『屍喰らいの冒険メシ』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:日本一ソフトウェア
機種:PS4/Switch
ジャンル:サバイバルシミュレーションRPG
発売日:2022/01/27
価格(税込):7678円
毎度お馴染み、日本一ソフトウェアがフルプライスで送る完全新作。
魔物を料理して喰いながらダンジョンを踏破するRPGだ!
同じことの繰り返しになりがちな内容ではあるんだが、
「魔物を喰ってでも突き進むサバイバルなゲーム」として
なかなか面白い1本だったぜ。
まずは主人公のキャラメイクからスタート。
ベースとなる8キャラから1人を選び、
顔のパーツや髪型、身長や肌の色などをいじっていく。
パーツの種類がそこまで多くないのが残念だが、
原田たけひとがデザインしてる3Dキャラをエディット出来るのは嬉しい。
よし!かわいいキャラが出来たぜー!
そのかわいいキャラがオープニングで魔物の死体を喰って吐いてるぜー!
日本一ソフトウェアそういうとこあるよな。
封印の地と呼ばれたダンジョンで遭難した主人公たちが脱出を目指すストーリー。
基本的にナレーションで進行し、主人公も仲間もセリフを喋ったりはしない作りだ。
あるのはゲーム中の掛け声や悲鳴のみ。
主人公以外のパーティメンバー1~3人もキャラメイクで作り、
拠点からのダンジョン攻略がスタート。
セーブは出来るが、やられたら拠点から毎回やり直し。
探索して食材やアイテムを回収し、階段を探して次のフロアへ進んでいく構成。
探索で減るカロリーと水分のパラメーターがあり、
これがゼロになると大ダメージを受け続けて最終的に死ぬ。
また、時間経過で夜になると敵がパワーアップする要素もある。
手持ちの食料と相談しながら、手早く探索をする必要があるってわけね。
階段では次のフロアに進むか休憩するかを選択可能で、
休憩すると集めた食材を使っての料理などが可能だ。
休憩を選ぶことでのペナルティは特になし。
歩き回ってるモンスターと接触すると戦闘開始。
シミュレーションRPG風で1戦1戦はテンポ良く進む。
高低差や攻撃する方向でダメージが変化するオーソドックスな作り。
めっちゃ強い敵がウロウロしてることもあるので、時には逃げることも大事だ。
倒した敵からは戦闘終了後に食材を取れるが、
戦闘中に「屍喰らい」を選べばその場で丸かじり!
効果は敵によって異なるが、その戦闘に限りパワーアップだ。
ボス戦だと周りのザコを食べてパワーアップしてからボスを殴る!
みたいな立ち回りが有効だったりする。
戦闘の演出高速化など設定項目が細かくて快適。
いつもの新規IPより力入ってる気がするけどアサツグトリくんはどう思う?
設定で規制ONにするとグロい食材も見えなくなるぞ!
いや十分嫌なんですけども!
祭壇を発見できると、戦闘などで貯めた魔石を使ってランダムに願い事を叶えられる。
全滅して拠点に戻る以外だと、死亡したキャラの復活はここでしか出来ない。
覚えたスキルがリセットされるのでペナルティは重め。
出来るだけ死なせずに行きたい。
祭壇は願い事の種類が少なくて、
普通に遊ぶとステータスアップを取るくらいになるのは残念なとこかな。
もうちょっと幅が欲しかった。
休憩では楽しい料理&アイテム整理タイムだ。
集めた食材を元に料理を作り、ステータスを底上げしていく。
休むを選ぶと時間が経過して体力も回復するが、
カロリーと水分も消費するのでしっかり食べないと休めない。
数十種類用意された料理の効果はステータスアップの他に、
様々補正や耐性が付くもの、特定の武器スキルアップまで様々。
パーティメンバーの特徴を踏まえた食事が必要だ。
大量の料理を作ってステータスをコツコツ上げ、
スキルもガンガン重ね掛けしていくのが楽しいゲーム。
食材を攻撃力アップ料理に全振りして、アタッカーを筋肉ダルマにするとか、
ちょっと極端な成長にする方が遊んでて気持ちいいかな。
魔法使いにスタミナ料理大量に食わせて最大HP上げるのもアリ。
食材は魔物なのでゲテモノ寄りの料理が多い。
虫料理も盛り沢山!「黒光りするG」も料理に使えるぞ!
序盤は虫料理や草料理ばかり食うことになる。
「おいしくて つよくなる」なんてまだ早い!
「まずくて つよくなる」料理から初めなければならないのだ!
料理ゲーって遊んでるとお腹が空いてくるものだけど、これは真逆。
長時間プレイにも優しい仕様です。
マズい料理を食べると「幸福度」が下がっていき、ゼロになると発狂。
しばらくの間操作を受け付けなくなり、自傷行為で死ぬこともある。
適度に美味いものを食べないと体より先に心が死ぬシステム。
虫や石や木をダイレクトに食べると幸福度がゴリゴリ下がっていくぜ!
まず石をそのまま食えること自体が凄い気がするが……。
食材は料理にせずそのまま加工することも可能。
加工することで栄養価がグッと上がったり、意外な便利効果が発生したり、
マイナス効果が付いちゃったり、違う食材に変化したり。
活用していくと世界が広がる。
加工するまでどういう効果があるかは分からないが、
一度加工したものに関しては効果が記録される。
試行錯誤すればするほど知識が蓄積されていくってわけね。
序盤はショボい料理を沢山作ったり、
余った枯れ草を焼いたり煮たりしてカロリーや水分を繋ぐことになるが……。
ゲームを進んで新しい調理器具やレシピが増えていくと、
「この食材からこんな料理が作れたのか!」と、立ち回りが変わっていく。
罠を設置しての食材大量ゲットも出来るようになる。
「発狂回復」の食材が作れるようになったら、
発狂するまでゲテモノ料理を喰いまくり、
発狂回復アイテムで正気に戻って大幅パワーアップという、
サイヤ人みたいな立ち回りも可能になるぞ。
この行動が既に正気ではないな!
ゲームが進めば米やパスタ、小麦粉などをが手に入り、
料理らしい料理も作れるようになっていくぞ!
虫料理やサラダで食いつなぐ期間が長いので感動する。
まあ、本当の米じゃなくて、幼虫を焼いた米ソックリの「バグライス」とかなんだけど……。
ゲームが進むと美味しそうで効果が高いものも作れるようになる。
こちらはみんな大好きハンバーグだ!まあ材料は……だがな!
探索で見つかる装備アイテムにはレア度や付属するスキルがランダム。
強い装備を集めるために繰り返し遊ぶことになる。みんな大好きハクスラ要素だ。
10階ごとに発生するボス戦では安定して強いアクセサリーが手に入るのがありがたい。
全滅するとレベルなどがリセットされて最初からやり直し。
ただ、装備アイテムや覚えた魔法、重要アイテムなどは引き継がれるので、
繰り返し遊べば少しずつ強くなれる仕様。
ある程度進めばショートカットも解禁される。
ストーリーは薄味だが、その分フレーバーテキストに力が入っている。
食材や装備アイテム1個1個に解説がガッツリあるし、
設定面を補強する重要アイテムもあちこちに散らばってる。
読んでいて楽しい作りだね。
やってて面白いゲームではあるんだが、
基本的に地道な作業の繰り返しでちょっと単調だ。
新しい食材やレシピが手に入ると楽しいけどそこまでが長い。
集めた食材とにらめっこしながら料理を作って食う時間の方が、
探索や戦闘より長いのでは?ってくらい地道なステータス上げがメインのゲーム。
そこが面白いところではあるんだが地味!
戦闘面だと死体に攻撃が当たると消える仕様が邪魔。
敵の範囲攻撃に敵の死体が巻き込まれて消えてしまい、
せっかく敵の大群を倒したのに死体を漁れず、全然稼げない……ってことが頻発する。
敵が大量発生するモンスターハウスがあるんだけど、
この仕様のせいで旨味がかなり減ってしまう。
装備アイテムを使ってると耐久度が下がって性能が落ちる仕様と、
レア度の分だけ強化アイテムで強く出来る仕様もいらないかなぁ。
というのも、強化アイテムも修理アイテムも序盤から簡単に作れるため、
「少ないリソースをどの装備に使うか?」と悩むことは一切なく、
単に強化と修理をする手間が増えるだけになっている。
修理作業が結構面倒なこともあってだるかった。
アップデートパッチ1.20について | 屍喰らいの冒険メシ | 日本一ソフトウェア
3月予定のアプデで色々快適にはなるようだ。
PS5で遊んだ俺は遭遇しなかったが、ちょいちょいフリーズする報告がされてる。
その対策なのか、アプデで1階毎の休憩でセーブが可能になったぞ。
当初は「10階ごとにしかセーブ出来ない」仕様だったので、
これで難易度が大幅に下がった。思い切りが良いというかなんというか……。
個人的にはセーブ手軽な方が丁度良いバランスに感じる。
クリアまで30~40時間くらいかな。
クリア後は果てしない隠しダンジョンも登場するのでやり込みは無限大。
「日本一ソフトウェアの新規IPは面白いけど値段が高い」と言われるたびに、
俺は「いや、普通にダメなゲームも結構あるぞ!」と思ってたんだけど、
これは素直に「面白いけど値段が高い」と言えるゲームだったね。
誉め言葉じゃない気がする。
延々と遊んじゃうゲームではあるし、
草や虫を喰ってでも生き延びるサバイバル感や、
試行錯誤で得た知識がそのまま力になるシステムは好きだった。
面白いゲームではあるので、
興味があればセールになった辺りで……ってところかな。