世界観とストーリーになっているぜ。
元気いっぱいなミナを筆頭に魅力的なキャラ揃い。
登場キャラがかなり多いにも関わらずみんな生き生きと表情を変えるし、
細かい動きもしっかり表現されている。
仲間にオークがいたり、道にドワーフのおっさんが座ってたり、
双頭のサイクロップスが露店をやってたり
色々な種族が自然に溶け込んで生活している雰囲気も良いね。
背景やキャラの描き込みは本当に凝っていて、
基本は引いた視点で進むんだが、
たまにキャラがアップになるとイベント用の一枚絵にしか見えなくなる。
かなり西村キヌっぽい画風だからカプコンのゲームを遊んでる気分になるな。
仰々しい前口上と共に始まる料理バトルは、
制限時間以内に料理を作って審査員に出し、得点が高い方が勝ち。
料理はテーマ食材を使わないと減点されるし制限時間内に作れなくても減点。、
審査員のリクエストに応えないとボーナス得点が入らない。
審査員の数が多いときは料理を人数分作る必要もあるので難しいぞ。
ちなみに対戦相手を直接攻撃したり、料理を奪ったりは出来ない!
始まったらまず調理場から左に移動してフィールドに出発。
ダガーや魔法、ジャンプ攻撃などを駆使してモンスターを倒して食材ゲット。
木の実なども使えるのでどんどん回収。しかし所持数には制限があるので注意。
モンスターの位置などは固定で、一度調理場に戻って時間が経過すると復活するため、
繰り返しプレイして行動ルートを構築すれば効率良く食材を回収できるぜ。
フィールドはいくつか種類があって料理バトルによって自動的で選ばれる。
どこもそこまで広くないがだいたい最奥にはボスがいて、
もちろん強敵だがボスから取れる食材は効果が大きい。
バトルによってはテーマ食材に設定されることも。
魔法を多段ヒットさせたり、
踏みつけ攻撃でヒラリと敵の攻撃を避けながらダメージを与えたり、
ダガー連発で体力を削ったりとなかなか動かしてて気持ち良い。
食材が集まったら調理場に戻ってパズルゲームで料理作成!
料理に使う鍋を選択して、そこに食材を選んで投下してかき混ぜていく。
投下した食材は色のついたジェムとなり、
同じ色のジェムを3つ並べると1つにまとまってレベルアップ。
レベルの高いジェムが沢山あるほど総合得点が高くなるのだ。
ちなみにジェムの最高レベルは3。
スライムの肉だったら水属性の青いジェムになるし
レア食材だと最初からレベルの高いジェムが混じってたりもするので、
テーマ食材と審査員の好みも考えてレベルを上げていこう。
調理中に食材が足りなくなったらまたフィールドに出かけて追加で狩りに出発だ。
3つくっ付けると万能ジェムになるがそのままでは得点にならない骨や、
かき混ぜすぎると割れてレベルが下がってしまうヒビの入ったジェム。
かき混ぜすぎると破裂して周りのジェムのレベルを落とす上に、
残したまま審査員に提出すると減点される毒ジェムなどもあり、一筋縄ではいかない。
出来上がった料理を審査員に提出すればOKだ。ドラゴンバーベキューうまそう!
ぷるるんスライム餅も食べてみたい!
これはまずそう!
審査員がいかにもそれっぽいコメントをしてくれるのがイイ。
試合によって審査員の顔ぶれが変化するし、
料理に毒を残すと自分は毒に耐性がある種族だけど進んで食べようとは思わないとか、
料理に毒を入れられてるのは慣れているとか、
キャラ毎に違う皮肉コメントをするのがまた面白い。
っていうか料理に毒を入れて減点で済むのが凄いわ!
料理バトルに重要になってくるのが装備アイテムで、
アクションパートを有利にする戦闘用装備、パズルパートを有利にする調味料や料理本、
そして調理台にセット出来る鍋やまな板などの料理道具を
それぞれ3つずつ装備可能だ。
戦闘用の装備だったら2段ジャンプが可能になったり、
魔法が強くなったり、持てる食材が増えたりする。
調味料は食材と一緒に強力なジェムとして使えたり、
ジェムを別の色に変えたり出来る。
料理本は装備して特定の条件を満たせば料理にボーナスがつく。
料理道具はパズルのルールが変わる。
基本の鍋だったら「同じ色のジェムを3つ並べるとレベルが上がる」だけど、
「緑色のジェムしかレベル上がらないが、2つ並べただけでレベルが上がる」
なんて鍋があったりするし
「同じ色のジェムを4つ並べないとレベルが上がらないが、4つ並べればレベル最高になる」なんてのもある。
鍋に入れた料理は出し入れが自由なので、
異なるルールの鍋を行ったり来たりさせて料理の完成度をどんどん上げられるぜ。
いらないジェムを消せるまな板なんてのもあって、
骨や毒の入った料理をまな板に移動させて、包丁で取り除いてから調理……という、
ホントの料理っぽいことも出来たりする。
料理バトルに勝つにはこの装備の組み合わせも非常に重要だ。
装備は料理バトル前に街で購入可能。
街ではモンスターを一定以上狩るとか、
制限時間以内に短いパズルをどんどんこなすようなサブイベントが請けられて、
これをクリアすることでお金が貰える。
アクションとパズルゲームの融合かと思いきや、更に隠し味としてRPG要素もあり、
それがまたピリリといい味を出している。
こういうところも含めてシステムはホントによく出来ていて、
アクションパートとパズルパートのどちらか片方だけなら
そこまで難しくないんだけど、両方を均等にこなしつつ、
制限時間内で完成度の高い料理を作ろうとするとかなり悩まされる作り。
かといってシステム自体はそこまで複雑じゃないというのも上手いね。
「様々な道具で食材を料理する=様々なルールでジェムを消していく」
「毒や骨を取り除く=おじゃまブロックを消す」みたいに、
料理という題材をパズルゲームに落とし込む腕があまりに見事だぜ。
パズルゲームなのに遊んでると料理してる感がある。
中盤から難易度が上がってくるので、
装備と審査員の好みとモンスターの強さを考えながらの試行錯誤がめっちゃ楽しい!
本編は難易度ノーマルとハードがあるし、様々なお題に挑戦するチャレンジモードや
毎日違う条件の料理バトルが配信されるデイリーチャレンジもある。
なかなかやり込める作りになっているぜ。
ストーリーもまた良いんだよなあ。
世界観はぶっ飛んでるんだけど
コテコテの温かい話をしっかりやってくれてグッと来る。
メインキャラそれぞれが出来ることを頑張ってやってる流れがいいんだわ。
エピソードの挟み方がやや唐突だったが、オークのスラッシュさんのエピソード好き。
かと思うと料理人やってるネクロマンサーが出てきて主人公がドン引きしたり、
主人公が宿屋の主人とすっとぼけた会話を繰り広げたりするのが笑える。
ローカライズは長いセリフだとやや表現が硬い時もあるけど十分かな。
フォントはもうちょっと頑張って欲しかったところもあったが。
気になった点としては料理バトル中に
もうちょっと対戦相手とのやり取りが欲しかったところ。
食材を奪い合う要素などは一切なく、
完全に個別に分かれて狩りと調理をするので「対決」感がやや薄い。
対決中に軽く会話をするくらいはあるんだが、
もうちょっとガッツリした絡みが見たかった。
あと、中盤からの難易度上昇に対して救済措置が何にもないので、
詰まるとちょっと苦労するかも。
装備を変更して何度でもやり直すことは出来るので、諦めず料理し続けるのみだ。
一番残念なのは魅力的なのに出番が少ししかない脇役が多いところだよ!
ストーリーは一区切りしたところで綺麗に終わってるし
主人公周りの話は良かったんだが、それだけに食い足りなさがあるぜ。
キリンさんのエピソードがもっと見たかった。
ノーマルで1周クリアするのに10時間くらいかな。
見事な手書きグラフィックと、それに負けない練られたシステムで満足の一品。
美味い料理だったぜ。ごちそうさん!