絶対SIMPLE主義

Switch/PS4のダウンロード専用ソフトを中心に全方位でゲーム紹介するブログ。SIMPLEシリーズも応援中。

「高橋名人のゲーム35年史」読了!面白エピソード満載!名人だからこそ書けた視点の一冊だ!

IMG_0360_20180714112502cfe.jpg

(153)高橋名人のゲーム35年史 (ポプラ新書) | 高橋名人 |本 | 通販 | Amazon

『高橋名人のゲーム35年史』を読み終えたので感想を書いておくぜ!

2018年7月10日に864円で発売された本で、

説明不要のレジェンド「高橋名人」が自身の活動を振り返りながら

ゲームに関する話と当時の裏話を書いた1冊だ。

俺は高橋名人世代ではないんだけど、

それでも子供のころからよく見てきた有名人なので楽しく読めた。

ファミコンブーム当時の熱狂が伝わって来たし、

ブーム後の話も細かいところで面白いエピソードが多かったぜ。

パソコンのプログラムに興味があったというところからハドソンに興味を持って、

社長に気に入られて入社した導入や、

ファミコンに合わせて『ロードランナー』の画面をスクロールさせるようにしたら

開発元に反対されて説得した話、『ロードランナー』が100万本売れて、

それまでのハドソンの1年分の売り上げを1本で稼ぎ出したとか。

キャラバン用にトレーラーを作ったとか、ダイエーと協力して全国のスーパー回ったとか。

やっぱ当時の勢いは色々と凄い。イベントの話は何もかも今じゃ考えられない規模だわ。

有名な「ゲームは1日1時間」「別にナスビは嫌いではない」

「映画化」「高橋名人逮捕説」辺りもしっかり触れられてるぜ。

最初のサイン会は急に決まってサインも何も考えてなかったので

開始から終わりまでにサインが3回も変わったとか、

『高橋名人の冒険島』を出したら子供にマリオの真似って言われたとかの細かい話が好き。

コロコロで連載した『高橋名人物語』について、

うんこを投げるキャラにされたのは未だに不本意だったらしくてそこも笑った。

ファミコンブーム後は宣伝部でPCエンジンのパッケージやマニュアルを作っていたとか、

PCエンジンのソフトが「Huカード」だった理由とか、裏方ならではの面白い話が満載だったし、

iモードで『スターソルジャー』を動かした時の話などもなかなか貴重。

ハドソン社長の色んな意味での豪快さや大雑把さも、

なんというか、今見ると面白いけど、今見ると色々と複雑だな!

「これまで名人が触れてきたゲーム機・ゲームソフト」の項目では、

ハドソン関係なく様々なタイトルとハードに触れていて、

初代プレイステーションで衝撃的だったのは流通の仕組みだったとか

初代ニンテンドーDSでは『脳トレ』と一緒に『ラブプラス』を取り上げていたり、

『きね子』と『立体ピクロス2』を激推ししてたりと話題が幅広い。

ニンテンドウ64の話題では、ロード時間の関係で64で出したかった開発スタッフと、

プレイステーションで出したかった宣伝側で意見が分かれ、

結局64で発売した『ゲッターラブ』についての反省もあって面白い。

夏のキャラバンでゲームボーイの『ボンバーボーイ』を使おうという話があって、

結局、実現はしなかったから良かったものの、

画面をどう映すかなどで宣伝担当者として頭を悩ませた話なんかも良かったね。

『高橋名人』はファミコンブーム絶頂期で生まれた元祖ファミコン名人として有名だけど、

当然、ファミコンブームが終わった後もハドソンの営業や宣伝として色々なことをやってきたし、

今もネット番組やイベントで活躍している。

ゲーム業界の表舞台と裏方の両方を見てきて、

今も走り続ける男のまさに「35年史」だという濃厚な一冊だ。

遊んだゲームに関する話はもっと読みたかったなあ。

数十年前の話なので名人の記憶違いではと指摘されている箇所もあったりするんだが、

それでも十分に読む価値ある内容だと思うぜ。良著だった!